と言うことで少し日は空きましたが最新話です。
誤字脱字の確認してるんですけどねぇ…本当に申し訳ない。
因みにですがこの作品ではラウラ要素が大分薄くなっていますのでラビッ党の皆様ご注意ください。
感想&高評価よろしくお願いいたします。
作品作りの励みになりますので是非!
それではどうぞ!
※9/8アンケート集計にご協力いたしまして有り難うございます!
結果は…『男ならハーレムを目指す!』でした。
ヒロイン複数の絡みを頑張って書きたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
自己紹介を終えた途端に騒ぎだしたクラスで核爆弾並みの危険物が千冬と一夏の前に現れフリーズしてしまった千冬だったが直ぐ様我に返り手を叩く。
「…静粛に!あー…ゴホンゴホン。ではHRを終わる。各人は直ぐ様着替えて第二グラウンドへ集合すること。今日は二組との合同訓練を行う。解散!」
千冬が指示を出すと喋りながらではあるが一組の女子達は着替え始めようと動き出す。
その生徒達の姿を見つつ同じく着替えを行う黒髪の転入生へ視線を投げた。
(どうしてマドカがここにいるんだ…復讐…ではないんだろうが…では一体何のために…。そんなことが出来るのは…”あいつ”だけだ…。)
『やほやほ~!!ちーちゃんいっつも辛気臭い顔してるねー!行き遅れないか心配だよー!』
千冬の脳裏に騒がしい”天災”の友人の顔が思い浮かび内心うんざりしてしまったが。
「…。」
嘗て自分が”あの場所から”逃げ出す際に一人しか助けられず後悔していた千冬。
生きていてくれたことに嬉しく思いはするが恨まれて当然という気持ちが強く素直に彼女の顔を見ることは出来なかったが不意に視線がマドカに合ってしまう。
(っ!)
「ふっ…。」
しかしマドカの表情は怨嗟に埋もれたものではなく優しげで柔らかい、千冬が見せる笑みにそっくりだった。
その視線を受けて安心した千冬。
(マドカ…今度ゆっくり話す機会を設けて話をしよう…。)
そう決意し、教室から出て授業の準備を始めるのだった。
一方で蜂也と一夏はグラウンドとアリーナ近くの更衣室へダッシュで向かわなければならない。
”姉そっくりの同じ名字で『姉と弟共々宜しく』”と言いはなったマドカに視線を向けながらその場を後にした一夏は制服のボタンに手を掛けマドカのニヤリ、とした笑みを浮かべていた。
「なぁ蜂也。」
「どうした?」
男子更衣室に到着したと途端に一夏に声を掛けられた蜂也。
着替えをしながら返答する。
「さっきのマドカって娘…。」
「逆に俺が聞きたいんだが…なにか知らないのか?(織斑マドカ…Mは
蜂也は同時にクロエ・クロニクルがこの学園に入学してきているのも気にかかっていた。
「そんなの俺が分かるわけないだろ…千冬ねえも驚いてたみたいだし…。」
一夏が困ったように言う。
千冬の表情多少だが驚いている変化をとらえたのであろう一夏がそう言うのだろうから千冬も知らないサプライズだったのだろう。
蜂也は一つの事柄に思い至った。
「だとしたら俺が分かるわけないな。織斑教諭と本人に聞いてみたらどうだ?(そうなると…束博士がマドカを救出してモノクロームアバター加入前に説得させたか?何にしても当の本人達に一度話しをしてみる必要があるな…。)」
着替え終わり更衣室の扉の前へ移動する。
「それもそうだな…って待ってくれよ!蜂也!あだっ!?」
それに気がついた一夏が慌てて着替えを終わらせようとするが”ナニか”を巻き込んだようで悲鳴をあげそれを聞いた蜂也は呆れていた。
「なにやってんだお前は…いくぞ。」
「いってぇ…。」
彼女達がこの学園にどんな目的で転入してきたのかを調べる必要があった。
そんなことを蜂也は思い、その後を追うように一夏も急ぎ着替え更衣室を出た。
◆
時間に間に合い整列するが出席番号が違うため一夏とは違う列になった。
「お待ちしておりました蜂也さん。」
隣にいるのはセシリアだった。
いつものような上品な喋り口調で話しかけてきた。
やたらと距離が近いのは気のせいではないだろう。嫌ではないが。
