妖精は夢を見せてあげた
でもうまくいかなかった
秘密のお茶会を営むドクターとアイリス、そしてベナのお話を書きました。
かなり特殊なシチュエーションですが、どうかお目通しください。
むかしむかしあるところに妖精達の住むお城がありました。
その妖精は子供から預かった宝物を再び手渡すお仕事をしていました。
しかしある日、猫の妖精が大きな城塞にお仕事に向かったっきり帰ってこなくなりました。
仲間の羊の妖精が仕方なく彼女を迎えに行きましたが、その城塞には魔法使いが住んでいました。
魔法使いは子供の頃の記憶がありませんでした。
なので子供の思い出を預かる妖精に興味を持ち、彼女を誑かし、その薄羽を千切り、仕事のことをすっかり忘れてしまうような至福の快楽を教え込ませていたのです。
羊の妖精は仲間である彼女を魔法使いの魔の手から取り返すために、鋏を抱えて立ち向かいました。
ですが───
ベナは夜のロドス艦内を彷徨っていた。
理由は、アイリスを探すためだ。
(あの子ったら、最近様子がおかしいんだもの)
ロドスに滞在するようになったアイリスの行動は、以前見た時よりも妙な違和感があった。いつもの「お仕事」はそつなくこなしているものの、日中妙にボーッとしたり、かと思えば大人びた笑みを浮かべていたり。
周りは気にしてないようだが、以前の彼女を知っているベナにはどうも気になって仕方なかった。
極み付けに夜、自室に戻らず何処かに出かけているらしい。
(もしかして仕事以外の理由で此処にとどまってるんじゃないでしょうね?)
そんな疑念を抱いたベナは、夜になったらアイリスの行きそうな場所を確認して回ることにした。
だがどうにも彼女の行方は掴めない。最初は寝れない子供におとぎ話でも読み聞かせしてると思ったのだが、子供達の生活スペースにはどこにもアイリスの姿はなかった。
それからしらみつぶしに彼女が他に行きそうな場所を探したが、全て徒労に終わった。彼女の影の形も無い。
今日もなんの成果もなく、そろそろアニーの元に戻ろうかなと考え始めていたベナだったが、通り掛かりったとある部屋の前であることを思いつき、歩みを止めた。
(執務室………ドクターなら何か知ってるかも?)
ロドスを束ねる一人なら、オペレーターのことを把握していてもおかしくはない。もし知らなくても、ドクターは『いい子』だ。真摯に相談に乗ってもらえるかもしれない。
もう既に夜遅いがドクターは夜更かしさんだから、まだ眠らずに仕事をしているだろう。
僅かな希望を抱いて部屋を覗き込むが、いつも夜遅くまで明かりのついてるはずの執務室は珍しく真っ暗で、誰の気配もなかった。
仕方なく日を改めてドクターに会おうか、と引き返そうとした時、ベナは足元に何かが落ちているのに気づいた。
「これ………アイリスのリボンじゃない」
そう、アイリスがいつも頭に身につけている大きな黒いリボン。
それが執務室に落ちていたのだ。
「なんでこんなところに………?」
疑問に思って暗い室内で目をよく凝らして見ると、執務室の中から僅かに光が漏れていることに気づいた。
そこは───ドクターの私室につながる扉だった。
(もしかしてアイリス、ドクターと何かしてる………?)
