※この作品はR-18です。

魔法使いとブロンド美少女   作:萩月輝夜

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最新話です。
評価下がって赤からオレンジになってしまった…がんばります!
今回は原作で言うところの一巻終了に当たります。

シャルロットとのイチャイチャが少ない…もっといちゃつかせなければ…!
それとわりとシャルロット1本でやろうとしてたのにヒロインが増えている…!!
細かいことを気にしたら敗けだと思う(真顔)
それと今回鈴との絡みが多い…仕方ないね。
蜂也へ向ける感情はどちらかと言えば…それは最後までみれば分かります。

そして最後にある人物達が登場して原作ではない動きをします。
うまく行くといいなぁ…。

※9/3投稿したものを一部変更しています。(一部キャラを追加。)

それでは最新話をどうぞ。

※9/3『ISヒロインズの中で蜂也のifヒロイン追加するなら?』に多くの投票ありがとうございます!
一位から三位まで発表!
結果を発表すると、一位:更識楯無(刀奈)二位:篠ノ之束 三位:セシリア・オルコットになりました!
以下はご覧の通りになります。
※四位からは順位起票無し。
四位:更識簪以下はご覧の通りです千冬、真耶、本音、ラウラ、箒、鈴となりました。

またアンケートを取りたいと思いますので是非よければよろしくお願いします。


大荒れ乙女心、時々、木偶の坊

鈴が宣戦布告という名の自己紹介をしに来たその日の夕方。

学園内部にあるIS整備室にて蜂也はシャルロットの機体の最終調整を行っていた。

フランスのデュノア社で全般の調整は終わっていたが、シャルロットのパーソナルデータの最終設定は自分の手で行わなければならない。

 

「…適正化(フィッティング)ならびに個人情報設定(パーソナライズ)完了…機体パラメーター値異常無し、全システムオールクリーン、『コスモス・C・カスタムMk-Ⅱ』起動するよ。」

 

「『コスモス・C・カスタムMk-Ⅱ』起動。」

 

蜂也が機体に有線接続されているキーボードを叩く。

ISが展開されてシャルロットの身に纏とう。

花弁のような意匠が全身に施され、青紫色が特徴的なフランスの最新鋭の第三世代IS『コスモス』。

シャルロットの機体はエース用にカスタムされた物で、色もベース色の青紫色からパーソナルカラーのオレンジ色に青紫のラインが入った専用機体『コスモス・C(シャルロット)・カスタムMk-Ⅱ』が最終設定を終えてシャルロットの手元に戻った。

ケーブルが外れ、状態を確認し終えたシャルロットはISを待機状態へと戻す。

光の粒子として待機状態のネックストラップに格納されて着地し揺れた。

 

「シャルロット。機体と体調は?」

 

「うん、大丈夫。体調もすこぶる健康だよ。」

 

片腕を挙げて力瘤を作るようなポーズを取っている。

その様子に蜂也は笑みをこぼす。

 

「…なら良かった。俺が設計までして改造した機体でシャルロットの体調を崩されたら堪ったもんじゃない。」

 

「心配性だなぁ~蜂也は…まぁ、嫌な気分はしないけど。」

 

シャルロットは蜂也の何気ない気遣いが好きだった。

そんな蜂也が腕時計を確認してギョっとしていた。

 

「…ってもうこんな時間か。この時間じゃアリーナは使えないな。夕食を取りに食堂にいこうか。」

 

時刻は七時。食堂が締まるまであと一時間といったところか。

 

「そうだね…。なんか集中してたらお腹空いてきちゃったよ。」

 

「…(ごくり)」

 

「蜂也?」

 

そう言ってシャルロットはISスーツの上からお腹を擦る動作をしていた。

何て事の無いそんな動作が蜂也にとって艶かしく見えてしまい凝視してしまっていたのだ。

そんなことをしていたものだからシャルロットに不思議そうな顔をされてしまった。

 

「あ、いや、なんでもない…。確かに俺も《魔法》を使ってお腹が空いたな。」

 

誤魔化す訳ではなかったが蜂也も確かに腹の虫が鳴っていた。

同時に頭の片隅にあることが引っ掛かっていた。

 

(何か一夏へ伝えとかなきゃならんことがあった気がするが…まぁいいか。)

 

思い出せない、ということなのだから大したことではないだろうと判断しそれよりもシャルロットとの夕食を取る方が大事だと更衣室で着替え食堂へと向かった。

 

 

シャルロットとの食事を終えて寮の自室へと戻りロックを外そうと解除キーを外付けの電子端末へ翳そうとしたその瞬間だった。

 

『最っっっ低!女の子との約束を間違えるなんて男の風上にも置けないヤツ!!馬に蹴られて死んじゃえ!』

 

聞いたことのある少女の涙声の怒号が対面の防音仕様の部屋から聞こえてきた。

その声にシャルロットがビックリしていた。

 

「な、なに!?今の声…織斑くん達の部屋からだよね?」

 

