※この作品はR-18です。

ゴブリンスレイヤー ―灰の剣士―R-18   作:カズヨシ0509

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ドーモです。
此方も久々に更新いたします。

これはIFルートのお話で、本編とは違う世界線という解釈でお読みください。
その為、各登場人物の性格などは、大幅に違いや変更点が多々見受けられる事かと思います。

今回は、原作イヤーワンの冒頭部分、ゴブスレの村が小鬼に襲撃された時間軸でのお話です。
その所為もあり、火のない灰が流れ着いた経緯も素性も本編とは異なる部分が多々あります。(今のところ、人格面には大きな変更点は無し)

ただ前置きが非常に長く、エロの描写は殆ど終盤です。

では投稿致しますドゾ。( ゚ ω ゚ )



IFルート編
IF・1話―灰の剣士・Bルート 姉方・長女との交わり(本番アリ)―


 

 

 

 

 

 

最初の火を継ぐ…何度も繰り返し、好い加減辟易してきたな。

愚鈍な私でも理解できる、もう火継ぎも限界なのだと。

その証拠に、何だこの頼りない燃え移りは!?

其処ら中の篝火の方が、まだ真面に燃え盛っていたぞ。

だが、これで良いのやも知れぬ。

取り敢えずの延命は成った。解決とはいかないまでもな。

この様子では、直ぐにでも火が陰り元の木阿弥と帰すだろう。

火のない灰は何も私一人ではない。次なる誰かが火を継ぐか、或いは――。

 

ああ…意識が薄れてゆく…、もう終わりにしたいが、また別の世界が待っているのだろうか?

願わくば…ここよりもマシな世界であらん事を…。

 

…お休み…ロスリックよ…。

 

所以も知らぬ『火のない灰』より抜粋。

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 赤と緑の月が空を支配する、何時もと変わらぬ夜。

何の変哲もない日常…の筈なのだが、どうにも空気が肌に重く絡み付き胸騒ぎがする。

熱帯夜でもないというのに、半袖のシャツから覗く肌には汗がジットリと張り付き、暑い様な居心地悪さが染み付いて仕方がない。

 

「ああ、今夜が当番とはツイてないな…」

 

 夜中という時間帯にも拘らず、村の外で一人椅子に腰かけ警戒態勢で待機していた一人の男。

この村は全周囲を木板の柵で囲い、侵入者による襲撃に備えていたのである。

この男も村の住民で、当番制という形で夜間警備に当たっていた。

 

「数年前までは、もう少し平和だったんだがなぁ…」

 

 警備の男は溜息を吐き、ひと昔前の平和な時期を懐かしんでいる。

ここ最近となり、世界は慌ただしく何処も彼処も騒乱に見舞われていた。

 

闇人の暗殺者。

邪教集団の暗躍。

死人占い師の策謀。

奴隷商軍団の略奪。

魔物が跋扈する異界。

異界の魔神が率いる軍勢。

 

そんな彼等とは何の縁も無い、此処は何処にでもある名も無き小さな村。

公式の地図に記されているかどうかも怪しい、街からは近いものの何の変哲もない只の小村。

しかし、その様な村でも身近となる脅威は直ぐ其処に迫り、人々に牙を剥く事も珍しくはないのだ。

 

どうにも落ち着かない夜だが、饒舌な虫の鳴き声の所為もあるのだろう。

毎夜のように聞き慣れた虫声の騒音に晒されながらも、奥の茂みから何やらカサコソカサコソと揺れる音が聞こえて来る。

村を囲う防護柵の両脇には、2本の松明が設置され視界を確保している。手に保持する個人携帯の松明に比べ遥かに明るい光量だが、怪し気に揺れる茂みまで届く光は僅かだ。

目を凝らさねば、茂みの全容など確かめようもない。それ程に不明瞭な茂みだが、不自然に揺れ動き怪しい事この上ないのも確か。

 

警備の男は、手にした武器を構えながら茂みの方へと声をかけた。

 

「おい、誰か居るのか…!?」

 

 昼間なら見慣れているであろう只の茂みも、闇夜に溢れた時間帯は不気味も不気味。

不安に駆られ叶うなら見なかった事にしたい程だが、当番の役割は果たさねばならないのが辛い処だ。

警備の男は恐る恐る尚も揺れる茂みに歩みより、武器を握る手に自然と力が入ってしまう。

夜は視界が効かず、とにかく危険に満ちている。

兎ぐらいなら大事ないが、猪や熊などに遭遇したとなると一人では手に負えない案件となる。

 

「……」

 

 男は不自然に揺れる茂みに手を伸ばし、正体を確かめようとした…瞬間――。

 

「――GYOWAWAAA!!」

 

 茂みから飛び出したのは、兎や猪などという獣の類ではなかった。

全身緑一色の体表に只人子供ほどの矮躯、そして長い耳に醜悪な容貌を持つ小型にして悪辣な混沌最底辺の異形。

 

「――ゴ、小鬼(ゴブリン)ッ…!!」

「――GYORAA!!」

 

 茂みの正体に男が咄嗟に叫ぶも、既に手遅れも同然。

醜悪で緑色の異形『小鬼(ゴブリン)』が勢いよく飛び出し、手にした石造りのナイフを突き付ける寸前にまで迫っていたからだ。

男は尻餅をつき、無防備な体勢を晒してしまう。

小鬼(ゴブリン)とは、凶暴で悪辣な混沌最底辺の異形でありながら生息数だけは異常に多く、小村の人々の生活にも関わる最も身近な脅威でもあった。

とにかく凶暴で悪賢く夜行性という生態を持ち、村の家畜を盗むなど日常茶飯事で時には女を攫い孕み袋として扱う事を愉悦としている。

また集団で行動する事も多く、集落や小村は言うに及ばず時には街や都市を攻める事さえあった。

 

たった一体とはいえ、その様な悪辣な異形と遭遇し、今や絶体絶命の危機に陥った警備の男。

茂みから飛び出し石造りのナイフを、転倒した男の顔面に突き刺そうとしていたのである。

 

「――~ッ…!」

 

 もう助からない!

そんな思いが脳裏を掠め、顔を背けた男はサッと目を閉じ運命を受け入れようとする。

 

「……。…アレ…?」

 

 しかし、何時まで経っても痛みなど無く、相変わらず眼前で小鬼がギャアギャアと鳴き喚くだけだった。

 

「……?」

 

 茂みから出現したのは紛う事なき『小鬼(ゴブリン)』で間違いない。

しかし、どうにも様子が可笑しいのである。

 

「GYWAWAWAWA…!」

 

 小鬼は茂みから半身だけを晒し喚き散らしながら、手にした石ナイフを無造作に振り回しているだけなのだ。

確かに気味悪い相貌は、警備の男を睨み付けている。

だが、彼を突き刺そうとしているというよりは、寧ろ何かに抵抗し藻掻いているといった方が正しいかもしれない。

 

「……?」

 

 よく見れば、小鬼は藻掻き苦しみ首を左右に激しく振っているではないか。

 

「GYAWAWAWA…GUROAA……!…GYOVッ……」

「――へッ!?」

 

 暫し藻掻いていた小鬼は、そのまま嘘のように大人しくなりダラリと首を下げ動く事はなかった。

恐らく事切れたのだと思われるが、ダラリと首を下げた瞬間、ボキリッ、と骨の折れるような音も耳にしていた。

 

「――???」

 

 もう何が何だか分からない。

男は半ば混乱状態となり、事切れた小鬼を凝視するだけだ。

すると再び茂みがガサゴソと音を立て揺れたかと思えば、今度は一(・)人(・)の(・)只(・)人(・)の(・)男(・)が出現したではないか。

 

「――な、ななな、なんだぁ…!?ひ、人ぉッ…!?いや、小鬼(ゴブリン)!?」

 

 自分は一体何を見せられているのだろう?

茂みから小鬼が出現したかと思えば唐突に事切れ、今度は只人の男が出現したという奇怪な状況。

 

しかも、その男は全(・)裸(・)で事切れた小鬼の首を鷲掴みにしているではないか。

 

警備の男は混乱する思考を何とか纏め上げ、状況を整理した。

 

茂みから出現した小鬼だが、どうやら今の全裸男により首を圧し折られていた。

そう言う事なのだろう。

 

「……」

「……」

 

 小鬼の首を圧し折った全裸男と、今も腰を抜かし混乱する警備の男との視線が交差した。

 

「この異形は、ゴブ…ゴブリンと申すのか?」

「え…あ…あぁ…そうだ…。ゴブリン…小さい鬼と書く、混沌最底辺の悪辣な魔物だ…」

 

 怪しさ満点な全裸男だが、どうやら言葉は通じる事が判明し、警備の男は落とした石槍を拾い上げ『小鬼(ゴブリン)』について簡潔に説明した。

 

「あ、アンタ、小鬼を知らないのか…?」

「…知らぬ。此処に来る途中で何度も襲われたが、新しい人類種だと思い込んだ位だ」

 

 全裸男の言葉は、驚愕に値するものだった。

小鬼とは、最も身近に存在する混沌の産物として広く認知され、もはや一般常識と化している。

今時子供でも知っているというのに、この全裸男は小鬼を知らないというのだ。

全裸という異常な姿に目が行きがちだが、細身ながら無駄のない筋肉を備えしかも若い。

どこからどう見ても青年といった風情だが、小鬼を知らないとなると異国の地より流れて来たのだろうか。

見れば見るほど怪しい事この上なく、素性を確かめねばならないだろう。

 

しかし、その様な猶予を状況が許してくれなかった。

 

「GYOVU」

「GYOBOBO」

「GYUROB」

「GOROV」

「GOVGOVGOV」

 

 気が付けば、周囲には多数の小鬼が出現し二人を取り囲んでいる。しかもそれだけではなく、別の小鬼集団も村への侵入を試みていた。

もう全裸男に構っている場合ではないのだ。

 

「――おおいっ、小鬼が出たぞぉッ!小鬼が出たぞぉッ!!」

 

 力の限り、村へと危険を報せる警備の男。

民家の灯りは殆ど消えていたが、彼の叫びで忽ち村人が目を覚まし大騒ぎと化した。

 

「アンタ、運がなかったな。こんな時に迷い込んじまって…!」

「新たな人類種かと怪しんでいたが、貴公の言で邪悪な異形である事が判明した。ならば、殲滅に何の躊躇いもなかろう」

 

「殲滅って、…そんな恰好でか!?」

「まぁ見ていたまえ」

 

 既に全方位は、複数の小鬼に囲まれ一体一体が武器を所持している。粗雑な造りだが、石のナイフや石斧、時には刃毀れした小剣をも所持していた。

対する此方は、石造りの粗末な槍を一本、そして無防備な急所だらけで丸腰の全裸男という有様。

正直、絶望的と言わざるを得ない。

しかし全裸男は、いとも容易く『殲滅』などど口にし、殆ど無表情で小鬼達に視線を送っている。

コイツ頭でもイかれてるのか?

警備の男が、そう勘繰りたくなるのも無理からぬ話だ。

だが口論している暇を小鬼は待ってくれず、木の棍棒を持った一体の小鬼が全裸男へと飛び掛かった。

 

「――あ、あぶなッ…!」

 

 咄嗟に声が出た警備の男。

 

「――ふッ!」

「――GYOVッ!?」

 

 瞬きした次の瞬間、飛び掛かった小鬼の顔面は潰れ地面に斃れていた。

 

「…え…?」

 

 警備の男だけでなく、他の小鬼達も目を白黒させ無言で呆けている。

全裸男に飛び掛かった小鬼だが、間合いに入る瞬間、彼は瞬時に踏み込みカウンターの裏拳で返り討ちにしていた。

カウンターの裏拳を叩き込まれた小鬼の顔面は、グシャグシャに潰れ完全に絶命している。

 

「素手でも構わぬが、やはり武器が無くてはな」

 

 一瞬で一体を仕留めた全裸男は、先ほど小鬼が持っていた木の棍棒『クラブ』を拾い上げ自身の物とした。

 

「それでは、この私『火のない灰』が、貴公らを皆殺しにしてくれようぞ!」

「「「「「「――GUROVOッ!」」」」」」

 

 小鬼に対し宣戦布告を叩き付けた全裸男…否、『火のない灰』を名乗りし青年。

尚も唖然とする警備男を余所に、周囲の小鬼達へと躍り掛かった。

 

「――シっ!」

「――GROB!?」

 

 瞬時に肉薄したクラブの振り下ろしで、先ずは小鬼の頭部を叩き潰す。

 

「――ふッ!」

「――GOV!?」

 

 即死した小鬼に脇目もふらず、次の標的へと踏み込み顔面を叩き骨を砕いた。

 

「――セッ、はッ!」

「「――GYOBE!?」」

 

 彼の動きに反応し切れない2体の小鬼へと瞬時に突撃し、横薙ぎで側頭部を破壊し、切り返した追撃でもう一体の頭部を粉砕した。

 