極力ISスーツを着用している女子とは余り近づきたくはないのが実情で特にセシリアのようなプロポーションのよい女子生徒はこう言っては何だが目に毒だ。
あと、すごくいい匂いがする。女の子は甘い匂いがするというのは本当らしい。
蜂也は内心で「マジで生殺しなんだが…」と思いつつ話題を変更した。
「しかし、あの織斑…マドカだっけ?どんな関係なんだろうな?」
「ええ。それはわたくしも気になっておりましたわ。」
「昼休み、食事に誘って聞いてみるか…。セシリアもどうだ?」
同行しないか?と聞いてみるとセシリアは喜色を浮かべる。
「まぁ!ちょうどよかったですわ!…実は本日蜂也さんに是非とも食べて欲しくて昼食をお作りしましたの。お口に合うと宜しいのですが…」
「…、そ、そうか…楽しみだな(マジかよ…セシリアの料理ってめちゃくちゃ不味いんじゃ…い、いや世界が変われば料理が上手い可能性だってあるハズだ…!!)」
キラキラした表情で蜂也を見つめるセシリアの笑みに蜂也は否定できなかった。
後で胃薬を購買で買おうと決意した蜂也だった。
◆
「では本日より格闘及び射撃を含む実戦訓練を開始する。」
「「「はい!!」」」
グラウンドには少女と少数の少年の元気な声が響き渡る。
専用機持ち以外はこれが入試以来の本格的なIS起動となる。
「今日は戦闘を実演して貰おうと思う。そうだな…では各クラスから…名護、凰は前に出て手本を見せてくれ。」
「はい。」
「分かりました。」
「……。」
列から出る際に蜂也は背後から視線を感じる。
”悪意”ではなく”好奇”の視線だ。
その視線の主はクロエだった。
(彼女にもなぜここに入学してきたのか聞く必要があるな…。この場合は正面切って回りくどいことは無しの方が良さそうだ。)
後の事を一旦頭の片隅に置いて戦闘手本のためにISを展開する。
声には出さずに脳内で愛機の名前とシルエットを二人は
(こい、《メリュジーヌ》)
(来なさい。《甲龍》)
光が溢れ一秒も満たないうちにISが体に装着されて視線が高くなる。
座高と機体が反重力制御を行うので地面から少し浮くためだ。
素早く展開したのを見届けた千冬は満足げな表情を浮かべている。
「因みにですが織斑教諭。実戦相手は一体…凰ですか?それともブリュンヒルデ?」
冗談交じりに質問すると千冬が苦笑し後ろにいるセシリア達が
「胆力ありすぎますわよ蜂也さん…。」
「あんた…マジ?」
と呟いたという。
「相手は私でない。それとその名前で呼ぶな名護。対戦相手はー」
そう言い掛けたときに千冬の背後に真耶が学園に教員に支給されている第三世代IS「コスモス」…ではなく「リヴァイブ」のバージョンアップ機体である2,5世代である「ラファール・ストライク」を身に纏い地面に激突することなく降り立った。
「はい。わたしですよ名護くん、凰さん。」
「山田先生がお前達の相手となる。名護、凰お前達はタッグをくんで山田先生と戦闘訓練を行って貰う。」
「分かりました。」
『え~…大丈夫なの山田先生で。』
ISのプライベートチャンネルで蜂也に繋ぐ鈴。
確かにいま目の前にいる真耶のぽやんとした表情からは歴戦のIS乗りの貫禄は感じられない。
ここで教えてもよかったが鈴がどう行った反応をするのか見たかったため敢えて余計なことは言わなかった。
『実際に戦ってみれば分かるだろ。』
『ふ~ん…まぁそうね。人から聞いた噂ってのは大抵役に立たないし…IS学園の教員の実力を見せて貰うチャンスね!』
『ああ。』
そう言って勇んで鈴は《甲龍》の
両者ともに目にも止まらぬ早業だった。
「それでは…開始!」
千冬が試合開始の宣言をすると一斉に機体が大空へ飛び立ち高速戦闘に移る。
その瞬間、真耶の表情はぽやぽやした笑顔から一転、敵を射貫くような表情へ変わると同時に動き始めた。
「「「「!???」」」」」
その豹変ぶりを見たクラスメイト達は驚愕していたがそれだけではない。
「…!!」
真耶の《ラファール・S》が持つバレットライフルが銃口から二射、火を吹いた。
スガガンッ!!!