「(まずった…このタイミングだったか…しておくの忘れてた)…だな。」

 

蜂也は失念していた、というよりもシャルロットとの食事を優先するあまり忘れていたのだ。

『一夏からの鈴への約束の対応』を。

 

次の瞬間ドアを乱暴に開け放ち飛び出す小柄な人影が現れ、それは鈴だった。

その目尻には涙が溜まり今にも泣き出しそうだったが必死に堪えていた。

鈴が駆け出した方向は寮に併設されている談話室のようだ。

原作通りならば『上達したわたしの酢豚を毎日食べてくれる?』の食べてくれる?の部分を『奢ってくれる』に変換したのが原因かもしれないが…

向こうにいった鈴を追いかけなければならないが、どんなことを一夏が言ったのか其れが気になった蜂也は

 

「シャルロット。」

 

「どうしたの?」

 

「一夏達の部屋に行って事情を聞いてきてくれないか?…どうも一夏絡みだ。」

 

「だろうねぇ…。分かった。蜂也は凰さんを追いかけて。」

 

「そっちは任せた。」

 

そう言って蜂也とシャルロットは二手に分かれ行動を開始した。

 

 

「…ぐすっ。」

 

「声掛けづれぇ…」

 

談話室に向かった蜂也は窓際のソファーの上で体育座りをしている鈴の姿を見つけた。

背中から漂う悲壮感に声を掛けづらい雰囲気を醸し出している。

 

「…」

 

心なしか快活に動いていたと思われるツインテールも落ち込んでいるように見えた。

非常に声を掛けづらいと思う蜂也であったが目の前で落ち込んでいる少女を見捨てるほど薄情ではなかった。

意を決して近づいた。

その気配に気がついたのだろう少女が振り返った。

 

「一夏…?あ。」

 

近づいてきた人物が先程啖呵を切って出てきた男の子だと思ったがその人物はもう一人の少年だった。

無意識に気分が落ちた。

そんな様子を見た少年が苦笑する。

 

「一夏じゃなくて悪かったな凰。」

 

「ご、ごめん…蜂也。」

 

期待させて申し訳ない、とニュアンスを感じた鈴は素直に謝罪した。

 

「いや、気にするな。今は想像した男に会いたくないだろうし…むしろ追いかけてこられたらお前、ぶん殴るだろ。」

 

「そ、そんなことしないわよ!…脛は蹴り上げるかもしれないけど。」

 

「いや、十分だろそれ…」

 

殴るよりも威力のある行動をしようとしていた鈴に苦笑せざるを得ない。

言ったあとで後悔したのか再び体育座りで立てた膝に額をのせている。

その光景を見てため息をついて談話室にある自販機に近づき電子決済でペットボトルを二本購入して声を掛ける。

 

「…隣いいか?」

 

「…勝手にしたら?」

 

嫌、といわないということは座っていい、そう解釈した蜂也は鈴から少し離れて同じソファーに座る。

 

「…」

 

「…」

 

暫く無言が談話室を支配する。

 

「…ねぇ。」

 

無言の空間で言葉を発したのは鈴からだった。

俯いていた顔を上げた。

声を掛けられた蜂也は答える。

 

「どうした?」

 

「理由聞かないの?」

 

「…聞いてほしいのか?」

 

「そ、れは…」

 

蜂也は内心で「まぁ知ってるんだけれども…」と独白し話しやすいように誘導した。

 

「…ほれ。」

 

手にもったミルクティーのペットボトルを投げ渡す。

危なかっしく取りこぼしそうになるがキャッチする鈴。

 

「うわわっ…危ないわね…。ありがとう…」

 

抗議する声も随分と覇気の無いものになっていることに「重症だな…」と蜂也は思った。

受けとり感謝を述べる鈴。

 

「その…実は…」

 

全てを言い終わる前に蜂也は遮った。

 

「因にだが、俺は今ちょっと耳が突発的な難聴になってるから仮にお前がなんで落ち込んでいるのか理由を…そうだな、独り言で喋ったとしても俺にはどんな内容かは聞こえないな。」

 

「へ?」

 

そう言って蜂也は鈴から背を向けて購入したミルクティーに手をつける。

知らん振りする蜂也に鈴は吹き出し笑った。

 

「ぷっ…そう言うことにしてくれるのね。分かったわ、これはあたしの独り言…反応しないでよ?」

 

「…」

 

反応を見せずにペットボトルに口を付ける蜂也を見て鈴は語り始めた。

馴れ初め的なヤツから中学生の出来事を。

そして今日の事件を。

 

「…それでね?一夏の奴が『あたしの料理の腕が上がったら毎日酢豚を食べてくれる?』って約束をスッゴい微妙な顔をして『すまん、何の話…いやここまで出てるんだが言葉が出てこない…ごめん。』って言われて…それであたしカッとなって…一夏の頬にビンタしてめちゃくちゃな事言って飛び出してきちゃったの…」

 

「…(そりゃビンタされるわ。『分からん』と来たらな)」

 

