転生先は美少女秘書の居る魔法図書館でした。寂しがり屋でちょっぴりえっちな美少女司書と毎日イチャラブセックス三昧 ~陰キャ童貞からの逆転勝ち組人生~ 作:味のないお茶
第十七話
「起きて!!起きてよリュウト!!」
早朝。いつものベッドでは無く布団で寝ていた俺は、ルエルのかなり焦ったような声で目を覚ました。
微睡みの中で、ノエルからキスをされたような気もしたが、あれは夢か現か……
「朝起きたらお姉ちゃんが居ないの!!もうどうしたらいいかわからない!!」
「ノエルが居ない!?」
ルエルの言葉で一気に眠気が吹き飛んだ俺は、布団の横にいたルエルに声を張り上げた。
「昨日の夜。話をした時から少し様子がおかしかったの……多分、私とリュウトがえっちをしてたのを……聞いてたんだと思ってる……」
「……そうか」
考えてみれば、あれだけ激しく隣で行為に及んでいたんだ。普通に考えれば気付かれても当然だろう。
「ノエルが居ないのを知ったのは何時だ?」
「い、今よ。今起きて、隣にお姉ちゃんが居ないことを知って、リュウトの所に来たから」
「わかった。とりあえず居間に行こう」
何も言わずに出て行く。ノエルの性格を思えばそうしたとは考えにくい。
きっと手紙か何かを残しているはずだ。
そして、俺とルエルは寝間着のまま居間へと向かった。
居間へと向かう途中。ルエルが俺に話をした。
「……昨日。私はお姉ちゃんの身体を抱きしめながら寝たの」
「そうか。途中で目を覚ましてたって話だったな」
「……うん。喉が渇いて目が覚めたの。居間に行ったらお姉ちゃんが居て……泣いてたの」
……何をしてるんだよ俺は。
ノエルに寂しい思いはさせない。そう心に決めてたはずなのに……
「……私の、私のせいよ。私が……お姉ちゃんの大切な人に手を出したから……」
「いや、ルエルは何も悪くない。全部俺が……ってこんな話をしてる場合じゃないな」
そうだ。今はこんな後悔をしている時間は無いんだ。
一刻も早くノエルの場所に向かわなければならない。
そして、居間へとやって来た俺とルエルは、テーブルの上に置かれたメモ紙に気が付いた。
「やっぱり、書き置きがあったな」
「……これ、私たちの国の文字で書かれてるから、私じゃないと読めな……」
メモ紙を手にして、中身を確認したルエルから……表情が消えた。
「……なんて書いてあった」
俺の言葉に、ルエルは涙を流しながら答える。
「邪魔者は消える。さようならって……ごめんなさい……ごめんなさい……ごめんなさい……お姉ちゃん……」
ルエルはメモ紙を握りしめて座り込んでしまった。
だが、俺は諦めたくなかった。
読めもしないそのメモ紙をルエルの手から抜き取ると、その紙は『涙で濡れている』という事に気が付いた。
この紙に着いた涙は、ノエルの物だ。
つまり、涙が乾くほどの時間が過ぎていない。
彼女はまだ……近くに居るはずだ!!
「諦めるなルエル!!ノエルはまだ近くに居る!!まだ間に合う!!」
俺はルエルの肩を掴み、こちらに顔を向けして声を張り上げた。
「このメモに着いたノエルの涙がまだ乾いていない!!まだそれほど時間が経ってない証拠だ!!それに、涙が着いているということは、ノエルだって心残りがあるはずなんだ!!」
「……うん!!わかった!!私も諦めない!!お姉ちゃんにキチンと謝らないと!!」
目に力が戻ったルエルと共に、俺は居間を飛び出して玄関へと向かう。
そこでしっかりと靴を履いてから扉を開けて外に出る。
靴を履かなければ全力で走れない。一刻も早くノエルの元に向かうのならば、尚更しっかりとした装備をしなければならない。
そして、日々の筋トレで鍛えた筋肉を全力で稼動させ、俺は走り出した。
「俺は全力で走るけど、着いてこれるか?」
「バカにしないで!!絶対に遅れないわ!!リュウトこそ私に遅れるんじゃないわよ!!」
全力で走る俺の後ろに遅れることなく着いてくるルエル。少しでも気を抜いたら俺の方が追い抜かれてしまうな。男として……そんな情けない姿は晒したくない。
少しすると、俺とノエルが出会った場所へとやって来た。
『ここは魔法図書館です。この世界に存在する全ての書物を管理する場所です』
『珍しいですね。ここに人が来たのは、私が司書になってから初めてのことです』
ははは。自分で呼び出しておきながら、なかなかなセリフだとは思うよな。
そして、俺はノエルからこの世界に来た人間が選ぶ二つの選択肢を提示された。
一つは、恐らくノエルが向かっているであろう転生の扉で別の世界に行くこと。
もう一つは……
『……その、私の『助手』として、この魔法図書館の管理をする。と言うものです』
『君の助手か……』
『は、はい……その、お給料は出ませんが、衣食住は提供出来ますし、ここの魔法図書館に存在する書物は全て読み放題です。貴方が元いた世界のマンガやライトノベルと言ったものも随時入って来ます』
彼女が提示した『助手』という選択肢を俺は即答で選んだんだ。
『やります!!』
『……え?』
こんな可愛い女の子と一緒に居られるなら、他の世界を選ぶなんて有り得ない。そう思ったからな。
『生前は 瀧本龍斗って名前だった。龍斗って呼んでくれて構わない』
『はい。わかりました。リュウトさん』
『私の名前はノエル・アルフォートです。ノエルと呼んでください』
『わかった。よろしくな、ノエル』
こうして、俺とノエルの生活が始まったんだ。
そんなやり取りが、遠い昔のようにも思えてしまう。
「まだ……思い出にする訳には行かないんだ!!」
「……見えたわリュウト!!転生の扉よ!!」
全力で走ったので、目的地にしていた転生の扉まで一分程で辿り着いた。
そして、俺たちの目の前には、今まさに転生の扉に手をかけているノエルの姿が見えた!!
大丈夫だ!!まだ間に合う!!絶対にあの扉を開けさせるな!!
俺とルエルは走りながら声を張り上げた。
「ノエル!!」
「お姉ちゃん!!」
俺たちのその声を聞いたノエルは、信じられないような表情を浮かべながらこちらへと顔を向けた。
彼女の手から、転生の扉のドアノブが離れた。
今がチャンスだ!!
「うおおおおぉおおお!!!!ノエル!!!!」
「リュ、リュウトさん!?」
雄叫びを上げながら、俺はノエルの身体へと体当たりをした。
そして、彼女を抱きしめながら転生の扉から少しでも距離を取ろうと勢いよく転がって行った。
「お姉ちゃん!!リュウト!!大丈夫!!??」
あまりに勢いよく転がって行ったので、ルエルからは身の安全を心配する声が飛んできた。
硬い床を勢いよく転がったので、全身にはかなりの痛みが走っている。だけどノエルには傷一つつけていないはずだと思いたい。
俺は腕の中で震えているノエルの身体を抱き締めて、自分がギリギリ間に合った事実を噛み締めた。