『くっ!』
『そこっ!…って!?』
続けざまに装備を近接用のアサルトカノン《ガルム》へと切り替えて弾幕を形成し近づけないようにしてきた。
『こんのぉ!!』
負けじと鈴も中距離用の《衝撃砲》で射撃戦を仕掛けるが真耶に回避され逆に銃撃を喰らってしまい大きく吹き飛ばされてしまう。
『きゃあああっ!!』
『ちっ、鈴!!はっ!!』
入れ替わるように蜂也が
真耶の持つ《ガルム》が手を離れるが慌てた様子もなく直ぐ様ショットガンへ切り替えるが大剣を分割したツインモードに切り替え真耶の武装を持つ手と喉元に切っ先を突きつけるとトリガーを引く指を止めた。
「そこまで!」
模擬戦闘の内容を地上で見ていた千冬が止めに入る。
「山田先生、ご苦労様。名護も凰もいい手本だった。三人とも降下してきてくれ。」
「いやいや、お恥ずかしい姿を…。」
「山田先生は第一回のモンドグロッソの射撃部門の
「いや、代表候補生止まりの大会選手の予備選手だけだったので…。」
「そう謙遜しないでくれ山田先生。」
「あはは…////」
地上に降下してきた三人は、というよりも真耶に対して羨望の眼差しが生徒から向けられ顔を紅くして恥ずかしそうにISのマニピュレーターで頬を掻く仕草をしていた。
千冬も”自分よりも銃の腕が上”と断定として言わない辺り矜持があるのだろう。
そんな意図に気がついた蜂也は苦笑した。
「さて、専用機持ちをリーダーとして番号順に班に入れ。リーダー順は名護、織斑、デュノア、オルコット、凰、ボーデヴィッヒだ。では開始!」
クラスメイトの女子達は男子に群がることはせずに言われた通りに素早く実技に入れるように班分けを行った。
その素早い行動に千冬も満足していた。
無駄話が全くなかった、というわけではないが。
「…やった!名護くんと同じ班っ、今日はついてるなぁ~。」
「よっしゃ、セシリア!蜂也くんとのお話聞かせて貰おっと!」
「…凰さん、よろしくね…あっ、後で織斑くんの話を聞かせてよっ!」
静かにワイワイしているクラスメイトを尻目に今日入ってきた転入生ラウラの班へ視線を向ける蜂也。
「ボーデヴィッヒ教官!宜しくお願いするでありますっ!」
「らうらう~よろしくねぇ~。」
「?日本の挨拶というものは多用なのだな…ああ、こちらこそよろしく頼むぞ。」
朗らかに応対していたのが少し違和感があった蜂也だったがいまは班長としてやるべき事をしようと気持ちを切り替え班員の指導へと向かった。
◆
「とりあえず俺達の班は全員が起動と歩行、そして低速飛行まで出来るようにしたいと思う。と、言うわけで早速やってみよう。誰からやってみる?」
「はいは~い!出席番号1番!相川清香!いっきま~す!」
元気よく手をあげたのは清香だった。
「んじゃ、早速…って誰だよ高座姿勢で解除しやがったのは…。」
何故かISが着座姿勢ではなく高座姿勢のままなのかが一瞬分からなかったが恐らく前の授業で使った生徒がちゃんと着座姿勢で格納庫に仕舞わなかっただろうと察した。
しかし、よじ登って解除するのは面倒なので蜂也は愛機を展開した。
「すまんが相川さん少し我慢してくれ。」
「「「あ~!!」」」
班員の女子から悲鳴にも似た歓声が上がる。
「え!?ちょ、え、あの…その…名護くん…/////」
「動くと危ないからおとなしくしててくれ。な?」
「う、うん…////」
蜂也は愛機を展開し清香を持ち上げ、つまりは”お姫様だっこ”の要領で持ち上げ中に浮き機体の装着が出来るように近くまで持っていくが同じ班の女子から「いいなぁ…」と羨ましがる声が聞こえ腕の中にいる清香は何時もの元気よさは何処へやら。