こっそり近づくと、光だけでなく音も漏れていることに気づくベナ。
それも、周期的に何かが軋むような音が。
何か嫌な予感がする。
ベナは扉の先で何か自分の予想もできないようなことが起きている気がしてたまらなかった。
しかし、やっと掴んだアイリスの行方の手がかりを手放すわけにもいかなかった。
意を決して、僅かに開いた扉の隙間から部屋を覗き込むと───
そこにアイリスはいた。
身に纏うもの全てを脱ぎ捨て、艶やかな表情で、官能的な嬌声をあげながら。
「あっ…♡やら゛あぁッ♡すき、あぅっ!すっ、きぃ……っ♡」
ベナは思わず息を呑んだ。
口から漏れそうな悲鳴を漏らさないように。
(アイリス……!なんてこと……)
ベナは想像もしてなかった。
あまり接点のないはずのドクターとアイリスが、こんな、性の関係を持っているなんて。
ベナは、御伽噺の元となった物語などで男女の関係については知識はあったが、実物をこの目で見るのは初めてだった。その、人と人の交わりを、目の前で仲間が愉しんでいる。
後ろ手にされ、ドクターに覆いかぶさられ、激しく体を突き揺さぶられながら。
アイリスは甘い声をあげて、悦んでいる。
アイリスの艶やかな表情が、涙で潤んだ虚な目が、乱れるブロンドの髪が、扇情的なはずの光景全てが恐ろしく見えて堪らない。
見てはいけないものを見てしまったとベナは確信した。同時に、今すぐここから立ち去るべきだとも。
今この場に踏み込んだら、間違いなく取り返しのつかないことになる。
追求するのは後でもいい。少なくともアイリスを貪っているドクターがいないところで、誰も来ないような場所で問いただせば………。
そう決心し、震える脚を一歩後ろに下げようとしたその瞬間。
犯されているアイリスと目が合ってしまった。
「!!」
ベナの体は硬直した。
同時に、意識が朦朧とし始める。
(これは………アイリスの………アーツ………)
そのまま全身の力が抜けて、ベナはそのまま崩れ落ちてしまう。
薄れゆく視界の最後に映ったのは、怪しげな笑みを浮かべるアイリスの顔だった。
薄ら寒さを感じて目が開くと、視界には無機質な天井が映った。
背中には柔らかな布の感触。それも服越しではなく、直に。
そして───手足がうまく、動かせない。
「ッ、なに、これ………?」
意識がはっきりするにつれ、ベナは自らの状況を自覚していく。
着ていた服は脱がされ、生まれた姿のまま。
体全身がアイリスのアーツのせいか重く、身じろぎひとつできない。
そして、辛うじて動いた視線の先には、自分と同じく裸のアイリスとドクターが立っていた。
「あら、やっとお目覚めになりましたわね、ベナ」
彼女の股からは粘ついた白濁が脚へと垂れていて、先ほどまでの光景が夢ではなかったことを思い知らされる。
「アイリス………一体何が起こっているの?貴女、ドクターとどうしてそんな、そんな関係になってるの………?」
ベナの疑問に、アイリスはニコリと笑った。
「大人の遊びですわ、ベナ。私が見せてあげた夢のお礼に教えて頂いた、ね」
アイリスはドクターの体に纏わりつくように肌を重ねた。細身ながらゴツゴツとした彼の体を愛おしく両手で撫で、頬を擦り付ける。一方のドクターは一切微動だにせず、アイリスにされるがままにされている。
「ドクターさんは悩んでいましたの。自分には子供の時の記憶がないと、みんなが楽しんだ幼少期がないと」
「だから私に夢を見せてほしいとお願いしたのですわ。子供になる夢を見てみたいとね」
「ドクターさんは夢を楽しみましたわ。ええ、それはとても。そしてそのお礼に、私に大人の遊びを教えてくださいましたの」
アイリスは視線をドクターの下半身に向ける。彼女をたくさん犯したはずのそれは未だに天を仰いでおり、アイリスの両手の掌の愛撫を受けて小刻みに脈動している。
「ドクターさんは私に教えてくれましたわ。ティータイムよりも、物語りよりも楽しい遊びを………だからこうして毎日、夢を見せる代わりにたくさん遊んでもらっているのです」
「ベナも興味があって覗いたのでしょう?この機会に、ドクターと遊んで頂いたら?」
