転生先は美少女秘書の居る魔法図書館でした。寂しがり屋でちょっぴりえっちな美少女司書と毎日イチャラブセックス三昧 ~陰キャ童貞からの逆転勝ち組人生~ 作:味のないお茶
第一話
「……えっと、その……南野さん。久しぶり……でいいのかな?」
「あはは。そうだね。久しぶり、瀧本くん」
ノエルたちと彼女の話をしていた矢先の出来事だった。
『彼女に一言くらいは謝りたいな』
なんて思った瞬間に、目の前に南野桜さんが現れた。
『謝りたい』という気持ちを『望んだものが何でも出てくる世界』が拡大解釈したのだろうか?
まぁ、考えていてもよくわからないことは考えないようにしよう。
とりあえず、彼女がこの場に来てしまったことに対して出来ることをしていこう。
そう決めた俺は、まずは彼女に説明をしていくことにした。
「南野さん。まずはこの場についての説明なんだけどね。落ち着いて聞いて欲しいとは思うかな」
「あはは。死んだと思っていた瀧本が目の前に居て、取り乱さない自分に少しだけ驚いてるけどね。驚きすぎて逆に落ち着いてるって感じかな」
軽く苦笑いを浮かべる南野さんに、俺は笑いながら言葉を返した。
「そうか。ちなみに俺は死んでるんだけど、南野さんは生きてるから安心して欲しいな」
「……ねぇ瀧本くん。それで安心して欲しいって話には無理があると思うんだけど……」
「ま、まぁそうだよね……」
彼女の少しだけジトっとした視線に、俺は僅かにたじろいだけど話を続けることにした。
が、そんな俺に隣に居たノエルが言葉をかけてきた。
「その……リュウトさん。南野さんをいつまでも床に座らせているのは可哀想ですよ?」
「あ、確かにそうだよな。ごめんな南野さん。痛かったよな」
「あはは。確かにそうだね。教室の床と同じくらいには硬かったし。話も長くなりそうだし、椅子に座らせてくれると嬉しいかな」
そして、彼女の椅子を用意したあと、あらためて南野さんに話を始めることにした。
ちなみに、俺の両隣にはノエルとルエルが座り、対面には南野さんが、彼女を挟むようにしてサーシャとオルフェが腰を下ろしていた。
南野さんに対する『包囲網』のようなものが出来上がっていた。
俺の左隣にいるルエルは南野さんに対して敵対を示すように、キツイ視線を送り、右隣のノエルは少しだけ不安そうな表情で俺を見ていた。
サーシャとオルフェは南野さんに興味津々と言った視線を送っていた。
俺はノエルを安心させようと思い、テーブルの下で彼女の手をそっと握りしめた。
すると、彼女の表情が少しだけ柔らかくなったので、俺は安心して南野さんに話をすることにした。
「まずはここの場所なんだけど、南野さんが想像しているような『天国』では無いんだ」
「へぇ。まぁ瀧本くんは死んでるけど私は生きてる。その時点で私が知ってるような場所では無いんだろうなってのはわかるかな」
「ここはね『魔法図書館』と呼ばれてる場所でね。所謂『異世界』って場所だと思ってくれて構わない」
俺がそう言うと、南野さんはケラケラと笑いながら言葉を返した。
「あはは。トラックに跳ね飛ばされて異世界に転生するとか、さっきまで美里と話してたことと同じことが起きてるのね」
「ははは。俺も『よくある話』だとは思うよ」
まぁ『何故俺がこの場に召喚されたのか』その理由までは話す必要は無いだろう。
そして、俺はそのまま話を進めていくことにした。
「そして、この魔法図書館には『ある特性』があるんだよね」
「ある特性?一体何なの??」
首を傾げる南野さんに、俺は実演も込めて説明をした。
「この場所はね『望んだものが何でも出てくる世界』なんだよね」
「……望んだものが何でも……そんなことが有り得るの?」
「そうだよな。まぁ見ててよ……『じゃが○りこ』が食べたいな」
俺がそう心に思い、口に出す。するとテーブルの上には『あのお菓子』が姿を現した。
ノエルとルエルは食べたことがあるお菓子。
サーシャとオルフェは初めて見るお菓子。
そして、南野さんにはとても馴染みのあるお菓子だ。
「……さ、さっきまで何も無かったのに。いきなりお菓子が現れたわね」
「今はお菓子を出したけど、本当に『何でも』出てくるんだよね。試してみれば?」
「わ、わかったわ……じゃあ『缶のコカコ○ラ』が飲みたいわ」
すると、お菓子の隣に『赤い缶の炭酸飲料』が姿を現した。
その炭酸飲料の入った缶を手にすると、南野さんの表情がさらに驚きに歪む。
「す、凄いわね……キンキンに冷えてるわ」
「ははは。普通に美味しく飲めるからね。こうして食べ物を出すことはもちろん。ゲームとかテレビとかも出せるんだ」
「なるほど。だからテレビとかP○5やSwitc○とかがあんな所にあったのね」
南野さんの指と視線の先には、先程までオルフェとサーシャが遊んでいたゲーム機が鎮座していた。
「この場所については理解したわ。それで……どうしてこんな場所に私は呼ばれたのかしら?」
カシュッと蓋を開けた炭酸飲料を一口だけ口に含んだあと、南野さんは俺に本題を切り出してきた。
「瀧本くんは死んでしまったことがきっかけでここに来た。まぁ想像だけど、私の周りにいる『とても綺麗な女性の方々』は異世界の人よね?だから魔法とかそう言うのでここに来たって感じよね」
「ははは。ご名答だよ。君の隣にいる二人は、異世界の勇者と魔王だよ」
「……適当に言ったことが当たってしまって驚いてるわ。それで、ただの一般人の私がここに来た理由はあるのかしら?」
「……それはね、まぁ……多分だけど……」
俺はコップの水を一口飲みこんで、呼吸を落ち着けてから彼女に言った。
「俺の責任……かもしれないんだよね」
「瀧本くんの?私に会うことを望んでくれたってことかしら??」
少しだけ頬を赤くする南野さん。
その様子にルエルは更に剣呑な雰囲気になり、ノエルは小さくため息混じりに『やっぱり……大好きじゃないですか……』と呟いていた。
「その……望んだというか……南野さんに『謝りたい』って思ったんだよね」
「謝りたい?一体何を謝ろうと思ってたの??」
首を傾げる南野さんに、俺は理由を話していく。
「ほら、俺ってさ、学校の行事とかに不参加気味だっただろ?」
「うん。でもそれは仕方ないことだよね?家庭の事情とかもあったし。その代わりには授業態度とかも悪くなかったし、テストの点数も上位だったし」
「ま、まぁ……そういうこともあって……南野さんにはたくさん『迷惑』をかけたなって気持ちだったんだ」
「そんな事ないのに……でも、瀧本くんがそう思ってくれたから私は君とまた会えたって事なんだよね」
南野さんはそう言うと、俺に向かって微笑みを浮かべてくれた。
そして、そのままの表情で俺に言った。
「どんな理由であれ、私は君とまた会えて嬉しいよ。瀧本くん」
「そ、そうか。俺も知り合いとまた会えて嬉しいと思ってるよ」
彼女の微笑みに、少しだけ跳ねてしまった鼓動に申し訳なさを抱きながら、コップに注がれたぬるくなった水を一口飲み込んで、俺はそう言葉を返した。