転生先は美少女秘書の居る魔法図書館でした。寂しがり屋でちょっぴりえっちな美少女司書と毎日イチャラブセックス三昧 ~陰キャ童貞からの逆転勝ち組人生~ 作:味のないお茶
~エピローグ~
俺がこの図書館に転生してから一ヶ月の月日が経とうとしていた。
その期間は、毎日毎日……ノエルとルエルと官能的な日々を過ごしてきた。
死ぬ前からは考えられないような、幸せに満ちた一ヶ月だったと思う。
「ふぁ……今日も誰も来ないな……」
俺は魔法図書館のカウンターで新作のライトノベルを読みながら、大きな欠伸混じりでそう呟いた。
「そうですね。十年間一人も来ませんでしたからね。今更誰かが来るとは思ってませんから……」
そんな俺の様子を見たノエルが少しだけ苦笑いを浮かべながらそう言った。
「ふふ。私みたいにお姉ちゃんに会いに来るって理由があるなら別だけどね」
「そもそも……ここに来る人ってどんな人なんだ?」
ふと疑問に思った俺がそう問いかけると、ノエルは少しだけ思案顔で言葉を返す。
「基本的には知識を求めて来ると思われます。ですが、そもそもこの魔法図書館という存在自体を知らない。と言う方がほとんどです。なので来るとしたら『イレギュラー』だけかなと思います」
「イレギュラー?」
聞きなれない言葉に思わず首を傾げる。
「はい。空間転移の魔法の暴発……まぁ失敗などでここに来てしまう。というのが可能性としてはありますね」
「空間転移の魔法って言うと、ルエルがここに来た魔法のことか?」
「そうよ。あれはしっかりと『ここに行く』と心に決めておく必要があるの。まぁ『魔法図書館』の存在を知らなければ、ここに来ようとは思わないからね」
「なるほどね。ちなみにその空間転移魔法の暴発や失敗でここに来るってのはどのくらいの確率なんだ?」
俺のその言葉に、ルエルはケラケラと笑いながら手を振った。
「あはは!!そんなのは滅多にないわよ。天文学的な数字になるでしょうね。そもそも空間転移の魔法はとてもデリケートな魔法なのよ。失敗してもその場に留まってしまうか、最悪なら海の底とか空高くとか……女の子なら地獄だけどゴブリンとかオークの巣とかかしらね」
「結構危険な魔法でもあるんだな」
「まぁそれでも命の危険になったときに、一か八かで使う人もいるかもしれないわね」
「命の危険か……」
俺たちがそんな話をしていた時だった。
突如。ルエルがこの場に来た時と同じように、カウンターの前に魔法陣が描かれた。
「て、転移の魔法陣!?」
「あれって……確かルエルが来た時と同じ魔法陣だよな……」
「そ、そうです……まさか十年間誰も来なかったのに、こんなことが起きるなんて……」
「待ってお姉ちゃん!!ちょっと様子が変よ!!」
ルエルの言葉で魔法陣を見てみると、どうやらルエルの時とは様子が変なことに気がついた。
なんか、光か明滅してるように思える。
「もしかしてこれが『イレギュラー』ってやつか?」
「その可能性が非常に高いです!!何が起きるかわかりません!!注意してください!!」
ルエルはそう言うと、足元に見なれない魔法陣を展開していた。
「あれ?もしかして……怪我をしてる女性じゃないかしら?」
ルエルの言葉で魔法陣の中に視線を移すと、確かに髪の長い女性が蹲っているように見えた。
「光が収まります。確認してみましょう」
「……ルエルの言うように怪我をしてる女性だな」
俺の目の前には鎧のような物を身に纏った黒い髪の毛の女性が血だらけで蹲っていた。全身切り傷だらけで見てられないような有様だった。
「……それにしてもかなり酷い怪我ね。ちょっとこれは急いで回復魔法を使う必要があるわ」
「そ、そんなことも出来るのか……」
「お姉ちゃんは攻撃魔法と身体強化の魔法が得意なの。私は回復魔法と空間転移の魔法が得意ね。悪意を持った魔物が現れてたらお姉ちゃんが倒してたと思うわ」
「はい。リュウトさんに万が一の事がないように、何時でも攻撃魔法を撃てるようにはしてました」
「そ、そうなんだ。頼もしい限りだよ」
ルエルの足元に展開されていた魔法陣はその準備だったのかもしれないな。
てか魔法なんて使えもしないからな。俺は役に立てそうにないな。
練習したら使えるようになったりしないかな……魔法。
そして、ルエルが怪我をしている女性に手をかざすと、淡い緑色の光が女性の身体を包み込む。
すると少しずつ女性の怪我が癒えていくのがわかった。
「すげぇ……」
「ふふ。この程度なら大したことないわよ。もしもリュウトが怪我した時も治してあげるわよ」
「ありがとう。その時はよろしく頼むよ」
少しすると女性の身体の傷は全て塞がり、血糊はまだ着いているが、痛々しかった見た目では無くなった。
だが、女性の意識はまだ戻らないようだった。
しかしよく見ると、すやすやと寝息を立てているようだった。
「……ここで寝かせるのもあれですので、家まで運びましょうか」
「そうだな。運ぶのは俺がやるよ」
男としての矜持を見せるため、俺がそう言って女性を背負おうとした。
しかし、女性は鎧の重さも相まって、かなり重かった。
「お、重い……」
な、情けない……筋トレをしてても俺は女一人運べないのか……っ!!
「ふふ。リュウトさん。それでは私が『身体強化』の魔法を使いますね」
ノエルがそう言うと、彼女の手から赤い光が放たれる。
そしてその光に包まれると、先程までめちゃくちゃ重かった女性の身体が、軽々と背負うことが出来た。
「す、すごいな……」
「えへへ……お役に立てて光栄です」
「それじゃあとりあえず、家まで運ぼうかしら。詳しい話はその人が目を覚ましたら聞くことにするわね」
「賛成だ。それじゃあ行こうか」
こうして、俺たちは鎧を着た女性を自分たちの家へと運んで行った。
これがこのあと魔法図書館に何人もやって来る女性の『最初の一人目』だと言うことを、俺たちはまだ知る由もなかった。
エピローグ ~完~
第二章へ続く