ゴブリンスレイヤー ―灰の剣士―R-18 作:カズヨシ0509
灰の剣士・Bルート続きです。前回の話で決翼を付けておけばよかったものを、錯乱した私は続きなぞを執筆してしまう為体。
前回のあとがきで短いと宣言しておきながら、長くなってしまった。
オマケ程度のエロ描写もありますが、あまり期待しない方が無難です。
(R18を満たしているとは思う)
では懲りずに投稿致しますドゾ。( ゚ ω ゚ )
薪割り斧
何の変哲もない古びた手斧。
木材加工に使われる道具で、生産活動には欠かせない品である。
肉厚の刃は時に武器と化し、小型の獣や魔物とも対抗できる可能性も秘めている。
しかし、これは武器ではない。
戦う気があるのなら、専用の獲物に持ち替えるべきだ。
値段は、金貨1~3枚程度。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
天空に浮かぶ真っ白な太陽。
陽光に質量など無い筈だが、目蓋からは微かな重みさえ感じる。
「スゥ~、ハァ~…何と澄んだ空気だ、呼吸も軽い…」
天に浮かぶ太陽の下、流れる大気の何と澄み切った事か。耳に届く小鳥のさえずりは、小気味の良い音楽にも等しい。
そして何よりも、冷たくも漂う空気が何とも心地よく、呼吸さえも淡い幸福感で彼を包んでいた。
火が陰り死と闇が蔓延した
あの時代の朝…いや…
夜に比べ僅かに視界を確保できる程度に、場が明快に映る程度。一応、太陽らしき天体は昇っていたが『白』などではなく『褐色』ないし『黒』だった。
この世の終焉を彷彿とされる世界を、どれ程の期間過ごしてきたのだろう。
時間の概念さえあやふやに、彼は唯々殺戮に塗れた旅路を続けてきた。
生命溢れるこの四方世界に漂着して、精々一日経ったかどうかという程度にしか過ごしていない。
しかして何故か、現在の環境が
自覚はしていなかったが、本能で覚えているのだろう。
この
暫くの間、朝の陽光を一身に浴びていた火の無い灰。
『やぁ、オハヨウさん。昨夜は凄い雨だったが、よく眠れたかね?』
「村長、おはようございます。お陰様で」
そんな彼へ挨拶を交わしてきたのは、この村を取り仕切る壮年男性の村長だ。
昨夜、この村に50以上の小鬼が襲撃。しかし偶然通りかかった火の無い灰により、全ての小鬼は死滅し事なきを得る事ができた。
だが彼の常人離れした活躍に、村人たちは感謝どころか警戒を抱いてしまう結果となる。
そこへ村長が説得に入り、謝礼代わりとばかりに衣服と納屋を提供してくれた。
「さぁ、先ずは洗面を済ませるといい。その後、朝食にしようか」
洗面を済ませるべく共同の井戸へと案内され、彼は村長の後に続く。
思いのほか昨夜の雨脚が強かったのか、水溜りだらけの地面は
二人とも水溜りを器用に避けながら、井戸に辿り着き洗面を済ませる。
「そう言えば村長、先日討ち取った小鬼の件だが――」
冷水で顔を洗うなど何時以来の行為だろうか。氷とはまるで違う冷たい感触は、僅かに混濁していた意識を完全に叩き起こした。
その瞬間ふと過ったのは、昨晩の小鬼の襲撃についてだ。
大半は彼が討伐していたが、後始末はどうなったのだろう。相当数の死体で埋め尽くされ、村の内外問わず死肉で汚染されているのではないか。
だとすれば清掃にせよ死体処理にせよ、かなりの労力が必要となる筈だ。
善意で助けてたとはいえ、汚染の原因を生んだのは他でもない自分自身。
多少の責任を感じた彼は、村長に訪ねずにはいられなくなった。
「ハッハッハ、そんな事を気に病んどるのか。心配せんでええよ。さぁ、付いて来なさい、粗末だが朝飯が待っとるぞ…!」
そんな彼とは裏腹に、村長はと言えば豪快に笑い飛ばしてしまう。
話によれば村人総出で殆ど処理が済んでいるとの事だ。確かに血肉で汚れていたが、彼が戦ってくれたお陰で大半の男手が無事だったのだ。
村の男達も戦ってはいたが、実際の所かなり楽をさせた結果に繋がっていた。
また昨晩の大雨で自然と汚れも洗浄され、目立つといえば数軒の民家が若干損傷を被った程度。
昨晩の小鬼襲撃の記憶は色濃く残っているものの、それを引き摺る者は殆ど居なかったのである。
気にするなと言わんばかりに村長は自宅へと彼を招き入れ、卓に座らせた彼の前に朝食が運び込まれる。
お椀に満たされていたのは、質素だが具沢山の大麦粥だ。
大麦を主体に、芋、緑黄色野菜、小豆類などが豊富に混ぜ込んである。
「ささ、頂いておくれ、お若いの」
「かたじけない」
村長の奥方にも勧められ、彼は匙を手に取り具沢山の粥を啜る。
「あちちち…」
「ハッハッハ、けっこう猫舌さんだったかの」
「ホッホッホッホ、ゆっくりでええよ。飯は逃げたりせんでな」
薄味ながらも塩で味付けされ、野菜類の出汁で上乗せされ何とも口に合う。
湯掻き立てなのか、舌がビリビリと軽い火傷に見舞われた。
村長と奥方に笑われながら、彼は掬った粥を吐息で覚ましながら胃袋へと流し込んでゆく。
「フゥ…、馳走になった。感謝する」
結局3杯もお替りしてしまったが、村長たちは何一つ気にした様子はない。
朝食も済ませ食後の薬草茶で占めながら、彼は今後の身の振り方について尋ねられた。
「その事なのですが、もし宜しければ…、この村で滞在する事をお許し願えないだろうか?」
あのロスリックから流れ着き、まだ一日経ったかどうかも怪しい状態だ。
この世界の事など無知に等しく、他に行くアテなど見当もつかない。加えて言えば彼は無一文で、昨夜肌を重ねた二人の村娘からも、貨幣でのやり取りを聞かされていた。
いうまでもなく彼の所持品など皆無で、況してや貨幣など持ち合わせもいない。もしソウルで取引できるのなら、昨夜討ち取った小鬼のソウルが幾許か堆積している程度。
しかし彼とて既に理解していた。この世界ではソウルでのやり取りなど不可能である事実に。
ならば選択肢など決まっているも同然。
この村に留まる以外の道など彼には無かったのである。まぁ直ぐに退去を求められてしまえば、大人しく従うしかないのも事実ではあるのだが。
「おぉ、そうかそうか。てっきり街に向かうものとばかり思っておったが、それならワシらは歓迎するぞ…!あの娘たちも、さぞ喜ぶ事だろうて…!」
その考えは杞憂だったようで、村長夫婦は彼の滞在をスンナリと受け入れてくれた。
だが村全体が彼を受け入れたかと言えば、それには少し疑問が残る。
そもそも村というのは基本的に閉鎖的なのが普通だ。いきなり何処の馬の骨とも知れぬ者が流れ着き居座るとなれば、大抵は警戒感を抱くものだ。
今のところ彼を歓迎してくれていたのは村長夫婦と、あの村娘たち位だろうか。
彼を真に村の一員として認めてくれるには、今しばらくの時間と信用を勝ち取る必要があるだろう。
「この村で住むとなれば、早速だが君には仕事に取り掛かって貰おうか」
朝食を済ませ彼の身の振り方を聞いた村長は、この村の一員としての責務と規律を告げる。
何も難しい話ではない。
―― 働かざるもの食うべからず ――
ただそれだけの事だ。
そもそも彼は文無しの身で、衣・食・住を村長夫婦が工面する手筈となっている。
だとすれば彼等の寄越す仕事を熟し恩義に報いるのは、至極当然の筋とも言えるのだ。
後は一般常識の範疇で、日々生活を営む事。
何の事はない。一般的な倫理に基き生活していれば、この村では何の窮屈な思いをする事もない。
外に出た彼は、そのまま村長に『薪割り場』へと案内された。
簡素な天蓋と木板のみを貼り付けた棚には、少しばかりの薪が陳列されている。
「さぁ、此処だ。薪割りの経験はあるかね?」
「……ある様な、ない様な…。ただ、容量は掴んでいます」
何をやるべきかなど今更問う必要もない。
村長から薪割りの経験を訊ねられるも、今の今まで火継ぎの使命に従事してきた彼。
不死人に至る以前の記憶など、既に曖昧な泡沫の如く深層意識の中に沈んでいた。
今になり思い出そうにも、そう簡単に思い出せるものではない。
だが幾ら記憶に乏しいとはいえ、斧を振り下ろし薪を叩き割る事など実に造作も無い。
経験の有無はともかく、
「そうかそうか、ではお手並み拝見といこうか?」
「……」
村長の進める通り、彼は台座に薪を設置し足元の古びた斧を振り上げる。
――ふむ、これなら。
この村の斧など初めて手にした筈だが、妙に手に馴染む様な懐かしい感覚に見舞われた。
理屈抜きの本能で分かってしまうのだ。
自分は、この作業に従事していた経験がある。
そう感じた矢先、自然と身体が反応し斧を振り下ろしていた。
彼の振り下ろした斧は、薪の木目を見事にかち割り真っ二つに両断する。
「ほぅ、これなら問題なさそうだな。では今日中に、割った薪を棚に満たしておいてくれ。ただし、決められた大きさに割ってくれな」