一夏の鈴への反応はそうされても仕方がないものだった。

年代的に一年か二年前の話なのだろうが、鈴の告白紛いの約束を覚えていないというのは中々に酷いものであったと、そう判断を下しそうになっていたが聞かされた内容に引っ掛かる部分があった。

 

「(ん?待てよ?一夏は忘れていないんじゃないか?『言葉が出てこない』…つまりは『言われたことは覚えているがどう表現したらいいか分からない』って意味だ…。そもそも鈴の言っているそれは『毎日味噌汁を…』的なヤツを中華Verにしたやつだから、それで混乱して絞り出そうとした言葉が『味噌汁的なヤツ…いやまさか』になった…とかか?)…これは独り言な。」

 

「え?」

 

独り言という名の解説をすることにした。

 

「鈴の言い回しが一夏的に『味噌汁的な…ヤツなのか?いや、まさか』って思ったんじゃないか?アイツは異性からの好意に疎い節があるからな…鈴みたいな可愛い子にそんな感情を持たれてると思わなくて困惑してたんじゃないか?」

 

「嘘…!?あっ。」

 

その解説を受けて鈴は驚愕の表情を浮かべていた。

 

「それと、少なくともアイツは人の嫌がることはしないだろ…。まぁまだアイツと一ヶ月程度の付き合いしかないが、お前ら幼馴染みなんだろ?そっちの方がよく知ってるんじゃないか?」

 

「…」

 

鈴は蜂也に言われたことに呆然としていた。

次の瞬間にはソファーから立ち上がっていた。

 

「そうよね…一夏が人の嫌がることをするわけない…っ!そうだった…ありがと、蜂也っ!!」

 

今すぐにでも一夏の部屋に乗り込みそうな勢いだったがそこは引き留めた。

 

「今日はもう遅いから明日にしろよ?」

 

図星だったのか声が上ずっていた。

 

「わ、分かってるわよ!…ありがと蜂也。」

 

「独り言さ。」

 

「…っ!!」

 

独白と蜂也の独り言の最中に飲み干していたであろう空になったペットボトルが勢い良くゴミ箱へ投げ込まれ、カコンと鳴った。

それと同時に鈴は一夏と喋っていたときと同じ笑顔に戻り談話室から駆け出し自室へと戻っていった。

 

「これで何とかなったか?」

 

「お疲れ蜂也。」

 

「シャルロット…ん?いつから居たんだ?」

 

談話室に一人取り残されて呟いていると背後からシャルロットが声を掛けてきた。

一体いつからソコに居たのだろうか?

 

「ついさっきだよ?それよりも凰さん顔色戻ってた?どんなこと言って元気にしたの?」

 

興味津々に聞いてくるシャルロットに蜂也はこう答えた。

 

「ああ。アイツの独り言を聞いてやっただけだよ。」

 

「そっか。」

 

「それよりも一夏の方は?」

 

シャルロットに一夏の方を任せていたのでその真実を聞いた。

 

「それがね?どうも織斑くんの方が約束?事を覚えてはいたらしいんだけど『幼馴染みの鈴が「あたしの味噌汁」的な事を言うとは思わなくて思考が停止しちまって…それで分からなくなって咄嗟に答えてしまった』って」

 

「やっぱりか。」

 

蜂也の推理は当たっていたらしい。

 

「それで『鈴みたいに距離感の近い可愛い子にそんなこと言われたら困惑するだろ、何で俺みたいなヤツに』?って。」

 

「織斑って意外に自己肯定感低いんだな…」

 

「まぁ、時間を少し置いて謝罪の気持ちを示した方がいいよ?とは助言をしたけど。」

 

「そうか…まぁその事が分かっただけで良しとしよう。そろそろ俺たちも帰ろう、巡回の山田教諭に見つかると面倒だ。」

 

「そうだね、帰ろうか。」

 

自室へ二人は戻っていった。

 

その翌日。

 

「マジかよ…」

 

「(まぁ、そうなるよな。)」

 

廊下に張り出された『クラス代表対抗戦』の日程表。

 

第一試合『1-1 織斑一夏』対『1-2 凰 鈴音』

と文字が大きく表示されていた。

 

 

五月に入りクラス対抗戦も近づいてきていた。

しかし、あの日以降一夏と鈴の間で微妙な空気が流れていたのは言うまでもないだろう。

鈴の機嫌は直ってはいたのだろうが酷いことを言ってしまった手前、鈴側で謝罪を行えず素っ気ない態度を取り、一夏側では好意を持たれていることに少し理解してしまったが為に出会ってもぎこちない態度を取ることしか出来ていなかった。

そんな中で一夏は鬱憤を晴らす?かのようにISの特訓にのめり込んで、1ヶ月前とは比べ物ならないほどにその腕は磨かれていた。

その日はクラス対抗戦の当日。ついぞ今日、鈴は一夏達の前に現れなかった。

観客席は噂の新入生、世界初の男性操縦者と中国の代表候補生との試合を見る為に満員だ。なかには通路で立ち見している者や会場に入れなかった生徒は食堂に備え付けられた大型のモニターで試合を見るものもいるらしい。