まるで借りてきたような猫のように大人しくなり、顔を赤らめて蜂也を見ていた。
(な、名護くんにお姫様だっこされちゃってる…わぁ…////)
そんな風に見られているとは知らずに手に抱えている女子生徒から悲鳴が上がっていないか心配する蜂也だった。
(悲鳴は…上げられてないから、大丈夫だよな…って後ろの班からめっちゃ視線を感じるのは気のせいだと思いたいんだけど…。)
清香を持ち上げて移動している最中に後方の班、つまりシャルロットとセシリアの抗議の視線が機体の背中越しに突き刺さっていた。
(いや、これは歴としたISの操縦訓練の補助なんだよ。文句があるならこれを高座姿勢で格納庫に戻した生徒に言ってくれ…!)
心の中でそう思いつつ「後で埋め合わせしないとな…」と決意した。
つつがなく清香をISに到達させて装着させる。
「相川さんセンスいいな。上手い上手い。」
「そ、そうかな…!!なんか名護くんにそう言われるとそんな気がしてきた!」
実際に高座姿勢で待機状態にあった《打鉄》の起動シークエンスも淀みなく立ち上げ歩行も少し躓いたが普通に歩けており背面走行や走りまで行えているのだからセンスはあるのだろう。
並走しながらではあるが低空移動まで行うことが出来た。
「これも名護くん教えのお陰だねありがとっ!」
「いや俺はなにも…」
否定しようとしたのだが後ろからの声にそれは遮られた。
「そう謙遜するな。名護。」
千冬がそれぞれのグループを見回っており忖度ない感想を述べている。
「実際にお前の班は何処よりも進行度が早い。…教える側に向いているのかもしれんな。」
「女子高の先生ですか?勘弁してくださいよ…。」
女の園に男一人というのは精神的にキツいだろうしそもそもに置いて成人男性がこのIS学園には居ては行けないような気がする。
それこそR-18的な展開が待っていそうな気がするからだ。
「まぁ、可能性としてだ。すまなかったな途中で話しかけてしまって。名護、相川、引き続き訓練を。」
「分かりました。」
「わ、分かりました!」
千冬が蜂也達の班から離れた後、清香の操縦訓練が終わりその後に控える班員達も想定した訓練が終了した。
何故か蜂也が専用機を展開し続けて高座状態のISにお姫様だっこの状態で持っていき装着する、ということをしなければならなかった。
それは一夏の班にも起きていたことだった。
箒がお姫様抱っこされて鈴に恨み節をぶつけられていたのは見えた。
◆
(…また蜂也別の女の子と仲良くなってる…なんでISに乗せるのに”お姫様抱っこ”する必要があるのさ!)
シャルロットは自分の班員へ指導しつつ蜂也の班、と言うよりも蜂也を見て少し苛立っていた。
一緒の班になれないのは自分の立場を考えれば仕方がないことではあったがそれでも理解しきれないのは人間の性か。
(…わたしは代表候補生だから蜂也とは同じ班員になれないけど…なんか釈然としない…後で埋め合わせして貰うんだからねっ、蜂也!)
生徒をお姫様抱っこしていてシャルロット側からは機体の背面しか見えていないがその視線に含まれる要望は蜂也にもしっかりと伝わっていた。
(わたくしも同じ班になって蜂也さんに”手取り足取り”ご指導いただきたかったですのに…このときばかりは自分の立場を恨みますが仕方がないことですわね…ですがそれとこれとは話が別ですわ!密着しすぎですわ!羨ま…もといけしからんですわ!)