「違っ………わ、わたしはアイリス、あんたのことが心配で」
「恥ずかしがらなくていいのよ、ベナ。痛いのは初めてだけ。後は全て気持ちいいのですから」
自身の貞操が危ない状況になりつつあると悟ったベナは、体を起き上げようとする。先ほどまで全く動かなかった手足は感覚が戻るまでは回復しており、簡単に起き上がれる筈だった。
しかし、硬い両手がベナの両肩を抑えた。
ドクターが彼女に覆いかぶさり、押さえ込んだのだ。
「ちょっ、ちょっと、ドクター、離して………ッ!?」
想像以上の力に押し込まれ、なおも抵抗するベナはここで初めてドクターの表情を見て、絶句した。
「…………ベ………ナ………」
ドクターは、目を閉じていた。
顔は穏やかで、首は一定の周期で上下と左右に揺れている。
まるで、眠っているかのように。
ベナは確信した。
ドクターはアイリスのアーツのせいで、おかしくなってしまったのだと。
アイリスは記憶のないドクターに無理やり子供の記憶を見せようとして、ドクターの精神はねむったまま、内に隠していた欲求のままに行動するようになってしまったのだと。
それはアイリスを毒牙にかけ、誑かし、そして繰り返し夢を見るたびにアイリスを犯すようになってしまったのだと。
「ドクター、起きて!目を覚まさないと………こんなことしちゃダメ!」
ベナは必死でドクターに呼びかける。
このままでは自分の貞操が危ないのは事実だ。
だがそれよりもドクターが自分の意識のないところで取り返しのつかないことをさせてしまうことの方が、ベナは恐ろしかった。
だってドクターは。
誰よりも純粋に世界のことを考えていて。
誰かのために自分を犠牲にできて。
ロドスのみんなのことを思っているいい子だから。
そんないい子に、身の覚えのない罪と責任を負わせてはならない。
だがベナの叫びは虚しく、彼の肉棒は彼女の小さなお腹にゆっくりと押しつけられる。ベナの秘部から臍まで優に超える長さのそれが、ゆっくりと彼女の脚の間に向かって引き下げられていく。
「ドクター、いい子だから!起きて!このままだと悪い子になっちゃうよ!」
ベナは叫び、踠き、必死にドクターの意識を覚醒させようとする。
「ベ………ナ………?」
「!ドクター、聞こえた?答えて、ドクター!!!こんなことしちゃ………ダメ………ッ」
微かなドクターの反応に呼びかけるベナ。
しかし体格差で全くドクターからの拘束は解けず、ドクターの下半身はベナの下半身に重なっていき───
「あ…そぼ……」
ついに、ドクターがベナの中にゆっくりと、かつ力強く入り込んだ。
「ウッ、あ、あぁ、ああぁ、痛いッ、ダメ、ダメ、ダメッ、抜いてッ、ドクター………!」
体を押し分ける不快感と何かが千切れる痛みがベナの身体中を駆け巡る。
必死に両手をドクターの胸板に押し付けるが一切びくともせず、挿入は続けられる。
臓器が押し込まれる感触が気道にまで登るようで、ベナは吐くような咽せた咳を吐く。
一際深く、強く腰を押し付けられ、隙間なく腰と腰が密着し、ベナの下腹部はうっすらとドクターのものが浮かび上がるかような感触を覚えた。
「まぁ、ドクターを全て受け止められるだなんて………私は半分しか受け止められないと言うのに………羨ましい」
「う、あ、アイリス、やめて、おかしくなる、ダメッ」
側で一部始終を見ていたアイリスがベナの下腹部を軽く押しながら撫でる。そこはドクターとベナが繋がっているまさにそこで、体内と体外の二つの圧迫にベナは感じてはならない感触に襲われる。
ドクターが腰を引いた。
出口ギリギリまで引き抜かれたものが再び勢いよく最奥まで押し付けられ、その相手のことを考えていないその律動は段々と早くなっていく。
「カッ、は………ぐ、あ、どくたー、やめ、ぐぁっ、はっ、あっ」
狭い膣内を貫かれるたびに、ベナの口から自分の声とは思えないうめき声が漏れる。痛み、不快感、そして僅かに感じる、感じてはならない快楽。
「どくたー、ダメ、ダメッ、ダメッ!めを、覚まして!あ、ああ、ああッ、おく、ダメッ」