「任されよ」
薪を割るという単純な行為だが、確かに誰にでも出来る作業ではある。だが上手く任意の大きさに割るには、それなりの練度と技量も必要となり労力も要す作業なのだ。
実は若干不安でいた村長だったが、彼の様子を見る限り懸念はなさそうだ。
早速、任せられそうな仕事を見出せた村長は、置き場の棚に割った薪で満たすよう要求する。
ただし、単純に割るだけではなく、4等分、8等分、16等分、と定められた大きさに分割する事も求められた。
薪は、火を熾し継続的に燃やすための重要な可燃材となり、日常生活には欠かせない必需品だ。
その需要は決して途絶える事はなく、街や他の村に出荷する事で貴重な収入源にもなる。
「最初は、其処の黒炭で線を引くといい。必要なら研石も自由に使ってくれて構わんから、先ずは慌てず確実に作業を熟してくれたらええ」
「承知した」
「ではワシは別の仕事があるでの。昼になったら弁当を届けるから後は頼んだぞ、お若いの。あ、水筒は此処に置いておく。これは君にやるから、井戸水も自由に使ってくれ」
一通りの指示を託した村長は、別の場所へと向かってしまった。
去り際、水分補給にと水筒も寄越してくれた。本当に何から何まで世話になる形となり、彼は直ぐに作業へと取り掛かる。
「…『薪』…な…」
だが斧を振り上げた途端、脳裏に過る記憶が彼を躊躇わせた。
最初の火が陰り、死と闇が侵食する世界へと移り変わる事で不死と亡者が溢れ返り、生命が終焉を迎えんとしていた時代。
再び生命溢れる世界へと回帰させるには、最初の火に薪を
とはいえ、その薪となる物が奇怪な事この上なく、眼下の木材などでは絶対に成り立たない。
そもそも『最初の火』という存在そのものが――。
「――えぇい!もういいッ!今の私には関係ない事だ…!」
何時の間にか、過去の悍ましい旅路に意識が引き寄せられていたようだ。
やはり容易く忘れられる体験ではない、あの絶望溢れた終焉の世界での戦いは。
況してや自分は、薪の王として自らの身を捧げ最初の火を延命させた張本人。
その当事者そのものと言っても過言ではないのである。
しかしだ。
この生命溢れる四方世界において、最初の火などと言う概念とは全くの無縁も無縁。
自分の記憶を思い起こす事さえ、この世界にとっては冒涜以外の何物でもないのではないか。
そうとさえ思えてしまい、彼は無理やり意識を現実に引き戻し、手にした斧を振り下ろす。
「……」
そこからは只管無心となり、薪を割り続けた。
……
「ん?もう置く場所が無いな」
気が付けば、指定された棚に置く場所がない。
つまり熟すべきノルマを達成した事になるのだが、村長の依頼では
しかし今は午前中で、正午にも差し掛かっていない。
「早すぎる、まだ置く場所は空いていないか?」
まだ空きの棚はないものかと、彼は当たりを見回してみたが他に置ける場所など何処にもなかった。
この世界に漂着するまで、彼は武働きを生業とする戦士職であり特に剣技に優れた
それ故、一般の村人など比較にならない身体能力を備え、その作業速度でさえ一般人を遥かに凌駕していたのである。
「大きさに間違いはないし…文字が読めんな」
棚には木札が設けられており文字が記されていたが、彼には読む事ができなかった。
それも当然で、彼はこの世界に馴染んでおらず文化にも疎い状態だ。
木札には共通語で『村用』、『出荷用』、と記されていたのだが彼には知る由もない。
――村長に相談してみるか。
この村で単純作業に従事し暮らしていくだけなら、識字の低さも然したる問題にはならないだろう。
だがいくら小村とはいえ、時折りは外部からの来訪者も訪ねて来ると村長から聞いていた。
此処から然ほど離れていない街からも行商人が定期的に訪れるという。それは、彼とて来訪者との交流も意味していたのである。
つまり会話以外での意思疎通や取引の可能性もあるという事だ。
やはり文字の読み書き位は学んでおくべきだ。村長とて難色を示す事はないだろう。
合間を見計らい相談してみる事にする。
「お~ぅ、塩梅はどうかね?」
小包を手に村長が再び訪ねて来た。
どうやら昼食時に差し掛かったらしく、彼が弁当を届けに来てくれたのだ。
今日中に片付ければ良いと村長は依頼していたが、既に終えてしまった事を告げる彼。
「何と、もぅ終えたと?」
「ええ。不備がないか念のため確認を」
状況の許す限り置ける箇所には隙間なく埋めておいた積りだ。
勿論、言い付け通り、各分割に切り分け定められた箇所を満たしてある。
まだ割る前の薪自体は残っていたが、これ以上は無駄に嵩張るだけだ。
「これは驚いた。まさか、こんな短時間で済ませてしまうとはね。大きさも申し分ないし、若い男手は頼りになるわい、ハッハッハッハ…!」
一通り棚を調べてみたが何一つ問題点も見当たらない事に、村長は驚くも豪快に笑い上げる。
実は村長自身も予定より早期に済ませてしまうだろう事は予測していたが、それ以上に彼は手早く完遂してしまったのである。
「ご苦労だったね、これは昼の弁当だ。君にはその内、現金収入のある仕事もさせて上げよう」
「現金…か」
彼の仕事ぶりに感心した村長は昼食用の弁当を手渡し、現金を獲得できる仕事の件も仄めかす。
小村では大した産業も特産品も無く、現金収入とて少額に限られるだろう。
だがふとした理由で、現金が必要になる機会も訪れる筈だ。
行商人なり街なり何かしら物品を購入するには、現金は必要不可欠なのだ。
「村長、私は読み書きができぬ故、学ぶ機会を頂けないだろうか?」
「ふむ。やはり君は、遥か異邦の地よりやって来たのだな」
元居た世界の文字なら問題なく読みも書きも出来るのだが、この四方世界など彼にとっては未知にも等しい程に日が浅い。
円滑な意思疎通の為にも、やはり識字に関する造士は深めておきたかった。
「それなら彼女に頼むとええ。ホレ、例の姉弟の姉方の娘だ」
「彼女が?」
彼の望みを聞いた村長は、あの姉方の村娘について言及する。
昨晩、三姉妹の長女と共に深い関係を築いた、もう一人の村娘。今朝にも納屋を訪ねて来た少年は、確か彼女の弟だった筈だ。
聞けば彼女は寺子屋を開き、弟を含む幼子たちに基本的な勉学を教えているという。
今日も寺子屋で、教鞭を振るっているとの事だ。
「仕事が済んだのなら、昼に訪ねてみるかね?」
「そうさせて頂く」
この世界は総じて識字率が低く、特に都市部から離れた農村部では学問さえ殆ど普及していなかった。
だがこの村は例外で、大半の住民が読み書きに不自由しておらず街でも円滑に取引が出来る者たちばかり。
村長から課せられた仕事は既に終えている。そうなれば午後は、自由に時間を使う事が叶うのだ。
そうと来れば、あの姉方に頼んでみる事も吝かではない。
彼女とは既に男女の関係さえ結んだ間柄だ。無下に断られる心配など、まず無いといっていい。
弁当で腹を満たした後、件の寺子屋に赴いてみるとしよう。
村長が去った後、彼はその場で腰を下ろし弁当の包みを開いた。
堅パン数切れに、干し肉とチーズも数切れ。
この村では、ごく有り触れた食材だが、空腹の彼にとっては御馳走そのもの。
先ずは堅パンを噛み千切り、水筒を口に含みながら咀嚼を繰り返し、空いた胃袋を満たしてゆく。
『灰人さまぁ~!』
食事を粗方終えた矢先、遠方から聞き覚えのある声で呼び掛けられた。
長い金髪を後ろに束ねた美しくも豊満な年頃の村娘、あの三姉妹の長女が彼の下に駆け寄って来た。
「村長さんから聞いたわ、この村に留まってくれるのね♪」
「ああ、これから色々と世話になるだろう。宜しく頼めるか?」
「んもぅ、水臭いわ。私と貴方様の仲でしょ。昨夜だって納屋の中で…ゴニョゴニョ///」
「ん…ンン…ああ…そう…だったな…」
村長から聞いたのだろう。
彼がこの村で暮らす事を知り、長女は満面の笑みで歓迎した。その上で昨晩の納屋での秘め事を思い出し、頬を赤らめながら語尾を濁らせた。
「もう、お昼済ませちゃったのね。え…と、これから何か用事ある?」
「うむ、それに関してだが――」
密かに彼の昼食を準備していた長女。しかし村長からの弁当を食していた事を知り、食後の予定を訊き出す事にした。
そこで彼は、読み書きの件で姉方の寺子屋を訊ねる旨を告げたのである。
「え~…、彼女の所に行くの…?」
「ん…ああ…そうだが?」
「……。今夜、私の家にいらして?ほら、貴方にも湯浴み必要なんだし」
「ん、それは大丈夫か?確か妹さん方が二人居たはずだが…?」
午後から寺子屋に行く事を知り、長女は明らかに不満気な表情を受かべた。
そこで彼女は自分の家へ湯浴みに来るよう、彼に向け提案した。