「――遅いッ!」

「「――GUROVU!?」」

 

 彼は容赦なく残り2体の小鬼へと跳び込み、跳躍からの叩き付けで一体を肉塊に変え、軸足を回転させた回し蹴りで最後の一体の頭部を蹴り砕いた。

 

彼の戦いぶりに、成す術もなく絶命させられた6体の小鬼達。

その間、実に3秒弱――。

 

「ッ……」

 

 気が付いた時には、既に周囲の小鬼達は地に斃れ伏していた。

武器持ちで複数の小鬼に包囲されるという絶望的状況を、僅か一呼吸の間に覆した『火のない灰』を名乗る全裸男。

余りの一瞬の出来事に、警備の男は現実味の無い奇妙な感覚を覚えていた。

 

「貴公、村の中はいいのか?」

「――へ、あ、あぁ、そうだった…!俺は村に入った小鬼を対処する、アンタは部外者だ。どっかに隠れてな!」

 

「手を貸そう、残り45は確実だ」

「――そ、そんなに!?ああクソ、俺はコッチを担当する。悪いがアンタはアッチを頼む…!」

 

「承知、任せよ」

 

 暫し呆けていた警備の男に声をかけ、村に侵入した小鬼群の対処に追われる事になる二人。

二手に分かれた火のない灰は、クラブを片手に小鬼の殺到する民家を目指し疾走した。

 

……

 

この狭い民家に裏口など設けてはいない。

外に通ずる出口も、複数の小鬼が塞ぎ此方にジリジリとにじり寄る。

 

「ここは私が何とかするから、二人は早く逃げるのよッ!」

 

 民家には、逃げ遅れた3人の姉妹が追い詰められていた。

3人とも年頃の若い娘で、小鬼にとっては格好の雌として狙われる。

特に長女は抜群の肉感的な肢体を誇り、鼻が利く小鬼は女の体臭に酔いしれていた。

妹二人を逃がすため囮となる長女だが、肝心の出口は複数の小鬼に塞がれている。

つまり逃げ果せるには、小鬼の間を何とか擦り抜けるか全滅させるしか手がないのだ。

 

「――このッ、小鬼(ゴブリン)なんてッ!」

 

 意を決した長女は、手にした農具の鍬で一体の小鬼目掛け振り下ろした。

当然、彼女に戦闘の心得などあろう筈もなく、素人も同然の無造作な一撃。

 

「――BGYO!」

 

 だが意外にも、鍬を真面に食らった小鬼は脳天を抉られ即死する。

 

「…コイツ等、弱い…!」

 

 思いもよらぬ結果に、長女は安堵を覚え表情が緩む。

だが其処に慢心が生じ、側面から飛び掛かる小鬼への反応が遅れた。

 

「――お姉ちゃん、横っ!」

 

 妹の一人が危険を報せるが、素人の長女が咄嗟に対応する術など持ち合わせてはいなかった。

 

「――GYA!」

「――あぐっ!?」

 

 小鬼の飛び蹴りを食らった彼女は、そのまま床へと転倒し小鬼達に取り押さえられた。

 

「――お姉ちゃんっ…!」

「私はいいから早く――」

 

 長女が落とした鍬を拾い、何とか姉を救出しようと駆け寄る二人の妹。

外に逃げるなら今が最大の好機なのだ。

小鬼達は皆挙って長女に殺到し、出口への隙ができている。姉を見捨てる事になるが、少なくとも自分達は助かる可能性が生じていた。

駆け寄ろうとした妹二人を、尚も逃がそうとする長女。

 

「――早く逃げ…ッ!?」

 

 だが取り押さえた小鬼達は、彼女の衣服を掴み強引に引き千切った。

無残に引き千切られ布切れと化す、彼女の衣服。決して高価な上物ではなかったが、それでも見る者に清潔感を抱かせる衣類だった。

しかし彼女の衣服は、たった今機能を失いボロボロの布切れとして床へ散乱している。

あっという間に全裸へと剝かれた彼女は、長女らしい豊満に育った乳房と陰部を、醜悪な小鬼の前に曝け出された。

 

「――い、いや…」

 

 衣服を剥ぎ取られ無理やり開脚させられ、晒されたのはピッタリと閉じた女の純潔。

まだ村の男にさえ見せた事もない最も大事な女の部位を、まさかの小鬼の眼前に晒されてしまおうとは。

この様な下劣極まる格好にされた彼女だが、羞恥よりも恐怖が勝り涙目となる。

今、彼女の秘所には奇妙な接触を感じていた。

ここまで来ればワザワザ思考せずとも、何をされようしているのか嫌でも分かろうというもの。

無理やり開脚させられたと同時に、既に小鬼のいきり立つ肉竿が、彼女の秘所へと当てがわれていた。

既に亀頭部が僅かに披裂へと押し込まれ、あと一押しすれば小鬼の肉竿が膣内へと抉り込まれる寸前であった。

もう覆す術などない。

これから行われるであろう小鬼の凌辱地獄が延々と続き、子を孕まされては犯され、それは死ぬまで続くのだ。

 

結婚適齢期を迎えていた長女。

まだ決まった相手も居なかったが、容姿にも気立てにも優れ村人からの人気も高かった。

そんな彼女とて夢見る時期もあった。

白馬の王子様や、立派で勇ましい騎士に見初められ、煌びやかな婚礼を挙げ皆からの祝福を一身に受ける。

所詮村人である彼女に、その様な夢など叶おう筈もないのだが、純潔の捧げる相手がよりにもよって小鬼(ゴブリン)とは――。

 

せめて人(・)であってほしかった。

初めての相手は。

高望みなどしない、せめて、せめて、最初の相手は――。

 

股間より迫る感触で、嫌でも分る。

小鬼が力を込め、自分の膣内(なか)に侵入しようとしている様子が。

もう妹たちの事を考える余裕すらなかった長女。

これから来るであろう悍ましい災厄を受け入れるべく、彼女は顔を背け歯を食い縛り覚悟を決めるしかなかった。

また閉じた目の端から、悔し涙が溢れ床へと滴り落ちる。

 

「……!」

「……」

「……?」

 

 おかしい。

何か変だ。

何も起きない。

やけに静かだ。

妹たちの声も、小鬼の嫌な鳴き声も聞こえてこない。

もう終わったのか?

 

長女は恐る恐る目を開け、犯そうとしている小鬼をそっと盗み見る。

 

「――…!?」

 

 彼女の視界には信じられない光景が繰り広げられていた。

 

彼女を犯そうとしていた小鬼の頭部は、見るも無残に潰れ赤黒い血肉を撒き散らす肉塊へと変じていたのである。

 

「……!?」

 

 何が起こっているのか彼女も理解できておらず、潰れた小鬼は床へと崩れ落ちる。

そして崩れ落ちた小鬼のすぐ後ろには、棍棒を所持した全(・)裸(・)の(・)男(・)が佇んでいた。

 

これには長女は疎か小鬼達も唖然とし、暫しの沈黙が屋内を支配する。

当然、傍に居た妹たちも目を丸くし絶句するばかり。

 

無理もない、突如、小鬼達が民家へと侵入し自分は凌辱の危機。――かと思えば、今度は棍棒を持った全裸男が自分の家に乱入していたのだ。

もう普通じゃない。

余りに奇怪な現実が短時間に降りかかり、3姉妹や小鬼たちでさえ呆けるしかなかった。

 

それが致命的な隙になるとも知らず。

 

「――BUGYA!」

 

 瞬きする間もなく、長女の視界から全裸男の姿は消え失せ、代わりに小鬼の短い悲鳴が彼女の耳を打つ。

後方から聞こえる小鬼の悲鳴と、肉と骨の潰れる音。

状況を理解する前に、彼女の両腕を拘束していた小鬼が叩き潰され、長女の手足は再び自由となった。

 

「――GRUEV!」

 

 立ち上がろうとした矢先、またもや別の方向から小鬼の悲鳴と肉の潰れる音が耳を打つ。

彼女がその方へと向けば、一体の小鬼は立ったまま頭部を潰され絶命していた。

 

「GROB」

「GYOEB」

「BGYOA」

「GOVE」

「GYOV」

 

 そこからはもう一方的だ。

全裸男は、手にした棍棒で次々と小鬼達を叩き潰し即死させてゆく。

しかも狭い屋内にも拘らず縦横無尽に動き回り、小鬼達は真面に対処できず困惑するばかり。

長女が漸く状況を理解した時には、屋内に押し寄せていた小鬼達は全て地に伏せていた。

ピクリとも動かないところを見るに、完全に絶命している事が分かる。

 

「「「……」」」

 

 それを目の当たりにしていた3姉妹は、言葉こそ出なかったが自分達が助かった事だけは認識する。

 

「……」

 

 少しの間、全裸男と3姉妹で視線が交わった。

この村の者ではない、棍棒持ちの全裸男は。

小村で人口は50前後、その内若い男は精々数名だけだ。

もし目の前の全裸男が顔見知りなら、先ず忘れる筈もない。

黒髪に橙色の瞳を持つ端正な顔立ちと、細身ながら屈強な筋肉美溢れる肉体。

しかしどこからどう見ても、全裸男に見覚えはなかった。

――というよりも、何故この男は全裸なのか。

3姉妹…特に長女は疑念が尽きず、つい声をかけてしまう。

 

「あ、あの…貴方は…?」

「……。邪魔をしたな」

 

 会話らしい会話など成り立たず、全裸男は直ぐに外へ出て行ってしまう。

 

「――あ、待ってっ…!」

「「お姉ちゃん、服、服…!」」

 

 一瞬で姿を消した彼を何故か追おうとした長女。

あの全裸男と同じく彼女も全裸を晒したまま、民家を飛び出してしまう。

そんな二人の妹は慌てて衣服を持ち出し、長女の後に続いた。

 

「あ、あぁぁ…」

 

 その男を見失う心配はなかった。

どの様な形であれ自分達を救ってくれた全裸男は、今も外の小鬼達に立ち向かい次々と叩き伏せている。

小鬼が弱い事は分かったが、それでも凶暴で恐ろしい存在なのは身をもって理解した。

だが恐ろしい小鬼達に囲まれようと、目に映る全裸男は淡々と作業でも熟すかのように仕留め続けている。

 

――ああ、何…?体が熱いわ…。

 

今も勇猛果敢に戦う全裸男を目にし、彼女は身体の奥底から熱いナニカを感じ取り原因に気付けないでいる。

しかも全裸でいるものだから、更に全身が敏感に反応してしまうのだ。

どうにも乳首がジンジンとした感触に見舞われ、自覚しないまま最高潮に突起している。

加えて下半身からは熱い違和感を覚え、秘所からは滑りを帯びた粘液が内股を伝っていた。

 

この様な感覚を覚えたのは生まれて初めてだ。

彼女自身、多少の性知識もあり男との夜の行為位は知っている。

しかしまだまだ深いとはいえず、性に関する知識自体はまだまだ拙い段階と言わざるを得なかった。

 

「……美しい」

 

 彼女は唯々見惚れている。

全裸男は小鬼の返り血さえ浴びておらず、二つの月光に照らされる裸体に只管魅入られた。

その後すぐ、妹たちに窘められ漸く自分も全裸である事に気付き、急いで着替えを身に纏う。

着替えを終えた時、あの全裸男は別の民家へと向かっていた。

恐らく残りの小鬼達を追ったのだろう。

 

「あ、お姉ちゃん、行っちゃ駄目だって…!」

 

 今の長女に妹達の声など、もはやどうでも良かった。

彼女の脳内は、あの全裸男が焼き付き住み着いてしまっていたのである。

妹達の制止も聞かず、長女はゆっくりと彼の後を追う。

 

……

 

男は必死に妻の名を叫び、同時に小鬼へと憎悪をぶつけた。

 

「――ちくしょう、この人でなし共めッ…がふッ…!?」

 

 男は現在、複数の小鬼に取り押さえられ、妻の凌辱ショーを見せ付けられていた。

一人娘を生んだとはいえ妻はまだ年若く、自分で言うのも変だが容姿も身体も豊満で女の魅力に溢れていた。

そんな女の匂いを撒き散らす雌を、小鬼が無視するなどあり得ない。

邪魔な男など直ぐに殺しても良かったが、小鬼達は悪辣な嗜虐心を満たすべく敢えて男を生かしていた。

この悔しがる男の目の前で、この雌を散々に犯し尽くしてやろう。

 

「「「「GYOBEBEBE…!」」」」

「い、いやぁッ…!やめてぇッ…!入れないでぇッ…、アッ…!?いやぁッ…!!」

「――やめろぉッ、やめてくれぇッ…!!」

 

 視界に映る愛しの妻は既に衣服を剥ぎ取られ、乳房と秘部が小鬼達に晒されていた。

男と共に妻も複数の小鬼に取り押さえられ、露出した豊かな乳房を吸われ続けている。

そして淫臭漂う女の最も大事な部位に、膨張した小鬼の陰茎が捻じ込まれようとしていた。

只人の子供ほどの膂力しか持たない小鬼だが、複数で協力すれば女一人を取り押さえるなど実に造作もない。

 

