どうしてだろうか…。
まぁ、ちゃんと前の話でR-18シーンいれたので…詐欺ではないはず。
数話書いたら主人公とヒロインの絡みを書くので許してください…!
途中で作者が好きなヒロインがチラッと出てきましたが分かる人いるでしょうか?
是非コメントくれると嬉しいです。
感想&高評価ありがとうございます。
エロい絡みを書けるように頑張りたいと思います。
9/1追記…蜂也の乗る機体の名称を変更しています。
それでは最新話どうぞ!
昼休み、それは学生生活を過ごす上で無視しては通れない癒しの時間であることは誰もが分かっていることだろう。
それはIS学園の生徒であっても例外ではない。
授業が終了し食堂へと向かう蜂也とシャルロット、それに続くように自動的に一夏と箒も連なって食堂へ向かう。
食堂へ向かう四名は道行く同学年や先輩達から視線を向けられており蜂也は飽き飽きしていた。
それもそうだろう、行くところ行くところに視線が集中すればげんなりするというものだ。
しかし、蜂也はその事を表情に出していないのはシャルロットと共に広報として活動しているため外面はよくしなくてはならないという彼の矜持と
しかし、そうは思っていても愚痴は出てしまう。
「そんなに珍しいもんかね…」
ポロっと出した言葉にシャルロットが反応した。
「うーん…女子高に男の子が紛れ込んでいたら見ないわけないと思うけど。」
「そうか?どちらかというとシャルロットが目立ってるように見えるんだが?」
確かに蜂也にも視線は集まっているがそのとなりのシャルロットにも視線がそそがれている。
「え?わたしが?」
蜂也は肯定した。
「ああ。シャルロットは美少女だからな…みんなの目を引くのも頷ける。可愛いし。」
「も、もう…!なんでそんな平然とした顔で蜂也ってばそんなことが言えるのかな///」
「いや、事実だし。」
「…!?////ありがとう…」
一夏達は目の前のその光景を見て
「…なぁ、箒。居づらいんだけど…この流れいつもやってんのか…?」
「は、破廉恥な…!…人目のあるところでそんなことを…まったくうらやまけしからん…!」
目の前で恋人のような会話をしている蜂也に一夏と箒は驚いていた。
箒はその光景を見てどちらかと言えば羨んでいるのだが、一夏には最後に呟いた言葉は聞こえなかった。
四人は食堂に到着した。
食券機で食券を購入しそれぞれに好みの昼食を選択した。
蜂也は唐揚げ定食、シャルロットはエビフライ定食、一夏は鯖焼き定食で箒も同じものを選び早朝のように四人でテーブル席へ向かう。
席に着いたときに水を持ってきていない事に気がついた蜂也と一夏は水を取りに行くがその際にシャルロットが立ち上がろうとしたが蜂也が視線で意図を伝える。
(シャルロット…俺たちが水を取りに行っている間に篠ノ之と話せるきっかけを作ってくれないか?このままだと女子の中で孤立しちまう)
蜂也の意図を理解したのか微笑を浮かべ頷いた。
(篠ノ之さんずいぶん恥ずかしがりやみたいだからね…わたしも篠ノ之さんとは仲良くなっておきたいと思ってたから…任せて)
現にテーブルでシャルロットと対面になっている箒はそわそわしていた。
どうも緊張しているようだ。
その様子を箒の背中越しに一瞥しすぐさまシャルロットへ視線を移す。
(頼む)
(分かったよ。あ、『遮音魔法』を掛けておいてね)
(スッ…)
蜂也は自分達が使用しているテーブルに遮音魔法を施した。
これで他人からあそこのテーブルの話が漏れ聞こえ余計な詮索をされないで済む事になる。
それにこの大人数で食堂を使っているのだから一区画声が聞こえなくとも問題はない。
作業をしてからテーブルから遠い給水場へ4人分の水を一夏と共に水を貰いに向かった。
「なぁ、蜂也。なんで向こうの給水所に水を貰いにくんだ?こっちの方が…」