だが彼女には二人の妹が居り、しかもそこそこ年を重ねている。
長い黒髪の末妹と短い茶髪の次女、特に次女の方は長女と遜色なく実った体の持ち主。
恐らくは成人間近か既に成人を迎えていても可笑しくはない。
間違いなく男女の性を意識する年代なのだ、そして彼とて若き只人の男。
共に湯浴みを行う事に抵抗を覚え難色を示すのではないか。
「多分大丈夫よ、その辺は。だって、あの二人も貴方様を強烈に意識しているし、二人とも色事にはちょっと…ね…ウフフ」
長女の物言いでは、件の妹たちは年頃ながらも性的に疎い事を示していた。
加えて今の長女と同じく、彼を強く意識しているのだと言う。
つまり、何れは二人の妹達とも懇意になる可能性も有り得るという事だ。
「あ、でも、無理やり手を出すのは厳禁よ。あの子達、きっと傷付くでしょうから」
「そこまで貪欲ではない積りだが。…だが貴公が良いというのであれば、今夜は世話にならせて頂こう」
「ホント?何なら泊まっていっても構わないわ❤」
「それは…。今回は湯浴みだけにさせて頂く」
長女から宿泊まで勧められたが、流石に厚かまし過ぎると考えた彼は、湯浴みに関してだけ世話になる旨を告げる。
「じゃあ待ってるわね。絶対来てよ、あんまり待たせたら私の方から迎えに行っちゃうんだから…あむ…❤」
日が暮れるまで待ちきれないと言わんばかりに、彼に顔を近付け唇を縫い合わせる長女。
彼女の行動に少し驚いた彼だが拒むでもなく受け入れ、彼女の口内に舌を侵入させた。
「ん…チュ…❤むチュ…ンチュ…❤クチュル…ん❤…ふんむ…❤」
暫し互いの舌を絡め合わせ、唾液を交換し合い喉奥へと通してゆく。
縫い合わせた口端から熱っぽい吐息が漏れ、口付けの深さと濃さを物語っていた。
「あ…ふぁ…❤そこ…ヒぅ…❤」
口付けの傍ら彼女の胸へと手を添え、服の上から丁寧に揉み解してゆく。
昨夜でも堪能していたが、彼女の乳房は嵩も弾力も申し分ない。
衣服と下着越しとはいえ強めに指先を食い込ませようと、張りの良い弾力で瞬時に押し返してくる。
対する彼女も微かな喘ぎ声で、彼の愛撫を甘受する。
乳房の刺激に彼女は反射的に口付けを解こうとしたが、彼に後頭部を抱き寄せられ再び口付けに戻された。
「フゥ…ふぐぅ…!?ふ…フゥぅ…❤ふぉぅ、フンぅぅ、ふんぐぅ❤ンん、ンンん…❤」
深い口付けで塞がれ、くぐもった声を漏らす事しか出来ない長女。
揉み解されるだけでなく衣服越しに乳首まで摘ままれ、長女は抱き合った態勢のままピクピクと全身を震わせる。
昨夜経験したとはいえ、まだまだ不慣れな部分も多い長女。
やや強引な彼の攻めにバンバンと胸元を叩き抵抗を示していたが、次第にその動きも弱まり彼を深く抱き締めた。
「ん❤ン❤ン❤、ンチュる…ング❤、ちゅる…んフゥ…❤、ぷふぅアッ…ハァハァハァ…あぁぅ…❤」
衣服の上からの執拗な愛撫に加え濃厚な男女の口付け、やがて彼の方から解かれ長女は涎塗れの口から熱い吐息を零す。
荒い呼吸を続けながらも内股をモゾモゾと摺り寄せ、上気しつつも困惑気味の表情で彼を見つめた長女。
「あ…あの…ここが…アソコが…熱いの…///」
「何と、どれ…診てしんぜよう」
ロングスカート越しは言え、内股のシワの動きは何とも艶めかしい。
すっかり火の付いた彼女は媚びた瞳で、下半身…つまり陰部の異常を訴え掛けたのである。
対する彼も敢えて白々しく応え、彼女の長いスカートそっと捲り上げ手を忍ばせた。
彼の動作も淫猥の極みで、もし『異界の長い黒髪の某JK』が端から目撃すれば『ハレンチだわ!』と非難されても仕方のない状態だ。
ロングスカートに阻まれ見えないが、彼女の内股の感触は妙に熱く感じる。
「あ…んぅ…❤」
内股に手が触れただけで、彼女は短い呻き声を漏らし感じていた。
内股部とはいえ、既に滑る何かが彼の指先に絡み付いている。
深く考えるまでもなく、彼女は陰部から愛液を分泌させ下着の含有量を越えていたのである。
案の定、彼女の下着…特に
「――あ、ひゃん❤ン、フゥ、ひん…❤」
彼の指先が触れたのだろう。下着越しながら披裂を触れられ、長女は反射的にビクンと下半身を揺らし声を漏らす。
クチュとした水音がスカートを隔て互いの耳に届き、二人の性意識は一層高まりを見せつつあった。
「此処か、此処が酷いのだな…?ハァ、ハァ…」
「あぁう、ひぃ…❤そこ…其処が…熱くてぇ…変なのぉ…アン❤…あ❤あ❤あ…❤あぁん❤」
半開きの目蓋で彼を見つめ、熱い吐息を吹きかけつつ濡れている事を告げる。
彼の指が披裂を往復すれば、クチュ、クチュ、と淫音が鼓膜を震わせ続けた。
もう下着など殆ど機能しておらず、大量の愛液が彼女の内股を伝い靴下をも湿らせている。
「これはいかん、何とかしなくてはな」
「あああ…お願い…入れて…ハァハァ、
彼女は完全にその気で、彼との性交を
その間も彼の指先に合わせるべく自ら腰を揺らし、披裂の摩擦を夢中で堪能する。
本当は夜の湯浴みまで我慢する積りだった長女。妹二人と彼を加えた4人で、秘め事の手解きをしつつ愛を深め合う予定を立てていた。
しかし彼の強烈で巧みな愛撫に、秘めた性意識が爆発寸前にまで昂ってしまう。
口端から唾液を垂らしつつ弛んだ表情で、彼に性交を要求。
今の彼女には、それしか頭に無かったのである。
「良かろう…私もだ…」
「ああ…嬉しぃ…灰人様ぁ…❤」
それは彼も同様で、早く交わりたいとの想いが脳内を支配していた。
そのまま性交に及ぼうと互いに抱き合う体勢で、もう一度深い口付けを交わし合う両者。
だが――。
『お姉ちゃ~ん、ご飯できたよぉッ…!』
いざ交わる段階で、遠方から妹の呼ぶ声が飛来する。
「あぁんもぅ…こんな時にぃ…」
「…仕方がない…」
妹の声で我に返った二人は、急速に意識が冷え込むのを感じ心底落胆の声を零す。
何れは妹達とも深い関係に至るにしても、今の行為を見られるのは少々抵抗を感じていた二人。
どちらからとでもなく自然に身体を離し、互いに乱れた衣服を整えた。
「こ、今夜…呼びに来るからね…それまでは必死に我慢するから///」
「承知した。必ず赴こう今夜は」
名残惜し気な甘えた声音を出しながら、長女は早足気味に薪割り場から去り行く。
「フゥ…何とか鎮めなくては…」
知り行く彼女の背を見送りながら、彼も滾る下半身を鎮めようと深呼吸を繰り返した。
これから寺子屋へと向かい、あの長女から識字に関して相談しなければならないのだ。
性欲高まる今の状態で会いに行こうものなら、彼女に襲い掛かる可能性さえ生じていた。
あの彼女なら抵抗なく受け入れてくれだろう事は容易に想像がつくも、下手をすれば幻滅させかねない。
況してや彼は、この村でたった一晩しか経過していない新参者で余所者も同然な弱い立場だ。
軽はずみな悪行で周囲の反感など買いたくはない。
「…よし、行くか」
繰り返す深呼吸で幾許かは落ち着きを取り戻せただろうか。
怒張していた陰茎も収まりを見せ、彼は寺子屋の方へと向かう。
「お姉ちゃん、またあの人のとこ行ってたの?」
「なんか、お顔赤いけど熱でもある?」
「だ、大丈夫よ///!」
次女と末妹が長女の異変を気遣った。
先程の盛り上がりを中断されたのだ、まだ余韻に駆られたとしても何ら不思議ではない。
「それより、今夜あの人と湯浴みするけど。二人は大丈夫、問題ない?」
「え…?別にいいけど。珍しいね、お姉ちゃんから誘うなんて」
「男の人との湯浴みなんて以ての外…て、何時も言ってたから、急にどうしちゃったの?」
「そ…そう…、じゃあ今夜は4人で一緒に湯浴みしましょ(ああ、やっぱりね)」
二人の反応を見た長女は、内心で予想通りだと判断した。
やはり妹二人は、男女の関係に疎く無防備な面さえ持ち合わせている。
特に次女などは、自分に負けず劣らず育った身体つきを備えており、無自覚ながら女の色香を漂わせていた。
ほんの数週間前などは、若い村の男から身体をさり気無く触られていたのを、長女は目撃していた。
しかも臀部や胸にも手が伸びていたが、次女の方はと言えば然して気にも留めていなかったのである。
念のため、触ってきた男に対する好意を尋ねてみたが、次女の方は特に恋愛感情など抱いていなかった。
そんな次女でさえ、こうも無防備なのだ。
末妹に至っては言わずもがな。
彼女も女の特徴が目立つ年齢だが、どうにも異性に対して無防備な部分が目立っていた。
次女に比べ異性と接する機会は少なかったものの、時折り『男と湯浴みしてみたい』『男と一緒に寝てみたい』などと口走る事もある位だ。
これには流石の長女も絶句し、くれぐれも馬鹿な行動に走らないよう注意を促した事も一度や二度ではなかった。
昨夜、小鬼の襲撃で長女は衣服を剥ぎ取られ裸にされた。
