周囲は夜の暗闇。現代では決してあり得ないだろう夜の闇の中で、歩いていた。
『こんな深夜に、なぜ妖刀を探す必要がある』
そう、俺に対して、ハリベルは問いかける。
「妖刀は、呪いの武器だ。それを放置しておくと大変なことになるからな」
『そうなのか』
「ああ。それに最近、妖刀は、こちらとしても、戦力としては欲しいんだ」
『そうなのか?』
ハリベルの言葉を聞きながら、俺は夜道を歩く。この辺りの土地勘は全くないのだが、それでも目的だけははっきりしていた。それは、妖刀と呼ばれる特殊な刀を見つけること。
妖刀は、長い年月、恨みを募らせて、生まれた物。
それを取り込む事で、俺もまた強くなる。
「……まあ、なんにせよ、探さないと始まらないか」
『そうだな』
ハリベルが同意するように言う。
本来ならば、情報収集を徹底的に行いたい所だった。
しかし、今回、ここに早く来たかったのは、既に噂があったからだ。
その噂を聞けば、奴らが先に回収する可能性がある。
だからこそ、こうして、情報を集めずに、急いでいるのだ。
そうして辿り着いた場所は、山奥にある廃村だ。
ここは、妖怪や幽霊の噂がある場所でもある。そして、同時に妖刀の情報もある場所でもあった。
俺達は早速、廃村の中に入る。
そこには、ボロボロの建物があり、人気はない。
だが、そんな場所に似つかわしくない気配を感じた。
「ふぅん、お前か」
「えぇ、なんで、お前がここにいるの」
そこには既に奴がいた。
ここでは出会いたくない奴らの家の。
しかも、その周囲には、奴の部下がいた。
「本当は仕事だけどな、仕方ないか。まぁ、見られた訳だし」
それと共に、奴らがそのまま手に武器を構えた。
一斉に、その手の刀を構えた。
「ここで死んでよ」
それを合図に、襲い掛かってくる。
しかし、俺の方には戦う理由なんてない。
そう思いながら、避けようとした瞬間だった。
背後から感じた気配。
俺はそれに気づくと同時に、そのまま真っ直ぐと後ろへと跳ぶ。
勢い良く、飛びすぎた事もあり、そのまま建物に激突する。
「何をやっているんだが、さっさと始末しな」
その様子を馬鹿にしているように呟く。
だからこそ、俺の狙いに気づかなかった。
俺は、建物の中にあった刀に手に取る。
「さっそくで悪いが、使わせて貰うぜ、妖刀!」
俺はその言葉と共に刀を抜き放つ。
『愛している』
聞こえてくる声が、俺の脳に直接響く。
だが、そんな言葉を無視し、俺はこちらに迫る奴らに対して、峰打ちで気絶していく。
「へぇ、なかなかやるじゃん、けど、それで「あぁ、五月蠅い」がっ」
こちらに向けている視線を無視して、俺はそのまま峰打ちをする。
「妖刀とは聞いたけど、厄介だな、えっと、それでお前は『……あまり聞かないんですね』んっ?」
それと共に、見れば、そこには1人の少女がいた。
どこか浮世離れした雰囲気を漂わせた少女。
おかっぱで眼鏡という若干地味な風貌をしていた。
「君は?」
『私は、その刀の元持ち主と言ったら、良いんでしょうか』
そう、首を傾げた。
「……とりあえず、事情は後で聞くとするか」
目的の物を手に入れた以上、ここには既に用はない。
俺達は、そのまますぐに立ち去る事にした。
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