転生先は美少女秘書の居る魔法図書館でした。寂しがり屋でちょっぴりえっちな美少女司書と毎日イチャラブセックス三昧 ~陰キャ童貞からの逆転勝ち組人生~ 作:味のないお茶
ノエルside ③
早朝。まだ誰も起きていない時間に私は目を覚ますようにしていました。
リュウトさんの世界には『目覚まし時計』という物があり、それを使って目を覚ます。と言うのが主流のようですが、私は自分の意思で決めていた時間に目を覚ますことが出来ます。
小さな特技。と言うやつですね。
「……すぅ……すぅ……ごめんなさい……お姉ちゃん」
隣では、私の可愛い妹のルエルが涙を流しながら眠っていました。
ごめんなさい。というのは、きっと昨晩のことを言っているのでしょうね。
彼女がリュウトさんと一線を越える行為をしていたのは、この部屋にいても聞こえていました。
最初は嫌っていたはずなのに、あっという間に仲良くなっていく二人に私はとても驚いてしまいました。
ですが、お似合いのようにも見えてしまいました。
「ルエルには……私には無いものがありますからね。リュウトさんも……こんな貧乳より、彼女の方が良いですよね……」
私はルエルを起こさないように気を付けながら、身体を抱きしめていた腕をどかしてベッドを出ました。
そして、隣の部屋に居るリュウトさんの様子を見に向かいました。
「…………ん……ぅ……」
オレンジ色の玉電に照らされて、リュウトさんもまだ寝ているようでした。
私は彼を起こさないようにゆっくりと近づいて行きました。
「……リュウトさん。大好きです……ルエルをよろしくお願いしますね……」
私はそう呟いて、彼の頬にキスをしました。
「……ん……ノエル」
「……え。リュ、リュウト……さん?」
リュウトさんから名前を呼ばれ、彼を起こしてしまったかと思いましたが、どうやら寝言のようでした。
「……すぅ……すぅ……」
「……良かったです」
私は目的を果たしたので、彼の部屋を後にしました。
そして、洗面所で顔を洗ったあと、寝間着から私服へと着替えます。
その後はテーブルの上に置いてあったメモ紙とペンを手に取って、二人に言葉を残しておくことにしました。
「あはは……私はリュウトさんのメモを見落としてしまいましたが、二人には見て貰えると助かりますね」
私はそう呟いてから、メモ紙に言葉を残しました。
『リュウトさん。短い間でしたがありがとうございました。貴方と過ごした時間は私の宝物です。ルエルは私と同じで寂しがり屋な女の子です。可愛がってあげてください。邪魔者はここで失礼しようと思います。……さようなら』
ポタリ……ポタリ……と紙の上に涙が落ちてしまいました。
「い、いけない……これじゃあ気にしてくださいって言ってるようなものじゃないですか……」
ですが、あまりモタモタしていると、決心が鈍ってしまうかも知れません。
それに、二人が起きてしまうかもしれないです。
私は涙で文字が滲んだメモはそのままにして、居間を後にしました。
そして、玄関へと向かい靴に履き替えたあと静かに家を出ます。
目の前に広がるのは本の森。魔法図書館。私が十年の時を過した場所です。
この場所の管理は二人に任せて、私は転生の扉でどこが違う世界に行き、そこで暮らすことにしましょう。
私はそう心に決めていました。
もうここには戻ることは無いですね。そう思うと感慨深いものがありますね。
私はゆっくりと周りを見渡しながら歩いて行きました。
すると、リュウトさんを呼び出した場所へとやって来ました。
「……ふふふ。ここでリュウトさんと出会えたんですよね。ついこないだの事なのに、遠い昔のことにも思えます」
『……珍しいですね』なんて、自分で呼び出しておきながら白々しいことを言っていたものだと思ってしまいます。
そうしていると、転生の扉があるカウンターへとやって来ました。
「……あれを開けて、中に入れば違う世界に行くことが出来ます……出来れば、変な世界では無いことを祈りたいものです」
ご、ゴブリンとかオークの巣に放り込まれて、えっちな目に合う。と言うのも僅かながらにあると聞きますが……
そ、そんなことにはなりたくないです……
「はぁ……はぁ……」
少しだけ緊張してきた私は、胸に手を当てて呼吸を整えていきます。
そして、転生の扉のドアノブに手をかけました。
さぁ、躊躇わない!!開けるんです!!もうこの世界に私の居場所は無いんですから……っ!!
私は唇を噛みしめて、手に力を入れました。
……その時でした。
「ノエル!!」
「お姉ちゃん!!」
「………………え?」
ここに居るはずの無い声に振り向くと、寝巻き姿のまま血相を変えたリュウトさんとルエルがこちらに向かって走って来ていました。