言うまでもなく小鬼は彼女を輪姦する腹積もりだったのだが、それを端から見ていた妹たちには『捕食される』と解釈違いを起こしていたのである。
広義的に見れば『性的な捕食』という比喩も間違いではないのだが、妹たちにとっては食用の意味合いで捕らえていた。
長女の予想通り、二人の妹は男女の性には非常に疎い事を再認識する。
このまま男に対し無防備に身体を開け渡さないよう、きつく注意喚起する事も出来たが、今夜は少し事情も異なっていた。
この二人も、あの彼には多少なりとも異性を意識していたのである。
変に信用の置けない男共よりも、彼と濃厚接触させ異性を体験させた方が良い影響を与えるのではないか。
まだ数える程しか彼とは接していなかったが、ある程度は為人も知っている。正直に言えば、そこいらの村人よりも気を許せる男として認識していた長女。
妹たちが男との湯浴みを拒むのなら別の方法を考えもしたが、今の反応を見るに何の抵抗もなく受け入れる様子さえ見せている。
「エヘヘ、何かドキドキするね♪男の人と湯浴みするなんて♪」
「アタシも、すっごくカッコいい王子様と裸で洗いっこ、何か楽しみぃ♪」
「じゃあ決まりね、
抵抗どころか寧ろ楽しみさえ見せていた二人の妹。やはり彼に対しかなりの好感情を抱いているのは間違いない。
彼とて男ゆえ、若しかしたら豹変する可能性も捨て切れない。
僅かな不安もあったが、そんな感情は夜の湯浴みの想像に呆気なく塗り潰された。
……
件の寺子屋だが、村からは少々外れていた。
とはいえ一本道で迷う事もなく、実は薪割り場からも見えていたのである。
向かう道すがら、複数の子供達と擦れ違う。
あまり勉学には熱心ではないのか、訪れた自由時間に心を躍らせ
途中で一人の少年と目が合い、彼も思わず足を止める。
見覚えのある幼い少年、あの姉方の弟で今朝がた納屋でも僅かに言葉を交わしていた。
「……やぁ。貴公の姉君は、まだ居るだろうか?」
「……姉さんに、用があるのか?」
かなりきごちなく硬い言葉運びな少年。
少年のソウルの波形は随分複雑で、それに似た感情を彼に向けているのが分かる。
決して悪感情ではないにしても、やはり余所者の彼をすんなりを受け入れるには少々抵抗を感じているのだろう。
「見ての通り私は余所者だ。ここの読み書きさえ事欠く始末、情けない話だが君の姉君の力が必要だ」
「そうか…、姉さんは凄く賢い。まだ小屋に居ると思う」
「ありがとう、ではな」
激昂されるかと踏んでいたが、意外にも少年は応じてくれた。少々硬さは否めないが、彼との交流にはまだまだ時間を費やさねばならないだろう。
少年に言われるまでもなく寺小屋からは、姉方のソウルが漂っている。
少年に簡素な礼の述べ、彼は再び寺子屋に向かおうとした。
「勉学なんて、どこが面白いんだ?アンタみたいに強くなるんだったら、剣の練習した方が確実なのに――」
ふと少年の呟き、いや本音が彼の背から投げ掛けられた。
「武力は強さ、しかして知力も然り。ゆめゆめ忘れるべからず」
「…え…?」
まだ幼い少年特有の感情とも言うべきか。
純粋な武力だけが強さと思い違いを起こしている様だ。
同時に彼を戦士として認めてもいる事が分かり、少年の向ける気持ちは決して悪い気がしない。
だが敢えて知力…勉学の重要性を説いた火のない灰。
真なる優れた強者は、豊かな知性をも併せ持っているものだ。
確かに単純な武力と比較すれば、どうしても目立たず地味になりがちだが絶対に欠かす事ができない要素でもある。
あまり突き詰めればキリがないが、武力を振るうのでさえ力の流れや人体構造に深い知識が必須となる。
学無き猪武者など、容易な策で呆気なく崩落するものだ。
それは何処の世界でも時代でも共通で、名将や英雄と呼ばれる偉人たちは押し並べて知勇を兼ね備えていた。
「彼女に問うてみるといい。君が誇る通り、姉君は凄く賢い故な」
「……」
少し難しい言い回しだっただろうか。
だが今は真意を理解出来ずとも、いずれ時が来れば自ずと答えに辿り着けるだろう。
そう言い残した彼は、改めて寺子屋に足を運ぶ。
対する少年は無言のまま、彼の背を見送るだけだった。
少年の複雑な視線を感じつつ、彼は寺子屋に着き戸を数度叩く。
「まぁ、来て下さったの旦那様…!」
戸を開け彼を視界に捕らえた途端、姉方は表情を綻ばせ快く出迎えてくれた。
案内するというほど然して広くもない屋内には、多くの机や椅子が所狭しと並べられている。
奥には小さな祭壇が設けられ、元が寺院である事を物語っていた。
「此処は知識神を祀った小さな寺院なんですよ。よいしょッと」
「手伝おう」
彼の視線に気付いたのか、奥の小さな祭壇が知識神を祀ったものであると彼女が明かす。
幼子たちの授業を終え後片付けに追われていた彼女を手伝うべく、彼も手を貸し机や椅子を奥へと寄せた。
「ウフフ、ありがとう。もうお昼は済ませました?」
「ああ。村長から弁当を頂いてな。其方はまだなのだろう?」
彼女から昼食について言及されたが、此方は既に済ませている。
対する姉方や弟である少年はまだらしく、これから家で済ませる予定だ。
「ふむそれならな、今日は止めておいた方が良いな」
「え…何がです?」
実は文字の読み書きについて此処まで訪れた彼。
しかし相方の都合も考えず、不躾に来訪するのは少々行儀が成っていなかったようだ。
やはり事前に予定を話し合った上で、彼女に改めて都合を付けて貰う事にしよう。
日を改めるため、寺子屋を出る事にした彼。
「いや、行かないで!もう少し一緒に居て…!」
「大袈裟な、村を去る訳ではないぞ」
「分かってます、村長から此処で住むと知った時すごく嬉しかった。でも本当は、一時も離れたくないの…!」
「…気持ちは有り難いが、弟君も腹を空かせていよう。早急に戻って差し上げた方が良い」
彼がこの村に留まる事を、この姉方も村長から聞き及んでいる。
その事自体は非常に歓迎していたが、彼女の本心では彼を常に視界に入れておきたい位なのだ。
彼を引き留めようと声を荒げるも、彼女も弟も昼食を済ませてはいない。
彼女はまだしも、幼い育ち盛りである弟を待たせるのは些かに酷というもの。
「もう少しだけ…もう少しだけ一緒に居て…!」
「あ…ああ…少しだけなら…」
特に躊躇する事もなく互いを抱き寄せ、深く抱擁し合った。
衣服越しにでも彼女の豊かな乳房が、彼の胸元に伝わり何とも言えない心地良さを感じる。
「あぁ…そこ…いい…❤」
既に二人の呼吸は熱を帯び、秘め事に及ぶ空気感に見舞われていた。
ごく自然な流れで彼女の臀部へと手を回し、指を食い込ませながら揉み解してゆく彼。
当然の如く彼女は抵抗なく受け入れ、甘い淫声で尻を揺らす。
また空いた手で、彼女の胸へと手を這わせれば潤んだ目で彼を見つめ返す。
「どうぞ…、アン…❤それ…好きぃ…あフ…❤」
撫でる程度の愛撫だが彼女はピクンと全身を強張らせ、体重を彼に預けた。
「今夜…家に来ませんか…?」
「ああ…実はな――」
ある程度予想はしていたが、姉方も彼を家に招き入れようと誘ってきた。
だが既に三姉妹の長女と先約を済ませて言事もあり、彼は申し訳なさ気にそれを伝える。
「んもぅ…私というものがありながら…いけない御方…あぁん❤…やぁん❤」
当然、不機嫌な表情を浮かべ不満を漏らす姉方。
だが彼の愛撫を拒む気など微塵も無く、身体を揺らし積極的に摩擦を愉しもうとした。
「じゃあ、湯浴みが終わったら訪ねますね。また愛し合いましょ❤」
「ああ、楽しみにしておく」
「フフフ、でも次からは3人でよく話し合ってから色々決めていきましょ」
「そうだな、それが良い。私とて波を立てたくはない」
長女に先を越された悔しさはあれど必要以上に彼を責める事はせず、次からは3人で話し合う事を提案した姉方。
その考えには彼も賛同し、今夜の湯浴み後に彼女が訪ね来る事を受け入れる。
「あ…ふぁ…❤乳首…いい…❤あ…❤あ…ん…❤はぅッ❤」
彼女の提案を受け入れながらも愛撫を続ける彼は、やがて衣服の中へと手を入れ乳首を直に摘まみ上げた。
指の腹で摘まむ度に、彼女は小気味良く全身をピクンと揺らす。
「ハァ、ハァ…旦那様ぁ…好きぃ///❤」
そして彼女の方から唇を寄せ、濃厚な口付けへと移ろうとした。
だが何を思ったのか彼は行為を止め、彼女の乱れた衣服を戻し身を引いてしまったのである。
「え…どう…して…?」
「すまぬが、あの子がやって来た」
漸く盛り上がりを見せてきたというのに、前触れの無い彼の身の引き。
何か嫌われるような事でもしたのかと、半ば不安気な様子の彼女。
しかしそれは彼女の杞憂で、彼が言うには弟がやって来たのだと告げた。
未だ戻らない彼女に痺れを切らしたのだろうか?