「――や、やめッ…、ひぎゃぁアアァぁッ…!…アッ、アッ、アッ、アッ、アッ…あぁッ…」

「ぐぅぅぅ…、こんなの…あんまりだぁ…ぅぅぅ…」

「「「「GYEVAVAVA…!」」」」

 

 男の悲痛な叫びも虚しく、最愛の妻は小鬼の情欲に呑まれつつあった。

覆い被さる小鬼に遮られ直に妻の姿を拝む事は出来ない位置関係だが、妻の途切れがちの声で全てを察してしまう。

妻は今、小鬼に犯されている真っ最中だ。

耳を塞ぎたくなるような妻の悲痛な声と、湿った身肉のぶつかり合う音が嫌でも聞こえてしまう。

叶うなら耳を塞ぎ現実から逃避したい。しかし彼の両腕は小鬼達に拘束され、それさえ許して貰えないのだ。

 

「あ、あ、あ、あ…い、嫌ぁ…突かないでぇ…これいじょう突かないでぇ…お願いよぉ…あ、あ、あ、あ、あ…」

 

 妻にとっても悍ましい筈の行為だが、膣内からは止めどなく粘液が溢れ淫猥な水音が激しくなる。

これは体内を守ろうとする生理反応が働いているのか、それとも身体は正直に凌辱をも受け入れているのか。

それに対し、タン、タン、タン、タン、と小鬼はリズムよく腰を振り愉悦に溢れた表情で没頭している。

 

とても一人娘には見せられない異常事態だ。

この夫婦の一人娘だが、今日に限り叔父にあたる牧場に預けている。

その為、今は不在で、今夜の襲撃を免れたのは不幸中の幸いと言えよう。

もしこの場に居合わせていたらと思うと、背筋がゾッと悪寒さえ覚える。

 

「――GYVA!?」

「――GROB!?」

「――GREVU!」

「――GEVA!?」

 

 愛する家族一人守れない自分に対する無力感と、これから訪れるであろう絶望に、男は次第に諦観し藻掻く事を止めようとしていた。

だがふと耳に届くのは、小鬼共の奇妙な悲鳴ばかり。

 

「……なっ!?」

 

 俯き加減だった顔を上げ再び妻の方へと視線を向ければ、妻に圧し掛かっていた小鬼達は全て床に倒れ伏していた。

全て頭部を鈍器のようなナニカで叩き潰されたのか、血飛沫を上げ身肉を撒き散らしピクピクと痙攣をおこしている。

頭を無慈悲に潰されているのだ、間もなく小鬼は例外なく息絶え微動だにする事はなかった。

 

「誰…だ…!?」

 

 視界に映ったのは、死体と化した小鬼だけではない。

妻の直ぐ傍には、憎々しい小鬼達を叩き潰した張本人と思わしき若い男が、血肉の滴る棍棒を手に佇んでいたのである。

しかしどういう訳か、視界に映る若い男は一糸纏わぬ全裸であった。

 

「「……!?」」

「「「「……??」」」」

 

 どう反応すれば良いのか。

男と妻は勿論、小鬼さえも呆けてしまう。

 

何時の間にか自分達の家へと侵入していた全裸男だが、今度は男を取り押さえていた4体の小鬼を瞬時に仕留め切った。

 

「え…あ…あぁ…」

 

 呆けている小鬼達など只の的と言わんばかりに、全裸男は手にした武器で小鬼を皆殺しにしたのである。

民家を占有していた小鬼だが、全部で8体存在していた。

実際はもう少しいたのだが、住民である男が3体を返り討ちにしていたのである。

だが四方八方から同時に襲い掛かられてしまえば、腕っぷしが強かろうと素人の彼では直ぐに屈服してしまい、妻は御覧の有様。

しかし結果として、この若夫婦は助かった。

 

「あ…あの…どちら…さま…?」

 

 男も妻も恐る恐る、全裸男に声をかけてみる。

格好そのものは小鬼以上に異様だが、こうして助けてくれたのは間違いない。

先ず悪人ではないだろうと、試しに話し掛けてみたのである。

 

「あとは任せた」

 

 だが返ってきた言葉は非常に淡白なもので、全裸男は颯爽と屋内から立ち去った。

 

「「……」」

 

 今の男は一体何者なのだ。

男と妻は、立ち去った男を目で追う事しか出来ないでいる。

だが外から届く喧騒で、今も小鬼達と戦っている事だけは理解できた。

 

「お、おい、お前…怪我はないか…?」

「え、ええ…何とか…。膣内(なか)も大丈夫よ、出(・)さ(・)れ(・)て(・)ないわ…」

 

 我に返った男は、先ほどまで凌辱に晒されていた妻を気遣う。

小鬼の激しい凌辱で秘部と膣内は自分の体液で塗れているが、小鬼の種そのものは仕込まれてはいなかった。

つまり、孕んでいる可能性は限りなくゼロに等しいという事だ。

 

「取り敢えず着替えなさい。…それにしても今の男、お前は知ってるか?」

「知らないわ。貴方こそお知り合いじゃなかったの?」

 

「まさか。若い奴の顔は全て覚えているが、あんな男は見た事がない」

「そう…よね…。何故か裸だったし…」

 

 男と妻は、先ほどの全裸男について話し合うが、心当たりが無い事が判明する。

一体どこからやって来たのか、なぜ全裸なのか、様々な憶測が飛び交うも何も分からず仕舞いだった。

 

「あの子は大丈夫かしら?」

「この村と牧場は、それなりに離れてるからな、安全な筈だ」

 

「そうね、兄さんも居るんだし」

「暫く立て籠ろう、騒動が落ち着くまで――」

 

 ふと一人娘を思い出す妻。

彼女の兄は街外れの牧場を経営しており、一人娘の叔父にあたる人物だ。

年の離れた兄だが、体力面も人格面にも優れている。そんな牧場主の兄が未だ独身なのが不思議なくらいだ。

今宵の襲撃は確かに異常事態だが、件の牧場との距離はそれなりに離れていた。

絶対とは言い切れないものの、牧場にまで小鬼の手は及んでいない筈だ。

だが今は、牧場よりも自分たちの身を心配した方が良い。

壊れかけた扉を何とか立て直した彼は、手頃な家具で玄関口を塞ぎ取り敢えず様子を見る事にした。

 

ふと窓を覗いてみれば、あの全裸男が今も小鬼達相手に奮闘している。

他の村人達も戦っていたが、殆どあの男一人で並み居る小鬼共を叩き潰していた。

そして近隣の民家へと足を踏み入れている。

 

「あの家は確か――」

 

 たった今、とある民家へと足を踏み入れた全裸男。

あの家は近所付き合いのある、然る姉弟の民家で間違いない。

 

着替えを済ませた妻から聞いた話だが、今日の昼頃、一人娘と仲の良い少年が大げんかを繰り広げた事を聞いていた。

牧場に旅立つ前、娘の表情が心なしか沈んでいたのは、その大げんかが原因だという。

 

「無事だといいがな、あの姉弟も…」

 

 男は窓を見つめ続け、例の姉弟の身を案じた。

 

……

 

父は優秀な野伏せで、母は薬草士という専門職に精通していた。

だが自分が幼いころに父が他界し、母も弟を生んで直ぐに天へと召された。

そういう事情も手伝い、今は自分と弟の二人暮らし。

楽な生活ではなかったが、日に日に成長を続ける弟の姿を見届けるのは、何とも満たされた気持ちになる。

何時かは、その様な日常も終わりを告げ変化の時が訪れるであろう事は、自分とて覚悟はしていた。

だがしかし平和の終焉が、何(・)も(・)今(・)夜(・)で(・)な(・)く(・)て(・)も(・)よいではないか。

 

この様な夜を授けて下さった信奉する知識神に、僅かばかりの憤りを抱きそうになる。

 

「いい?何があっても、決してここを動いてはダメよ」

 

 たった一人の肉親である幼い弟と共に、物置部屋へと身を隠していた姉方。

だがこんな狭い物置など、小鬼に直ぐ見つかってしまう。

何とか弟だけを地下置きへと隠し、自分が犠牲となれば或いは――。

今も屋外が騒がしい。

喧騒に塗れる村人達の声が、引っ切り無しに此処まで聞こえて来る。

きっと今も、小鬼達に犠牲と強いられているに違いない。

 

「――GYAWA!?」

 

 肉の潰れる音と小鬼の鳴き声が聞こえる。

 

「――GYOE!?」

「――GYEBU!」

「――GROV!?」

 

 短い小鬼の鳴き声と共に身肉の潰れる様な音は、誰かが小鬼に殺されたのだろう。

 

「――GYOEBA!?」

「――GYEBUO!」

「――GROVE!?」

 

 まだまだ聞こえる小鬼の嫌な鳴き声に連なり、追い打ちをかけるかのような血飛沫の飛び散る音。

相当残虐な手口で、村の誰かが犠牲となったに違いない。

 

地下置きの木蓋を占めようとした矢先、不安に満ちた表情で弟が訪ねて来る。

 

「…姉さんは?」

 

 日頃から寺子屋で読み書きを学ばせた成果だろうか?

まだ幼いというのに、今の状況に一定の理解が及んでいる様だ。

 

自分が隠れても姉方は…どうなるのだろう?

他に隠れるアテが有るのか?

 

言葉足らずともそう問うているのだ、この弟は。

 

今宵、自分は、この世を去るかも知れない。

今は、それ程にまで危うい状況に追い込まれているのだ。

だがこの途端場で、弟の仄かな成長を垣間見る事ができた。

それを知った姉方は、場違いだと思いながらも弟に微笑みかける。

 

「大丈夫よ。お姉ちゃんは、大丈夫だから」

 

 これ程の笑みを向けた日が未だ嘗てあっただろうか?

そう思える程の笑みを向けた甲斐もあり、一応納得してくれた弟は静かに身を隠し自ら木蓋を閉める。

 

よし、これで身内の安全は一応だが確保された。

本来なら、あの幼馴染の女の子と同じくに牧場へと外泊させてやりたかったが、もう今更だ。

後は自分が小鬼の前へと身を躍らせ、可能な限り引き付けるだけ。

書物や老人たちから聞き及んではいた、小鬼に関する数々の生態や習性。

とにかく凶暴で残虐、特に自分より弱いと知った相手には際限なく容赦がない。

そして女を攫い死ぬまで孕み袋として犯し続け、虐待を繰り返した挙句殺してしまうのである。

これは迷信などではなく、よく聞く日常茶飯事として一般社会に広まっていた。

 

今日この夜、自分もその一員となるのだろう。

 

「……」

 

 密かに決意した姉方は、物置の扉を勢いよく開け小鬼の屯する屋内へと躍り出た。

 

「「「「――GROVEVE♪♪」」」」

 

 小鬼の目の色が一瞬で変わり、姉方へと一斉に関心が向く。

どうやら自分にしか意識が向いていない様で、取り敢えずの思惑は成功。

奥の弟には関心が向いていないとみていい筈だ。

 

一斉に飛び掛かる小鬼達に対し、自ら両手を広げ受け入れる態勢で迎え入れる。

彼女は聡明だが、腕力は疎か運動力も一般女性との差はない。――というよりも一般女性そのもので、頭脳と判断力が抜きんでているだけの村娘に過ぎないのだ。

当然、複数の小鬼を同時に相手取る戦闘力など持ち合わせておらず、ほぼ無抵抗で小鬼達に押し倒され衣服をビリビリに引き裂かれた。

 

「「「「――GROVEVE❤」」」」

 

 彼女も平均的な村娘に比べ、温和な容姿と豊満な女の色香漂う身体つきを備えていた。

成す術もなく全裸へと剥かれ豊かな乳房と陰部が、小鬼達の目に触れている。

そう考えただけで異様な嫌悪感が込み上げて来るが、彼女は目を閉じ唯々耐える事しか出来なかった。

たった一人の弟を守る為なら、この躰を幾らでも好きにするがいい。

そう覚悟を決め、小鬼達の犠牲となる道を選んだのだ。

弟が助かるなら自分はどうなろうと――。

どうなろうと――。

 

「GYEBURO…!」

「――ッ…!?」

 

 一体の小鬼が自分の乳房へと舌を這わせている。

舌が触れた瞬間、彼女の躰はビクンと跳ね上がり声を必死に堪える。

自分は、こうも敏感体質だったのか。

嫌悪しか感じない小鬼の汚らわしい舌が、自分の乳房と乳首を撫でまわる度に奇怪な感触が全身に駆け巡る。

 

「「「「――GROVEVE♪♪」」」」

「…!…!…!…!」

 