蜂也的には”起こりうるであろう事件”の事を考えると出来るだけアリーナから離れてほしかったが、他人にソコまで気を回すことが出来ないと蜂也は思った。

 

「大丈夫だろうか一夏は…いや、だがしかし…」

 

箒が既にアリーナへ飛び立ち空中で待機している白式(一夏)を見据えながらそう呟く。

その呟きは試合に関してかそれとも鈴への対応についての事なのかは真意は読み取れない。

蜂也達は一夏の関係者として一夏側のピットで試合の成り行きを見守っていた。

ピット内には蜂也、左右にシャルロットとセシリア。その手前に箒、という構図だ。

箒から視線をアリーナの上空へ向けると丁度反対側のピットから射出される鈴が操る中国の第三世代IS『甲龍』がその姿を表した。

向かい合う二人がプライベートチャンネルでなにかを話しているようだが会話は聞こえない。

表情が赤くなったり、互いに笑ったりしてるだけだ。

 

「ねぇ蜂也、二人は何を話しているのかな。」

 

同じく疑問に思ったシャルロットから疑問を投げ掛けられるが蜂也自体もどのような会話をしているのかさっぱりのため肩を竦める。

 

となりにいるセシリアは端末で鈴のISを見ていた。

 

「『甲龍』…中国の第三世代IS。一夏さんと同じく近距離パワータイプですわね。蜂也さんが教えた策が有効打になりますわね…。まさか”あの技”を一年生のこの時期に見るとは思いませんでしたが…」

 

タブレットを片手に蜂也にイタズラな笑みを浮かべるセシリア。

 

「一夏のポテンシャルと機体の性能があればいける。そもそもに置いて一夏の《白式》は俺たちのISよりも加速起動制御のレスポンスが頭一つ抜けてるからな。使いこなせれば武器になる。刀1本しかないのなら工夫するしかない。」

 

「それはそうだね…織斑くんの機体は初期装備(プリセット)が近接ブレードだけで後付装備(イコライザ)単一仕様(ワンオフ・アビリティ)のせいなのか拡張領域(バススロット)にも武装を量子変換(インストール)出来ないしね。」

 

「《雪片弐型》のデータ容量が打鉄の《葵》の数百倍…一万エクサバイトと単一仕様でキャパが喰われてるんだ…仕方がない。」

 

蜂也は外付けの武装をつけようと一夏の白式を改造しようとしたが、ナゼか武装が量子化出来ずにエラーを吐き出してしまうという事態に陥っていたのだ。

そのために”ある秘策”を死ぬ気で覚えてもらったのだ。

 

「お陰で織斑くん、筋肉痛になったっていってたしね。それだけで済んでるのがすごいなぁ…」

 

「わたくしでも習得するのに1ヶ月以上かかりましたのに、ものの一週間で習得されましたのは少し傷つきましたわ…」

 

セシリアのプライドが少しだけ傷ついたらしいがシャルロット同様にそこは誉めていた。

 

「一夏は意外にそういうところは要領がいいからな…。む、そろそろ始まるようだ。」

 

箒が一夏に対しての評価を行うと同時に試合開始を告げるブザーが鳴り響いた。

瞬間、一夏と鈴の機体が得物をもって激突する。

鈴は青竜刀のような得物を手に持ち一夏は雪片弐型で応戦する。

金属が擦り合い火花が散る。

数度の接近戦を仕掛けたのち鈴は距離を取って非固定浮遊部位(アンロックユニット)トゲ付きスパイクアーマがスライドした。

 

次の瞬間中心の球体が光輝いた。

 

『ぐあっ!?』

 

大きく後方へと弾き飛ばされる一夏の姿を見た観客席と箒は驚いていたが。

 

「あれが『衝撃砲』…」

 

「中国の第三世代装備…」

 

「(空気砲の殺傷力向上版だよなあれ…)」

 

シャルロット、セシリア、蜂也は冷静に判断していた。

 

「実物を見てみると大分エコな兵器だよなあれ。電力は空間圧縮の際に生じる重力生成だけだからな…生体電気の発電稼働率よりも電力の使用率を上回ることはないだろうし。火薬も実弾も必要ない。水中用の射撃武器としても有用じゃないか?」

 

「なるほど…」

 

「流石は蜂也さん。目の付け所がシャープですわ。」

 

蜂也の解説にシャルロットとセシリアは納得していた。

そのような会話を続けているとアリーナでは一夏が鈴の『衝撃砲』に対応しようとしていた。

技量としては鈴の方が上手になるが『心』の勢いは一夏が勝っていた。

 

「おおおおおっ!!」

 

「くっ…!?」

 