少しばかり心配になる姉方だが、何時もの平常時を取り繕い弟の来訪を待つ。
「――姉さん、それとアンタっ…!」
やや乱暴気味に戸を開けた弟君の少年。
少し息切れた様子で乗り込んで来たものだから、今の行為を見られていたでは?と、二人は勘繰った。
しかし弟君の呼吸の乱れ様は、どうにも普通ではない。
姉方が聞き返す前に、弟君の方から緊急の報が告げられる。
「――けが人が出た、直ぐに来てくれッ!」
「「……!?」」
確かに普通ではない。
この血相の変わりようは、唯の怪我人というだけではなさそうだ。
事情を確かめたかった姉方だが、弟君の慌てようから事実だけを伝えに来た事を察した。
弟君の案内で二人も直ぐに現場へと向かう。
……
村は、共同井戸を中心に構築されている。
弟君に案内され二人が辿り着いた時には、既に多くの村人たちが集まっていた。
怪我人が出たとの事だが、どの様な経緯で負傷に至ったというのか。
村長の話によれば、村人の青年が一人で小鬼の巣に赴き負傷させられたのだという。
どうやら先日の小鬼達とも無関係ではないらしく、その巣には未だ数匹の小鬼が居座っていたの事だ。
「しかし何ゆえ今更になって――」
昨夜の小鬼は50以上の群れで襲撃したものの、殆どを火のない灰である彼の手で討ち取られ現在に至る。
確かに小鬼を残しておくのも、後々の事を考えれば放置は出来ない。
小鬼による禍根を残さぬよう、早めに潰しておきたいという心象も分からないでもない。
だが根本的解決を図るにしても、血気に駆られ単身で小鬼の巣に乗り込もうなど正気の沙汰ではない。
肩口と横腹に裂傷を負い出血が衣服に滲んでいた、村の若き青年。彼の傍らに転がっているのは、昨晩の警備男が所持していた石の穂先を持つ即席の槍だ。
小鬼単体なら効果も見込めるが、ほんの数匹とはいえ集団で危険には変わりないのだ。
彼は青年に訪ねてみるも、そっぽを向き口を頑なに閉じたままだ。時折り彼に対し、睨み付けるような視線さえ向ける始末。
自分は何か気に障る事でもしたのだろうか?
この青年とは真面に対面したのは、今日が初めての筈だが。
「私と妹たちにカッコいいとこ見せようとしたのよね?ホント呆れたわ…!」
「――くッ!うっるせぇな、こんな余所者を信用する方が悪いんだろうがよっ!」
固く口を閉じた青年に、駄目出しをかけたのは三姉妹の長女だ。
怪我をしているこの青年だが、以前から三姉妹の長女に何度もコナをかけていた。
だが長女の方は応える気はなかったようで、幾度も適当にあしらっていた。
対する青年の方は、二人の妹に狙いを変更し再び接触を試みていたのである。
長女とは違い次女や末妹の方は、非常に無防備で警戒心も緩く体を触る事さえ叶っていた。
その現場を長女は何度か目撃していた様で、青年に対する評価は著しく低下していたのである。
「貴方なんかよりは、よっぽど信用できるわ…!この灰人様はッ…!」
「灰人…
「その結果、そうやってヒィヒィ逃げてきたんでしょうが…!」
「テメェ、可愛げのねぇ…!」
「そう思うんだったら今後一切っ、私にも妹達にもチョッカイかけないでッ!迷惑よッ!!」
「――グッ…!」
二人の口論はさて置き、青年が小鬼の巣に乗り込み怪我を負った事には変わりないのだ。
そして小鬼の脅威は、昨晩で終わりではなかった事も明らかとなる。
「とにかく、先ずは手当せんとの。まぁ喧嘩できるぐらいなら、大して心配もいらんだろうが」
ますます
青年自体は元気な事この上ないが、決して無視できない程の出血が目立っていた。
彼なりに小鬼と戦い、アドレナリンの影響でも受けているのだろう。
今は痛みや出血に対する反応が鈍いものの、ものの数分も経てば平静を取り戻し急激な憔悴へと陥る事だろう。
朦朧状態となるだけならまだいいが、今の興奮の反動で取り乱し暴れられては堪ったものではない。
「お~い、誰か軟膏と包帯を――」
「お待ちを村長。…貴公、その首にかけている聖印を貸して貰えるか?」
「え…これ…?」
軟膏と包帯を呼び掛ける村長を、火のない灰が引き留めた。
そして隣の姉方へと視線を向け、首にぶら下げている『聖印』の貸与を求める。
薄い木板を布で包み、中心には知識神のシンボルであるロウソクが描かれていた。
「こんな物、何に使うんです?」
姉方は確かに知識神の信徒だが、ぶら下げた聖印も精々がお守り程度に身に着けているだけだ。
この様な聖印で何をしようというのか?
疑念に駆られながらも彼女は首から聖印を外し、彼へと手渡す。
「貴公、暫しジッとしていたまえ」
「テメェ、気安く近寄んじゃねぇ…!」
抵抗する青年を無視し、彼は手を翳す。
「白教の奇跡『回復』…!」
次の瞬間、彼の手を基点に淡い聖光が辺りを照らす。
言うまでもなく聖光は青年をも包み、気が付けば傷口は元通りに塞がり痛みも消え去っていた。
「――…ッ!な…何だよこれ…傷が…ぜんぜん痛くねぇ…」
衣服に滲む血糊で分かり難いが、青年が衣服を捲れば皮膚を裂いていた傷口は完全に塞がっていた。
「――お、おぉ…回復の奇跡…!?」
「――あ、アンタ、奇跡を使えるのかッ!?」
「は、灰人様…、こ、こんな事が…」
「旦那…様…、貴方様は戦士ではなく…聖職者ッ…!?」
軽傷とは言い難い青年の傷が完治し、周囲の村人たちは口々に驚愕の声を上げた。
当然、長女や姉方も目を見開き似たような反応を見せている。
「皆、落ち着かれよ。私は長い旅路の末、奇跡を幾つか習得しているに過ぎませぬ。それに重要なのは、小鬼の後始末」
「お、おぉ…確かにそうだ…」
「まだ小鬼が残ってるんだったな…」
「あとどのくらい居るんだ?」
「わりと近いみたいよ…」
回復の奇跡を発現させた事は確かに驚くべき事象だが、街の神殿に行けば奇跡など日常茶飯事で珍しい事でも何でもない。
彼は驚く皆を宥め、現状の小鬼について言及する。彼の説得に騒ぎも徐々に治まりゆく。
その後、彼が小鬼の巣に乗り込む事を主張した。
だが村長を始め姉方や長女も挙って反対の意を示し、冒険者に討伐を依頼する案が浮上する。
しかしそれでは費用が嵩んでしまい、ただでさえ貧しい村が更に干上がる要因に繋がってしまうのだ。
青年の情報では『残り5体ほどが生存し、二人の女性らしき悲鳴を聞いた』と明かす。
確かに討伐を生業とする冒険者なり傭兵なりを雇えば、安全に脅威を排除できるかもしれない。
だが幾らの費用が掛かるにせよ、此処に居る彼は昨夜の件も踏まえ小鬼討伐の実績もあった。
危険なのは承知の上だが、他の村人たちは彼の台頭に強く反発する事はなかったのである。
「お、俺も、もう一回行くぜ…!新参者のお前なんかに任せられっかよっ!」
「バカを言うな…!生きて帰って来れただけでも神様に感謝しろ、この親不孝者めがっ!」
彼が単身、小鬼の巣へと乗り込む方向で話が進んでいたが、青年も同行を主張した。
先日流れて来たばかりの彼に対し、かなりの対抗意識を燃やしている様だ。
散々ケガを負わされた事を棚に上げ、傷が治った事で更に根拠のない自信を募らせている。
殆ど身の程知らずな青年に、石槍の持ち主である警備男が叱り飛ばした。どうやら警備男と青年は、親子関係である事が判明する。
「承知した、彼も連れて行く。道案内と敵規模の詳細を頼む」
「ハンっ!偉そうにして後で恥を掻くなよッ…!」|・`ω・´)チラリッ‼
簡単に引き下がる気はないらしく、仕方なく青年も同行させる事にした。
仮にも小鬼の巣を突き止め、無謀とはいえ小鬼の規模も多少は知っている身だ。彼の同行も無駄ではない。
傷を治療してもらった恩も忘れ、大口で牽制しつつ三姉妹の方を盗み見た青年。
だが長女を始め三姉妹の方はというと、火のない灰に対し不安に満ちた目で見つめていた。
……
出発の際、姉方から布作りの
発動体さえあれば回復の奇跡を使える事が判明し、せめてもの御守りにと別の
この聖印だが、あの時代の『タリスマン』と作りがほぼ同じだ。
これなら違和感なく奇跡を行使する事ができるだろう。
もう『エスト瓶』も『エストの灰瓶』も手元には無く、主な回復手段は白教の奇跡に頼るしかないのだ。
しかし武器を持たずに来てしまったのは、我ながら迂闊だっただろうか。
余談でもう過ぎた事だが、姉方の弟も密かに後を付けようしたが直ぐに見つかり、こっぴどく叱られたそうな。
ゴブリン退治に興味でもあったのだろうか?
