※この作品はR-18です。

アークナイツifルート   作:exotic

7 / 9
酔っぱらって大ヤケド、だけど愛の炎は消えない
貴方が許してくれるなら もう一度抱きしめてください

今回はお酒で感情のリミッターを外してしまったブレイズのお話です。
大丈夫、純愛ですから。

もし宜しければご覧ください。


ブレイズ・アルコール・ラブ

やっちゃった。

ドクターと、シちゃった。

お酒の勢いで。アルコールの勢いで。

 

ドクターには出会った時から一目惚れだった。

ミステリアスな雰囲気、戦術の組み立て方、あとマスクを外した顔。

ぜんぶぜんぶ、私の好みだった。

人生のベストパートナーになりたいって思うぐらいに、夢中になった。

 

けど私はエリートオペレーター。

いつ死ぬかわからない戦闘人形。

恋なんて感情持ってはいけない。

そうやって思いを封じ込めてた。

ドクターに面向かって好意を伝えられる娘たちが羨ましかった。

いつもドクターの側にいられるアーミヤとケルシー先生が羨ましかった。

同性だから気兼ねなく交流できるカランドの社長さんすら羨ましかった。

 

だから、思い切ってしまった。

お酒の力を使って、タガをわざと外した。

 

私とドクターが中心になって解決した任務の祝勝会。

戦闘も酒も強いオペレーターたちに囲まれてあっという間に理性も正気も失って失神したドクターをみんな気に留めないぐらい浮かれていたので、私が寝室まで連れて行って。

 

最初はそのまま酒の場に戻ろとしたんだけども。

 

今ならドクターと二人きりだって気づいて。

他に女性もいないってことに気づいて。

今なら私は誰にも知られずにドクターを襲えると気づいて。

 

ダメだって理性は何度も私を制止してたけど、女の本能がそれを打ち破った。

 

私はドクターが抱きしめていた飲みかけの極東酒を一気に煽った。

度数が高くて喉が燃えるようだったけど、構わず飲み干した。

脳が溶けるような気分になって、なんでもできるような気がした。

 

そこから先のことはかなり曖昧だった。

ドクターに蜘蛛のように張り付いて、彼の身体に縋りつきながら──それから何したっけ。

一生捨てるはずだった女の快楽を楽しんだはずではあるんだけど、全然思い出せないや。

 

目が覚めたら、裸の私と。

部屋の隅でガタガタ震えるドクター。

それだけで間違いなく私はドクターを貪り食ったって事ってことだけは確信できた。

事実と直面した私は、何も言わずに部屋を飛び出してしまった。

 

そして、今、気まずい関係が続いている。

 

元々秘書に私は向いてないから、ドクターの側にいる機会も少なかったんだけど、今回の一件からさらに少なくなった。ドクターが減らした訳じゃなくて、私から意図的に避けるようになっただけなんだけど。

 

多分ドクターも避けてるんじゃないかな。

最近任務に呼ばれないし。

当然だよね。泥酔強姦魔みたいなもんだから、私のやったこと。

ロドスに留まってられるだけ幸運なのかもしれない。

 

だけど未だに私は未練がましく、ドクターの事を思っている。

もう一回やり直したいと、もう一回ドクターと愛し合いたいって思ってる。

できれば素面で、今まで抱いていた感情を、全部ぶちまけたい。

 

そう思って、はや半年が過ぎた頃。

移動都市に出張していたドクターに突然呼び出された。

 

指定されたバーに行くと、そこでドクターは酔い潰れていた。マスターが言うには、一人で深酒していたのとのこと。

他のオペレーターも近くにいなかったので、私が彼を連れ帰るしかなかった。

 

……あれ。

なんだか、何処かでこの状況に覚えがあるような?

