転生先は美少女秘書の居る魔法図書館でした。寂しがり屋でちょっぴりえっちな美少女司書と毎日イチャラブセックス三昧 ~陰キャ童貞からの逆転勝ち組人生~ 作:味のないお茶
サーシャ side ③
タキモトさんと魔王オルフェの情事を見届けるというアクシデントがあったものの、無事に彼を取り戻すことが出来た。
ルエルさんの転移魔法で、私たちは魔法図書館にある自宅へと帰ってきていた。
そして、ノエルさん達から間借りしている家の一角。
僕の自室に、魔王オルフェを招き入れていた。
ちなみに、聖鎧は脱いで居間の片隅に置いてきた。
ずっと着てると邪魔になるからね。
だが、愛剣のデュランダルは手元に置いてある。
僕は冷蔵庫から麦茶を二人分用意して、机を挟んで二人分のクッションの上に座り、とりあえず、彼女と話をする体制を整え終わったところだった。
居間では、ノエルさんとルエルさんがタキモトさんに『詰問』をしている所だろう。
あはは。本当に、彼の節操の無さには驚いてしまう。
……まぁ、僕が言えた義理では無いけどね。
「さて、魔王オルフェ。色々と話をしようと思ってるんだけど良いかな?」
「えぇ、構いませんよ。勇者サーシャ。と言うか、私としては、今この場で、そのデュランダルで斬り飛ばされても仕方ないと思ってるのですがね」
「あはは。そんなことはしないから安心して欲しい。これはノエルさんとルエルさんとの約束でもあるからね」
僕がそう言葉を返すと、オルフェは意外そうな表情を浮かべていた。
そして、少し間を置いたあと、彼女は僕に言葉を返した。
「そうですか。まぁここはエストグラムではありませんからね。胸襟を開いて話をすることにしましょう」
「では最初に聞くよ。魔王オルフェ。君の目的はなんだったんだい?」
僕と『八百長試合』を十年も続けていた理由。
最後の最後で軽く話をされただけで理解出来るようなものでも無かったからね。
「私の目的は『世界の安定』でした」
「……世界の安定?」
「はい。私が倒れれば新しい魔王が生まれ、人間界へと進行をさらにすることになったでしょう。それは貴女にも言えることかと思いました」
「そうだね。僕が倒れれば新しい勇者が生まれ、仇を討とうとさらに進行をしていただろうね」
「そうなれば、待っているのは『お互いの破滅』『世界の終焉』です。そうならない為には『勇者と魔王が雌雄を決する戦いを続けている』という現状を維持することが最善だと思っていました」
「なるほどね。オルフェの考えは理解出来たよ。でも何故それを辞めたんだい?」
僕がそれを問いかけると、オルフェは少しだけ視線を外して言葉を返した。
「四天王の筆頭。ラクスという者から疑惑の目を向けられました。そうなってはもう『八百長試合』を続けることは出来ません。ですが、私は貴女の命を奪うつもりはありませんでした」
彼女のその言葉に、僕は軽く笑いながら言葉を返した。
「あはは。あれだけ高威力の魔力波をぶつけておきながら……かな?」
すると、オルフェも軽く笑いながら言葉を返した。
「ふふふ。あの程度なら『勇者サーシャ』なら耐えられると思っていましたが?」
僕とオルフェはお互いに笑いあったあと話を再開した。
「まぁ貴女が考えていたことは理解出来たよ。でもどうしてこんな所に傷だらけでやって来たんだい?僕を瀕死の状態まで追い込んで、この世界へと転移させた。傍から見たら『八百長試合』の疑惑は晴れたと思ってるけど」
「はい。八百長試合の疑惑は晴れました。ですが、私の座る『魔王の座』を狙っていたラクスには、サーシャに全力を尽くした後に、弱くなった私と戦える好機だったのです」
「なるほどね。部下からの裏切りがあったのか」
僕のその言葉に、彼女は軽く首を横に振りながら否定をした。
「いえ、裏切りとは少し違いますね。元々魔界は『弱肉強食』の世界です。私の力が落ちればそれを好機と捉えるのは当然ですね」