「ホブゴブリン…?初めて聞く個体種だ」
「ダッセ…、お前ホント何も知らねぇのな…!」
巣に向かう道すがら、青年からは残り5体の小鬼の事は聞いていた。
しかしその中に一体だけ
相変わらず彼に対し辛辣な言葉を向けるも、律儀に特徴を述べてくれた。
本来の小鬼は総じて、只人の子供程度の背丈と身体能力しか持たない種族だ。
だが稀に先祖返りなのかどうかは分からないが、巨体を持つ種が誕生する事がある。若しくは、経験を積む事で巨躯を備えるかのどちらかだ。
基本的に
とにかく素人が正面戦闘を挑むなぞ自殺行為に等しく、熟練の冒険者や戦士でも手を焼く存在だというのだ。
因みに『
「お前が元・戦士ってのは分かったが、ホブなんて真面に戦うもんじゃねぇ…!わりぃがこの槍は親父のだ、お前にはやらねぇし貸してもやらねぇ…!」
「分ってる。貴公は自分の身を護る事だけに集中してくれ」
昨夜のクラブを投げ捨てたのは少々迂闊だった。こんな事が分かっていたなら、草の根分けてもクラブを探し出しておくのだった。
だが青年の話が本当なのだとすれば、クラブ如きで
薪割り場の手斧を持ち出す事も考えていたが、流石に村の備品で生活に欠かせない必需品だ。緊急とはいえ自分勝手な理由で私物化するのは気が引けた。
残念だが武器は、現地で調達するしかない様だ。
街道を外れ森林へと差し掛かる直前、足元には小鬼らしき足跡が多数散見される。
――成程、この森からやって来たのだな。
昨夜、村を襲撃してきた多数の小鬼群は、この森の奥にある巣から来襲してきたという事が分かった。
そして村の青年も、この足跡を参考に巣を突き止めたのだろう。
自分が目立つ為という動機は不純なれど、彼の探索能力は侮れるものでもなかった。
「此処から急な上り坂だ。そのてっ辺に小鬼の巣が在る」
青年の言う通り、此処から急激な上り坂と化している。よく見れば森林の中に小さな岩山が存在し、少々足場も悪い。
「落ちんなよ、俺は助けてやらねぇからな」
なんとも冷淡で辛辣な言い回しだが、足場の状況や地形を律儀に伝えるという矛盾ぶり。
目先の欲には敏いが決して悪人ではないのだろう、この青年も。
青年の先導に従い、二人は坂を登ってゆく。
……
それなりに登頂しただろうか。
鬱蒼とした木々も晴れ、眼下は緑一色に染まっていた。
また森を向こう先には、小さな集落の輪郭がぼやけて見える。あの村で間違いない。
「ストップ。この岩場を抜けた先に、小鬼の巣が在るんだ」
急に足を止めた青年。彼が言うには、視界を塞ぐ岩場を抜けた先が小鬼の巣穴だというのだ。
「入り口には見張りの小鬼が居るはずだ。いきなり出くわして飛び掛かられたら堪ったもんじゃないぜ…」
彼の言うように岩場の先からは、5体の小鬼と二人の人らしきソウルが感知できる。
確かに2体の小鬼のソウルが、近くに感じられる。巣穴の見張り役といった処だろうか。
この青年、此処に来てやけに慎重な態度をとっている。普段の立ち振る舞いなら、手柄優先で後先考えずに突撃していきそうなものだが…。
恐らく前回の探索で無謀に挑んだ結果、アッサリと小鬼に見つかり怪我を負わされ逃げ帰ったのだろう。
流石に痛い目を見れば、短慮な彼とて慎重にならざるを得なかった。
「クソッ、こうしている間にも女の子たちが可哀想な目に…!」
今直ぐにでも乗り込みたいのだろう、この青年は。
だが前回の苦い経験で踏み止まるも、巣穴の中の虜囚が気になり歯痒い表情を滲ませて地団駄を踏んでいる。
幾ら総数5体とはいえ、無謀な突撃は避けた方が無難なのは間違いない。
だが此処で手を拱いていては、中の人質たちが死に至る可能性が増すばかり。現に虜囚たちのソウルは徐々に疲弊の一途を辿っている。
今も小鬼たちは、虜囚を使いお楽しみ真っ最中なのだろう。
「私が行く。貴公は合図があるまで待機せよ」
「武器も無いのに…、この槍は貸さねぇからな!」
先ずは視界に収めねば話にならない。ソウルの感知だけで全てを把握する程の精度を持ち合わせていないのだ、今の彼も。
渋る青年には待機を指示し、彼は岩場の先へと進む。
別に青年の石槍になど執着はない。その様な即席品など、数回の刺突だけで破損するのは明白だ。
道端のある手頃な石ころを2個拾い上げ、巣穴の入り口に陣取る2体の小鬼を視界にとらえた。
「GYBA?」
「GHEV?」
岩場を出れば、殆ど正対する形で2体の小鬼と目が合い直ぐに発見されてしまう。
奇妙な鳴き声を上げた小鬼だが、まだ危険を叫ぶ合図ではない事は彼にも認識できた。
巣穴奥に危険を報せる前に、2体の小鬼目掛け二つの石ころを投擲する。
「――GYAッ!?」
「――GYEッ!?」
手頃な石ころといっても先の尖った物を選んでおいた。
あの時代でもスローイングナイフを用いていた経験があり、それに近い形状なら似たような感覚で投射できた。
厳選した甲斐あり、小鬼の頭部に尖った石ころが深々と突き刺さる。
短い悲鳴を上げた小鬼は即死こそしていないものの、彼が透かさず肉薄し悶える小鬼の首を圧し折り止めを刺す。
幸いにも騒がれる事なく、2体の見張り役を仕留める事ができた。
「もういいぞ」
「お、おぅ…」
待機させておいた青年に合図を送り、岩場から姿をひょっこりと現した。
「へ、へぇ…ちったぁ役に立つじゃねぇか…。ま、まぁ…俺も本気になりさえすればよ…へへッ…」
「…では次から動いて貰うぞ、あと3体…内一体はホブとやらか…」
今から巣穴に乗り込むのだ。ここからでも狭い事が分かり、動きは大きく制限されてしまうのは確実。
危険だが付いて来た以上、彼にも働いて貰わねばならない。
「ハンっ…、俺の槍裁きは、ここいらじゃあチョットは有名なんだ。小鬼の一匹や二匹――」
「少し待て…、よし…使えるな」
尚も大口で虚勢を張る青年を余所に、先ほど仕留めた小鬼から長い木の棒と欠けたナイフを拾い上げる。
小鬼の巣穴はとにかく暗く満足に視界も効かない。
拾い上げた長い木の棒を、枯れ草や枯葉で包み弦で括り付けた。そして青年に見えないよう、秘かに『呪術の火』を発動させ点火。
直ぐに枯れ草や枯葉に燃え移り、長い木の棒は『松明』へと早変わりした。
「お前、火付け道具なんて持ち込んでたか?」
「ああ、懐に仕舞っていた。では行くぞ」
多少怪しまれはしたが、その瞬間だけだ。
そのまま二人は、小鬼の巣穴へと足を踏み入れる。
当たり前の事だが中は暗く、彼の松明が無ければ視界確保もままならない。しかも強烈な異臭が充満し、二人の嗅覚を不快に嬲る。
時折り小鬼の糞尿を踏み付けた青年は、心底嫌そうな声を零し顔をしかめる。
「――静かにッ…!」
「…女の悲鳴、近いぜ…」
巣穴の深さは然程でもなかったのだが、小鬼の領域に踏み込んだという事実が緊張感に拍車をかけ距離感を惑わせる。
だが奥の方から流れて来る、か細い女の呻き声で目的が近い事を二人は悟った。
……
「あ…あ…あ…い…いやぁ…、はげ…しぃ…ハァハァハァ…」
「GYOV、GYOV、GYOV…!」
「あぅ、はぅ、くぅ、少し…休ま…せて…フゥフゥフゥ…」
「GYEB、GYEB、GYEB…!」
暗闇の最奥で今も行われている凌辱劇。
二人の若い娘が小鬼の肉竿を甘受し、呻きに似た淫声を上げ続けていた。
パンパンパン、タンタンタン、そう形容するしかない肉の衝突音が壁面に跳ね返る。
村娘二人を2体の小鬼が犯し、巣穴のボスと思わしき
この巣穴に連れ込まれ、どれ程の時が経ったのか。既に感覚が麻痺していた娘たちは、抵抗する気力も消え失せていた。
一心不乱に腰を打ち付ける小鬼の攻めを無抵抗で受け入れ、膣内からは大量の愛液を垂らしている。
半透明な愛液と小鬼の白濁液が混ざり合い、悍ましい小鬼の凌辱でさえ幾許かの快楽に覆われていた。
「もっと…もっとぉ…❤、もっと大きのぉ…ほしいぃ…あぁん…ちっさいよぉ…❤」
「深く突いてぇ…❤アン…❤ちょっと短いわぁ…あふぅ…❤」
「「GYOBEBEBE…!」」
女の本能というべきか、若しくは小鬼との相性が良かったのか。
度重なる凌辱に、たとえ小鬼が相手であろうとも快楽に溺れんとする娘たち。
とうとう自ら腰を振り始め、少しでも快感を貪るべく小鬼相手に要求する痴態さえ見せていた。
「クソぉ…うらやま…じゃなくて、ヒデェ事しやがる…」
「アレがホブゴブリン…、あの
小鬼達が宴に興じている間、火のない灰と青年は既に到着し岩場の影から様子を窺っていた。
村娘たちが快楽に溺れ始めているとも知らず、青年は性欲を滾らせ小鬼に嫉妬と憤りを向けている。
対する火の無い灰は、初めて見る
「手筈は分かっているな?」
「お、おぅ…、だけど早くしないと――」
巣穴に乗り込む前、二人は予め作戦を立てていた。非常に単純な策だが、人質が居る以上、無策で戦いを挑むべきではない。
しかも巣穴は狭く視界不良で、小鬼には非常に有利だ。
女の凌辱に必死な2体の小鬼はともかく、巨躯を誇る大小鬼を真正面から相手取るのは非常に分が悪い。