遠くに行く蜂也に一夏は疑問をぶつける。
「箒とシャルロットが仲良くなってたいた方が”学園生活が過ごしやすい”だろ?そのために少し時間を掛けてしゃべって貰いたいと思ったのさ。」
「なるほど!うん、やっぱ友達は大切だよな…シャルロットみたいな女の子が箒の友達なら俺も安泰だぜ。」
その言動に蜂也の言葉の裏を理解しているのかしていない…恐らくはしていないのでその発言なのだろうが一夏らしいと笑った。
◆
蜂也に”任せる”と言われたものの、箒に警戒されないように会話を切り出すにはどうしたら良いか、と思案していたシャルロットは昨日、今日の箒の事を思い出した。
(うーん…とは言え篠ノ之さんに家族の事を聞くのはタブーな気がする、からまぁ、定番といえば…”織斑くん”の事を聞いてみようかな。どうも篠ノ之さん、織斑くんの事”好き”みたいだし…恋愛話は定番かな)
方針は決まったとシャルロットはいつものような笑みを浮かべて箒へ話しかけた。
「篠ノ之さん。」
「な!なんだ…?」
不意に声を掛けたわけではないシャルロットであったが箒は明らかに声色が上ずっていた。
その様子に微笑ましいものをみるようにシャルロットは話しかけた。
まずは褒めようと。
「織斑くんは努力家だよね。」
「は?」
「この女の子だらけの高校に”ISが起動できた”ってことで入れられたけど、普通の人なら部屋に引きこもったりマイナスなことを周りに言っちゃって空気を悪くすると思うけど…彼の場合はその環境に適応しようと努力してる姿は並みの…いや、今の時代には中々いない芯の通った男の子だとわたしは思うんだけど、篠ノ之さんもそう思わないかな」
そうシャルロットが告げると箒は目を泳がせるのではなく爛々と輝かせて一夏について話し始めた。
「だろう!?一夏はすごい奴なんだ!一夏は昔からわたしと剣道を…」
先ほどの緊張感はどこへやら。
まるで水を得た魚のように饒舌に語り出したのを見て「あ、少しまずったかな?」とシャルロットが若干後悔してしまうレベルの饒舌ぶりになった。
内容としては一夏との馴れ初め、幼少期から剣道をやっていてそのため口調が女の子らしくなかったので同級生の男の子にからかわれていたのを助けてくれたこと、剣道の試合で門下生で負け無しであった自分に唯一敗けを認めさせたのが一夏だった、ということを教えてくれた。
「それでな…」
「篠ノ之さんストップ。」
「む…す、スマン…一人で盛り上がってしまった。」
「篠ノ之さんって…織斑くんの事好きだよね?」
好きだよね?といわれた瞬間、箒の顔が一瞬にして真っ赤になり狼狽えた。
「す、すすす好き!?ば、バカを言うなデュノア!?わ、私は只一夏がすごい奴なんだとそれだけ…!」
必死に弁明するがシャルロットにとっては必死に言い訳をしているように思えて微笑ましかった。
「大丈夫だよ。篠ノ之さんが織斑くんの事が好きなのは分かったから」
「だから私は…」
「それじゃ、織斑くんが他の女の子に盗られてもいいの?かっこいいし男気あるし少し唐変木っぽいところはあるけど気遣い出来るから女子からは人気…この女子高だといつ盗られてもおかしくないよ?」
「そ、それは嫌だ…!…はっ!?」
思いっきり自分の一夏に対しての想いを自爆で暴露してしまい顔を抑えて真っ赤になってしまった箒。
「素直だね。」
「くっ…誘導尋問されてしまった…ずるではないか!」
笑みのシャルロットに対して恨み節をぶつけるような悔しい表情をしている箒。
それを見たシャルロットは詰めに入った。
「篠ノ之さん。」
「わ、笑いたければ笑えばいい…」
「笑ったりしないよ特に恋愛している女の子は。」
「…一つ聞かせろ。」
「どうしたの?」
「デュノアと名護はその…つ、付き合っていないのか?」