衝撃砲の砂嵐から刀1本で潜り抜け袈裟斬りの構えのまま突貫する。

まさか砲弾の嵐を潜り抜けてくるとは思わず驚くがそこは代表候補生、素早く青竜刀を持ち迎撃の用意をする。

 

「……っ!!」

 

”鈴の前から一夏が消え去った。”

 

「消えた…?っ後ろ!?」

 

一夏の持つ《雪片弐型》の刀身部分がカシュっ、と音と立ててスライドし光の白刃が形成される。

 

「斬るっ!!!」

 

正面から消えたのは蜂也達が教えた即時瞬間加速(クイックイグニッションブースト)を発動していたのだ。

発動率が現役の国家代表でも低いこの技を土壇場で成功させるのは一夏のポテンシャルの高さが伺える。

成功した様子を見てピットの四人はホッと胸を撫で下ろした。

同時に必殺の一撃、単一仕様(ワンオフアビリティー)《零落白夜》が発動し砂煙を切り裂きながら鈴の甲龍へその刀身が振れそうになったその瞬間。

 

ズガァァァァァァン!!!

 

大きな衝撃がアリーナを襲う。

 

「な、なんだ!?」

 

「ど、どうしたの!?」

 

「一体何がおこりましたの!?」

 

「…やっぱ来たか…って…はぁ?」

 

アリーナのシールドをぶち破って砂煙が舞っている。

原作通り誰かが送り込んできた…というよりも束博士が気まぐれで送り込んできた無人機”ゴーレムⅠ”であるがその数が可笑しかった。

砂煙が晴れる。

 

その総数は”十”

 

原作では一夏と鈴が協力、セシリアの援護があってようやく撃墜できた機体がその数”十”。

圧倒的な殺意の塊だった。

その存在を認知した教諭陣が素早く試合を中止、生徒の誘導を始めるアナウンスが鳴り響く。

今ごろはアリーナの観客席は悲鳴で埋め尽くされているだろう。

 

「俺がいる弊害かこれ…?じゃなかった。シャルロット、セシリア。」

 

ぼそり、と呟いた後、二人に声を掛けるとセシリアは驚愕の表情を浮かべていたがすぐさまいつものようなキリっとした表情に切り替わる。

 

「ダメだ、アリーナもピットの扉も非常隔壁が落ちてる。」

 

「こちらも通信が通じませんわ。」

 

「…ならやることは一つか…。セシリア、シャルロット、お前達は箒と一緒に避難する生徒の誘導と隔壁の破壊を頼む。」

 

「分かりましたわ。」

 

「わ、わたしは…」

 

箒がなにか言いたそうな表情だが先回りして潰しておく。

 

「戦おう、何て思うなよ?お前はISがないんだ。」

 

「し、しかし…」

 

「避難者の誘導も立派な戦いだ。それに今は一夏達を信じろ。」

 

蜂也の言われたことでハッとした箒は覚悟を決めたのか頷く。

 

「蜂也さん達はいかがするおつもりで?」

 

セシリアの問いかけに蜂也は答えた。

 

「もちろん友達の救出にだ。」

 

「僕ももちろん行くよ。」

 

避難していてほしい蜂也は難色を示すが食らいついてくるシャルロット。

 

「いや、シャルロットには一緒に避難していてもらいたいんだけど…」

 

「僕も”この子”の試運転。してみたいしね。」

 

そう言ってネックストラップを持ち上げる様子を見て諦めた。

 

「わかったよ…行くぞ。」

 

「うん。」

 

「一夏を頼むぞ蜂也、シャルロット。」

 

「御武運を蜂也さん、シャルロットさん。」

 

互いに振り返ると同時にISを展開した。

セシリアは隔壁を壊すために部分展開してライフルで撃ち抜き溶解させる。

一方で二人は与えられたISを身に纏いカタパルト射出口のゲートを破壊しアリーナへと向かった。

 

◆ ◆ ◆

 

『所属不明のISにロックされています』

 

「は?」

 

鈴との戦いをしているはずだったのに乱入者が現れ会場はめちゃくちゃになっていた。

なおかつ正体不明なISにロックオン…つまりは攻撃対象にさせられているという事実だった。

そんな事実よりも今は鈴を守らなくては、という思いの方が強かった。

しかし多勢に無勢もいいところで、十の単眼が一夏と鈴を”ここからは逃がさん”と言わんばかりに攻撃が集中させてくる。

鈴も応戦するが、向こうの方が性能が上なのか圧されている。

 

「くっ…!?きゃああああっ!?」

 

「鈴!!おおおおっ!!」

 

防戦一方だった鈴はついにその牙城が崩されゴーレムの豪腕が鈴に炸裂しアリーナの内壁へ叩きつけられる。

 

「かはっ…!」

 

合金製の壁が大きく窪みそこから鈴が倒れ込んでくる。

止めを差すように近づき鈴の首根っこを掴み単眼の巨人は赤く目を光らせ近づき豪腕を振りかぶる。

 

「させるかぁぁぁぁぁ!!!」

 

一夏は追撃をさせぬと掴んだ腕の方を雪片弐型の白刃を単眼の巨人へ一閃。

その掴んでいたその豪腕を断ち切った。

 

「かはっ…!」

 

しかしもう片方の豪腕が一夏を襲い同じく壁へと叩きつけられる。

 

「り、鈴…!」

 

「…」

 

完全に気を失ってしまっていて一夏の問いかけに返答はない。

気絶している鈴へ無慈悲に豪腕が振り下ろされた。

 

「やめろぉぉぉぉぉ!!!」

 

その懇願は聞き入れられた。

 

バシューン!!

