転生先は美少女秘書の居る魔法図書館でした。寂しがり屋でちょっぴりえっちな美少女司書と毎日イチャラブセックス三昧 ~陰キャ童貞からの逆転勝ち組人生~ 作:味のないお茶
第十五話
「ん……ここは……」
光の奔流が収まり、俺の視界が開けてきた。
軽く辺りを見渡すと、本がびっしりと詰まった本棚が一面にあった。つまりここが魔法図書館の何処かであることが理解出来た。
「魔法図書館の何処かに転移した?一体どうして……」
俺がそう呟いてもう少しだけ注意深く周りを見ると、『女性』が倒れているのが確認出来た。
「……ま、まさか。さっきノエルたちが言ってた微弱な魔力の反応って……」
俺は一目散に倒れている女性の元へと走って行く。
そして、その様相を見て言葉を失った。
「……おいおい……この女性ボロボロじゃねぇかよ……一体何があったんだよ……」
年齢は俺より少し年上。
二十を少し越えたくらいに見える。
全身に火傷のようなものを負っていて、服も燃えたような感じがしている。
「なぁ!!大丈夫か!!」
俺は女性に声をかけるも反応がない。
軽く手首を取ると、かなり小さいが脈が確認出来た。
つまり、まだ死んではいない。
「……でも、このままじゃ時間の問題だぞ」
俺がそう呟いた時だった。
彼女の近くにあった『杖』が光を放ち始めた。
「え?え?え?……一体何が起きてるんだ!?」
いきなり転移魔法で飛ばされたと思ったら、瀕死の女性が居て、その女性の近くにあった杖が光り始めた。
すると、現実はさらに俺を困惑させる状況になった。
「お、お願いします!!オルフェを助けて!!」
先程まで杖だった存在が、小学六年生くらいの女の子に姿を変えていた。
そして、その女の子は泣きそうな顔で俺に頭を下げていた。
しかもこの子……オルフェって言ったか!?
そんなにありふれた名前だとは思えない。
すると……この女性はノエルとルエルの幼馴染か!?
「わ、わかった。俺に出来ることならなんでもするぞ。でも『疲労回復の魔法』くらいしか使えないけど……」
「そ、それでもいいよ!!貴方が魔法が使えるなんて運が良かった……」
「と、とりあえず……全力でやるか」
覚えたばかりの魔法。それがどの程度の効果が出るか分からないけど……やらないよりはマシだろう。
俺はノエルに教わったことを思い出しながら『疲労回復の魔法』を使った。
「えーと……まずは魔法陣を思い浮かべて……」
そうすると、俺の周りに巨大な魔法陣が描かれる。
「え?え?え?こ、これが『疲労回復の魔法』!?規模がおかしいよ!?」
「魔法陣に魔力を込めていく……」
すると、魔法陣が光を放ち始めた。
よし。ここまでは上手くいってそうだ。
あとは魔法の名前を言うだけ。
「……『疲労回復の魔法』発動!!」
俺がそう叫ぶと、眩い光の奔流が女性の身体を包み込んだ。
「こ、こんな強力な『疲労回復の魔法』なんて聞いたことない……ねぇ、貴方は一体何者!?」
「えと……ここに転生してきた異世界転生者って奴かな。素体ってのに魂が入ってるから、普通の人では無いけど……」
「素体の性能って言っても限度があるよ……でも、助かったよ!!多分これなら……」
光が収まると、先程まで閉じていた女性の目がゆっくりと開かれていった。
「……ん。身体の痛みが引いてる……一体何が起きたのですかね……」
「オルフェ!!!!」
目を覚ました女性に、女の子が涙を流しながら抱きついていた。
「……レーヴァテイン。その姿はどうしたの?魔力の消費があるから滅多に人の身にはならないのに」
「オルフェを助けてくれそうな人が現れたから、この姿になったの。杖のままだと言葉を伝えられないから」
「……そうだったのね」
女性はそう言うと、女の子から視線を外して俺の方を見た。
そしてゆっくりと頭を下げた。
「どなたか存じ上げませんが助かりました。ありがとうございます。貴方には感謝してもしたりません」
「気にしないでくれ。目の前で倒れてる女性がいたら手を伸ばすのは当然だ。それと……もしかしてだけど貴女はノエルやルエルの関係者か?」
俺がそう言うと、女性の目が見開かれた。
その反応。やっぱり当たりみたいだな。
「ノエルとルエルを知っているのですか?ますます貴方が何者なのかわからなくなりました」
「俺はこの魔法図書館に転生してきた瀧本龍斗って者だ。ノエルやルエル……あとは貴女としのぎを削っていたサーシャと一緒に暮らしてるよ。オルフェさん」
「わ、私のことも聞いているんですか?」
「あぁ、簡単にだけどな。ノエルやルエルの幼馴染。そしてサーシャのいた世界で魔王の役割をしていたんだろ?」
「そうです。そして……四天王筆頭に謀反を起こされて情けなくも敗走してきたところです」
「オルフェが弱ってたところを狙ってきたラクスが悪いんだよ!!あんなのは卑怯だよ!!」
「いえ。魔界は弱肉強食の世界ですからね。ラクスの行動は理にかなってますよレーヴァテイン」
オルフェさんはそう言うと、女の子の頭をそっと撫でていた。
レーヴァテインと言っていたかな。それが女の子の名前のようだ。
「タキモト様。私の名前はオルフェと申します。十八の時からエストグラムと言う世界で十年間程、魔王の役割をしていました」
十八の時から十年間。
とすると歳は二十八……全然そうは見えないよな。
二十前半と言っても通用するだろう。
闇色の髪の毛を腰まで伸ばしていて、顔立ちも美人だし……
てか、所々敗れた服から見える肌がすごくえっちだ。
胸もルエルに匹敵するほどに大きい。
てかこんなにガン見してたら失礼だろ……
俺の視線に気がついたオルフェさんは、少しだけ頬を赤く染めながら自分の身体を抱きしめていた。
「あ、あまり見ないでください……」
「す、すまない!!その……綺麗だったから……」
「こ、こんな火傷だらけの肌を綺麗だなんて……」
「いや、火傷とか関係なくすごく魅力的だから」
「あ、あう……そんなこと言わないでください……」
や、やべぇ……見た目からして大人だと思ってたけど……この人めちゃくちゃ可愛いぞ……
そんなことを考えていると、レーヴァテインが大きな声で自己紹介をした。
「私の名前はレーヴァテインだよ!!オルフェの魔法杖だけど、こうして人の身体になることも出来るんだ!!」
「へぇそうなのか。君を最初に見た時は杖だったのにいきなり人の身体になってびっくりしてよ」
「人の姿になるのはちょっと魔力を使うからね。あの時は貴方に声をかけるために人の姿になったの!!」
「そうか。それなら納得だな」
そして、俺は二人に向き合って笑顔で言った。
「オルフェさんにレーヴァテイン。魔法図書館へようこそ。歓迎するよ」
「ふふ。ありがとうございます。ここに来たいと思って転移魔法を使ったのですが、魔法図書館の外れの方だったようで、力尽きてしまっていたのです。タキモト様と出会っていなければ死んでいたでしょう」
「本当にありがとうタキモトさま!!」
「あはは……覚えたての魔法が役に立って良かったよ」
こうして俺は会いたいなと思っていたオルフェさんと、意外な形で邂逅することが出来たのだった。