 

彼の泊まっているホテルのベッドにドクターを寝かせてあげる。ドクターは私の複雑な気持ちも他所にすやすやと酔い潰れている。

 

そういえば私がドクターを襲ったのも、こんな状況だったね。

ずるいなぁ。

私にこうやって一度襲われたのに、油断し切ってまた眠りこけてるなんて。

 

不用心だよ。

 

だけど安心して。

もう同じ失敗はしないから。

 

ドクターはみんなのドクターだから。

私が独占しちゃダメだもの。

 

私は唇を噛んで、部屋を後にしようとした。

 

そしたら。

 

「こんだけ準備したのに、抱いてくれないの?」

 

ドクターが突然起き上がって、私の手を握った。

 

あれ、どうして、さっきまで寝てたのに。

 

「あの日の再現をできる限りしたんだけど……ダメだった?」

 

ドクターは私の手を引いて、抱き寄せて、そのまま私の頬にキスした。

 

「ごめんね。僕も気持ちを整理するのに時間が掛かっちゃって……それで、こんな遠回しなアプローチになっちゃって……」

 

ドクターの腕が私を絡め取って、力強く抱きしめてくる。

 

「ブレイズが僕のこと好きだってことはだいぶ前から気づいていたんだ。自分の血液を注いだ瓶とかくれたりしたでしょ?」

 

それは。

ドクターを意識してから思いついた、私なりのアプローチ。

届いて、いたんだ。

 

「でも、僕がそれに答えたら君の重荷になってしまうと思って、思い込んで、何も言わなかった」

 

それって。

ドクターも、私のことを。

 

「だから君に伝えることから逃げた。理由づけて、思いを封じ込めた。君に酷いことをした」

 

ううん、そんなこと……!

先に手を出したのは私なのに……!

 

「いいんだよ、ブレイズ」

 

「我慢させちゃってごめんね」

 

「僕も君が好きだった」

 

「君の思いを爆発させてしまったのは僕だ」

 

優しいよ。ドクターは優しすぎるよ。

私の自分勝手な行動を咎めないで、自分のせいだって言って……。

 

「今からでもいいかな、ブレイズ」

 

「君の思いに答えても」

 

うん。うん。うん!

大好き。愛してる。ずっと好きだった!

ドクターに愛してもらいたかった!

私だけ見てもらいたかった!

 

「僕も愛してる」

 

「ブレイズの強さを、心情を、全てを」

 

ああ、やっと通じあえた。

遠回りでめちゃくちゃな方法だけど、ドクターは赦してくれた。

もう感情は抑えきれなかった。

力のままにドクターを抱き返して、押し倒して、唇を重ねた。

力任せに舌を割り入れて、絡めて、堪能した。

 

これじゃお酒の力で襲った時と何にも変わらないね。

でもいいや。愛し合ってるんだし私たち。

これが私たちの愛の形ってことで。

いいよね?

 

私のベストパートナー。


何時間経ったかな?

キスだけでこんなに夢中になれるんだね。

お互い服は脱ぎ捨てちゃって、大事なところは隠せてないけど。それどころかめちゃくちゃにいじりあってるけど。

 

もう汗と涎と涙で顔はぐちゃぐちゃで顔を見られたくなのに、照明の電気のリモコンはドクターに取り上げられて消せないまま。

 

「ブレイズの全部を見たいから」

 

なんて言われたら抵抗する気も失せちゃった。ずるいよ、ドクター。でもいいや。私も今度こそドクターと愛しあう瞬間を刻んでおきたいから。

 

昔からの自慢の大きい胸を押し付けて、鍛えた太腿を絡み付けて、尻尾をドクターの大きなソレに巻きつけておねだりを繰り返す。

ドクターの心臓の音と尻尾越しに伝わる脈動で、私の心臓も爆発しそう。

 

ね、そろそろくっつきたいよ、ドクター。

一つになろうよ、ドクター。

私、限界だよ?