同じく別の班で指導していたセシリアも教えつつ蜂也が女子生徒にお姫様抱っこして登場させてるのを見てイライラしていた。
そんな視線と感情を持ちつつ二人はしっかりと同じ班員の指導をしているのだから優秀であろう。
しかし、その二つの班は他に比べると「スパルタだった」と班員が口を揃えて言った。
ISでの授業が終わって制服に着替えた蜂也と一夏は”黒と銀”の少女達に話しかけようとしていたがそれは向こうからやってきた。
「名護さま。お昼をわたくしも同席させていただいても宜しいでしょうか?」
クロエが蜂也の前に現れたことで一瞬戸惑ってしまった。
「え?…ああ、俺から話しかけようと思ってたんだが。良いのか?」
「はい。よろしくお願いいたします蜂也さま。お話をしてみたいと思っておりましたので。」
丁寧な口調に若干の調子を崩される蜂也だったが原作でも丁寧な言葉遣いだったと思い出した。
「わたしも同席させて貰うぞ”兄さん”?」
「お前…あん時俺を見ながら”弟”って言ってたのに今度は”兄さん”かよ…。」
「余り細かいことを気にするなよ?禿げるぞ?」
「そう言うことじゃないんだよ…一体お前は何なんだ?」
今度は一夏の方にマドカが話しかけているがこちらは警戒していた。
突然現れ一夏の”姉”を名乗ったり今は”兄さん”と話しかける少女に警戒せざるを得なかった。
「教えてやるからお前らの昼食時に邪魔させろ。”兄さん”?」
「なんで千冬ねえに似てるのか…俺を”兄さん”とか”弟”って呼ぶのか…聞かせて貰うぞ。」
「ああ。姉弟に会う為にこんな学園に来たんだからな。」
両者、と言うよりも一夏が一方的にマドカを得体の知れない敵、として睨み付けているがマドカは不敵な笑みを浮かべていた。
こうして四名は今回は食堂ではなく屋上へと向かった。
◆
「多くね?」
事前に食事をするメンバーには蜂也から連絡が行っており何時ものメンバー…と言うよりも人数が増えて大所帯へと変貌していた。
メンバーは蜂也、シャルロット、セシリア、箒、鈴にそして今回転入生のクロエで円陣を組むように屋上に植えられている芝生の上に座る。
一夏とマドカはその円陣から少し離れた屋上のフェンス沿いにたってお互いを見据えていた。
「…」
「…」
一夏とマドカの視線がぶつかる。
本来ならば朗らかな雰囲気がながれるハズである昼食の時間はピりついた雰囲気が広がっていた。
その光景をみた蜂也の左右にいるシャルロットとセシリアが肩を叩く。
「ねぇ、蜂也…どういう状況?」
「いや、俺が聞きたいんだけど。」
「(折角のお昼休みで蜂也さんのお食事をご用意いたしましたのに…と思いましたが一夏さんとマドカさんには因縁浅からぬご様子)…お話を聞いてからでも遅くはないですわね。正直気になりますし。」
「ああ。だな。」
フェンス沿いにたつ一夏に恋慕している箒と鈴も気になるようだ。
蜂也は”原作”でこの二人がどういう関係だったのかを知ってるが変わっているかも知れないと一夏には悪いと思いつつISの高性能収音マイクでその会話を聞くことにした。
「お前…一体何者だ?どうして千冬ねえと同じ顔なんだ?」
「(一夏に話すには”あの場所の事を”説明するには早すぎるな…少しぼかして説明するしかないか?)そうだな…一夏は自分の両親を知って、顔を見たことはあるか?」
「両親…ってそんなの見たこともないし俺たち姉弟を捨てたろくでなしを知りたいとも思わないんだが。」
少し強めの口調でマドカに答える一夏。