 

空気焼ける匂いが一夏の鼻に付き目の前には赤熱して断面が見えている巨腕がそこにあった。

 

「え…?い、ったい何が。」

 

『!?????』

 

巨人も突然何が起きたのか分からず頭に疑問符を浮かべるしかなかったがその行動を誰が起こしたか直ぐ様分かった。

 

「一夏!無事だな。鈴を攻撃から守れ。」

 

「蜂也!」

 

「僕もいるよ!」

 

スガガガガッ!と手に持ったIS用の近未来的なデザインの機関銃をゴーレムに立てて風穴を開ける。

銃弾の雨を動き出した巨人達へ攻撃を仕掛けるシャルロットの姿があった。

 

「デュノアさん!ああ、分かった…!鈴しっかりしろ…もう大丈夫だ…」

 

「ううっ…一夏?」

 

ISの防御機構が稼働していたため大事には至っていないようで一夏は安堵しISが解除されてしまった鈴を抱き寄せる形でゴーレムからの攻撃を回避することに専念した。

その行動を見ていた蜂也達は安堵し目の前にいるゴーレムとの戦いの口火を切った。

 

 

模擬戦闘(プラクティス)モードから実戦仕様(コンバット)モードへ移行。兵器グレードを”クラスレッド”に変更します。殺傷能力が格段に向上します。お気を付けて使用してください。』

 

ゴーレム数機と蜂也一人で戦闘に入った瞬間にISのシステムが変更された。

試合ではなく”マジモンの戦闘”になることを示す。

それはシャルロットも同じだった。

 

乱戦と化したアリーナ内で蜂也を攻撃しようとしたゴーレムが豪腕とレーザーで攻撃するが手に持った大剣で腕ごと両断されて胴体を真っ二つにされる。

その刀身から薄く光る赤い粒子が定着されていた。

それはまだ、どこの企業でも研究開発が行われ実現には至っていないデュノア社の技術『ビーム兵器』だった。

 

「…はっ!!」

 

残るゴーレムを斬り伏せるために瞬時加速を掛けて懐に入り込み残り三体中二体を袈裟、横一閃でまるでよく斬れるチーズのように両断されていく。

 

『!?!?!?!?』

 

遠距離の攻撃を仕掛けようと距離を取るゴーレムだったがその行動が命取り、致命的な判断ミスであった。

 

「…!」

 

距離を取っていくゴーレムを逃しはしないと手に持った大剣が変形する。

柄が折れ曲がり大剣の腹部分が開き『ライフルモード』に変化、ISのハイパーセンサーとリンクした自動照準がゴーレムを捉えた。

 

「終わりだ。」

 

そう言って引き金を引くと同時に赤い光の奔流がゴーレムのコア付近を撃ち抜き、ゴーレムの単眼からその赤い光が消え去り沈黙させていく。

 

一方でシャルロットは大立回りをしていた。

 

「レスポンスがいい…流石は蜂也!」

 

シャルロットの方も一対四。

しかしそれをなんなくシャルロットはまるで射的ゲームのような気軽さでゴーレムに着弾させていく。

確実に破壊されていくゴーレムの装甲、それに脅威を覚えたのかゴーレム達がシャルロットを取り囲むように数の暴力で押してこようとするが無意味だった。

 

「装甲が厚いみたいだけど…同じところに撃たれたら…分かるよね?」

 

片手に持った”対IS用ハイブリットライフル”『セラヴィー』の弾丸をバックショットからエネルギースラッグ弾へ変更しハリウッドのスクリーンヒーローのようにガンアクションを決めて挟撃しようとしたゴーレムのコア部分を連続射撃して撃ち抜き爆散させていく。

 

「その遅さじゃわたしを捉えることはできないかなっ!!」

 

背面と正面から近づいてきたゴーレムに対してぶつかり合うように誘導し空中でのバク転を決めてシャルロットの得意技能連続切換(ラピッドスイッチ)で持ち代えなしでアサルトカノン《ガルム》をコールし攻撃、こちらも目から光を失い爆散した。

 

その光景を見ていた一夏と気がついた鈴が感嘆を漏らしていた。

 

「すげぇ…」

 

「あれが蜂也とシャルロットの実力…」

 

十機ほどいたゴーレムがモノの数分でほぼ一掃されてしまったこと、そしてそれを行った二人に対して一夏と鈴は驚く他無かった。

 

