「……まさか、無人島から戻ってきた直前にこれとはな」
その日、俺は実家の奴らから呼び出しを受けた。
これまで、俺に対しては無干渉だったはずの奴らが、そのような事をした理由は既に分かっている。
俺が、妖刀罪歌を持っているから。
あの襲撃で、既に俺がそれを持っているのを分かった。
奴らは、それを欲しい。
「まぁ、こちらとしては、ありがたいがな」
奴らは、俺自身の力を知らない。
それは、既に小南さんが調べてくれた。
そして、仕込みも終わっている。
俺はそのまま屋敷へと来る。
「まさか、家から勘当された奴が帰ってくるとはなぁ」
そんな俺を見下すように見る男達。
それは、俺の事を知っている奴であり、これから殺す事を楽しみにしている様子が見える。
「それにしても、わざわざ殺されに来るとはねぇ、本当に酔狂な奴だなぁ」
奴らは、そのまま俺を囲う。
その手には、日本刀を持っていた。
それも、かなり強力な代物。
俺の持つ妖刀よりかは劣るだろうけど、それでも十分な程に強力な武器。
それが意味する事は一つだけ。
この場にいる全員が、俺を殺す気で待っていた事。
まぁ、そうじゃなければ、こんな所まで来ないか。
そんな奴らに案内されながら、俺は歩く。
「おい! さっさと歩け!」
後ろから声を荒げる一人。
他の者達も、その言葉に同調するように言う。
だが、俺は特に気にせず歩いていた。
やがて、辿り着いたのは、当主がいると思われる場所。そこは広い畳の部屋だった。
そこにいたのは、一人の男性と二人の女性。
一人の女性は、着物を着た妙齢の女性。
もう一人は、同じく着物を着ている少女。
そして、二人とも美しかった。
まるで、どこかのお姫様のように美しい容姿をしていた。
「来たか」
「久し振りだな、それで、俺を呼んだのは」
「あぁ、貴様の持つ妖刀、罪歌をこちらに寄こして貰う」
そう言って、男は鞘から刀を抜き放つ。
それは、名刀と呼ばれるに相応しい程の美しさを持つ一振だった。
俺はそれを見ても何も思わない。
「そうか、けど、俺も、死ぬつもりで来ていないからな」
「だが、その罪歌だけで、どうするつもりだ」
「俺自身は何もないよ。けどな、仕掛けは既に出来ているんだよ」
その言葉と共に、俺は笑みを浮かべる。
「ここは既に、お前達を閉じ込める場所になっているからな」
それと共に、ゆっくりと、俺はあえて、この言葉を使う。
この状況において、奴らが、これから行う事に対して、納得するように。
「領域展開、激怒循環」
その言葉と共に、俺を、この空間が書き換わる。
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