あの距離感を見ている箒は二人が付き合っていないことに疑問を覚えた。
苦笑を浮かべ反応する。
「あはは、わたしと蜂也は付き合ってないよ?…”付き合ってください”とは言っていないからね。」
「デュノアは名護のことが好きなのか?」
そう言われたシャルロットは疑いもない顔で告げた。
「うん、好きだよ…。まぁ詳しいことは省くけど彼は命の恩人なんだ…わたしの、家族のね。」
シャルロットの表情には蜂也に対して特別な想いを募らせているのが良く分かった。
「そうだったのか…」
「うん。まぁ蜂也もモテるから私としては心配なんだよね…」
「まぁ分からんくもないな…それを言ったら一夏も…」
二人は顔を見合わせてクスり、と笑った。
「ぷっ、あはは!」
「ふっ…ふふっ!」
「ねぇ、篠ノ之さん。」
「箒でいい。」
「え?」
先ほどまでの人見知りは無くなり彼女本来の社交性が現れていた。
少し照れ臭そうだが。
「篠ノ之の名字は迷惑、いや姉の方が有名だからな…と、友達には名前で呼んで欲しい。」
真っ赤になって照れている表情はシャルロットの内に眠る母性をくすぐった。
「…箒。」
がしり、と箒の手を取るシャルロット。
「んっ!?」
唐突なことに驚く箒だったがそんなことは知らぬと興奮気味なシャルロットは話しかける。
「箒、今度一緒に買いものに行こう?そうだ、服を見に行こう。そしてわたしと蜂也、箒と織斑くんのダブルデートもありかなぁ…」
「お、おいデュノア?」
「シャルロット、って呼んで?」
「は、はい…」
「箒と織斑くんが結ばれるように私たちも頑張るからね!」
「…ふっ、よろしく頼む。”シャルロット”」
「うん!宜しくね”箒”」
有無を言わさぬ圧に箒は只頷くしか無かったが内心では喜んでいた。
自分の姉の関係で甘い汁を吸おうとする者ではなく、”篠ノ之箒を見てくれている友達”が出来たのだから。
そんなことを思ってか箒からは作り笑いではない自然な笑みが零れた。
そんな様子を一夏は泣きそうな表情で喜んでいた。
「そっか…箒、デュノアさんと仲良くなれたんだな…だけどさ」
しかし。
「箒とデュノアさん、一体何の話をしてるんだ?」
「…さぁな(しかし…箒の性格が随分と軟化しているように見えるな…これだと箒が一夏と結ばれる確率は高いか?でも他にもヒロインがいるし…どうなることやら)」
何の話をしているのか分からない一夏は蜂也に問いかけるが、魔法の影響で蜂也も彼女達の会話は聞こえていなかったのでそのような反応をせざる得なかった。
もしも、シャルロットの会話が聞こえていたらまた反応も変わっていただろうが…。
魔法は時に残酷であった。
「そろそろ戻ろう、時間がなくなる。」
「…ってマジかよ!早く飯食いに戻ろうぜ。」
「ああ(シャルロットは一体何を話していたんだろうか…聞き出すのも野暮か)」
人数分の水をそれぞれもって彼女達の席へ戻るのだった。
◆
「そう言えばなんだけど二人に聞きたいことがあってさ」
テーブルに戻り食事をしている最中、一夏が声を蜂也とシャルロットに掛けた。
「どうした?」「どうしたの?」
ユニゾンして答える二人。
「蜂也とデュノアさんってISにどのくらい乗ってるんだ?」
先の答えたのはシャルロットだった。
「うーん…たしか五百時間とかだったかなぁ?」
「俺もそのくらいだな。」
「うげぇ…そ、そんなに?」
「わたしたちは企業のテストパイロットだからね。普通の生徒…いや国家代表の候補生よりもISに触っている時間が長いのは仕方ないんだよ。」
「月月火水水木金金だっけか?そんなもんだぞ企業のテストパイロットなんてものは。特に新開発の装備の慣らしテストとかあるのはざらだしな…。まぁブラック企業のような休み無しで有給使用厳禁じゃないからまぁ、ホワイト企業だぞ。給料も出るしな。」