 彼女が反応を見せる度に、小鬼の下卑た嘲笑が屋内に響き渡った。

正直、悔しい事この上ない。

自分の意志とは無関係に身体は勝手に反応し、それを肴に小鬼共を愉しませている。

 

「…ぅッ…!」

 

 こうなる事を分かった上で、自分はこの選択肢をとった。

そう覚悟も決めた筈なのに、閉じた目から涙滴が零れ嗚咽を漏らしそうになる。

小鬼共は飽きる事無く自分の躰を舐め回し、臭い吐息を吹きかけて来る。

だが次第に飽きが生じたのか、姉方は無理やり開脚させられた。

 

ああ、いよいよ、サ(・)れ(・)て(・)しまうのか。

こんな体験を迎えるくらいなら、言い寄る男と一夜を共にしておくんだった。

この姉方も村娘としては破格の魅力を備え、過去に何度も男に言い寄られてきた。

村人然り、旅の者然り、時には冒険者や吟遊詩人然り。

だが彼女には大切な弟が居り、彼の成長を見守る為にも全て丁重に断っていた。

せめて弟が成人を迎え、一人立ちするまでは――。

そう考えていたのだが、弟が成人している頃には自分など行き遅れの年増と化しているだろう。

自分には一生縁の無さそうな異性との接触――。

だが今宵、秘かな願いは叶おうとしていた。

 

「「「「――GROVEVE♪♪」」」」

 

 今、自分に圧し掛かっている小鬼達によって。

 

彼女はジッと耐え、これから訪れるであろう運命を受け入れんと覚悟を決める。

だがそれでも身体が自然と震えあがり、気が付けば下腹部から生暖かい物が噴出しているのを感じる。

 

失禁だ。

 

彼女とて恐怖に駆られ、心身ともに限界を迎えていたのである。

 

――さようなら、お姉ちゃんは先に逝きます。

 

物置に隠れている弟へと、心の中で別れを告げる姉方。

一方の小鬼は、はち切れんばかりに膨らんだ陰茎を、彼女の小水塗れの披裂へ押し込もうと躍起になっていた。

 

小鬼達の意識は彼女にしか向いておらず、背(・)後(・)よ(・)り(・)忍(・)び(・)寄(・)る(・)影(・)には全く気付いていない。

 

「GROB!」

「GYOEB!」

「BGYOA!」

「GOVE!」

「GYOV!」

 

 目を閉じていた彼女。耳より飛来する小鬼の短い鳴き声は悲鳴だろうか?

その悲鳴と共に聞こえる血肉の潰れる音は、物置で聞いた外の喧騒に似ている。

次第に手足を拘束していた小鬼の力が緩み、遂には自分を縛るものは何も無くなっていた。

急に解放された四肢の自由を確かめた彼女は、違和感の正体を確かめようとそっと目を開ける。

 

「……え……?」

 

 これまた珍妙な光景が、彼女の視界を支配していた。

見るだけで嫌悪感を催す小鬼達は、全て頭部を潰され絶命している。

微かに痙攣している個体も居たが、実質死んでいる様なものだ。

小鬼以上に怪しい存在――。

 

「本当に度し難いな」

 

 彼女の眼前に居たのは物言わぬ小鬼ではなく、棍棒を持つ全裸の男であった。

 

本当に度し難い。

小鬼ではなく、棍棒持ちの全裸男の方が――。

 

「……」

 

 何を喋っていいか上手く頭が働かない。

普段の彼女は物動じせず、どの様な外来者であろうとも常に毅然とした態度で応じる。

だが今の彼女は完全に思考を混乱させ、オロオロと狼狽えるだけだった。

それもそうだろう。

突然の小鬼の襲来かと思えば、その小鬼たちはたった今皆殺しにされ自分は助かったばかりだけでなく、今度は見知らぬ全裸の男が棍棒片手に屋内に佇んでいるという非現実的な状況。

彼女の思考を上回る面妖な現実が次々と到来すれば、混乱するのも当たり前の話である。

野盗や山賊でも、たった一人全裸で村に襲撃など仕掛けて来ないだろう。

だが現に自分の目の前には、血肉に塗れた棍棒を持つ全裸の男が一人。

 

「……」

「……」

 

 男と女の目が合う。

 

美しい顔立ちの若い男だ。

全裸である故か大体の年齢も推し測る事ができ、自分と同じか若干年下だろうか。

細身ながら無駄のない筋肉を備え、鍛え上げられた身体つきなのは間違いない。

出で立ちはともかく威風堂々とした佇まいは、何処となく戦士を彷彿とさせた。

明らかに村に住まう男とは、纏っている気配が違い過ぎるのだ。

 

しかし彼女の視線は、全裸男の、あ(・)る(・)部(・)分(・)へと集約されていた。

 

「あぁ…それが、私の膣内(なか)に…――」

「…ん?」( ゚ ω ゚ )

 

 彼女の視線の先――。

 

ズバリ、彼の陰茎である。

血色の良い竿の色は、小鬼とは比較ならない程に逞しく整っていた。

実は成人男性の陰茎など直で見たのは初であり、精々が書物の説明や挿絵で目にするだけだった。

彼の陰茎に見入る姉方の姿だが、もう知識神の信徒ではなく只の女そのものだ。

顔を赤らめ頬は上気し、唯々彼の陰茎に釘付けとなっている。

 

「これより掃討戦に移る。さらばだ」

「――あ、あの…貴方様は一体…」

 

 この女の反応は不可思議としか思えなかったが、彼の計算では小鬼の生息数は残り少ないと見切りを付けていた。

もう、この民家に用はない。

残り少ないであろう残敵を掃討すべく、彼は早々に民家を後にする。

あっという間に姿を消した彼を引き留めようと、姉方は声を絞り出そうとするも既に手遅れ。

既に全裸男の姿は無く、間もなく小鬼の悲鳴が耳に飛来した。

 

「――姉さん…!」

 

 呆ける彼女に構わず弟が物置から飛び出し、そのまま抱き着いた。

 

「あ、えと、お、お姉ちゃんはこの通り…大丈夫よ」

「う、うん…。でもさっきの裸の男って誰…?」

 

「だ…誰…かしらね…。そうだ、こうしてはいられないわ…!」

「え…姉さん…!?」

 

 何時もの姉じゃない。

あの落ち着いた姉が、事もあろうに全裸のまま外へと飛び出そうとした。

 

「わわっ、ちょっと、服着ないとッ――」

 

 これには弟である彼も取り乱し、幼いながらも思考を働かせ取り敢えず簡素な着替えを差し出す。

小鬼に衣服を剥ぎ取られていた事を今更ながらに気付き、慌てて着替えを済ませる姉方。

 

……

 

「――GRUAA!」

 

 折れた直剣を振り上げ、全裸の男『火のない灰』に襲い掛かる小鬼。

だが、損耗を重ね劣化の極みにある折れた刃では、真面な威力どな発揮出来よう筈もない。

粗末だが木製棍棒『クラブ』の方が単純な構造である分、遥かに頑強だ。

小鬼の攻撃などいとも容易くクラブで受け止め、反撃の叩き付けで仕留めた彼。

 

「――GYEVA!」

 

 攻撃後の僅かな隙を狙った積りなのだろう、次なる小鬼が彼の側面から襲い掛かった。

しかし、難なく半身を逸らし回避。

奇襲は空振りに終わり、この小鬼も反撃の一撃で即死する。

 

「GROB!」

「GIRV!」

「GOAV!」

 

 だが立て続けに小鬼達が一斉に襲い掛かるが、例外なく反撃を受け醜い生涯を終えた。

 

「残り10ほどか」

 

 少し離れた箇所では、生き残った小鬼と村人が死闘を繰り広げている。

これまで大半の小鬼を撲殺してきたが、そろそろ残存数も残り少なってきた頃合いだ。

この場を凌ぎ切った彼は、颯爽と村人達の加勢に入る。

 

「GROB!」

「GIRV!」

「GOAV!」

「GIRV!」

「GOAV!」

「GROB!」

 

 乱戦状態にも拘らず、彼は器用に小鬼だけを狙い間断なく撲殺してゆく。

そしてやや離れた間合い外の小鬼には、落ちていた粗末な弓矢を拾い上げ射撃で仕留める。

 

「GIRV!」

「GOAV!」

「GROB!」

 

 人骨なのか獣骨なのか判別も付かない、骨組みの弓矢は実に杜撰な代物だ。

真面な命中精度など期待出来ようもないが、比較的距離も近く全て頭部を射抜く事ができた。

 

「残り1、アレで最後か」

「――GYOEAA!!」

 

 あれだけ居た同胞が、殆ど忌々しい只人の男一人に殺された。

コイツさえ居なければ今ごろ村を蹂躙し、食料も女も好きに出来たというのに――。

 

絶対に許さん、コイツだけは嬲り殺しにしてやる!

 

その様なセリフが似合うほど、残り一体の小鬼は怒りの形相で彼へと突撃。

先程、村の入り口で出会った警備男の石槍を手に、彼の顔面目掛け突き刺そうと迫って来る。

やや離れた箇所では警備男が膝を突き、肩を庇い負傷していた。

 

「――GYOGYIGA!」

 

 小鬼にしては、かなりの気迫だ。

この集団を率いていたリーダー格だろうか。

相手が一般人なら、小鬼の迫力に気圧され致命傷を負っていただろう。

だが小鬼が相手にしているのは『火のない灰』と呼ばれる、百戦錬磨の古強者だ。

 

「愚か者」

 

 彼は臆することなく、手にしたクラブを小鬼目掛け投擲。

彼の手から放たれたクラブは、回転しながら小鬼の顔面を直撃。

 

「――GYOGAA…!」

 

 直撃による激痛と衝撃に、小鬼は奪った石槍を落とし顔面を庇い悶えていた。

だが、この時点で小鬼の命運は尽きたに等しい。

 

彼は神速の速さで、小鬼へと肉薄し頭部を掴みながら跳躍。

掴んだ頭部を基点に身体を垂直回転させた『首狩り投げ』で、遠方の岩場へと投げ飛ばす。

 

「――BUGYAッ!!」

 

 勢いよく投げ飛ばされた小鬼は、硬い岩場へと叩き付けられそのままピクリとも動く事はなかった。

 

「…これでゼロ」

 

 周囲に小鬼らしき姿もソウルも感じない。

今ので最後の小鬼を仕留めたのだと確信し、彼は一旦深い呼吸で仕切り直しを図った。

 

「「「「「「……」」」」」」

 

 村を襲撃した小鬼群は、ほぼ彼一人で殲滅したようなものだ。

これで村は救われた筈なのだが、孤軍奮闘していた彼に村人達の疑念に満ちた視線が集中する。

 

「今のが最後の小鬼だ。安心せよ、この村は救われた…!」

 

「な、なんだって…?」

「本当なのか?」

「今ので最後…信じていいのかよ?」

「だけど、もう小鬼らしき姿は何処にも…」

「数えて来たぜ、全部で50以上の死体だ」

 

 ただでさえ混沌勢の小鬼が村を襲撃してきたのだ。

立て続けに見知らぬ全裸の男が棍棒片手に村を暴れ回るなど、何処からどう見ても怪しい不審者そのもの。

野盗や山賊の類と見なされても文句は言えない…それが今(・)の(・)彼(・)なのだ。

視線と共に不審に満ちたソウルをヒシヒシと肌身に感じ、彼は小(・)鬼(・)殲(・)滅(・)を高らかに宣言してみる。

一応は伝わったらしいが、尚も村人からの疑念に満ちた視線は消える事が無かった。

中には彼にも敵意を抱き、武器を向ける者まで出現する始末。

 

――立ち去った方が良いやも知れぬ。

 

情報収集を兼ね、この村へと立ち寄ってみたのだが、小鬼襲撃という不運も重なり周囲の警戒は増大する一方。

火の陰った例の時代とは違い、対話が通じる希少な存在だったのだが、余計な敵対行為を働く気もなかった彼。

そのまま村から立ち去ろうとした矢先、一人いや二人の女性が彼を庇うように立ち塞がった。

 

「皆、酷いわ!この人は、私たちを…村を救ってくれたのよ!」

「この人が助けてくれなければ、村は滅びていたかも知れないんです!それを――」

 

 この二人の村娘には見覚えがあった。

先程、民家で小鬼の邪欲に晒されていた娘たちだ。

一人は3姉妹の長女、一人は姉弟の姉方だっただろうか。

この二人が、割って入り必死に彼を擁護する。

 

「まぁ落ち着きなさい、皆の者」

 

 緊張の治まらない村の現場に、村長でもある男が仲裁に入る。

 

「お嬢さん方の言う通り、この若者が村を救ってくれたのは事実。だが、村というものは押し並べて閉鎖的でな、その辺は分かってくれんかね、見知らぬ若者よ」

「事情は察している、私もこれ以上の波を立てるなど望んではおらぬ。直ぐにでも去るとしよう」

 

「そ、そんな…!?」

「せめて、せめて、一晩だけでも――」

 