青年に合図を送るも、どうにも娘が気になっているのか飛び出さん勢いを滲ませている。
「焦るな、死の危険は今のところ無さそうだ。邪魔者を排除した後、ゆっくりと確実に救助すればいい」
「…チッ、分かったよ…」
気の逸る青年を何とか宥め、いよいよ行動を起こす事にする。
先ず火のない灰が岩場から身を乗り出し、適当に松明を宙で振る。
「「「GYOVOVO…!?」」」
暗い巣穴に揺れる松明の灯火に、3体の小鬼が漸く勘付いた。
「――さぁ小鬼達よ、敵襲なるぞ…?我々を捕まえてみよ…!」
「――GURUOOOッ…!!」
此方の言葉が通じているのかどうか、そんな事はどうでもいい。
彼は適当な言葉で小鬼を煽り、無防備に手招きで誘いをかけた。
彼の態度に反応したのは、想定通り
巣穴全体を揺らさんばかりの声量で、2体の小鬼達へと迎撃を命じた。
お楽しみである凌辱を邪魔されたと感じ、すぐさま足元の粗悪な武器を手に彼へと殺到する。
「――食い付いた、一旦出るぞッ!」
「――分かってらぁ、後で助けてやるからなァ…!」
思惑通り小鬼が食い付き、彼は青年を引き連れ巣穴から撤退する。
言うまでもなく激昂していた小鬼達は、二人を追い駆けた。
二人の女が気になる青年だが何とか堪え、一目散に巣穴から脱出を図る。
巣穴から出た二人は、出口付近の左右に陣取り追手を待ち構えた。
迫り来る足音と鳴き声で、間もなく2体の小鬼が出て来る事が容易に分かる。
「
「お、おぅ…!(クッソ緊張するぜ…!)」
出口付近の両脇に陣取った二人。
青年は石槍を――。
火のない灰は、長い木の棒の松明を――。
各々が手にする長物で、小鬼を転倒させるべく出口で仕掛ける作戦だ。
出口を出た途端の小鬼を転倒させるというだけのごく単純な作戦だが、早過ぎては小鬼に視認され飛び越えられてしまい、遅すぎては仕掛ける意味を見失ってしまう。
「――今だッ!」
小鬼の足元と思わしき高さに合わせ、長物を突き出す二人。
「――GYA!?」
「――GYE!?」
巣穴を出た途端、2体の小鬼は足元を引っ掛けられ見事に転倒。
その勢いのまま、地面へと頭から突っ込んだ。
「――止めをッ!」
「――やろぅっ、怪我のお返しだ!」
「――BGYAッ!」
彼に合図されるまでもなく、転倒した小鬼の頭部に石の穂先を突き刺す青年。
単身乗り込んだ際、負わされた怪我の報復とばかりに1体の小鬼を突き殺した。
昨夜、村を襲撃した憎々しい異形だ。殺す事に何の罪悪感も躊躇も無い。
青年が1体を仕留めている間、もう1体の小鬼の頭部を踏み潰していた火のない灰。
あっという間に2体の小鬼は絶命した。
「ハ、ハハハ…、何だよ…俺だってやりゃあ出来んじゃねぇか…ハハハハ…!」
今の反応を見るに、自力で小鬼を仕留めたのは初めてだったらしい。
自分の実力でも小鬼を殺す事ができたという事実に、青年は慄き交じりの掠れた笑い声を漏らす。
だが極度の緊張感に見舞われているのか、石槍の持つ手がブルブルと今も震えが止まらなかった。
別のこの様な作戦をとらずとも、火のない灰だけで小鬼の殲滅は造作もないのだ。
大口だらけの青年に経験を積ませたい意味合いと、ホブを外に誘い出すのが目的である。
巣穴で見たホブは腰を下ろしていたが、それでも只人よりも遥かに巨体なのは直ぐに理解できた。
あの様な巨体相手に狭い巣穴で戦おうものなら、先ず動きが制限され真正面の殴り合いは必至。
脂肪過多ながらも腕の筋肉量も人間基準で鑑みれば、十分以上の脅威と判断できたのだ。
巣穴に乗り込む前に、青年からホブの特徴を大まかに聞いてはいたが直で目にし、その話の信ぴょう性が拍車がかかった。
「――ヤベェ、この地響き…!」
「――分かってる!貴公は身を隠せ、後は私がやるッ!」
2体の小鬼を仕留めたのも束の間、微かな振動が二人の足元に伝達する。
分かり易い足音と振動に、あの大小鬼が巣穴から出て来るのが青年でも理解できた。
大小鬼の相手は自分がすると言い、岩場の影へと身を隠すよう青年へと指示を飛ばす。
「――GUVOAAA…!」
その直後、咆哮を上げながら
巨体に見合う太い足首では、手にした棒切れで転倒など不可能。
「――さぁ、こっちだ、ホブとやら…!貴公の手下は、私が始末したぞッ!」
「――GUROOOッ…!」
地面に転がる無残な小鬼達の屍。
それを目にした
別に仲間意識がある訳ではない。稀に例外も居るが、大抵の小鬼に仲間意識など希薄で、ただ敵の思惑通りに同族が捻じ伏せられるのが単純に気に入らない。ただそれだけの感情しか湧かないのだ。
長い松明を投げ捨てた彼は、仕留めた別の小鬼から折れたナイフを拾い上げ、更に挑発を繰り返す。
欠けたナイフに折れたナイフの二刀流という、凡そ貧弱な装備だが臆することなく敵を煽り続ける彼。
「――GUOOOROOッ!」
こんな貧弱な只人如きに、俺の巣と手下どもが荒らされた。絶対に許さんッ!
そんなセリフが直ぐに想像できそうな勢いで、怒り狂う
「――今だッ、彼女たちをッ…!」
「――おぅッ、死ぬんじゃねぇぞッ!」
彼目掛け突撃した事で、
思惑通りに事が運び、岩場に控えさせた青年へと合図を送る彼。
合図を受けた青年も透かさず動き、再び巣穴へと身を躍らせた。
これで外は、火のない灰と
「さぁ、来るといい。この私が存分に相手してやろうぞ…!」
「――GOUUUっ…!」
視界の良好な環境で改めて見れば、本当に大柄な体躯の
好い加減見慣れた小鬼とは雲泥の体格差に、只人との膂力差を如実に現しているかのようだ。
――本当にデカいな、こんなナイフで切り合うなど考えたくもない。だが…。
死力を振り絞れば正面戦闘でも勝利を収める事は出来るだろう。だが此方も無事では済むまい。
しかし、此処の地形を利用すれば勝率は更に引き上がる。
此処は小高い岩山で、彼の後方は崖が広がっていた。そして眼前の敵は、如何にも体重の嵩む
この状況を利用しない手はない。
「GUURUU…」
手にしているのは、石を粗く削った棍棒だろうか。かなり重そうだが、直撃など以ての外。一撃で即死しかねない程の威力を誇る筈だ。
ジリジリと迫り来る
まぁ実際そうなのだが、対する彼は臆する事なく敵の出方を窺った。
――もう少し、もう少し…。
追い詰められるフリをしながら、自ら崖へと後退る彼。
「GEHEHEHYA♪」
対する
「――GAAAAッ…!」
充分追い詰めたと判断したのか、
「――そこぉッ…!!」
狙い通りとばかりに、手にしたナイフを投擲する彼。
刃が欠け折れようとも尖った金属部は幾分の殺傷力を持ち、皮膚を切り裂く能力は備わっている。
投擲したナイフは寸分違わず、
「――GUGYEAAAっ…!?」
一瞬何が起きたのかも理解出来ないまま、
その隙を逃さず彼は、
「――フォースッ!」
今や位置関係は真逆となり、
敵の背に回り込んだ彼は、腰に括り付けた
『フォース』と呼ばれる全方位に衝撃波を放つ奇跡で、
「――まだ足りんか、ウオォォぉッ…!」
だが衝撃が足りなかったのか、
彼は直ぐにでも助走をつけ跳躍し、体幹を崩しつつある敵の背をドロップキックで蹴り飛ばす。
「――GYOOOoo……BUGEッ…!」
彼の蹴りにより、
両目の激痛と自由落下に悲鳴を上げつつ、地面との接触で短い悲鳴で絶命した
グシャリッと身肉と骨の砕ける音が此方にまで届き、彼は崖から眼下を盗み見た。
生い茂る木々に阻まれ敵の死骸は見えなかったが、やがて我が身に宿る
「フゥ…、
今回は戦術と地形効果に加え、単体という好条件も重なり直ぐに討伐も叶った。
だが今の様な個体種が複数で押し寄せ連携など組まれようものなら、あの村など一瞬で陥落するだろう。
「まだ剣を手放す日は遠そうだ」
小鬼の脅威は常に蔓延っていると、先日の村長から聞かされている。
今の想像も只の妄想では終わらない可能性さえ孕んでいるのだ。
更なる武器種の調達や修練の必要性を構想しながらも、彼の本心は平穏な日常を望んでいた。
「さて…、巣穴はどうであろうか?」
巣穴から小鬼のソウルは、もう感じない。
あるのは3つのソウル、あの青年と若い娘たちだけ。
全ての小鬼を仕留め、付近の安全は一応だが確保できた。
ほぼ安全なのは分かり切っていたが、彼も巣穴へと足を運ぶ。
……
「あ❤あ❤あ❤あ…あぁん…すごぃぃん❤」
「あぁ…早く…早く…私にも入れてぇ…❤」
殆ど視界も効かない洞穴では、品の無い紡ぎ合いが起きていた。
役者など言うまでもなく、あの青年と二人の娘たち。
一人の娘に滾る肉竿を打ち付け、一心不乱に腰を振る青年。
それを甘受する娘も拒む素振りなど皆無で、自ら腰を振り媚肉と肉竿の摩擦を愉しむべく淫声で喘いでいた。
そしてもう一人の娘も、今か今かと青年との交わりを心待ちにし、自ら披裂へと指を絡ませ自慰に耽る。
「可愛そうに、小鬼なんかにやられちまってぇ…」