「(姉さんは一夏に説明…いや出来るわけがないか。)…そうか。わたしも親の顔は知らない。」
”あの場所”…白い内壁に透明な緑色の溶液が満たされた人一人が入れる大きな水槽がズラリと並んだ光景がフラッシュバックして顔を若干しかめるが対面している一夏には分からないような表情の変化だった。
「答えになってないぞ…どうしてお前が千冬ねえと同じ顔なのか。」
マドカは”真実”を伝えた。
「それはわたしと姉さん、そして兄さんの血が繋がっている…わたしは”家族”だからだ。」
「…はぁ!?う、嘘だ!」
マドカは内心”千冬とは遺伝子レベルでほぼ同一人物”だがな、と付け加えた。
嘘はついていなかった。
「嘘なものか。それならどうしてわたしの顔が姉さんにそっくりなんだ?」
「そ、それは…」
言葉につまる一夏を見てマドカは柔和な笑みを浮かべた。
「ああ。言葉が足りなかったな。実はわたしと姉さんは双子の姉妹だったんだが”とある事故”で昏睡状態になって近年まで睡眠状態にあったのをようやく治療の目処がたって起き上がれたんだ。ほら、証拠もあるぞ。」
「……!?」
マドカが差し出した大きめのロケットペンダントには家族写真だったのだろう、左右にいる大人二人の顔は黒く塗り潰され同じ顔で同じ背丈の少女達が”赤ん坊を乗せる乳母車”の取っ手をしっかりと握っていた写真がそこにあった。
まじまじと見る一夏もこれが合成写真でないことを確認し呆然としてしまった。
「え、じゃあ本当に…俺たち家族なのか?」
「ああ、だからさっきも言っただろう?”私たちは血の繋がった姉弟”だと。」
柔和な笑みを浮かべるマドカにその言葉を信じた一夏は複雑な表情を浮かべている。
「急にそんな…俺にもう一人家族がいたんだなんて信じられるかよ…。」
「まぁ、信じられないかも知れないが今目の前にいる私が真実だ。」
「んな無茶な…でもその口ぶりからすると千冬ねえにも似ても似つかないような…でもめちゃくちゃ似てるような…な、なんか頭痛がするぜ…って待てよ?千冬ねえと双子ならマドカの年齢って…むごご」
マドカの華奢な人差し指で口を塞がれた一夏。
年齢の事を言われて少し不機嫌で顔を紅くするマドカ。
「女性に年齢の事を言うのは感心しないな?姉さんめ、そう言うところはちゃんと教育できていなかったか。」
千冬と双子の姉妹…つまり千冬が今年で二十四歳だとするとマドカはそれと同じく…とそこで一夏は『何故、俺をマドカは”兄さん”と呼ぶのだろう』と疑問が生まれたので質問していた。
「なぁ、マドカはどうして俺の事を”兄さん”って呼ぶんだ?それなら俺がマドカ姉って呼ばなきゃなんだけど?」
そう言うとマドカは少し恥ずかしそうに説明した。
「治療方法が確立するまでISの技術を応用して作られた
確かに千冬と同じ顔立ちはしているのだが身体の成長はまるっきり別物で大人の凹凸は確かに少ないがその年齢には不釣り合いな腰の括れが制服とデニールの薄いストッキングから見えるカモシカのような華奢な足が見えており、到底成人女性の千冬と同い年で尚且つ双子の姉妹とは言えなかった。
それと一夏の脳内に名探偵小学生の出る漫画の某組織に捕まった女性研究員が薬を飲んで小学生になったキャラクターを思い出していた。
「それで、この見た目だから姉っぽく振る舞う、いや実質姉なんだが…その…」
「恥ずかしかったのか?」
「…っ!」
一夏が失言をすると目の前のマドカは顔を紅くして一夏の脛に爪先で蹴りをいれてきた。
思わずうずくまるほどには効果がばつぐんだ!