 流石に村長の言葉の前では村人とて無視はできず、多少の落ち着きを見せてはくれた。

しかしだ。

たとえ村を救ってくれた勇士だとしても、彼は紛う事なき余所者で素性も知れない流れ者には違いのだ。

小村という性質上、防衛力などたかが知れており、先ほどの小鬼のみならず野盗や賊徒の標的にされるなど珍しくとも何ともない。

それ故どうしても閉鎖的になりがちで、外来者には一定以上の警戒で構えてしまうのである。

 

村の事情を汲んだ彼は早々に村から去ろうとするも、二人の村娘が引き留めようと躍起になる。

 

「先ずは事情を話してくれんかね、若いの。流石に何の謝礼も無しに追い出すような、薄情な真似はしたくないのでな。どれ、先ずは儂の家で休むと良いだろう。着替えも要るだろうしな、ハハハハ」

 

 全く素性の知れぬ、この全裸の男。村を救ってくれた事は確かだが、それでも周囲からは尚も警戒心が肌身に染み付いて来る。

そこで村長宅で彼を預かり、これまでの経緯と素性を訊き出す事にする。

それに今は深夜だ。

こんな真夜中に全裸の男を一人村から追い出そうなど、凡そ人としての倫理に欠ける愚行でもあった。

何せ、この男は小鬼の脅威から村を救ってくれた事に、何ら間違いはないのだ。

この男が居てくれたお陰で、村の存続は許され負傷者はあれど死者は一人も居なかった。

50という未だ嘗てない規模の小鬼群に襲撃されれば、余程防備の整った村でもない限り大抵は全滅するか大損害を被る筈。

しかし村の損害は軽微で、軽傷者数名と民家に小鬼の死体で汚染された程度だ。

これなら一晩あれば、直ぐに片付ける事もできる。

 

とにかく、全裸の男『火のない灰』なる青年の働きで村は救われたのだ。

取り敢えず今夜は、村長宅に預けるという方向で話は決まり、一旦の留飲を下げる村人たち。

一つの区切りも付き、村人たちは後始末に向けその場から解散した。

 

……

 

これまでの旅路を説明する彼だが、村長には今一伝わっていないのか要領を得ない表情を保っていた。

 

火の陰りを救うべく、ロードランより始まる過酷な旅路。

ロードランからドラングレイグそしてロスリックへと、彼の長きに渡る旅路は続いた。

そして火の陰りが限界を迎えたロスリックの『最初の火の炉』にて、王たちの化身を打ち破った彼は、自らの身を薪とし頼りない最初の火を継いだのである。

しかし火を継いだはいいものの、薪(・)としての機能に今一つ懐疑的であった彼。

ロードランの時と違い、火の燃え移りも悪く状況は大して改善されていないように思えて仕方がなかった。

 

――まぁいい、別の誰かが再び火を継ぐであろうさ。

 

だが今更だ。ここがロスリックでない事は彼とて承知している。

あの様子では直ぐに火の陰りが到来するだろうが、火のない灰は彼一人ではない。

別の誰かが、薪としての使命を引き継いでくれるだろう。

 

しかし問題は今――。

自らを薪とし火を継ぎ、最初の火が全身に燃え移った頃合いで、彼の意識は静かに途絶えた。

そして気が付けば、深夜の平原にて立ち尽くしていたのである。

 

当然、彼は困惑した。

見知らぬ土地に飛ばされ、身に纏う武具の類は一切無し。

行く当てもない彼は、唯々ソウルの感知を頼りに此処まで辿り着いたという訳だ。

 

途中、初めて見る緑色の異形に何度も襲われては、その度に返り討ちとしていた。

その異形が『小鬼(ゴブリン)』と知ったのは、この村に辿り着いて以降だ。

 

「この世界も空が暗い。やはり火(・)が(・)陰(・)っ(・)た(・)所為であろうな」

 

 この見知らぬ世界に飛ばされた彼だが、幸か不幸か夜間の時間帯であったため、火の陰りの弊害だと判断を下す。

 

「そりゃあ勿論、日(・)は陰るさ。日が陰り夜が訪れ、また日が上り夜が明ける。何時もの日常ではないか?」

「なに、日が上る!?それはつまり…朝(・)が訪れるという事…か…!?」

 

「何をそんなに驚いているのかね?彼方太古より繰り返されてきた普遍の営みじゃあないかね」

「…朝が訪れる…?(この世界…火は陰っていないのか)」

 

   ―― 火の陰りと日の陰り ――

 

両者との間で言葉の齟齬が生じ、彼は些かの混乱と動揺を見せていた。

 

「君の言っている事は今一分からんが、遥か遠方より旅路を続けた挙句、小鬼か賊の類に身包みを剝がされたのだろう。…何はともあれ大変な思いをしてきたのだね、そこは同情に値するよ」

「…ぬ…。あ、いや…私は――」

 

「度重なる小鬼との戦闘で、君は非常にお疲れの様だ。…村を救ってくれた礼もある。身の振り方が決まるまで、この村で身を休めると良かろう」

「……」

 

 やはり『火継ぎの時代』など、この村長には今ひとつ伝わっていない様だ。

 

   ―― 遥か遠方からの旅人 ――

 

そういう身の上にされてしまった火のない灰。

また旅路を続けるうちに、運悪く野盗の類に身包みを剝がされ無一文と化した。

村長からは、そう結論付けられてしまったのだ。

 

その決定に彼は閉口するしかなかったが、もしこの『四方世界』とやらが火の陰りとは無関係ならば、彼は使命から漸く解放されたことにもなる。

変に食い下がり真実を主張するよりも、遠(・)方(・)か(・)ら(・)の(・)旅(・)人(・)という肩書で帳尻を合わせておくのも、そう悪くはない話かもしれないのだ。

 

彼は暫しの思案の末、村長の話に合わせる事にした。

 

……

 

空きの納屋を紹介された火のない灰。

村長の所有する納屋だが、今は使い道もなく放置され続けていた。

古びた小屋だが、雨風を凌ぐには充分な造りを保っていた。

今後、村に留まるにせよ何れ去るにせよ、当分は此処が彼の家となる。

納屋の鍵を開け中に入った彼は、譲り受けたランタンを灯し衣服を身に着ける。

これは村長の若い頃の古着で、彼の体格に合うサイズだ。質素なデザインだが丈夫で、多少の激しい動きにも耐えられるのは非常にありがたい。

 

「……ダークリングも消え去ってる」

 

 ふと上着を捲り、桶に溜めた水に自分の姿を映した彼。

この世界に飛ばされてから、ずっと感じていた違和感に彼は気付いていた。

薄々と勘付いていたが、胸部に浮かぶ不死人の証『ダークリング』が綺麗に消失していた。

こうなれば、導き出される結論は唯一つ。

 

彼は真っ当な生者と化していた。

 

「……」

 

 彼は暫く嘆息する。

不死人の烙印を押され、どの位の年月を重ねてきたのだろう。

常に死と隣り合わせでありながら、死ぬ事での開放も許されず、過酷な使命を強制され続けてきた。

 

「もし、本当に朝(・)が(・)到(・)来(・)するのなら――」

 

 あの村長は言っていた。

 

直ぐに夜明けがやって来ると。

 

陽が沈み夜が訪れ、陽が上り再び朝が繰り返される。

この世界では、それが当たり前に繰り返され長い歴史を積み重ね来たのだと。

村長の言葉が真実なら、朝が本当にやって来るのなら、この世界は火が陰っていない…否、最初の火とは全く異なる概念に支配された世界という事になる。

最初の火とは無関係な世界に漂着した、生者としての火のない灰。

 

もう少しすれば分かる事だ。

 

「……ふぅ」

 

 再び軽く息を吐いた彼は、藁を敷いただけの簡素な寝床へと身を横たえる。

朝が来るというのであれば是非にとも、この目で確かめてみようじゃないか。

朝が来れば、自分は不死の呪いからも使命からも解放され、真っ当な生者としての人生を続ける事ができる。

 

「……」

 

 彼は目を閉じ、夜が明けるまで時間を潰す事にした。

 

コンコンコン

 

身を横たえた後そう時間を置く事なく、扉をノックする音が彼の耳に届く。

 

「空いています」

 

 彼は短くそう答え、藁の寝床から身を起こす。

扉の向こうからは二つのソウルを感じる事ができた。

見知ったソウルが二つ、先ほどの村娘で間違いない。

 

「お腹空いたでしょう、お食事を持って来たわ」

「村長さんにお願いして、私たちで用意してきたんです」

 

 あの三姉妹の長女と、とある姉弟の姉方。

二人とも新たな衣服に着替え、小さな革袋を二つ持参している。

 

「急だったもので、質素な物しか用意できませんでしたけど」

 

 姉方と長女が袋から取り出した物、それは堅パン、干し肉、チーズ、そして数種類の豆類の詰め合わせだった。

 

「すまないな、食料まで分けて頂けるとは」

 

――食事…か…。何時以来だ、生者の営みに触れる機会など…。

 

不死と化し幾星霜、食事や睡眠などといった人としての生活習慣など無縁と化していた時代。

あの旅路でも何かを口にするという行為自体は可能であったが、空腹も食欲も希薄となり口に何かを運ぶ概念そのものが消え失せていた。

確かに『エスト瓶』を始め『丸虫の丸薬』や『苔薬の実』などを、口にする事は稀にだがあった。

しかしそれ等の行為は、身体活動を停滞させないための作業であり、生(・)き(・)る(・)為(・)ではなかったのである。

 

「少しだけど、葡萄酒も持って来たわ。…体が温まるわよ」

 

 長女が小さなカップを取り出し、革袋から行為も濃い紫色の液体を注いでゆく。

 

「さぁ、お召し上がりになって」

 

 小皿に乗せた食材を勧める姉方。

 

「ありがたい、では頂くとしよう」

 

 女二人の厚意に甘える事にし、彼は皿の食材を手に取る。

先ずは堅パンから頂くべく、そのまま嚙り付いた。

 

「…(ぬ、確かにちょっと硬い…か?)」

 

 粗食しようにも強い抵抗感に、少しばかり手こずる彼。

何度も何度も嚙み潰し、漸く飲み込み胃袋へと納めた。

それにしても、これほど噛むという行為を繰り返したのも随分久しいのではないか。

エスト瓶など、ただ飲むだけの行為。

苔薬の実なども、数回の粗食の後に直ぐに飲み込んだ。

また味を楽しむなどと言う概念もなく、単純に活動維持を目的とした作業に過ぎなかった。

 

「この味――(覚えているぞ、これがパンの味だ)」

 

 不死人と化し気の遠くなる様な期間を経たにも拘らず、彼の記憶にはパンの味が刻まれていた。

今度は干し肉やチーズにも手を伸ばし、次々と咀嚼を繰り返し胃袋へと納めてゆく。

どれもが覚えのある味だ。

不死になる前の自分が、どの様な生活を営んでいたかは明確に思い出せない。

しかし真っ当に食事を行い、人としての体裁と保っていた事だけは確かといえる。

二人が持ち込んだ食材は、お世辞にも高級品とはいえず庶民的な日持ち優先の代物だ。

この味を覚えているという事は、この男も貧しい生活環境に身を置いていたという事なのだろう。

だがその様な朧げな記憶も、もう過去の遺物だ。

彼は記憶の断片を隅に追いやり、提供された食材を全て胃に納める。

 

「ング、ング、ング、プフォ…ふぅ…馳走になった、感謝する」

 

 最後に葡萄酒で占め、食事を終えた彼は女二人に感謝を述べる。

 

「いえいえ、お安い御用よ」

「そうですよ、村を…私たちを救ってくれたせめてもの謝礼です」

 

「大それた事はしていない積りだが――」

 

 胃を満たした事で妙な落ち着きが彼にもたらされる。

女二人がこうして食事を運んで来たのも、村を含め自分達の危機を救ってくれた礼でもあった。

もし彼という存在が無ければ、この村は一体どのような命運を辿っていたのか。

複数の小鬼に圧し掛かられ衣服を剥ぎ取られたとなれば、年頃の村娘なら何(・)を(・)さ(・)れ(・)る(・)の(・)か(・)想像に難くはない。

考えただけで、背筋が寒くなるの感じた長女と姉方。

 

まだ余っていた葡萄酒を自分用のカップに注ぎ込み、女二人も一気に飲み干してゆく。

 

彼の食事も済み、暫しの時間が経過した。

 

「それはそうと、そろそろ妹さんたちが心配しているのではないですか?」( ゚∀゚)

「え…?貴女こそ、幼い弟さんを一人にしては、きっと寂しがってる筈よ?」( ゚∀゚)

 

「大丈夫よ、うちの弟は、しっかりしてるから」( ̄∀ ̄)

「私の妹こそ、そろそろ年頃で自分の事ぐらいは自分でね」( ̄∀ ̄)

 

「彼の事は私に任せて、お休みなられては?」( ゚ ω ゚ )

「いえいえ貴女こそ、御帰宅なされて弟さんを安心させてあげなさいな?」( ゚ ω ゚ )

 

「ホホホホ…」(; ^ ー^)

「フフフフ…」(; ^ ー^)

 

「ハッ…?」( ゚Д゚)

「あッ…?」( ゚Д゚)

 

「…!?(ぬッ、この不穏なソウル、よもや敵対化の前兆!?)」( ̄ω ̄;)

 

 お互い、先に帰宅するよう促す、姉方と長女。

両者とも肉親をダシに、彼(・)の(・)事(・)は自分に任せろと主張し牽制し合った。

次第に剣呑な雰囲気と化し、彼は女二人の不穏なソウルを感じ取り僅かに警戒する。

実は姉方と長女。

 

これ以前にも互いを牽制し合っていたのである。

どちらが、彼の身の世話をするのか。

二人とも簡素な食事を持参し、村長からこの納屋の事を訊き出していた。

しかし二人が険悪な雰囲気を醸し出したため、村長が慌て仲裁に入り二人を和解させたのである。

結局、二人で彼の面倒を見るという話で落ち着き、現在に至るという訳だ。

 

気が付けば、外から雨粒の降り注ぐ音が彼等の耳に届く。

しかも次第に雨脚が強くなり、雨音だけが納屋の中で木霊していた。

 

「あら…雨…結構強いわね」

「これは、止むまで待った方が良いかも」

 

 長女も姉方も急いで帰宅すれば、さほど濡れる事はない程度の距離だ。

だが二人は、雨が止むまで取り敢えず納屋で待つ事にした。

 

――ソウルが高揚してる?雨天とどういう関係が?