「あん❤、あん❤、あぁん…❤そうなの…私とっても可愛そうなのぉ…❤ァァあぁん…気持ちいいよぉ…❤」
「どうよぉ、俺のマジカルチンポ…!すっげぇダロッ!?おふぅッ…締まる…!」
「ぁぁん❤アン❤あァァん❤…凄い…凄いぃん…、小鬼なんかよりずっとオッキィィィん❤」
「あぁぁぁ…気持ちよさそぉ…、もう我慢できなぃぃッ…❤」
「おぶっ…チュる…❤」
先ほど小鬼の責め苦でも快感に見舞われていた娘だが、やはり淫竿の嵩には物足りなさを感じていたようだ。
一方、青年の肉竿は小鬼とは比較にならない密度と嵩を誇り、彼女は舌を出しながら恍惚とした表情で喘いでいる。
実際の所、青年の肉竿など平均的な只人男性と同等なのだが、それでも娘は多好感に見舞われていた。
そして自分の番を待つもう一人の娘だが、とうとう我慢し切れなくなったのか彼の唇に吸い付いた。
「ん❤ん❤ん❤ん❤、チュル、チュウぅ、むチュぅ…❤」
「あ❤アぁン…❤、イ、イク…もう…イッちゃうぅ…❤」
青年との深い口付けに没頭する娘と、彼の
深い口付けを交わす事で青年の腰振りは少々疎かとなるが、自分から腰を擦り付けた娘は絶頂が近い事を感じていた。
もう一人の娘も舌を乱暴に暴れさせ、青年の口内を存分に味わいつつ披裂からは大量の愛液を垂らしている。
「――あ、ああ…❤イクぅぅぅぅんッ…❤❤❤」
程無くして絶頂を迎えた娘は、仰向けの体勢で弓なりに腰を持ち上げガクガクと痙攣を繰り返す。
たった今絶頂を迎えた娘は尿道口から小水を噴出させ、白目を剥きながら大声で叫び通した。
「すっげぇな…セックスって…、こりゃ癖になっちまうわ…ハァハァハァ…」
実はまだ射精しておらず、性交という体験も初めてであった青年。陰茎にもどかしいナニカを感じつつも、溢れる小水と愛液の膣内から肉竿を引き抜いた。
「あぃひィッ…❤」
引き抜いた瞬間、膣口から残りの愛液混じりの小水も排出され、娘はビクンと身体を震わせ短く喘いだ。
絶頂を迎えたばかりの自律神経は過敏となり、僅かな摩擦でも過剰な刺激が奔ったのだろう。
「貴方…まだイッてないでしょ…今度はあたしが…ハァハァハァ…❤」
「お…おぅ…、へへへ…モテる男はつらいねぇ…ハァハァハァ…」
我慢に我慢を重ねていたもう一人の娘。やっと回って来た自分の番とばかりに、早速彼に跨った。
まだ萎み切っていない肉竿を膣内へと捻じ込ませ、もう一人の娘は早くも熱い吐息を吹きかける。
「おぉん❤おぉん❤おぉん❤、あぅん❤あぉぅん❤あォぉん…素敵ぃ…❤」
「お…お前のもすっげぇぜ…、くぁッ…めっちゃ気持ちいい…!」
いきなりの性交だが充分に濡れそぼっていた膣口は、青年の肉竿をアッサリと飲み込み淫肉で包んでしまう。
また彼女も例に漏れず、自ら腰を上下に乱高下させ、バチュン、バチュン、と粘液交じりの肉音が岩壁に響く。
二人は対面座位の姿勢で、只管に性交を貪り没頭した。
「でっけぇチチ…チュルる…ジュルルル…!」
「あぁッ…!?それいいぃ…❤吸いながら、突いてぇ…あぉん、おぉん…❤おん、おん、おん、おん❤」
この娘は豊かな乳房を持ち主で、あの三姉妹の長女以上の質量を誇っていた。
乳首自体は、やや濃い目の茶色だったが、青年は気にもせず乳首へとしゃぶりつき乱暴に吸い上げる。
凡そ品位に欠ける淫音を鳴らしながら、娘の方も喘ぎに喘ぎまくり今度は腰をグリグリとグラインドさせる。
此方の娘は、それなりに経験豊富だったらしく、腰を器用に動かし快楽を引き出していた。
一人目の娘と違い地味な平均顔だが、その豊満な身体つきは故郷の異性を何人も惹き付けており、かなり幼い頃から性経験を積んでいた。
「――ウッ…くぅ…何か…昇って…ぐぅッ…!?」
「――い、イクの、イクのね…!?あたしも…あたしもぉ…一緒にぃ…ぃィん❤」
彼女の腰の動きに、青年は初めての奇妙な射精感を覚え声に出す。
彼の異変を感じ取った彼女も、昔からの経験を活かし更に激しく腰をくねらせた。
「――ぐぅぉおぉォっ…!?」
「――はアァァぁんッ…❤❤」
二人は同時に絶頂を迎え昇天した。
青年は盛大に射精し、彼女の膣内へと精液を叩き込む。
対する彼女の方も、小鬼では味わえない快感で最高潮に昇りつめた。
「ハァハァハァ…」
「あぁぁ…すご…気持ち…いいん…」
二人は暫し抱き合い余韻に浸りつつ、乱れた呼吸を落ち着かせていた。
やがて青年の方から萎んだ肉竿を引き抜き、ドロリとした白濁液が彼女の膣口から零れ落ちる。
「…貴公…何をしておるのか…?」
性交に没頭するあまり、完全に外部の事など忘却していた3人。
何時の間にか火のない灰が最奥に辿り着いており、呆れ混じりの声で青年を非難した。
「ハァハァ…なんだよ、生きてやがったのかよ?残念だったな、コイツ等は俺のだ。お前にはヤラせてやんねぇ…なッ…お前達もそう思うだろ…!?」
「……❤」
「//////❤」
邪魔者が現れたとばかりに嫌そうな表情を浮かべ、二人の娘たちに自分こそが優れているのだと同意を求めた。
対する娘二人は言葉こそ出さなかったものの頬を赤らめながら、火のない灰に熱い視線を送っている。
「後で話を聞きたいゆえ外で待つ。奇跡…『回復』…」
念願の性交が済んだのだ、これで青年も冷静さを取り戻せた事だろう。
やや軽傷の目立つ二人の娘に回復の奇跡を施し、彼は再び外で待つ事にした。
……
外で待機する事暫し。
青年も二人の娘を引き連れ、巣穴から姿を現す。
流石に全裸では不味いと、切れ端と化した衣服の名残で局部だけを隠している娘たち。
自力で歩ける事と呼吸の安定ぶりから、命に別状はなさそうで取り敢えずは安心だ。
やや衰弱している様だが、村で静養させれば体調面は問題ないだろう。
小鬼の凌辱で、精神面の破綻は懸念すべき要項だが、今の彼女たちを見るに然程の憂いも無いように思える。
これなら会話にも支障は無いと判断した彼。
「二人とも、今日まで良く耐え抜いてくれた。少し辛いとは思うが、今に至る経緯を説明してくれないだろうか?…無理にとは言わぬが?」
先ずは今日まで小鬼の責め苦に耐え抜いた二人の胆力に称賛を送りつつ、彼は小鬼に攫われる過程を訊ねる事にした。
彼女らの事だ、故郷の村を小鬼に襲撃され、この巣穴に連れ込まれたのだろう。
容易に想像は付いていたが、詳細と素性を訊き出す事で今後の小鬼対策へと役立てたい思惑もあったのだ、彼は。
「コイツは、こんなんだけどよ。俺ほどじゃねぇにしても、まぁそこそこ出来る奴でな。まぁ頼むわ…、あれだろ…?小鬼に村を襲われたってのは大体わかるけどな」
性交を果たした事で平静となり、同調した青年も説得に掛かった。
彼女たちの今後の為にも、ある程度は素性を知っておかねばならないのは確かだ。
彼等の説得を受けた二人の娘たち。
やがて一人に娘が、ゆっくりと口を開く。
平均以上な可憐な顔立ちで、何処となく三姉妹の末妹に似た容姿の娘。
若干華奢な身体つきで胸元も平坦気味だが、全体で見れば十分魅力溢れた少女だ。
「村を襲われたのは確かです。でも…小鬼に襲われたんじゃないんです…」
「ん…どういう事か?」
憶測通り、娘たちの故郷は確かに襲撃され壊滅してしまった。
しかし襲撃犯は、小鬼ではないと娘は語る。
これは少々意外で、彼と青年は互いに顔を見合わせた。
そして彼女に続くように、もう一人の娘が言葉を付け加える。
彼女の顔立ちは地味な平均顔だが、三姉妹の長女以上の豊満でムッチリとした肉付きも良く、巻いた布の上からでも大きな乳首が浮いている。
それを目にしただけでも青年の下半身は再び膨張を始めていたが、流石に今の流れでは事に及ぶのを控えた。
「あたし、この子とは違う村出身なんだけど、同じ犯人に滅ぼされたの。……奴隷商率いる集団に――」
この二人は互いに違う村の出だが、襲撃犯は同じだと語った。
村を滅ぼしたのは、小鬼ではない。
奴隷商人が率いる武装集団に滅ばされたのである。
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警備の石槍
手頃な木の棒に、石を削った穂先を取り付けた簡素な武器。
接合部を弦や紐できつく結んであるが、頑丈とは言い難く直ぐに壊れてしまうだろう。
安価な粗悪品でもいい、歴とした武器に変える事を推奨する。
大口で虚勢を張る彼も、何処かで認めていたのだ。
自分では決して大物には成れない事を。
(一応・本番アリ?)とサブタイトルに明記したのも、竿役が灰の剣士ではないからです。
タダのモブ青年が竿役で、需要があるかどうかも分かりませんが…。( ;˙꒳˙;)
本来なR18要素さえ必要なかったお話、R18にすべくエロ要素を無理やり組み込んでしまいました。
如何だったでしょうか?
少しでも楽しんで頂けたら幸いです。
デハマタ。( ゚∀゚)/
追記
挿入投降を上手く使いこなせず、少し混乱させてしまったかもしれません。
申し訳ないです。m(_ _;)m