国家代表候補生と企業のテストパイロットは国や企業から給料が出ている。
その額は膨大で学生が貰う金額ではなく一月の給与は一括で高級車が買える程である。
企業の場合はピンからキリまであるが、他企業とデュノア社を比べると店長と本部長職の給料の差が出ている。
明細を貰っときに蜂也とシャルロットは愕然としていたがもう慣れたものである。
「そんなに貰えるなら狙ってみるのもありか…?」
その話を聞いた一夏が何やら呟いていたが良く聞こえなかったが意を決して頼み込んできた。
「クラス代表戦で戦う相手にこんなことを頼むのは違うと思うけど…蜂也、俺を鍛えてくれないか?」
頭を下げた一夏を蜂也はただ見ていた。
無言が続き顔を上げた一夏を心配そうな表情で見守る箒にシャルロットは頷く。
無言が続く空気を壊したのは蜂也だった。
「駄目だ。」
「っ!どうしてだ名護。」
「箒、落ち着いて。」
「…すまない。シャルロット。」
噛みつき声を荒げそうになった箒を宥めるシャルロットは蜂也がなぜそんなことを言ったのか予想が付いていたが本人の口から言って貰おうと思った。
「訳があるんでしょ蜂也。」
「ああ。」
一夏に視線を向ける蜂也の表情に思わず生唾を飲んでいた。
その迫力は感じたことがないものだったからだ。
「俺からは教えられない。”俺から”は。対戦相手だからな。」
”自分からは教えられない”部分を強調して告げるとその意図を一夏は数拍おいて理解したのか。
「そうか!…お前の言いたいこと分かったぜ蜂也…。そうだよな…手の内を全部見透かされてるようなもんだし…。」
一夏は向きを変えて少年のとなりにいる少女へと頭を下げた。
「デュノアさん。ごめん、俺を鍛えてほしい。」
その言葉にシャルロットは答えた。
「分かった。ISのことに関してなら僕が教えて上げる。でも僕は甘くないから覚悟しててね。」
その笑顔に一夏は快く快諾したがそれがあとの祭りだと言うことを知るのは割りと近い未来であった。
蜂也が箒へと声を掛けた。
「篠ノ之。そうと決まれば…放課後は早速一夏の調整だ、手伝ってくれ。」
「それは勿論だが…名護は一夏の特訓に参加しないのでは?」
「教えない、といっただけで参加しないとは言ってないぞ篠ノ之。」
「む…それそうだな。体作りをする、といっても…。」
「剣道があるだろう。一夏、剣道はやってたか?」
そう問いかけるとサムズアップして答える一夏。
「ああ。これでも中学生剣道全国大会の優勝者だぜ。」
原作では中学時代に家に生活費をいれるために小学生高学年まで続けていた剣道をやめてバイト三昧で箒に怒られていたが、この世界では千冬が現役のIS選手ということもある、というよりも一夏に隠れてISに関わる仕事を辞めていないので後ろめたさも無いので一夏は中学生生活を謳歌してたようだ。
そうなれば自力が付いているのでセシリアとの戦いも原作通りにはならない確率が出てきていた。
その事を確認できた蜂也は指示を出した。
「なら大丈夫か。ISは搭乗者の動きをトレースするからスポーツ経験者や軍隊関係者が有利な場合がある。それに操縦には体力を使うから一夏がスポーツ経験者で助かった。基礎となる体は出来上がっているみたいだな。」
「体力には自信があるからな、どんと来い!」
胸を叩く仕草をする一夏。
「そのぐらいの勢いがあるなら問題ないだろ。篠ノ之とシャルロットは剣道場で体の動きを見ておいてくれ。」
「分かった。」
「分かったよ。」
「俺は資料室に向かってオルコットの公表されている機体データと”あの人の試合動画”を持ってくる。」
「”あの人”…って誰の事だ?」「一体誰の試合を?」
分かっておらず首を傾げる一夏と箒に苦笑を浮かべる蜂也とシャルロットであった。
(お前の姉の試合動画のアーカイブなんだけどな…見せていないのか?)