 

二人とも平静を装っている様だが、彼にはソウルの高揚を看破されていた。

しかし二人の心境の原因など、彼には分かろう筈もなく内心困惑するばかり。

 

「……」

「「……」」

 

 3人とも特に何かを語る事もなく、唯々天井を打つ雨音だけが納屋を支配する。

しかし確実に、僅かずつ、状況は変化の色合いを見せ始めていた。

 

「…ハァ…ハァ…///」

「…フゥ…ハァ…///」

「……?」

 

 何時の間にか女二人は、彼の両脇に寄り添っていた。

いや、寄り添うというよりは、しな垂れかかっていると言った方が正しい。

もう殆ど密着するかのような距離感で、二人とも心なしか呼吸に熱を帯びていた。

 

「あの…貴方様の事をどうお呼びすれば?」

「そうよ、村長の話では本名をお忘れになっているとか?」

 

「そうだな。…もう本名など、遠い過去の果てに置き去って久しい」

 

 ふと彼の本名について尋ねてきた女二人。

彼の胸元に身体を預け、何処となく甘えた声音をしていた。

 

不死人と化し幾度も死を繰り返た弊害で、本名など完全に忘却してしまった。

 

「火のない灰…それ以外の呼び名など見付からぬ」

 

「それじゃあ、灰人さんと呼ばせて…❤」

「私は…愛しの旦那様…で…ウフフ❤」

 

「――ちょ、貴女…!急に何を…!?」

「あら、いけません?今宵みたいな出会い、事実は小説より奇なり…よ」

 

「ん、ンン…?」

 

 そもそもあの旅路でさえ、真面な会話すら事欠く世界だった。

自分の呼び名など精々が『お前』、『アンタ』、『貴様』、『貴公』ぐらいだろうか。

ロスリックの時代で、『灰の方』や『火のない灰』と呼ばれるようになったが、それも称号の様なものだ。

固有名など大した意味も成さず、必要かどうかも疑わしい程に荒廃した世界。

それが火の陰った時代(ダークソウルシリーズ)である。

 

それを聞いた長女は『灰人』、姉方に至っては『旦那様』などと呼び始めてしまい、長女は声を大に抗議した。

二人とも顔を紅潮させ上気しているのは、葡萄酒の所為だけではないだろう。

女二人の反応に、彼は戸惑うするしかなかった。

 

それにしてもますます雨脚は強くなり、納屋を叩きつける雨音も大きくなる。

 

「ねぇ…旦那様…お辛くありません?…ハァ、ハァ///」

「む…?どういう事か?」

 

「だってぇ…、こんなに大きく膨らまして――」

「…!?こ、これはいったい…!?(よもや、人の膿の暴走の兆候!?)」

 

「え…何…キャッ///」

 

 ふと訊ねてきた姉方だが、彼のとある部分の膨張に手を添え呼吸を乱していた。

言われて初めて気が付いた彼は、自らの下半身の変化に狼狽える。しかもその変化を、ロスリック時代で遭遇した『人の膿の亡者』の症状に準(なぞら)えてしまった。

しかしこの変化は所謂、唯の『勃起』という生理現象に過ぎない。

姉方の言葉に長女も彼の下半身に視線を向け、驚きの声を上げてしまった。

 

――ぬぅ…そういう事か。三大生理欲求の一つが今ごろ…。

 

余りに久しい下半身の変化に、彼の脳内から急激に生者時代の理が蘇っていた。

 

食欲、睡眠欲、そして性欲。

 

食欲は先ほど満たされ、ある程度の落ち着きを得る事ができた。

その影響もあり彼の心は、一種の余裕さえ生まれていたのである。

そして今、彼の直ぐ傍には年頃の魅惑溢れる村娘が二人という状況。

しかも密着に近い状態で、外は強い雨天で殆どの声も音も掻き消してくれる。

葡萄酒、女の香り、熱を帯びた息使い、そして女の感触――。

ここまで好条件が重なれば、健全な男なら大抵は性欲の昂りを感じてしまうものだ。

 

そして彼は現在、健全で真っ当な生者の男なのである。

 

下半身の膨張も当然と言わざるを得なかった。

 

性欲の概念、そして呼び起こされる男女間の秘め事の記憶。

それを覚えているという事は、彼は生者時代、何かしらの性体験を得ていたという事を暗示していた。

実際はどうだったか、もう朧げな記憶しかなかったが何をどうすればいいのか、そのやり方は現在進行形で脳内から次々と呼び起こされていた。

 

「あの…旦那様…もし、お嫌でなければ――」

「私も…、貴方さえ好ければ…夜伽を――」

「…いいのか、二人とも?今宵出会ったばかりの男を相手にして――」

 

「「はい…❤」」

 

 もう歯止めが利かない寸前にまで、物事が流れようとしていた。

女二人は完全に体重を彼に預け、熱い吐息は触れ合う距離にまで顔を近付けている。

しかしお互いに今夜出会ったばかりで、しかも小鬼襲撃の真っ只中という異常な状況だった。

いやだからこそ、この二人は感情を昂らせ意識が持って行かれているのかもしれない。

貞操のみならず命まで危険に晒された事で、俗にいう『種保存の法則』が働いた…そんな心理作用が大きく影響されたとも解釈できる。

 

   ―― こまけぇことぁ、良いんだよ ――

 

何はともあれ、3人とも性意識が昂り今から男女の秘め事が開幕しようとしていた。

激しい雨天の下、異常に暑く湿った空気の満ちた、納屋の中で。

 

……

 

「…あ…ふ…あぁ…ぁぁん…❤」

「あ…ヒぅ…ふ…フゥァァ…❤」

 

 何とも柔く弾力のある肉感だ。

まだ乳房は疎か秘所にも触れていないというのに、姉方も長女も甘い吐息を彼に吹きかけている。

肩から背中にかけて軽く撫でているだけなのだが、すっかり感じてしまっている女二人。

対する彼女達も、彼の胸元や背を撫で回し、互いに軽い愛撫に興じていた。

 

だが次第に慣れと飽きを感じてしまったのか、二人の脇から胸へと手を侵入させる彼。

 

「――あフッ…!」

「――ヒャッ…?」

 

 服越しだが胸に触れられた途端、彼女たちは少しばかり敏感な反応を見せる。

二人とも比べようがない程の豊かな乳房で、指先と掌を使いゆっくりと揉み解した。

 

「あぅ…ひ…ン…ぅぅあ…いん…❤」

「ふっ…ぁん…ふぁ…んふ、んぅ❤」

 

 温かい体温ともに肉厚の感触が、指先と手にに心地良い。

彼の愛撫に身を任せ、息を乱しつつ快感に悶える姉方と長女。

揉み解す手はやがて乳首へと移り、衣服の上から僅かに突起した先端部を指で摘まむ。

 

「んんん!?んぁ、ぃ、あ、はぁ、やぁ…❤」

「んっ…ふっ…んん…ぃ、あ、はぁ…んぃ❤」

 

 特に敏感なのだろうか、姉方は全身をビクンと震わせ上半身を仰け反らせた。

対する長女の方は自らの顔を、彼の胸元へと擦り付け更なる吐息で喘いでいる。

 

「久方ぶりな気がする、この感触」

 

「あ…ふぁ…❤お気に召して…頂けました…あぁん❤」

「どうぞ…気の済むまで…んぁ…❤味わって…ぁゥ❤」

 

 やはり記憶の何処かで覚えがあった女の感触。

姉方と長女の豊かに実った胸を堪能する彼に、二人は喘ぎながらも無防備に受け入れた。

一頻り揉み解した彼は、二人の衣服に手をかけゆっくりとずり下ろしてゆく。

胸元の開いた衣服を身に着けていた二人は、そのまま豊満な乳房が露わとなり彼の眼前に晒された。

 

「あぁ…恥ずかしい…///」

「そんなにジッと見られたら…❤」

 

 姉方も長女も羞恥を訴えながら手で隠そうともせず、熱い吐息を彼に吹きかけるだけだ。

甲乙つけがたい二人の豊満な乳房は、ジットリと汗が滲み血色の良い肌に彩られている。

更に乳首に至っては、切っ先の様に主張を遂げ次なる洗礼を待ち侘びているかのようだ。

 

先ずは姉方から――。

彼は躊躇う事なく、やや色合いの濃い桜色に染まった乳首を吸い上げる。

 

「――あぁッ…❤ひゃぁうんッ…❤❤」

 

 乳首を吸われた途端、姉方は大口を開け大いに快感を訴える。

先程、小鬼に圧し掛かれられ乳房や乳首に舌を這わされた時は、嫌悪感に見舞われながらも勝手に身体が反応し、とにかく屈辱で只管耐えるしかなかった。

しかし彼の愛撫はどうだろう。

真逆な程に熱い感覚に見舞われ、吸い上げられる感触により乳首を基点にビリビリと痺れるような刺激が全身に広がるのを感じる。

小鬼にされても拒絶感しか湧かないが、彼にされれば無条件に受け入れたくなるのだ。

 

「ァァ…❤あぅ、ハァ、ァアァ、ハァん、フあァァん…❤」

 

 チュル、チュル、ピチャリと、凡そ品性に欠ける卑猥な音が彼女の耳にも届く。

しかし、乳首を下で舐(ねぶ)られ吸われる感触に、彼女は完全に虜となり唯々受け入れていた。

 

「あ、あ、あ…❤ねぇ…私もぉ…私の胸もぉ…吸ってぇ…ねぇってばぁ…❤」

 

 姉方の乳首に吸い付いている彼に、長女も我慢できなくなったのか同じ行為を強請(ねだ)る。

姉方の乳首を吸っている間、長女の乳首を尚も攻めていたのだが、それだけでは満足できない様だ。

今度は行為を入れ替える形で、長女の乳首を口に含み、姉方の乳首を指先で弄ぶ彼。

 

「あぅぁぁ…❤…あ、あぁぁ…❤どうですか私の胸…、美味しい…?」

「ああ、見事な味わいぞ。じっくり堪能させて頂く」

 

「どうぞ、どうぞぉ…❤あぁん❤気の済むまで…召し上がってェ…❤ひゃふンッ❤」

 

 姉方も長女も母乳が出る訳ではない。

だが彼女達の豊かで張りのある乳房と乳首は、非常に若々しく瑞々しい事この上ない。

母乳など出ずとも、舌先に触れるだけで甘味に満ち意識が蕩けそうになるのだ。

彼は舌先で、乳首を転がし、弾き、時には強めに吸い上げた。

 

「あぅ…ハァん…❤ひぃ、ひィん、ひぃィん…ひぅぁアン…❤❤」

 

 彼の舌技に成す術もない長女。

全身をピクピクと痙攣させ、声を大に胸より流れる快感に身を預けていた。

だが彼の攻めは、これだけに留まらなかった。

 

「あ…ひぇ…!?あ、あのぉ…そこは…そこは…ひィやぁぁ…!?」

「あフ…ヒぅ…❤え…あ…そんな所…あ、ダメ…ぅヒィッ!?」

 

 彼女たちの下半身へと手を伸ばし、乱れていたロングスカートを捲り上げた。

そして無遠慮に、下着の上から彼女達の秘部を指先で弄り始めたのである。

特に姉方は、非常に敏感体質なのか、僅か数往復の指先で、クチュクチュ、と湿った水音を奏でていた。

そして程なくして長女の方も披裂から粘液を分泌させ、彼の指先による愛撫に甘い声で鳴いている。

 