ベナの叫び声はいつしか甘みを帯びて、嬌声に変わりつつあった。いつの間にか両脚は持ち上げられ、腰は浮き上がり、抽送はさらに激しさを増していた。奥にドクターのものが密着するたびに、ベナの理性が少しずつ千切れていく。
「ッ!?どくたー、とまって、ダメ、それだけはダメッ、いやッ、いやぁ!」
小さな膣をさらに押し広げる感触と荒くなるドクターの吐息、そして膨れ上がる結合部の熱で、ベナはこの行為が最終的な局面に向かいつつあることを悟った。
「ふふ、ベナ、一番気持ちいいのがきますわよ。全部体を委ねて堪能しなさいな」
アイリスの蠱惑的な囁きで、ベナの意志とは真逆に身体は完全に快楽を受け止める体勢に入りつつあった。
彼女の小さな子宮はその口を開き、激しくぶつかるドクターの肉棒に吸い付いて、最大の快感を今かと待ち構えている。
「イヤ、いや、イヤだ!助けて、助けてアニー!アニィィィィ!!!」
最早全身を駆け巡る衝撃と快感でまともに動かぬ身体を必死に蠢かせながら、ベナは自分の相棒の名を叫ぶ。
だが防音のドクターの私室にその声は届くはずもなく。
ベナは無慈悲に最奥まで貫かれ、ドクターの射精をその中に浴びた。
「あッ………で………でてる………だめッ………あついッ………」
狭い膣を白濁が駆け巡る。あっという間に子宮は満たされ、入りきらない熱が逆流する。ベナの身体に不釣り合いなその容赦のない精液は彼女の下腹部を薄らと膨らませ、秘部から緋色混じりに溢れ出す。
「あ、あぁ、だめ、だめ、なのに………ッ、い、いや、い、イク………ッ♡」
ベナは自分の無力感を噛み締めながら、快楽の絶頂に襲われていた。アイリスのアーツは既に身体から抜けたはずななのに、もう抗う力も残っていなかった。
ゆっくりとドクターのものが引き抜かれ、結合部からゴボゴボと精液が溢れ出す。その光景を眺めながら、ベナは意識を手放したのだった………。
「ドクターさん、お久しぶりですわ。今日は貴方にお知らせしたいことがあってロドスに戻ってきましたの」
「ごめんねドクター。私はこのお腹が萎むまでドクターと会うつもりはなかったんだけど、またアイリスに捕まっちゃって」
「見てください、このお腹。ついに私たちの快楽の結晶が身を結んだのです」
「何が何だかわかんないって顔するよねドクター。でもアイリスの言ってることは事実だよ。この子たちはドクターの子供」
「ドクターはアイリスに夢を見せてもらってる時にずっとアイリスを犯してたの。巻き込まれた私ともね」
「長い間御勤めを果たしてきましたが、私にもやっと大人の幸福を実感することができるのですね」
「私もどうにかならないかと全力で対策したんだけど、ダメだったよ。一回だけなのに、できちゃった」
「正直、ドクターには何の落ち度も責任もないけど、生まれてくる命には罪はないから………」
「どうか私たちの子供を抱き止めてくださいね、ドクターさん♡」
「どうか恨まず、子供を愛してあげてね、ドクター」
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こうして羊の妖精も、城塞の魔法使いに囚われ、虜になってしまいました。
けれども二人の妖精は幸せでした。
魔法使いの教えてくれた至福の快楽がとても気持ちよかったのですから。
背中の薄羽はなくなり、使命も忘れ、妖精でなくなったとしても二人は魔法使いから離れないでしょう。
こうして妖精二人と魔法使いはいつまでも幸せに暮らしましたとさ。
めでたしめでたし。
こうして妖精たちは魔法使いに誑かされ、虜になってしまいました。
ドクターも困惑しているでしょう。眠っている間に子供同然の少女二人が自分の子供を孕んでいるのですから。
──どうかこの三人に、そしてその子供たちに救いがらんことを。
次回更新は8/26、0時です。
ヒロインはお酒大好きエリートオペレーター、ブレイズです。
お酒の勢いでドクターと関係を持ってしまった彼らは、はたして本当の意味の『ベストパートナー』に戻れるのでしょうか?
次回作『ブレイズ・アルコール・ラブ』、お楽しみに。