「ごほんごほん!…このIS学園にいる間は私が妹になってお前を”兄さん”として扱うから覚悟しろよ?」
脛を押さえながらいつのまにか視線の位置が逆になっている一夏が今度は見上げる形となる。
「痛ぅ~…な、なにも蹴ること無いじゃないか!マドカ姉!」
「ここでは”マドカ”。そう呼ぶことだ。もう一発
カモシカのような華奢な足はその見た目に反してしなやかでよく鍛えられて威力が倍増しており本気で蹴った場合の想像を一夏はしたくなかった。
勝ち誇った表情で少し子供っぽいところが見えるのは一夏的には可愛らしく思えた。
観念して。
「はぁ…わかったよ…ま、マドカ、これで良いか?」
「ああ、よろしくな”兄さん”?」
踞る一夏に手を伸ばし立ち上がらせるマドカの表情はとても楽しげだった。
反対に一夏は複雑な表情を浮かべてはいたが嫌そうではなかった。
◆
「てな訳で…俺の家族だったことが判明した…んだよな?」
「何故疑問系なのだ…?というよりも本当に?」
「だからそう言っているだろう。わたしと兄さんは兄妹だ。」
二人で話していたフェンスから蜂也達の元に戻って円陣に加わった二人に質問責めが始まったがマドカが「事実を掘り返しても仕方がない。それが真実なのだから。」と妙に説得力のある言葉で特に一夏と鈴を黙らせることに成功していた。
それに千冬にそっくりのため二人は追求が出来なかったのはあっただろうが。
「でも、なんで千冬ねえもマドカを見て驚いていたんだ?」
一夏がマドカに質問しそれは全員が思ったことだろう。
視線がマドカに集中しそれらしい嘘と真実を混ぜた回答をした。
「私が生きているとは思わなかったのだろう?クロエの”保護者”に助けられなければ今ごろあの世にいただろうしな。」
「なるほど…って…え?」
蜂也を除く全員の視線がクロエへと注がれる。
「?」
「因になんだが…マドカ…お前の命を救ってくれたのって誰なんだ?」
一夏が質問するとマドカが答える。
それは想像を絶する答えだった。
「ああ。”篠ノ之束”だが?」
「「「「「は?」」」」…「「「「はぁ~!!!?」」」」
屋上で絶叫が木霊した。
箒は絶句していた。
鈴が反論する。
「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!え?あの篠ノ之束博士?」
「そうだが?」
セシリアも戸惑いながら質問する。
「あのISの産みの親で現在世界手配中の?」
「だからそうだと言っただろう。」
「束さん子供いたんだ…ってぐふっ!?」
ずれた回答をする一夏にマドカが脇腹に肘鉄を喰らわす。
「まぁ詳しい回答はクロエに聞いた方が良いだろう。クロエ、みんなに分かるように説明してくれ。」
返答を投げられて先程まで大人しくしていたクロエが口を開いた。
「それでは僭越ながら説明させていただきます。」
蜂也は軽く腕を天にむけて魔法による遮音フィールドを形成、外から聞こえないように準備した。
この場にいる全員は蜂也がただ腕を伸ばしただけだと思っている事だろう。
全員がクロエの方へ身体をむけたのを気配で察知し話し始めた。
「実はわたくしはISの実験体…つまりは人工培養で生まれた試験管ベイビーでして。」
前置きは無しだと言わんばかりに特大級の爆弾を投げ入れてきた。
「「「「「!?」」」」」
マドカと蜂也を除く全員が驚いているのを尻目に淡々と説明する。
「何処の国で行われていた実験かはわたくしも覚えておりませんでしたがその非道且つISの悪用を知った束さまが研究施設を襲撃してわたくしどもの同胞…まぁ言ってしまえば”姉妹達”と研究資料を全て破棄した後にまだ息のあったわたくしにこう告げたのです。「今日から君は束さんの娘ね!後名前はクロエ…だからクーちゃんね!」と。」
「「「「…。」」」」
「わたくしはそこで「はい」と答え、その研究施設から連れ出されておりました。その時点で研究の影響か目が見えていなかったのですが束様が作ってくださいました生体同調型『黒鍵』を通じて今皆様のお姿を確認しているのです。」
