※この作品はR-18です。

転生先は美少女秘書の居る魔法図書館でした。寂しがり屋でちょっぴりえっちな美少女司書と毎日イチャラブセックス三昧 ~陰キャ童貞からの逆転勝ち組人生~   作:味のないお茶

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幕間 桜side ①

 幕間 桜side ①

 

 

 瀧本龍斗くんが事故で亡くなってから一ヶ月。

 彼の居ない教室の雰囲気にも少しだけ慣れてきた頃だった。

 

 放課後の帰宅途中に飲酒運転のトラックに轢き殺された彼。最初にその話を聞いた時には、現実なのか理解出来なかったのを覚えている。

 

 あまりに突然の出来事。クラスメイトの命がこんなにも簡単に失われてしまうのか。

 

 彼は家庭の事情でクラスの行事には不参加気味だったが、普段の授業はしっかりと受けていたし、先生からのウケも悪くなかった。

 

 クラス委員として彼のフォローをしていたからわかるけど、瀧本くんはとても真面目で優しい性格をしている。

 

 そんな彼が、何故こんな事故に遭わなければならないのか。運命とはとても残酷だと思ってしまった。

 

 そして孤独だった彼のお葬式は自治体が主導して行うことになった。

 三年程前に事故で両親を亡くしたと彼からは話を聞いていて、それからの一人暮らしだったよう。

 事故を受けてお葬式のために彼の親族を探したみたいだけど、見つからなかったみたい。

 本当に……彼は1人きりだったのね。

 

 彼のお葬式で、棺桶の中で眠る瀧本くんの姿を見ても、私は不思議と涙が出ることは無かった。

 

 何となくだけど……彼とは『また会える』そんな気がしたから。

 

 あはは。こんな話を他の人にしたら『気でもふれたのか?』と言われそうだけどね。

 

 クラス委員がクラスメイトに向けるような感情や、

『友愛』以上の感情を彼に持っていたのは否定しない。

 時折見せる彼の寂しそうな表情に、私が出来ることは何も無いのかな?なんて思うこともあった。

 

 そして、この感情は他の友人にもバレていたみたいで。

 私と彼がくっつくのかどうか?なんて話がクラスで持ち切りだったってことは、彼が亡くなってしまってから知る話だった。

 

 だから、クラスメイトの友人からこんな『いじり』があるのは、まぁ仕方ないことなのかな?とも思うかな。

 

「ふふふ。ねぇ桜。今日も『お仕事』ご苦労様」

 

 早朝。まだ誰も居ない教室に居た私の耳に女性の声が聞こえてきた。

 

 彼の机の上に供えられた花瓶の水を取り替えるのは私の仕事だ。

 一ヶ月の時が経っても枯れることなく花を咲かせ続けているのは、毎日きちんと手入れをしているから。

 

 そして、私は活力剤を水に少し加えた後に、話をしてきた友人の美里に振り返って言葉を返した。

 

「そうね。でもクラス委員として当然のことをした迄よ」

「あはは。クラス委員としての感情だけじゃないでしょ?……でも、本当にいきなりだったよね」

「……仕方ないわよ。こんな事、誰にも予想なんて出来ないわ」

 

 私は美里の目を見ながら、頬笑みを浮かべて言葉を続ける。

 

「こんな事言ったら笑われちゃうかもしれないけど、私の話を聞いてくれる?」

「あはは。良いよ桜。話してよ」

 

 私と同じように微笑む美里に、私は自分の心の中にあった言葉を言う。

 

「瀧本くんとはね……また会えると思ってるんだよね」

「…………桜。自殺なんかしないでよね?」

 

 心配そうな表情の友人が、私の肩を掴みながらそう言葉を返した。

 た、確かに今の言葉だと私が『彼の後を追いかけて自殺する』そんな風に捉えられかねないわね。

 

 だから私は慌てて彼女に否定の言葉を返したわ。

 

「ち、違う!!彼を追って自殺するとかそんなつもりは微塵も無いわ!!そこは安心して欲しいわよ」

「そ、そうだよね……あはは。でも、瀧本くんが居なくなってからの桜は見てられなかったから……」

 

 少しだけ遠くを見ながら、美里が言葉を続けていったわ。

 

「正直な話。このまま桜も後を追うんじゃないかなって思うような感じだったよ……」

「……ごめんね。心配かけたよね」

「あはは。大丈夫だよ桜。でも……今は少しは落ち着いてくれて良かったよ」

 

 そう言ったあと、美里は笑いながら私の目を見て言ったわ。

 

「そんな風に思ってた矢先に、桜から『自殺を匂わせるような発言』なんて聞かされた私の気持ちも考えて欲しいよ」

「そ、それは……確かに不安を煽るような言葉だったと反省するわ……」

「わかれば良い!!許そう!!」

 

 ひとしきり笑いあった後、私は美里にもう一度先程の話をした。

 

「自殺するとか、そういう話じゃないわよ。でもね、なんでか知らないけど、そういう気持ちになったの」

「ふーん。まぁそう言うのってあるよね。絶対号泣すると思ってたのに、瀧本くんのお葬式では涙ひとつ見せなかったし」

「うん。その時からかな?なんでか知らないけど……そんな気がしたから」

 

 そして、私の言葉を聞いた美里が、少しだけ笑いながら言った。

 

「あはは。もしかしたら瀧本くんは『異世界転生』をしてるかも知れないね」

「異世界転生??あぁ……そう言えばそんな小説とか漫画とかアニメがあったよね」

「そうそう。トラックに跳ね飛ばられるとか『よくある話』だからね」

「ふふふ。それは面白い推察ね」

 

『異世界転生』ね。そしたら私も彼の居る『異世界』に呼び出されたりしないかしらね。

 

 そんなことを考えていた矢先だった。

 

 私の足元に、よくわからない紋様の魔法陣が描かれた。

 そしてそれは眩い光を放ち始める。

 

「え?え?え?こ、これって何!?」

「さ、桜の足元だけ!?何が起きてるの!!??」

「わ、わかんない!!美里は危ないから離れ…………っ!!」

 

 美里の身体を突き飛ばそうと手を伸ばすと、私の視界は一気に光に染まり、身体全体が浮遊感に包まれた。

 

 

 あまりの光の強さに目を閉じていた私。

 すると十秒ほどの時間が経ったあと、私の身体に少しだけ衝撃が走った。

 

 私はゆっくりと目を開くと、どうやらここは先程までいた教室では無いことがわかった。

 

 え?え?え?一体何が起きたって言うの!?

 

 

「………………え?ここは……何処??」

 

 先程まで居た場所から、突然光に包まれたと思ったら、違う場所に居た。

 軽く辺りを見渡そうとした。その時だった。

 

 

「う、嘘ですよね……」

 

 私の耳に、初めて聞く女性の声が聞こえてきた。

 そして、その声の方に顔を向けると、見慣れていた彼の顔が初めて見るくらいに驚きに歪んでいた。

 

「南野……桜……さん……どうしてここに……」

 

 彼から言われたその言葉に、私は心に浮かんだ言葉をそのまま口にしていた。

 

「……え?瀧本くん??君は事故で死んだはずじゃ……もしかしてここは天国??」

 

 

 そうして私は、瀧本龍斗くんと『再会』を果たしたのだった。

 

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