 

耳元で囁くと、私に押し倒されていたドクターが体勢を起こして、今度は私を組み伏せる。

 

「あの日は散々ブレイズに抱かれたからね。今回は僕が抱くよ。いいね?」

 

うん、うん、うん。

嬉しい、嬉しい、嬉しい。

ドクターから私を求めてくれるの、嬉しい。

 

あ、でもヒニンはしなきゃ。

じゃないと、ドクターのために戦えなくなっちゃう。

 

「……今更だよ。君が僕を襲った時、したかい?」

 

でも、子供に、辛い思い、させちゃう。

わたし、感染者だし……。

 

「確信はないけど……多分、どうにかなるよ」

 

「安心して。全部僕が救って見せるから」

 

そっか。そうだよね。

ドクターなら全部なんとかしてくれるよね。

なら心配いらない……ね。

 

「愛してる、ブレイズ」

 

私も。愛してる。ドクター。

 

熱を感じる。

ドクターの熱だ。

私の中に入って、ジクジクと動いている。

途端にフラッシュバックするあの日の思い出。

そういえば私が襲った時もこんな感じだったね。

あの時はあっという間にドクターが果てちゃったけど、今回はドクターがリードしてるから安心だね。自分で動いて強引に犯すよりも、キモチイイや。

 

卑猥な水音と肉のぶつかる音。私たちの喘ぎ声。淫靡な熱気。甘く感じるお互いの唾液。絡み合う指先、密着する身体。

 

五感の全てが幸せで、頭が弾けそう。

愛してる。愛し合ってる。繋がっている。

私はこの瞬間のためだけに生きてきたんだと思うぐらいに上り詰めていた。

 

脳がチカチカする。意識が朦朧として沈んでしまいそう。でも手放さない。最後まで堪能したいから。

 

「ブレイズ、いくぞ、君を、君を……君を孕ませて、やる……ッ」

 

ドクターの劣情の篭った声。

その一言一言で高まった感情が振り切れてしまう。

絶頂っぱなしの私に対してドクターはまだ絶頂てないんだもんね。

 

いいよ。全部ぶちまけて。

私の中に全部ぶちまけて。

一緒にシアワセになろう。

 

ドクターが私の身体に縋り付いて、私もドクターの身体に縋り付いて。

 

私たちは同時に果てた。

 

一際熱い塊が私の中で蠢いてるのを感じる。

同時に私の下腹部も熱を放ってそれを受け止めてる。

 

「ああ……愛してる、愛してる、ブレイズ」

 

私も。大好き。愛してる。ドクター。

 

思いつくままの愛の言葉を交わしながら私たちは抱きしめあって、日が登るまで愛し合い続けた……。


ドクターはそれから私を妻として正式に向かい入れた。

まぁ、その……正式に発表するまで色々あったんだけど……それは割愛する。

今でも思い出したくない、ケルシー先生の半日に及ぶ説教、裏切り者と大号泣するアーミヤ、揶揄い回してくる同僚、哭き吼え暴れるアビサルハンター……。(最後が特にひどかったかな……なんかアーミヤも一緒になって暴れてたし)

 

でもドクターがそばにいてくれたから全然辛くなかった。むしろ楽しく感じた。大切な人と一緒ならどんなことも乗り越えられるんだね。

 

そして私はオペレーターとしての任を解かれた。あの後私のお腹には命が宿ったから。しかも今の所母子感染の気配も一切ないらしい。医療部どころかケルシー先生も驚いていた。ドクターの言う通り、全部どうにか上手くなりそうだね。

 

お酒は暫く我慢だけど、感謝はしないとね。

私たちを強引に結びつけてくれた貴方。

私たちの思いを打ち明ける道具になってくれた貴方。

いつかこのお腹の子と飲み交わせるぐらいに長生きしてみせるから。

その時まで、私たちを見守っていてね。

 

 

───────

─────

───

 

「私も飲みたいです、お酒」

「アーミヤちゃんダメ!!!飲んじゃダメ!!!ヤケになっちゃダメ!!!」

 

おしまい。

 

 




こうしてブレイズは再びドクターと結ばれ、子宝に恵まれることとなりました。
きっとこの夫婦はともに酒を酌み交わし、ベストパートナーとしてテラ中に名をはせるでしょう。
──願わくば、彼らをつないだ酒の場の喧騒がいつまでも絶えることありませんように。

次回の更新は次回更新は8/27、0時です。
ヒロインはテラの上位種、好奇心にやられて殺される猫、ニェンです。
力を使い果たし子供当然まで背丈が縮んだ彼女はドクターをからかいます。
……少児性愛者の、ドクターを。
次回作『干戈の交わり』、お楽しみに。
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