SGO/スローターゲイル・オンライン-情報非対称性のモラルハザード- 作:BaSH.sh
私が仇者を壊す
それは幸せを踏みにじる者への復讐である。
私は、それを誓い身心を捧げる。
傍若無人のモンスターペアレント
2017年より6年後である2023年の今日、緋ヶ咲和爾という名を持つ私は新たな道を歩むことになる。
しかし、ここでは門出より3年前に立ち戻ることにする。
───────もっと、強く抱きしめさせてくれ
何度目か分からない焦燥感と非常な現実が私を襲う。
「───────お兄ちゃん、助けて……!!」
小さく上がる悲鳴、微かな声を現実が押し潰す為に肉親は傍若無人に振る舞う。
ボイスチャットをしている相手側から男性の声が響く。
やがて、男性の声が近付く。
「うるせぇ!!泣くんじゃねぇ!!黙れ!!!いい加減にしろ!!!うるっせぇんだよ!!」
響く怒号、モラルの欠片など一切に無い。
インターネットで死に直面し、同様に死を迎えるなど容易い状況にあった人々を仮想の牢から解放した張本人の私は状況を一瞬で理解する。
TDV、正しく言い直せば伝統的家庭内暴力というモノが未だ続き、親が子を私物化して道具とまで位置づける最悪の風習が根付いた家庭であること、それを私は理解した。
余りにも邪知暴虐の限りを体現する行動、そして傍若無人に暴力的支配と行き過ぎた資本主義が渦巻いている。
「い、痛い……やめて!!」
「あァ?うるせぇな、ぶっ飛ばすぞ?それとも死にてェのか?」
「や、や"だ……死に"だぐな"い"ぃ"」
「俺の言う事が聞けないなら死ね、殺すぞ?」
───────当の昔に俺は死という事象を身をもって知ってる。
貴様の傲慢で愚かな思考は思慮が浅く、自らの言説を誇示する理由に、子を使うなど許されない事象であることを知るべきなのだ。
その感情は私に理不尽を破壊しろと囁いている。
大きな物音、怒号と悲鳴が更に続く。
その子がボイスチャットに戻る。
「ぁあ……うぅ、うぁ……い、いぃ……」
鼻をズルズルと鳴らし、美しかった音色の声は明らかに虚しく、寂しさに焦がされて死を選択する間際に近い。
「大丈夫か?」
泣き止まず、しかし愛情と好意が締め付けて嘘を着いてしまう。
「う……ん、大丈夫………だよ」
それは明らかに大丈夫な様子ではなく、私の過去に植え付けられた死の恐怖を呼び覚ました。
「ずっと俺が一緒に居る、何も傷つけたくない」
「あ……ありがとう、お兄ちゃんっ!!すき……だいすきーっ!!」
「俺も好きだよ、だから頼む……ずっと一緒に居させてほしい」
「いいよ、お兄ちゃん……!!だって、愛してるから……!!」
私が救い続けようとしていた、この世界は根本的に残酷だったが故に気づいてしまったのだ。
私も、妹を愛してること。
私にとって、最愛の存在が妹であること。
お久しぶりです、昔に書いた自分の小説で続編を書くことにしました。
私が普段から感じる息苦しい現実が詰め込まれていくこと、そして内容が難解になってしまう可能性が高いことをお許しください。
では、最後に1つ。
あなたは何が見えて何を求め、何を許し何を壊すことが出来るでしょうか