転生先は美少女秘書の居る魔法図書館でした。寂しがり屋でちょっぴりえっちな美少女司書と毎日イチャラブセックス三昧 ~陰キャ童貞からの逆転勝ち組人生~ 作:味のないお茶
サーシャside ②
「……ふぅ。何だろうな……タキモトさんと話しているとドキドキするんだよな」
夜。歯を磨き終わり、寝室の前で彼と話を終えた僕は小さくそう呟いた。
まだ半日しか過してないけど……ここでの生活はとても楽しい。ご飯も美味しいし、今までの人生で経験をしたことが無いような娯楽を楽しんだ。
お風呂も気持ち良かったし。
タキモトさんを含めて、ノエルさんやルエルさんはいきなり現れた僕を快く受け入れてくれた。
……だからこそ。その優しさに甘えてしまうことが申し訳なく思ってしまう。
僕が残してきて世界の……人類の皆に対して……
「僕は……負けたんだ……それなのに、こんなに楽しい思いをしてるなんて……そんなの……ダメだろ……」
『魔法図書館』
僕が知ってる情報として。この世界に現存する全ての書物を管理する場所。過去に存在していたものは当然として、それは今現在生まれているものも含まれている。
タキモトさんが転生する前の世界の書物もここには存在していることから、文字通り『世界中』の書物がここにある。
だが、それとは別に、もう一つ。
魔法図書館には『ある物』が存在している。
それは……
「転生の扉……それを開けて中へと飛び込めば……元の世界に戻れる可能性がある……」
そう『転生の扉』と呼ばれる物がある。
それを開けて中へと入れば、ここでは無い世界に向かえる。
そしてあの扉にはもう一つの特性があり『行き先を強く願えば』望みの世界に行ける。
そういう話も聞いている。
つまり、僕がしっかりと元の世界を願えば、魔王オルフェに再戦を挑むことも可能だ。
「……あの世界の人々を犠牲にして……僕は幸せになんかなっちゃいけない……」
そう結論をつけた僕は、布団の中に入り眠ることにした。
寝不足で向かっても返り討ちにあってしまう。
万全の体調で向かわねば……
勝てないかもしれない……でも、このままおめおめと引き下がる訳には行かないっ!!
「柔らかい……こんなベッドで毎日寝られたらなぁ……」
今まで寝てきたどのベッドよりもふかふかな完食に身を任せ、僕は眠りについた。
「……ん……あぁ……今ならまだ皆寝てるだろうね」
早朝。目を覚ました僕はそう呟いて身体を起こした。
昨夜。隣の部屋からはノエルさんとルエルさんの嬌声が聞こえてきていた。
その……隣に僕が居ることを忘れてるんじゃないかな?
と思えたよね。
まぁ、あの様子ならかなり遅くまで『行為』に及んでいたんだと思うから、この時間に家を出れば誰にも知られることも無く去ることが出来るだろう。
お世話になっておきながら、何も言わずに出て行くことには罪悪感を覚えるけど、タキモトさんたちの優しさに触れたら心が変わってしまうかもしれない……
だから僕は何も言わずに出て行くことにした。
洗面所で顔を洗ってから居間へと向かう。
そこには僕が使っていた装備一式が綺麗に保管されていた。
魔王オルフェに付けられた傷が無いことから、ノエルさんかルエルさんが『修復の魔法』を使ってくれたのだろう。
本当に……頭が上がらないな……
僕は二人に感謝をしながら寝間着を脱いで綺麗に畳む。
そして装備し慣れた鎧を身に着けていく。
パチン……パチン……と留め具を留めると、気持ちが引き締まった。
「よし。行こう……」
鎧に着替えた僕はそのまま玄関へと進む。
そこにはやはり修復の魔法が使われた鎧の靴が置いてあった。
それを履いた僕は、玄関の扉を開けて外に出た。
「……ありがとうございました。ここで過ごした時間は僕の宝物です。どうか皆さん……お元気で」
僕は家の中にそう声を掛けてから扉を閉めて、転生の扉へと歩いて行った。
「すごいな……本当に見れば見るほど本しかない空間だ……」
彼らの家から転生の扉へはそんなに距離がある訳では無い。歩いて数分のところにある。
その僅かな間に、僕は見渡す限りの本の景色に驚きを隠せなかった。
「……これは。僕の世界の本だな」
もう手に入らない。僕の世界では絶版になった本もあった。ふふ。読書が好きな人には天国かもしれないな。
そんな事を思いながら歩いていると、カウンターが見えてきた。
そう。僕がここに転移をしてきた場所だ。
そして、その奥には『転生の扉』があるはずた。
「……僕はあの世界に帰る。そして、魔王オルフェに再戦を挑むんだ」
そう心に決めて、僕は歩を進めて行く。
すると、僕の目にはカウンターに座る人影が映った。
「……え、な、なんで……」
僕は思わず立ちどまり、言葉を失ってしまう。
だってそうだろう。彼がここに居るなんて聞いてない。
まだまだ寝ていると思っていたからだ。
「やぁ、おはようサーシャ。早いじゃないか」
僕の姿を見つけたタキモトさんは、ニコリと笑いながら僕にそう朝の挨拶をした。