これで終わりかと四人は思ったが往々にして問題は起こるものだ。

 

「きゃああああっ!!」

 

「…!?」

 

「うそ!?」

 

「なんであの子が捕まってるのよ!」

 

アリーナの放送室の窓ガラスが割れて最後の残っていたゴーレムが人質を取っていた。

その人物は一夏のよく知る人物だった。

 

「箒!!」

 

「なんで箒が?」

 

「恐らく放送室に逃げ遅れた生徒の誘導だろうな、ほら。」

 

「あ。」

 

「タイミングの悪い…でも早く助けなきゃ!」

 

箒のすぐ近くには気絶して倒れている生徒が二名。恐らくは放送部員だろう。

悠長に離している蜂也達を尻目に今すぐにでもその豪腕で握りつぶさんとしている箒の様子を見て一夏のなにかが切れた。

 

「箒を…離せぇぇぇぇ!!!」

 

「「一夏!」」「織斑くん!」

 

『!?!?!?!?』

 

土壇場か一夏は機体の限界値を越えた加速で接近、残る一機は一夏の激情に触れて白刃によって一刀両断された。

締め付けによって気絶している箒をその腕のなかに抱き抱えた。

しかし。

 

「なっ?」

 

両断されたが動力がまだ生きていたゴーレムが腕部のエネルギー砲を最大稼働させて一夏へ襲いかかろうとした。

 

「くっ…!」

 

零落白夜のお陰でエネルギーを使い果たした一夏に反撃の手段は残されておらず、腕に抱えている箒を守ることで精一杯だった。

光が迫り鈴とシャルロットも急ぎ動き出そうとするがこのままでは一夏に当たってしまう為流石の二人も攻撃ができなかった。

ただ一人、この場で冷静な動きをしていた蜂也は通信を繋げる。

 

「狙いは?」

 

『完璧でしてよ?』

 

青いレーザーの光が五本、半壊したゴーレムに攻撃が突き刺さり爆発した。

 

「…はっ?」

 

攻撃を受けそうになった一夏は思わず目を閉じていたがいつまで経っても攻撃がやってこないことに恐る恐る目を開くとそれを射貫く射手がいただけだった。

 

「流石だなセシリア。」

 

「まさか既にパーティーが終わっているとは思いませんでしたが…まぁ間に合ってよかったですわ。誉めてください蜂也さん♪」

 

「ホントにすげえよセシリア。」

 

その言葉に満足したのか満面の笑みを浮かべるセシリア。

 

「ねぇ、蜂也?わたしもがんばったんですけど?」

 

むくれるシャルロットをみてフォローする蜂也。

 

「無論シャルロットは俺よりがんばってたろ?流石は俺のお嬢様。」

 

「えへへ♪」

 

こちらも満面の笑みを浮かべているのをみて鈴は少し呆れながら羨ましそうな表情を浮かべる。

 

「一夏…」

 

その光景を切って箒を抱き抱える一夏を見つめる。

 

「…」

 

無言で箒を抱き抱え雪片を握っていた片手は空いて握り拳を作る。

ISのマニュピレーターがミシミシと音を立てて、一夏は空を見上げていた。

 

その後は教師陣が突入し事件の収集に入った。一人も負傷者は出ること無く『ゴーレム襲撃事件』は幕を閉じた。

誰が一体なんのためにこの行動を起こしたのか?それは謎のままになった。

 

教師陣が突入する少し前。

 

「蜂也?残骸に近づいてどうしたの?」

 

「ちょっとな…お、あった…」

 

蜂也の手に握られていたのは拳大の球体、ISコアだった。

それを素早く魔法を使い異空間へ格納した。

 

(折角だ、このコアを利用させてもらおう)

 

「?」

 

「いや、なんでもない。戻るか。」

 

こうして蜂也は秘密裏に複製されたISコアを手に入れることができたのだ。

 

 

夜、談話室。

先生の判断を仰がずに無断行動していた蜂也達だったが、現場監督の真耶と後から試合を終えてやってきた千冬に事情聴取されて蜂也達は「生徒達を守る行動をしたため処分保留」で無事解放され、千冬からの奢りで関係者全員で夕食を取った後、一息付くために談話室で休憩していた。

シャルロットは今ごろ大浴場でシャワーとお風呂をセシリア達と共に堪能している頃だろう。

ちなみに一夏は気絶して保健室に運び込まれた箒の面倒をみているので食事のときもいなかった。

それはさておき。

 

「シャルロットの裸みたかった…」

 

欲望満開の発言をしているところに近づいてくる気配を感じた。

 

「あ…ここにいた。」

 

後ろを振り返るとそこには見知った顔があった。

 

「鈴か…どうした?湯冷めするぞ?」

 

そこにはタンクトップにショートパンツというなんとも装甲の薄い美少女が何時ものツインテールを下ろしセミロングになっており何時もの快活さは薄まっていた。

 

「ちゃんと髪を乾かしたから大丈夫よ。それよりちょっと聞いてもらいたいことがあって…」

 

