転生先は美少女秘書の居る魔法図書館でした。寂しがり屋でちょっぴりえっちな美少女司書と毎日イチャラブセックス三昧 ~陰キャ童貞からの逆転勝ち組人生~ 作:味のないお茶
第三話
「……そうか。目を覚ましたんだな」
「……うん。僕は魔王に負けて死んだんだと思ったんだけど……ここは天国なのかな?」
居間へとやって来た女性に俺がそう聞くと、彼女は少しだけ苦笑いをしながらそう答えた。
天国か。たしかに天国と言えなくもないよな。
「まぁ、ある意味では天国と言えるけど。天国では無いんだ。魔法図書館って言えばわかるか?」
「……うん。聞いたことはあるよ。この世界の全ての書物を管理する場所。僕が知ってるのはこの位かな」
「ここはその魔法図書館の中にある家だと思ってくれ。君は突然俺たちの目の前に現れたんだ。全身傷だらけで今にも死にそうだったからな。そこに居るルエルの回復魔法で一命を取り留めた。そしてここに運んできたんだ」
俺がそう言ってルエルを指差すと、女性はルエルに頭を下げた。
「ありがとうございます、ルエルさん。貴女のお陰で僕は死なずに済みました。この恩は忘れません」
「気にしなくていいわよ。目の前で死なれたら気分が悪いだけだもの」
「そして、隣に居るのがこの魔法図書館の管理人をしてるノエルだ」
俺がそう言うとノエルは女性に頭を下げた。
「こんにちは。魔法図書館の司書をしているノエルと申します」
「こんにちはノエルさん。貴女の家にこうしてお邪魔させてもらってすみません。感謝しています」
「ふふ。気にしないでください。困った時はお互い様です」
「そして俺がこの魔法図書館でノエルの助手をしてる瀧本龍斗って言う。違う世界で命を落としたあと、ここに転生してきた。所謂転生者って奴だ。よろしく頼む」
「僕を運んでくれたのが君だったよね。少しだけ意識があったんだ。ありがとう」
「まぁ気にするな。役得な部分もあったからな」
俺が冗談めかしてそう言うと、女性は少しだけ顔を赤くしながら胸を両腕で隠した。
「……き、きみは……えっちなひとだね……」
「すまん。冗談のつもりだったんだが……」
「いえ、リュウトさんはえっちさんですよ」
「そうね。リュウトはへんたいできちくであくまみたいな人間よ」
俺が否定をするも、後ろの二人がジトーとした目でそう言っていた。
ま、まぁ……否定は出来ないかな……
「あはは。君たちの関係性は良く分からないけど、仲は良さそうだね」
「そうだな。仲はとても良いと思ってるよ。それと立ち話もなんだから椅子に座らないか?」
俺がそう言うと、女性は少し佇まいを正してから椅子に腰を下ろした。そして、俺もノエルの隣に腰を下ろしたところで自己紹介をした。
「僕の名前はサーシャ。エストグラムと言う世界で勇者をしていたんだ。けど……魔王に負けてしまったんだ」
「え、エストグラム……?」
「ね、ねぇ……お姉ちゃん。エストグラムって……」
「ん?どうしたんだ二人とも……あ、そういう事か」
二人の反応から何となく理解が出来た。
先程聞いたオルフェさんが魔王として『就職』した世界が、きっとエストグラムなんだ。
つまり、このサーシャに瀕死の重症を負わせたのが……オルフェさんって事か。
「色欲の魔王オルフェ。僕は彼女と十年間。九十九回もの間戦ってきたんだ。そして……百回目の戦いの時に、初めて彼女の本音を知った」
「本音……一体なんだったんだ?」
俺がそう聞くと、サーシャは悔しそうに表情を歪めながら言葉を紡いだ。
「人間と魔物。本気でぶつかり合えばどちらかが滅びてしまう。だから勇者と魔王が戦ってるという状況を続けようとしていた。……つまり、僕は手を抜かれていたってことだよ」
「……なるほど。オルフェらしい考え方ですね」
「オルフェお姉ちゃんならそういう風にしそうよね」
彼女には聞こえない声で、二人はそう呟いていた。
思い遣りに溢れ優しい人。
なるほどな。その人柄が良くわかるな。
「でも、サーシャがここに来た時は瀕死の重傷を負って居たよな?勇者と魔王が戦い続けている状態を維持したいのなら、そんなことをする必要は無かったんじゃないか?」
俺がそう問いかけると、サーシャは少しだけ苦笑いを浮かべながら言葉をかえす。
「そう。今までは戦いが進むと、オルフェの転移魔法で僕は城の外に飛ばされてしまっていたんだ。だから僕はその対策として、転移魔法封じの首飾りを着けて戦いを挑んだ」
「なるほど。でもサーシャはそんな首飾りは着けてなかったな」
「うん。その首飾りはオルフェに壊されてしまったんだ。そしてその時に知ったんだ。魔王サイドでも、この八百長試合に気が付いて居る者がいるってね。だから、オルフェは初めて僕に『本気』を出したんだ」
「なるほど……そうだったのか」
そして、サーシャは拳を握りしめながら言葉を紡ぐ。
「本気を出した魔王オルフェは強かった。全然歯が立たなかった……これほど悔しい思いをしたのは……産まれて始めてだったよ」
「そうか。それで君は死ぬ直前で一か八かで『転移魔法』を使ってここに飛んで来たって事か?」
命の危険になった時に、一か八かで使うって聞いたからな。ここに飛んで来たってのはかなり運が良いと思うよな。
なんて思っていると、サーシャは首を横に振ってそれを否定した。
「いや……恥ずかしながら僕は魔法が使えないんだ……だからどうしてこんな場所に居るのか見当もつかないんだよね」
すると、俺の隣に居たノエルが小声で俺に耳打ちをした。
「……リュウトさん。恐らくですが、オルフェが彼女をここに飛ばした可能性が高いです」
「なるほどな。俺もそうかもしれないと思ってたんだ」
優しくて思い遣りに溢れたオルフェさんが、サーシャを『瀕死レベル』まで傷付けてから、転移魔法でここに飛ばす。
そうすれば彼女を助けながら、オルフェさんの目的も達成出来ると考えたんだと思ってる。
「オルフェはここの存在も知ってますからね。彼女はきっと私ならサーシャさんの力になってくれると思ったのでしょうね」
「なら、オルフェさんの期待には応えないとないけないな」
「はい。そうですね」
こうして、俺とノエルは意見のすり合わせを追え、サーシャに提案をした。
「なぁサーシャ。とりあえず暫くはここにいないか?」
「……え。そ、それは申し訳ないんだけど……」
すると、『……きゅー』とお腹が鳴る音がした。
それは目の前に居るサーシャからだった。
「あはは。これから昼ご飯にしようと思ってるんだ。一緒に食べないか?」
「あ、ありがとう。それじゃあ……お言葉に甘えるよ」
俺が軽く笑いながらそう言うと、顔を赤くしながらサーシャはそう言葉を返した。
まぁ、『望んだものが出てくる世界』だからな。
今更食べる人が増えても何も問題じゃない。
俺はそう結論をつけてから、昼ご飯を作るために台所へと向かった。