”あの人の試合動画”といわれれば一夏にとってピンと来るのは実姉である織斑千冬だけだと思ったのだが…。
一夏の反応を見るにISの試合を千冬は見せたがらなかったようだ。
三人と分かれて蜂也はIS関連の資料と映像のアーカイブが見られる視聴覚室へと歩を進めた。
◆
「…おかしい、本編でもあった機体のチグハグさがなくなって汎用型…とは断言しずらいが…随分と尖りが無くなった装備群だな。」
図書館に併設された視聴覚室に備え付けられているIS学園で独立しているネットワークにあり、学園の生徒であれば閲覧することが出来る。
無論、その情報は各国家や企業から提示された情報だけで、詳細なデータに関しては見ることはできない。
つまりはカタログの売価だけを見ることが出来て原価や値入れ率を消費者が見ることが出来ないのと同じことなのだ。
そもそもに置いて詳細なスペックデータを学園共有の端末に公表していないのは当然だ。国家・企業からすれば技術の粋を集めたモノに他ならず、他国よりも高い地位を保つために必要な行動と言えるだろう。
しかし、端末にてセシリアの表面上の機体のスペックデータと戦績が記された情報を蜂也は確認していたがその情報は蜂也の頭にある事前情報とはかなりの差異が出ていて困惑した。
「まぁ、実際に戦ってみないとなんとも言えないから俺も確認はしておかなきゃな。」
蜂也はそう言ってデータの確認をして開示されているスペックデータを手持ちの端末に移し、次は試合の録画データが保管されているフォルダーを開こうとした時、視聴覚室の電子ドアが開く音がしてそちらに顔を向けると一人の女子生徒が入室していた。
それは蜂也が見たことのある女子生徒だった。
「あっ…」
「ん?君は…(まじか、このタイミングでこの子が来るのか)」
先客がいることに気がついて、なおかつ利用者が女子ではなく男子だったのが素直に驚いたらしい。
手には分厚いISの操縦系統の技術書が数冊抱えられており足早に視聴覚室から出ようと思ったが躓いて転んでしまった。
「きゃっ!」
どさどさっ!と本と少女が転がる音が視聴覚室内に広がり急いで蜂也は少女の元へ駆け寄り手を伸ばした。
「大丈夫?立てるか?」
「だ、大丈…痛っ」
「…突然でごめんな、触るぞ。」
「え?ひゃっ!?」
ピクリ、と足部分を庇うようにしているので怒られるのを覚悟で少女の患部に触れた。
(足が腫れてる…捻挫をしたか?…知らない子に治癒魔法を使うわけに行かないしな…保健室か。でもこの足じゃ保健室には自力で行けそうもないし…とりあえず気化魔法を使って患部を冷やして…連れていくか。)
そんなことを考えているとも知らずに触られている女の子は蜂也に対して嫌悪感ではなく恥ずかしさを覚えていた。
それが《
(わ、わたし男の子に足を触られてる…でもどうしてだろ、不快な気分じゃない…それに…触られてる部分ひんやりしてて気持ちが良い…)
少女は触れられている部分は少年の体温が低い所為だと思い込んでいるがまさか”魔法”を使っているとは夢にも思わないだろう。
「よし。」
少し呆けているとひょいと身体が宙に浮いた。
「へ…?な、なんで…!?」
「歩けないだろ?それに俺が君を怪我させたようなもんだし責任をもって保健室まで連れていくよ。」
「わ、わたしがビックリしちゃっただけで、だ、大丈夫!一人であ、歩けるから降ろし…っう…!」
抱えられている蜂也の腕の中で暴れたが捻った部分が熱を持ち鈍い痛みが走り少女の顔を歪ませた。
「ほら見ろ、大丈夫じゃないだろ…。君の意見は受け付けない、行くぞ。」
「ま、待って!この格好は恥ずかしいから…せめて肩を貸すだけで良いから…!」
