転生先は美少女秘書の居る魔法図書館でした。寂しがり屋でちょっぴりえっちな美少女司書と毎日イチャラブセックス三昧 ~陰キャ童貞からの逆転勝ち組人生~ 作:味のないお茶
ノエル side ①
「……ルエル。まずは貴女の考えを聞きたいわ」
突然の事でした。
私の目の前に居たリュウトさんの足元に『転移魔法』の魔法陣が現れて、彼が何処かへ転移させられてしまいました。
あまりにも突然過ぎる出来事に、私は茫然自失になってしまいそうでしたが、今やらなければならないことは、気落ちをしていることではありません。
一刻も早く、リュウトさんの場所を特定してその場へと向かうことです。
ですので『転移魔法のエキスパート』とも言える妹のルエルに意見を求めました。
「あの転移魔法は『何者かの意思の元で発動された魔法』だと思ってるわ」
つまり、誰かがリュウトさんに対して意図的に転移魔法を使った。そう見てます。
すると、やはりルエルも同じように考えていたのでしょう。首を縦に振りながら言葉を返しました。
「うん。私もそう思ってる。そして『その意志を持った何者かは、リュウトを特定の場所に転移させた』その可能性が高いね」
「なるほどね。だとすると、タキモトさんは空高くとか地中とか海の底とかそう言う『転移したら死んでしまうような場所』に飛ばされた可能性は低いってことだね」
『転移魔法の一番の懸念点』とも言える部分。
転移した場所で即死する。それが確率的に非常に低い。
それがわかっただけ御の字です。
「とりあえず。着替えましょう。私とルエルは魔法着に。魔法杖も持ってくるように。サーシャさんは聖鎧とデュランダルを装備した上でこちらに再び集合です」
「わかったわ。お姉ちゃん」
「了解だ。三分で身支度を整えるよ」
私の言葉に首を縦に振り、二人は自室へと向かって行きました。
そして、私も自室へと向かい魔導着を保管しているタンスの引き出しを開けました。
「……まさか、これに再び袖を通す時が来るとは思いませんでした」
『魔法着』
それは私が前居た世界で着ていた物です。
魔法の効力を高める効果があるのと、外敵からの魔法にも耐性があります。
物理的な衝撃にもある程度の防御力を発揮する優れものです。
そして、愛用していた『魔法杖・ミスティルテイン』
を手にし、私が『彼女』に魔力を込めると頭の中に声が響きました。
『あら、久しぶりねノエル。私を使う時が来たなんて驚きよ』
『そうね、久しぶり。ミスティ』
私は頭の中に響いた声に返事をしました。
ミスティルテインは『意思のある魔法杖』です。
これは世界に二本しかない希少なものです。
一本は私の持つ『ミスティルテイン』
もう一本はオルフェの持つ『レーヴァテイン』
この魔法図書館で司書をしていましたが、外敵など全く来ませんでしたからね。
『私の大切な人が攫われてしまったの。力を貸して欲しいわ』
『ふふ。お安い御用よノエル。また貴女の力になれることを嬉しく思うわ』
使うことは無くても手入れは毎日行っていたので、使用に問題は全くありません。
私は魔法着に身を包み、ミスティを手にして居間へと戻りました。
すると、そこには既に魔法着に身を包み魔法杖を手にしたルエルと、聖鎧に身を包みデュランダルを手にしたサーシャさんが待っていました。
「遅くなってごめんなさい。待たせてしまいましたか?」
「いや、僕もルエルさんも今来たところだよ」
「そうね。あと、お姉ちゃんに朗報があるわ」
ルエルの言葉に私は軽く首を傾げながら言葉を返します。
「朗報……何があったの?」
「リュウトの魔力の反応を感知したわ。場所は魔法図書館……ここよ」
「……そうだったの。じゃあ一安心ね」
「それでも何があるかはわからないからね。万全の装備で向かうことに異議は無いよ」
そして、ルエルは私の元に来て軽く耳打ちをしました。
「リュウトの魔力の近くにもう一つの魔力反応があってね。……その魔力に覚えがあるんだよね」
「……オルフェだったんでしょ」
「……うん。お姉ちゃんも気が付いてたんだ」
微弱な魔力反応。何となく覚えのあるものでしたが、確証が持てずにいました。
ですが、ルエルも同じように感じていたのなら、ほぼ正解でしょう。
すると、少しだけ問題があります。
「……サーシャにはどう話すの?」
そう。オルフェはサーシャの世界では『魔王』の立場にあります。つまり、彼女の『敵』です。
そんな敵と転移魔法で飛ばされたリュウトさんが一緒に居る。
悪い方向に話が進むことは想像に難しい事では無いですね。
「……私が説明するわ」
「……わかった。お姉ちゃんに任せるね」
ルエルはそう言うと、私の元から離れました。
「あはは。姉妹の内緒話は終わったかな?」
「ごめんなさい。サーシャさん。貴女には話してないことがあったんです」
「なるほどね。そして今の様子だと、それを僕に話してくれる方向でまとまったのかな?」
「はい。そうですね。そして、この話を聞いた上でサーシャさんが私たちに対して『敵愾心』を抱く結果になっても仕方が無いと思ってます」
「……わかった。心して聞くことにするよ」
そう言うと、サーシャさんの目元が少しだけ細くなりました。
さて、彼女から同意を得られるかしら。
……突然斬り付けられても仕方ないことを話すことになりますからね。
私は軽く息を吐いたあと、彼女に話をしました。