「…いいけど。あ、なんか飲むか?」

 

「え?ああ、じゃ烏龍茶を」

 

「あいよ。」

 

そう言って立ち上がり自販機で二人分の飲料を購入し手渡し話す準備を整える。

準備が整ったのか鈴が話し出す。

 

「ねぇあたし振られちゃったのかな?」

 

「いや、主語がないから分からんのだが…どうしてそうなった?」

 

唐突な「振られた」と言われても蜂也は疑問符を浮かべるしかなかった。

 

「そ、そうよね。急にそんなことを言われてもこまっちゃうわよね。実はね…」

 

鈴が話してくれた。

 

結論としては一夏が「すまん」と言った理由は蜂也が言っていたことをほぼ同じ内容であったこと。

鈴はそこで勇気をもって「そういうことよ」と顔を真っ赤にして発言するが一夏は「鈴の気持ちは嬉しいけど…今はそういったことを考えることができない」と言うことを鈴に告げたらしい。

落胆する鈴をみた一夏はこう答えた。

 

「いや、嫌とかそういうんじゃないんだ、鈴にそう想われてたのは嬉しいよ。俺も鈴のこと大事に想ってる。」

 

それと、と続けて保健室のベットに寝ている箒へ視線を向けてこう答えた。

 

「今回の件で箒も…鈴も守れなかった。この弱いままじゃ誰も守れない。だからダメなんだ今のままじゃ。だから俺に今は誰かと付き合う権利はない。」

 

まっすぐな瞳で鈴を見つめる一夏の姿に鈴は彼らしいと感心すると同時に更に彼への想いが高まったと言う。

 

「ってことだったんだけど…その時の一夏がかっこよくて…」

 

(あれ、惚気聞かされてる?)

 

顔を赤くしてもじもじする鈴をみてそう思った。

 

「だが、その話を聞くと一夏が好意を寄せるのは箒も含まれてるってことじゃないか?」

 

「うん、分かってる…だからこそあたしは一夏の返答を待つことにしたわ…あたしと箒どっちを選ぶのかちょっと怖いけど。」

 

怯えているがその瞳は強い意思を感じた。

覚悟を決めた女子は強いと昔からそう相場が決まっている。

 

「なんか聞いてもらったスッキリしちゃった!うーんありがとね蜂也。」

 

悩みを蜂也に打ち明けたことで何時ものような快活な笑顔が戻ってきていた。

 

「おうその笑顔だ。やっぱり凰は笑ってる顔が一番かわいいな。」

 

そういうとはみかみながらお礼を言った。

 

「へへっ、ありがと!こうしちゃいられない…箒には悪いけどリードさせてもらうわ!じゃあね!」

 

そう言って談話室から駆け足で自室へ戻っていった。

 

「ひとまず解決か…」

 

談話室のソファーに座りミルクティーを口付けながらそんなことを呟いた。

 

 

「あらら~投入したゴーレム全部こわされちゃったねぇ。スコール達(モノクローム・アバター)は良い様だね。この私から盗みを働くなんて百年以上は早いんじゃないかな~?」

 

暗いどこかの一室で明かりはモニターだけがその女性を照らす。

その画面には先程の蜂也とシャルロットが戦闘を行うシーンと全滅させたゴーレム達の姿が映し出されている。

 

「束様、お食事ができました。今日はカレーです。」

 

背後から銀髪の盲目の美少女が現れた。

手に持つお盆にはエキゾチックな匂いのするカレーが皿がのせられていた。

それを目にした束が目を輝かせる。

 

「わーい!クーちゃんのご飯だー!!3日ぶりだけど!!いっただっきま~す!!」

 

「束様…まだまだたくさんありますので落ち着いてお食べください。」

 

「しょうがないよ~クーちゃんのご飯が美味しいのが悪いんだから。」

 

「全く…子供かお前は。」

 

そう言って横から水の入ったコップを手渡す”千冬に良く似た美少女”がそこにいた。

 

「んぐんぐ…ありゅがちゅまーひゃん!!(ありがとうマーちゃん!!)」

 

「食べながらしゃべるな…全く。」

 

そう言って勢いよくカレーに手を付けるが飛び散ること無く綺麗に食べているのは流石だと言えよう。

 

「それで束様…それで一体どうなされるおつもりで?」

 

「どうするつもりだ?」

 

「んぐ…そうだね~一度二人目の男性装着者ともあってみたいし…その子が使ってるISコアが異常なほど彼に対しての好感度が高いんだよね~気になるな~!あ、そうだクーちゃんにマーちゃん!!」

 

「?なんでしょうか。」

 

「なんだ?」

 

テンションの高かった束が笑顔のままでクロエとマドカに告げた。

 

「二人とも学園生活楽しんでみない?」

 

そのことを告げられたクロエは目を閉じたまま首を傾げマドカは眉間を抑え溜め息を付いた。

 

山田先生をヒロインに追加…?

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