もう二人の下着は濡れに濡れそぼり、少し秘部を押せば愛液が滲み出てきそうなほどだ。

彼は胸への攻めを止め、彼女達の下着を脱がしにかかった。

二人は脚を閉じるなり若干の抵抗を見せたつもりなのだろうが、まるで意味を成していない。

呆気なく下着はずり下ろされ、捲れたスカートから愛液塗れの秘部が外気に晒された。

 

「これは酷いな、二人とも。私に任せておくのだ」

「ああ、旦那様ぁ…お許しを…ひィぁあぁぁッ…!?」

 

 先ずは姉方からだ。

披裂からは愛液で溢れていたが、どうにも刺激臭が強い。

この臭いは間違いなく小水の類で、先ほど小鬼に襲われ失禁していた姉方。

 

「いかんな、粗相の跡が見られるぞ?」

「あ、いや…言わないでぇ///(拭くの忘れてたぁ///)」(*ノωノ)

 

 愛液に混じる小水の強烈な臭いを彼に嗅がれ、姉方は真っ赤な顔を両手で覆いブンブンと頭を振った。

そして奇妙な感触に、更なる叫びをあげる。

 

「――あっ!?ひっ!?だ、駄目ぇ…そんなとこ…そんなとこ…きたな…ぁあぁぁ…ぁあぁぁ…❤❤」

 

 彼の舌が、彼女の披裂に触れ何度も舐め回されていた。

最初は膣口の周りを舌で撫で回されていたが、徐々に膣口へと舌が入り込み微妙な深さでグイグイと往復を繰り返す。

意外にも痺れる味わいだ。これは彼女の小水が影響しての事だろう。

殆ど愛液で流されていたが、僅かに残る小水の成分が彼の舌を刺激した為であった。

 

「んあ…アぅん…❤ハァん…はん…❤アン❤アン❤アン❤アン❤アン…ンふン❤」

 

 まるで跳ねた魚の如く、彼女は全身をビクンビクンと痙攣させ、彼の舌技に翻弄され通しだった。

彼の舌が膣口を走る度にビチャリビチャリと、淫猥な水音を立て溢れる愛液が口内に流れ込んだ。

 

「あぁぁ…❤ハァハァハァハァハァ…❤」

「フゥ…よし、次は貴公だな」

「あ…ハイ…、あの…お手柔らかに…///」

 

 舐め回せば舐め回す程、姉方の膣口はグニャリと伸縮を繰り返し、絶頂が近い事を現していた。

この場で一旦昇天させても良かったが、彼は敢えて行為を中断する。

そして物欲しげに見つめていた長女に視線を向け、彼女を寝かせ両脚をガバァッと開かせた。

 

「――や、やぁぁ…///」

 

 小鬼達に無理やり開脚された時とは、まるで感覚が違った。

嫌悪感ではなく過剰な羞恥が勝るも、彼女は秘部ではなく両手で顔を隠してしまう。

だが彼にとっては、その方が好都合なのだが。

 

「――あ!?い❤…うぅ…ぇえぇ❤おぉォおぉ…ぁぁあ…ンんッ❤」

 

 先ほどの姉方とは毛色の違う味わいを、彼はじっくりと堪能する。

酸味の少ない仄かな潮の味が、彼の舌全体にジンワリと広がった。

彼女は陰核や尿道口よりも、膣口の方が感じる性質らしい。

舌の侵入を深めれば深めるほど、長女の反応は過敏となり甘い嬌声で泣き喚いた。

 

「はぁ…❤んっ…んっ…❤ふっ…んん…❤はぁ…❤んっ…❤」

 

 彼女も負けず劣らず淫猥な声で、快感に喘ぎ腰をグネグネと揺らし悶えていた。

尚も舌をくねらせ彼女の膣口を攻め続ければ、例の漏れず愛液をダラダラと垂らし性感を昂らせている。

 

「フゥ…頃合いか…?」

「あ…あぅ…ハァフゥフゥフゥ…❤」

 

 かなり性感も高まり、恐らくは絶頂寸前に追い込めたことだろう。

彼は攻めを中断し、彼女の膣口から顔を離す。

これだけ愛液塗れで解せば、挿入にも支障は出難い筈だ。

膣口を舌で攻める事で判明したが、二(・)人(・)と(・)も(・)処(・)女(・)で間違いなかった。

二人ほどの魅力溢れる娘なら、男など幾らでも寄ってこようものを。

恋人や近しい関係を築く男など人や二人居たとしても何ら不思議ではないというのに、二人は純潔を保っていたのである。

そんな純な二人の処女をこれから奪うのは、紛れもなくこの自分なのだ。

 

本当にこれで良いのか、二人はこの自分が相手で後悔しないのか。

 

僅かな惑いが彼の心に逡巡を生む。

だが二人とて、行為の意味ぐらいは知っている筈だ。

それを承知の上で、二人は直ぐに引き上げる事無く納屋で秘め事に及んでいた。

もしこのような関係を望んでいないのなら、食事を提供した後すぐに帰宅すればいいだけなのだ。

 

つまり二人も望んでいるという事だ。彼と身体を重ね関係を結ぶ事を。

 

先ずは姉方に狙いを定め、彼女に覆い被さった。

 

「さぁ、準備は良いな?」

「ぁぁぁ…ハイ…でも、でも…優しく…優しく…お願い…」

 

「分かっている。力を抜きたまえ」

「はい…旦那様…」

 

 長女に比べ姉方の方が、性的知識には長けている様だ。

これは彼女が知識神を信仰し、寺子屋を開く程の知性を有している事も無関係ではないだろう。

だが、いざ初めての体験となると流石の彼女も怯えを見せ、覆い被さる彼の背に両手を回し強く抱き締めた。

彼はゆっくりと、彼女の披裂へと陰茎を押し当て、そのまま力を込める。

 

「――あぁッ…!?ぐぅッ…!ぐぅぅ…ぁぁあぁッ…」

「だ、大丈夫…!?ひょっとして痛いんじゃっ…!?」

 

「当たり前だ、処女なのだぞ。これでも加減しているが、これが生殖というものだ」

「だ…大丈夫…ですぅ…、あぐぁ…でも…ゆっくりと…ゆっくりと…」

 

「分かっている。暫し堪えよ…」

 

 挿入し披裂を掻き分け、やがてブチリと処女の証である膜が突き破られた。

当然、姉方は膣内からの痛みに見舞われ、目を閉じ歯を食いしばりながら耐えていた。

また姉方の手を握る長女も心配そうに、彼女の容態を見守り声をかける。

しかし姉方は気丈に振る舞い、彼との繋がりを受け入れんとしていた。

また彼の方も、必要以上に彼女を傷付ける気はない。

自分の愉悦と快楽を優先する小鬼とは違うのだ、この火のない灰という男は。

 

「あ…ふ…うぅ…ハァぁ…あぁぁあ…あふぅ…ンンん…」

 

 過剰な痛みを可能な限り避けるべく、彼はゆっくりと抽挿を繰り返し徐々に慣れさせようと奮起した。

その甲斐あったのだろう。

姉方も徐々に痛みに慣れ和らいでいたのか、悲痛な声ながらも徐々に特有の甘さが混ざり始めていた。

 

「あぁぁ…ハァぁぁ…だんだん、だんだん、気持ち良く…気持ち良くなってぇ…きましたぁ…。あん、あぁ、ハァん❤ファン、ぁぁぁンン❤」

 

「どうだ、嬉しいか?私と繋がれた事が…!」

「あ…ヒぅ…あぉう…❤嬉しい…嬉しいですぅ…あぁん❤もっと、もっとぉ…私を貴方様のものにぃ…アン❤して、シテ、してぇ…あぁあハァん…❤」

 

「いいとも、忘れられぬ夜にしてしんぜようぞ…!」

「はい、はいぃ…❤あ…ァあぁ…❤ア…アン…ン…❤ンン…アぅぅ…❤」

 

「うわぁ…さっきまで痛そうにしてたのに…、すっごい気持ち…うぅん、幸せそう…」

 

 痛みにも慣れ次第に快感へと置き換われば、後は流れに沿うだけだ。

苦痛に顰めていた表情から快楽に喘ぐ女の顔へと変貌し、姉方は彼との繋がりに恍惚の瞳で受け入れていた。

挿入した当初は怯えを滲ませ震えていたが、快楽に流された彼女は自ら腰を動かし媚肉の摩擦を愉しむ。

彼の抽挿が次第に早く激しくなるが、もう彼女は痛みも苦痛も訴える事はなく蕩け乱れ切った表情で、快楽を貪るただの女と化す。

そんな彼女を隣に見ていた長女は、姉方の幸福に満ちた表情に多少の羨望を感じる。

 

「さぁ行くぞ、受け取るがいい…!」

「あ❤あ❤あ❤あ❤あ❤あ❤あ❤あ❤ああ❤❤どうぞ、どうぞぉ、遠慮なく出して下さいぁいッ…あァァん❤❤」

 

 抽挿の摩擦に彼も限界を迎え、膣内に射精する事を宣言する。

対する姉方に拒む意思など皆無で、満面の笑みで彼の子種を受け止める事を望んだ。

 

「――ぬッ…ぐぅおっ…!」

「――あぁぁあぁッ……愛しの旦那様ぁッ…好きぃッ…❤❤❤」

 

 最後の一突きと共に、彼はギリギリまで抑えていた射精感を一気に解き放った。

対する姉方も湧き上がる衝動の如き快楽の波に攫われ、人生初の絶頂を迎え昇天する。

彼の生命溢れる白濁液が、彼女の子宮口へと叩き込まれるそれは、正に生命の営みと言わず何と称すのか。

生命溢れる生者の交わりが一区切りを迎え、彼女の膣口から体液塗れの陰茎を引き抜く彼。

 

「ハァハァハァ…こ、これが…セックス…❤愛し合っちゃった…この人と…❤ンんフフフ…❤」

「つ…次は私よ…。私だって命一杯、愛して貰うんだから。…その…宜しくお願い…します///」

 

 多幸感に見舞われ恍惚の笑みを浮かべる姉方と、何故か対抗意識を燃やす長女。

若干息を乱しがちな彼へと向き、今度は自分の番だと寄り添った。

 

「いいとも、その積りだ。私もまだ治まれぬ」

「あぁぁ…あわわわ…///」

 

 どちらかといえば気丈な振る舞いの目立つ彼女だが、やはり年頃の若い村娘には何ら変わりはない。

初めて体験する生殖行為に、今更ながら怖じ気付いた長女。

だがもう引き返せる段階ではなかった。

 

「あ…ぐ…ひっ…」

「恐いのは分かる…。今少しの辛抱だ」

 

 姉方にしたのと同じく、長女にも覆い被さり陰茎を秘所へと押し当てた。

だが彼女は必要以上に恐怖を感じている様で、自然と脚を閉じようと抵抗を示してしまうのだ。

 

「…止めておくか?」

「い、嫌よ…!大丈夫…大丈夫…小鬼の体験に比べたら――」

「――駄目よ、小鬼の事なんて考えないで…!…彼の…彼と愛し合う事だけを考えて。例えば、彼との家庭とか…!」

 

「……!」

 

 この長女は、先ほどの襲撃で小鬼のイチモツを捻じ込まれる寸前まで追い詰められていた。

披裂に当たるのは彼の陰茎の筈だが、どうしても小鬼の感触と錯覚してしまうのだ。

その影響なのか、本能的に恐怖が刷り込まれてしまったらしい。

彼を受け入れる事自体は歓迎していたが、あの体験がどうしても脳裏に過り自然と身体が抵抗を示してしまうのである。

 

そういう状態なら、無理に性交を行う訳にもいかない。

下手に事を起こせば、却って恐怖心と嫌悪感を植え付ける事態にもなりかねないのだ。

それならばと行為の中断を打診した彼だが、それならそれで長女の方は頑なに彼を受け入れようと躍起になる。

しかしそんな彼女に、姉方からの助言が飛ぶ。

 

小鬼の事ではなく、今目の前に居る彼との未来を想像せよ。

 

そういう励ましの言葉だった。

この火のない灰という男のお陰で、自分は小鬼の危機から脱する事ができ、その彼と今結ばれようとしているのだ。

物事の流れに次第だが、彼との関係が上手く続けば、これから先の未来は決して暗いものにはならない筈なのだ。

まだ確定ではないものの、彼と築く家庭生活を想像した瞬間、もう恐怖心は消え去っていた。

 

「いけるか?」

「はい…。それと…ありがとね♪」

「頑張って…♪」

 

 再び意思確認を行う彼に、今度こそ受け入れる意思を明確に伝えた長女。

そして助言と励ましをくれた姉方にも礼を述べ、彼女の手をキュッと握り締めた。

元から近所付き合いのあった関係だが、これを機に更なる良好な関係へと続いて行くだろう。

 