「…」
少女の提案を無視して蜂也は抱き抱え、つまりは”お姫様抱っこ”の状態で保健室まで駆け抜けた。
保健室に着いた蜂也は当直の先生が不在のため勝手に道具を使わせて貰うことにして抱き抱えた少女をベットに腰掛けさせて氷嚢を作り患部に当てさせた。
そうしていれば痛みと腫れは引いていくだろう。
救急箱を開けた棚へ戻していると後ろから声がかかった。
「その…ありがとう。保健室まで連れてきてもらって。」
「ああ、気にするな。」
「でも…」
「ん?」
「保健室に連れてくるのに”お姫様抱っこ”はない、かな。」
「それ以外だと君を俵みたいにここへ運ぶことになるんだが…」
「ぷっ…」
少女は蜂也にまるで米俵のように抱き抱えられる姿を想像し吹き出した。
「?…ってやば、もうこんな時間か…戻らないと怒られちまう。それじゃお大事に。」
「あ、ちょ、ちょっと…!」
救急箱を棚に戻し終えた蜂也は踵を返し視聴覚室へ駆けて向かった。
少女が引き留めようとしたが自分はベットにいるのとその速度に少年を引き留めることは出来なかった。
「行っちゃった…」
少年の顔を思い浮かべて無意識に呟いていた。
「ありがとう…また会えるかな。」
その表情は先ほどまで暗い顔をしていた少女とは思えないほど明るいものであった。
◆ ◆ ◆
「まさかここであの子に出会うとは思わなかったな…緊急とは言え患部に触ってお姫様抱っこしたけど…姉に目をつけられないだろうな…面倒くさいんだよなあの姉。」
そんなことを言いつつ視聴覚室にて端末に千冬の試合データを移し終えて三人がいる剣道場へと脚を運び入れたのだが…。
「面っ!」
「面ぇぇぇん!!」
足を剣道場へ上履きを脱いで一礼し踏み入れると防具をつけた一夏と箒が鬼気迫る状態で竹刀を鍔競り合っていた。
「おお…」
「あ、お帰り蜂也。用事は終わった?」
剣道場へ入ってきた蜂也に気がついたシャルロットが声を掛ける。
「ああ、無事に終わった…といっても少し時間が掛かったけどな。」
少女を保健室へつれていった、という事実は伏せておくことにした。なぜだがそうしなければ行けないような気がして。
「?まぁ、量が量だからね…映像は箒達の試合が一息ついてからだね。」
「そうだな。」
そんなことを相談していると箒と一夏の試合の決着が着いた。
一夏の胴一本が綺麗に入るという結末で。
「すごいよね織斑くん。箒も剣道女子全国大会の優勝者だけど1本多く取って勝っちゃうんだから素質はあると思うよ。」
「そいつは凄いな。」
対戦した箒に対して一礼し、面を取って汗をかきながら脱ぐ姿は様になっていた。
◆
「これがオルコットのIS…えげつねぇ…」
四人で夕食を取りながら蜂也が持ってきたセシリアのスペックデータを閲覧していた。
真っ先に声を上げたのは一夏で、様々な装備群に目を剥いていた。
「…蜂也?」
”詳細すぎる”スペックデータにシャルロットは蜂也にジト目を向けている。
目を反らし口笛を吹くが吹けていない。
「ど、どうしたんだよシャルロット。」
「…ねぇ、ハッキングした?」
問い詰められて目を反らす蜂也にシャルロットは溜め息を着いた。
「…つい勢いで。」
「はぁ…もう気をつけてよね蜂也。ここは一応IS学園なんだからさ…バレたら大変だよ?」
「流石に俺もそれは分かってるよ…」
「分かってるのかなぁ…もう。」
まるで子供を叱り付けるような怒り方にそれを見ていた一夏と箒が苦笑していた。
それはともかくとして蜂也が収集してきた情報は一夏に《
一夏が読み上げる。