「四天王の筆頭……確か爆炎のラクスだったよね。彼女とは何回か戦ったことがあるね。それなりの実力者だと思うけど、貴女の足元にも及ばない実力だったと記憶してるけど?」
「あはは……確かに万全の体調ならば全く問題にならない相手です。ですが、貴女に全力を尽くした後でしたからね……」
「そんなに力が落ちるものなのか?」
「はい。恥ずかしながら全力の反動の後でしたら、オークやゴブリンにすら負けてしまう可能性があります」
「そ、それは……ある意味貴女の致命的な弱点とも思えるけど……」
「ですが、それくらいのリスクを犯さなければ、貴女を無力化することは出来なかったんですよ」
彼女はそう言うと、テーブルの上にあった麦茶を一口飲んでから話を続けた。
「ラクスに敗れたあと、私は一か八かで転移魔法を使いました。魔法図書館に来れたら幸いだ。そう考えていました」
「そうなんだね。それで魔法図書館へやって来たは良いけど外れの方だったからそこで力尽きてしまったと」
「そうです。最後の力を振り絞って歩いていたのですが、力尽きてしまいました。その時に願ったのです。『誰か助けて』と」
「あはは。ここは『欲しいと思った物が何でも出てくる世界』だからね。オルフェの『願い』を叶えたんだろうね」
「ふふふ。そうですね。そこでタキモト様に出会い、生命を救って貰ったのです」
タキモト様。彼の名前を口にした時に、オルフェはほんのりと頬を赤く染めていた。
『女として』彼のことを好きなんだと言うのが理解出来た。
つまり……僕のライバルだな。
「なぁ、魔王オルフェ。貴女はタキモトさんが『好き』なんだよね?」
僕がそう問いかけると、オルフェは顔を真っ赤にして視線を外に向けた。
あはは。なかなか可愛い反応じゃないか。
そして、少しだけ時間を置いたあと、首を縦に振った。
「……はい。会ったばかりの殿方に『はじめて』を捧げたことに後悔はありません。私はタキモト様をお慕いしております」
「あはは。なるほどね。ちなみに言っておくよ。僕もタキモトさんが大好きだ」
「……サーシャさん。ちなみにタキモト様とは……」
「ふふん。僕もしてるよ。……まぁ一度だけどね」
僕はそう言った後に、彼女に言葉を続けた。
「ちなみに、タキモトさんの『一番』はノエルさんだね。次にルエルさんが続いてる。今から戦いを挑んでもこの二人にはまず勝てないと思っていいかな」
「……それは『一人で』戦いを挑んだ場合。ですよね?」
あはは。流石は魔王オルフェ。僕が言いたいことを理解してくれたみたいだね。
「そうだよ。魔王オルフェ。どうだい。ここは一つ手を組まないか?」
初めて好きになった男性を手に入れるために。
僕一人では限界があるけど、彼女も味方にできるのなら心強い。
それに、今に至るまでの話を聞いて、僕が持つオルフェに対しての『敵愾心』は無くなった。
「勇者サーシャ。良いでしょう。大切な男性を手に入れるために、手を組むのは賛成です」
「ありがとうオルフェ。貴女が味方になるなら心強い」
僕はそう言うと、彼女に向けて右手を差し出した。
オルフェはそれを見て、笑顔で握り返してくれた。
「ふふ。それでは早速今夜から仕掛けて行くことにしましょうか」
「そうだね。タキモトさんを呼び出すことはオルフェに任せても平気なのかな?」
「はい。タキモト様は『優しい方』ですからね。そういった方を呼び出す方法は簡単です」
ニヤリ。と笑うオルフェ。
その表情に僕は魔王の片鱗を見た気がしたね。
「あはは。流石は魔王オルフェ。それじゃあ期待してるよ」
「ちなみに、呼び出すのは私ですからね。先手も私が貰いますからね?」
「あぁ、それで構わないよ。じゃあこれからは、立場を忘れて共同戦線と行こうじゃないか」
「ふふ。勇者と魔王の共同戦線。タキモト様にたくさん味わって貰いましょう」
こうして、僕とオルフェは話し合いに決着をつけた。
そして、この後は昼ごはんの時間まで『今夜の計画』について話し合いを行った。