「あ…ぐぐ…ぎぅ…うぅ…」

「息を大きく吐くのだ。それと同時に少しずつ入れていく」

 

 恐怖心が拭い去ったとはいえ、やはり初めての異性を受け入れるのはどうしても苦痛が伴った。

そこで彼女が大きく息を吐き筋繊維が緩んだ瞬間を縫い、彼は少しずつ挿入する手法をとる。

少しでも苦痛を和らげるためだ。

 

「スゥ…ハァ~…あ…ぐ…ぅ」

 

 だがそれで痛みが完全に遮断されるわけではない。

だが姉方よりも短い時間と少ない痛みで、彼女の膜を貫通し最奥まで彼の陰茎が届いた。

 

「あぁぁ…うぅぅ…ぅぉおぉォ…あぁぅぅぅ…ハァ、ハァ…」

「少しずつ、少しずつ…だ…」

 

 彼女が息を吐いた瞬間に、少しずつゆっくりと抽挿を繰り返し、徐々に慣れを生じさせた彼。

例に漏れず彼女も痛みに慣れたのか、呻き声から喘ぎ声へと変容が見られ始めた。

 

「あ…ァあぁ…❤ア…アン…ン…❤…これがぁ…セックス、セックス…なのぉ…あぁぁ…んンン❤」

 

 彼の抽挿に快感を訴えた彼女は、もう性交の虜となり夢中で味わう。

目蓋は半開きで口端からは涎を垂らし、彼の抽挿運動を唯々受け入れ快楽の波に溺れた。

また分泌する愛液の量が多いのか、陰茎が出し入れする度に、ジョプンジョプン、と卑猥な水音を奏でている。

 

「んんん!?んぁ❤、ぃ❤、あはぁ❤、やぁ…❤…!来るよ、何か昇って来るよぉ…❤」

「そう、それでいいのよ。頑張って、もう直ぐ、もう直ぐよ!」

 

「んんん!?んぁ❤、ぃ❤、あはやぁ…❤…ん❤んぁアン❤、ぁぁン…❤来る、何これ、何これぇ…❤」

「くッ、私もだ…受け取るがいい…!」

 

「――あ゛~~~ッ…❤❤❤」

 

 快感の津波に呑まれ、彼女も昇天の時を迎えんとしていた。

傍で手を繋ぐ姉方の声援を受け、間もなく訪れる絶頂感に喘ぎながら戸惑っている。

そして彼も再び射精感を迎え、我慢する事無く彼女の奥へと注ぎ込んだ。

彼の精液を直に受け、彼女は未知なる絶頂を迎え意識をを混濁させつつ飛ぶ。

 

……

 

大都市と思わしき戦場は、どうしても広大だと思い違いを起こしやすいものだ。

しかし入り組んだ通路に建造物群は、思いのほか進行の妨げとなり易く障害物と何ら変わりない。

作戦目標は、二つの粒子貯蔵タンクの破壊。

二つの狭く入り組んだ通路を一気に駆け抜けようとすれば、案の定、敵砲台が行く手を阻む。

だが小型のレーザーや機銃弾など、ACの装甲の前では無意味に過ぎない。

アサルトライフルによる必要最小限の応射で敵砲台を破壊し、貯蔵タンクをロックサイト内に捕らえ、そのまま肩部武装のグレネードランチャーで粉砕した。

先ずは一つ。

クイックターンで瞬時に反転し、もう一つの通路を目指す灰色のAC。

此方は装甲の厚い隔壁に少々手を焼いたが、脆い部位を割り出し何とか突破に成功。

そのまま僅かな抵抗を受けつつも、もう一つの貯蔵タンクを破壊しホットゾーンを離脱。

作戦は成功した。

 

……

 

まだ雨は続いていたが、少し小振りとなっている様だ。

 

「んもぅ、肝心なの忘れてますわよ、旦那様…あむ…❤」

「あ…また先越されちゃった」

 

「んむ…?」

 

 一連の行為を終えたつもりでいた火のない灰。

だが突如、唇に妙な感触を覚え呼吸を止めてしまう。

衣服を整えた姉方が、彼に口づけを施し舌を侵入させていたのである。

 

「んん…❤ちゅる❤んふ…❤ヌチュン❤にちゃ…❤ムチュン…❤ブハァッ…ハァハァ…❤」

 

 彼女の方から積極的に舌を侵入させ、彼の口内で懸命に暴れさせる。

最初の方は彼も驚き、彼女に翻弄されていたが直ぐに順応を見せ、互いを舌を濃密に絡み合わせていた。

濃厚な口付けを堪能し、彼女の方からゆっくりと口付けを解く。

 

「困りますよ、口付けも愛情を確かめ合う大事な行為なんですから…。次は忘れないで下さいね、旦那様…チュ❤」

「これは失礼した。気を付けねばな…うぉっと!?」

 

「次私よ、負けないんだから…むチュぅ…!」

 

 ある意味でセックス以上に愛情を確かめ合うと言っても過言ではない、口付けという行為。

少しばかりの小言で窘め、最後に軽い口付けで占めた姉方。

それを見ていた長女も負けじと、彼に抱き着き半ば強引に口付けを交わす。

彼女も口付けという行為自体初めてなのか、最初は唇を押し付けるだけの何とも乱暴な口付けだった。

そこで今度は彼の方から舌先で、彼女の口内を無理やりに抉じ開け舌を侵入させた。

 

「――…!?あむぅ…むぐぅ…ふっ、んんっ…❤ふぁ…んぅ…❤ちゅぐ…チュる…むチュるん…❤❤プふぅぅ…ハァ…凄いわ…❤」

 

 やがて解かれた口付けで、彼女の口周りは涎だらけだ。その涎を自分の舌で舐め取り、何とも充足感たっぷりに口付けを愉しんだ。

 

「ウフフフ…一杯愛し合いましたね❤」

「これっ切りっていうのは無しよ?この村で暮らしましょ❤ね?」

「そう…だな。後は皆が受け入れてくれればの話だが――」

 

 どれほど深く長く愛し合ったのだろうか。

ようやく落ち着きを取り戻した彼等は、今後について軽く話し合っていた。

確証はないが『火継ぎ』という使命から解放されたとみなしていた火のない灰。

ここから先に存在する街(・)という人里も気にはなるが、この村が自分を受け入れてくれるのなら此処で住むのも吝かではない。

だが『その辺は心配ない』と、姉方が諭し長女も賛同した。

たとえ他の住民が難色を示そうとも、これからも彼女たちが率先し彼の世話をするというのだ。

どうにも逞しい彼女たちだが、それにぶら下がり通しというのも男としてどうなのか。

今後先の未来はまだ分からないが、この村に居座るにせよ出るにせよ、自力で生きていく術を確立する必要があるだろう。

尚も3人の話は続き、深い夜は更け気が付けば雨は止んでいた。

 

……

 

 これ程の清々した目覚めなど、未だ嘗て味わった事があっただろうか。

いつの間にか寝入ってしまったらしく、藁敷の上で目を覚ました火のない灰。

 

「…そうか、昨夜は彼女たちと――」

 

 昨晩の出来事を思い出した彼は、今も寝息を立てている二人の村娘に視線を落とした。

小鬼の襲撃に始まり、彼女たちを成り行きとはいえ救出し、提供された納屋で一夜を共にした。

かなり二人とも大声で喘いでいたが、激しい雨天の所為もあり音が外部に漏れる事はなかった。

 

「外の空気…明らかに違う…」

 

 彼女たちを起こさないよう気を使い、彼はそっと木扉を開け納屋の外に出た。

 

「――ウッ…何と…!?」

 

 開けた瞬間、眩いばかりの陽光が目蓋を叩き付けた。

目に鈍い圧力を感じながらも、彼は懸命に天を仰ぎ見る。

するとどうだろう――。

 

天空に広がる広大な青々とした空に、黄色…いや真っ白な眩しいばかりの太陽。

 

「あさ…本物の朝…本当の夜明け――」

 

 村長の言った事は本当だった。

夜が明け当然のように朝が訪れる。

この四方世界は、火の陰りなどとは無縁の生命溢れる世界。

彼はある種の感動さえ覚え、呆然と天を仰ぎ立ち尽くしてしまう。

それだけではない。

小鳥の囀りや、今も傍を走る鶏に揺れる緑の草木群。

そしてやや冷たいながらも決して不快ではない、緩やかに吹く風に彼は感嘆するばかりだ。

 

「あ、あのぉ…お、おはよう…御座います///」

「ん…あぁ…おは…よう…(そうだ、確かこれが挨拶の言葉…だったな)」

 

 ふと彼に声をかけて来たのは、二人の村娘だ。

茶髪に黒髪の、やや幼い少女たち。

お互い、ぎこちないながらも挨拶を交わす。

だが少女二人は顔を真っ赤にし、彼の顔を真面に見れないでいた。

 

「えと…、お姉ちゃん来ませんでしたか?」

 

 黒髪の少女が、おずおずと姉の行方について尋ねてきた。

一晩帰らなかったのだ。やはり心配していたのだろう。

 

「彼女なら納屋で寝ている。昨夜は激しい雨だったからな、雨宿りさせている内に何時の間にか…な」

「そうでしたか、んもう心配かけさせるんだから」

 

 今度は茶髪の少女が言葉を返し、長女を起こすべく納屋の方へと向かった。

 

――二人とも怪我もなく、何よりか。

 

納屋に向かう二人を見送り、彼は静かに微笑んだ。

 

「あ…あの…アンタ…ね…姉さん…見なかったか…?」

 

 長女の妹に続き、今度は銀髪の幼子が彼に恐る恐る声をかける。

姉さん、恐らく彼女の言う弟の事だろうか?

あの長女の他に女といえば、彼女…姉方しか思い浮かばない。

 

「納屋で寝ている、そっと起こしてあげるといい」

「あ…ああ、分かった…。その…ありがとう…助けてくれて…」

 

 そう言うや否や弟君は、そそくさと納屋の方へと駆け寄る。

 

「……」

 

 二人の少女や幼い弟君を見ながら、彼――火のない灰は、新たな人生の幕開けに言いようのない思惑を抱き、もう一度清い青空を仰いだ。

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

小鬼に凌辱され、きっと殺される。

それじゃあ妹たちはどうなるの?

もうそんな事しか思い浮かばなかった。

でも、あの彼が助けてくれた。

なぜ全裸だったのか、後から村長に聞いたわ。

長い旅路の上で、小鬼や山賊に身包みを剥がされたのだと。

何て可哀想…、私が支えて上げなくっちゃ。

こうして結ばれたんだもの、簡単に逃げないでよね。

ああでも、妹たちにはまだ早いから直ぐに手出ししないで。

あの子たちには、もっと大人になってから二人で手解きしていきましょ。

フフフ、これからも宜しくね、灰人様❤

 

然る小村の三姉妹、その長女より抜粋。

 

 

こんな突然に小鬼が襲って来るなんて。

せめて弟がもう少し成長してから――。

こうなったら私が犠牲になってでも生き延びさせないと――。

小鬼に裸にされ舐め回され、本当は凄く恐かった。

けど、颯爽と現れ助けてくれた、全裸の勇者様。

彼も裸、私も裸、きっと運命の出会いに違いないわ。

その証拠に今夜、めでたく結ばれたじゃない。

きっとこれからも愛を育んでいける。

弟は冒険者に憧れているだろうから、成人したらきっと村を出るに違いないわ。

その時は私も自分の為に生きてみようかしら、あの彼と共に。

 

第一婦人の座は、簡単には渡さないわ…ウフフフ…。

 

然る小村の姉弟、その姉方より抜粋。

 

ああ、姉さんが遠くなっていく(by姉方の弟) ( ̄ω ̄;)

 

 

 

 

 

 




何をトチ狂ったのか、自分でも分からない内にIFルートなぞを執筆してしまい、あまつさえ投稿してしまうとは…。ほぼ接点の無かった、3姉妹(今回は長女)との秘め事を妄想している内に、何時の間にかこんな話が出来上がってしまった次第です。
あまりに長い前置きに、これじゃあワザワザ『R18』にする必要なかったのでは?出来上がった後で、そんな気がして仕方がありません。

ゴブスレの姉ですが、チラシの裏の方では『レイラ』というオリジナルの名を付けてしまっています。ここと同じ様に『姉方』と表記するべきか、早い内に考えを纏めておかなければ。

因みに火のない灰(灰の剣士)ですが、『火消しルート』ではなく『火継ぎルート』で四方世界に流れ着いています。しかも周回無しの一周目クリアで転移しました。そのため、性格や口調にも若干の変化が見られるかも知れません。

一応続きも構想しています。多分短くなると思いますが…。

如何だったでしょうか?
少しでも楽しんで頂けたら幸いです。  
デハマタ。( ゚∀゚)/

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