「『イギリス第三世代IS《ブルー・ティアーズ》… 欧州でのIS正式採用計画『イグニッションプラン』発動の際にイギリス空軍ガレス中将によって発足した新規プロジェクト『ティアーズ計画』により作成されイギリスが開発した第三世代型ISの雛形にして最新鋭機で一号機。新技術BT兵器=「使用者のイメージを反映、具現化することで複雑な独立可動ユニットを操作する」事を主眼におかれた試験兵器「Blue tears Innovation Trial system 」の頭文字をとり「BIT」を試験的に装備している 』か…タイプ的にどっちになるんだ?」
一夏の質問に箒が首を傾げる。
「タイプとは?」
「ほら、ゲームみたいにユニットには”近距離””中距離””遠距離”があるだろ?ISにもそう言った役割があるのかと。」
「む、わたしはそう言った手の娯楽は遊んだことはないからな…どうなのだ名護。」
「この装備を見てみろ。」
端末を見る二人、そこにはブルー・ティアーズの装備データが記されている。
「可変狙撃銃に…攻撃誘導端末、近接ナイフか。つまりは遠距離狙撃型?だったら接近戦に持ち込めば…」
勝利はある、と一夏は言いたかったのだろうが端末のキーを叩いて別の動画を見せた。
「これは?」
「セシリアの同郷の先輩で同じ代表候補生で二年生のサラ・ウェルキン先輩だ。この人はどっちかと言えば”接近型”の学園支給のイギリスの第二世代”セイレーン”を使って模擬戦をしていたんだが…」
そこには接近戦に持ち込まれ可変式のスナイパーライフルの下部レールマウント部分のアサルトナイフがプラズマ化して鍔迫り合いを行うセシリアとサラの姿があり機体の出力差もあるがセシリアが押し込んでいた。
「え?まじかよこれ…」
「ああ、つまりはセシリアは”近接戦闘もなんなくこなす”ということだ。」
「なら、一夏が飛び道具を使えば…不本意だが。」
箒の提案にシャルロットが答えた。
「それは悪手だよ箒。相手はイギリス代表候補生で精密射撃を得意とする機体に乗っているんだよ?それこそまだ、数回しか乗っていない織斑くんに突然飛び道具を与えて当ててみろ、って言うのは無理な話だよ。」
「むぅ…」
「まぁでも、ISには自動照準とパイロットの生体電気で筋繊維を最善の状態にして射撃補助をする機能があるから訓練用の動く的ぐらいなら初めての飛び道具でも当てられると思うよ?センスは必要だけどね。」
シャルロットの言うようにISの基本動力は電気だがそれを外部から取り込まず、基本的には搭乗者の生体電気を利用し発電、機能の拡張に割り振っている。
その発電効率は他の機械の追随を許さぬ、というよりもずば抜けて発電効率が非常に高いために効率の良いパワードスーツとして各国が躍起になってIS開発を行なっているのだ。
「ん?思うと言うのは?」
箒はシャルロットの発言に引っ掛かり質問した。
「相手は戦闘機のそれと近い速度で動くんだ、必然的に訓練していない搭乗者では訓練された代表候補生に当てることは出来ないよ。上級者はISとリンクした高感度センサーと視覚をリンクさせて相手の向けた銃口から弾道を予測して回避行動にはいる場合もあるし、オルコットさんはそれが顕著だと思うよ?ほら。」
流れている動画にはサラが使用した射撃武装を華麗に回避するセシリアの姿が映る。
その動画を食い入るように見ている一夏。その事を告げられて心配になっている箒がいた。
(まぁそもそも、”白式”は束博士が裏から手を回して一夏に持ってきた箒の” 紅椿”へ搭載する機能の技術立証用試験機の立ち位置…つまりは”当て馬”な訳だが…頑張っても外付けで武装を1個、2個つけられる程度か?)
これから”欠陥機”を与えられる一夏になんとも言えない不憫さを感じてしまった。
「でもあと6日もあるから、ISの事の知識周りはみっちり教えてあげるね?」
「お願いします!先生。」
「お手柔らかにしてやれよ、シャルロット…?」
「大丈夫だよ蜂也。知ってる?”限界って言うのは本当はないんだよ?”」
一夏のやる気に笑みを浮かべているシャルロットに蜂也は内心「ご愁傷さま…」と呟いた。
◆ ◆ ◆
シャルロットの地獄の扱きをを約一週間過ごし、月曜日。
一夏と箒は疲労困憊だったがやる気は満ち溢れていた。
「…」
「大丈夫か一夏…?」
「ああ、死んでないから大丈夫。」
「それは大丈夫じゃないぞ!?」
遠い目をしている一夏とその姿を見て心配している箒の様子を蜂也とシャルロットはその視界に捉えていた。
「良く頑張ったな…一夏。」
「うん、素質あるよ。」
若干目の前に二人がシャルロットに対してまるで先生のような扱いになっているのが面白かった。
それだけしごかれた、ということだろうか。
しかし案の定クラス代表戦の当日、試合直前になったにも関わらず”一夏の専用機が届いていない”ということだった。
アリーナのピットにいる蜂也達に大慌てで駆け寄ってくるように入室してきた人影があった。
「皆さん~!」
声の主は真耶であり、少し焦っているような声色だ。
「山田教諭、落ち着いてください。」
「あ、はい!そうですね…あの。」
大慌てで入室してきた理由を察していた蜂也は先んじて発言した。
「一夏の専用機がまだ届いていないですよね?」
「そうなんです…ってど、どうしてそれを?」
「まぁ勘ですけどね…で、アリーナの使用時間が限られているので先に俺から試合をしてほしい、と。」
「ええ。申し訳ないんですけど…」
「大丈夫ですよ。」
「業者からもう少ししたら搬入されると聞いているので先に名護くんからお願いします。」
ペコリと生徒に頭を下げる真耶に対して少し罪悪感を覚え頭を上げさせた。
真耶に落ち度はないのだからわざわざ生徒に頭を下げる必要はないが、そこが彼女の美点とも言えるだろう。
「分かりました。」
試合は原作とは違い蜂也から試合を開始することになった。
「頑張って蜂也。」
シャルロットからのエールを貰い俄然やる気が出た蜂也は気合いを入れる。
「ああ。」
特注のISスーツに着替えていた蜂也は待機形態である拳銃を模した物体に備え付けられた引き金を引いた。
瞬間、光が溢れて量子状態で待機していたISが実体化して身体に装着されていく。
「これが蜂也のIS…」
一夏は羨望の眼差しで蜂也を見ていた。
その姿はデュノア社が生産しているISのデザインとは見た目が異なっており全体的に曲線ではなくシャープで鋭角的なデザインで黒を主体として明暗緑のラインが走っている。
背面の
特徴的なのは手に持っている獲物が機体の全長以上の両刃の大剣が目につく。
更にその素肌を覆う部分露出している部分が全く無いことに千冬は驚いていた。
「
装着が完了した蜂也の姿を見て一夏はシャルロットへ問いかける。
「デュノアさん…蜂也のあれは?」
「あれはね、デュノア社の複数有るうちの一つ、試作型ISなんだ。最新鋭機なんだよ?」
「…っけぇ…」
「ん?織斑くんどうしたの?」
突然黙って俯いてしまった一夏を心配そうに見つめるシャルロットだったが、それは杞憂であったことを知る。
「かっけぇ~!!くぅ~!!蜂也の機体最っ高にクールだぜ!!」
「あはは…だってよ蜂也。」
まるでスーパーロボット…言い得て妙ではあるがISもスーパーロボットに分類?されるものではあるので間違いではないのだが…。
「…呑気だな。まぁ力を入れすぎると本番で実力発揮出来なくなるからちょうど良いか。」
まるで小さな子供を見るような眼差しで見つめるシャルロットと真耶の前ではしゃぐ一夏を尻目に箒と千冬は頭を抱えていた。
そんな光景を見ながら蜂也は
アリーナへ射出するための電磁カタパルトへ脚部を固定させる。
発進のタイミングはパイロットの任意となる。
「名護蜂也、”メリュジーヌ”発進する。」
掛け声と同時に地面に設置されて脚部が固定されている電磁カタパルトが火花を上げながら定位置までスライドし機体は背面のウイングスラスターを吹かして大空へ飛翔させた。
山田先生をヒロインに追加…?
-
して欲しい
-
しなくても良い