「そうだったのか…まさか姉さんがそんなことをしているとは…。」
「箒…。」
一番驚いていたのは箒だった。
無理もないだろう、幼少期の頃の箒を知っている一夏からしてみたら実の姉ではあるが複雑…入り込みすぎて一周回って無関心になりそうな程の感情なのだから。
「その件もあって色々な違法研究施設を束様と共に破壊して回って救っては壊し、救っては壊しと…繰り返している内にマドカと出会ったのです。」
クロエの視線はマドカへと向いた。
その後の事は自分で話せ、と言うことなのだろうと解釈してマドカは話し始める。
「私が入院していた病院も非合法な研究を
「それからは束様と一緒に研究施設の破壊を行いつつ目立たぬようにひっそりと三人で生活をしていました。
束様に、
クロエがその後の話を補足してくれた。
”ひっそり”と言うところを強調していたのを聞いた全員が苦笑していた。
「「「「「いや、ひっそりは無理」」」」」「だろ…」「じゃね?」「だと思うなぁ…」「では?」「だ。」「でしょ…。」
蜂也、一夏、シャルロット、セシリア、箒、鈴が口々にそう思った。
そのクロエの発言に疑問を持ったセシリア。
「でもどうしてマドカさんとクロエさんがこちらの学園にいらしたのでしょうか?それこそ束博士のお知り合い、というだけで世界から注目されてしまいますのに。」
束とコンタクトが取れる、というだけでその情報は非常に価値の高いものになる。
それに”織斑千冬の血縁者”というのも見逃せないだろう。
それこそまさに”鴨がネギを背負ってくる”状態だ。
その事をセシリアから指摘されたクロエは説明をする。蜂也に視線を向けながら。
「それには勿論理由がございます…名護さまの存在が確認されたことです。」
そうクロエに告げられたことで一斉に全員の視線が蜂也に突き刺さる。
その行動に思わず苦笑いをしてしまう。
(俺を”見に来た”って訳か…)
「蜂也を?一体どうして…?」
シャルロットがクロエに質問すると頷いた。
「織斑さまと同じく二人目の男性操縦者でありながらISへの高い適合率と”好感度”がどのパイロットよりも高いことが確認されましたので。」
「…!?」
その事を聞かされて蜂也は冷や汗を掻いた。
(…っ!?もしかして俺がメリュ子との心象風景でセックスしてるのバレたのか…?)
ISの産みの親に娘と見知らぬ男が性行為をしているのがバレたのかと思ったが違ったらしい。
「ISの適合率が高いのは千冬さま以外に見られなかったのが束さま的には珍しくこの学園にいる名護さまへ接触を図ると共に私どもに”学園生活を楽しんでほしい”という理由でした。…それはこれからでしょうが。」
蜂也は自分が束博士にとって娘のような存在と懇ろになっている、というのは数値的な表記で知った。というニュアンスをクロエから伝えられ内心ホッと胸を撫で下ろした。
「それと箒さま。」
「な、なんだ。」
身構える箒に淡々とクロエが話しかける。
「束さまから伝言だったのですが…『やほやほ~箒ちゃん元気~!近い内に箒ちゃんに誕生日プレゼントもって会いに行くからよろしくね~!後クーちゃんは私の娘なので姪のように可愛がってね!じゃっ!』…っという内容の伝言でした。」
(((((いや、似すぎ)))))(…いろ○、かあれ?)(だろ…)(…あざとい。)(ご本人ですの?)(声帯に姉さんが住んでるのか!?)(…今の素?)
声色の変わったクロエを見てそれぞれに反応していた。
蜂也は脳内で某作品の後輩を思い出していた。
この世界観的にはデュノア社がIS等のパワードスーツのシェア一位になっている、と言うことですので第三世代機『コスモス』は既に世界配備されていますが内部インターフェイスが『ラファール・リヴァイブ』と異なるため機種転換や慣れ親しんだ機体が良いという教員のために『ラファール・
マドカについてですが設定を変更しています。
マドカ:千冬と双子の姉妹であり”とある実験により命に関わる重篤状態になった”が幼い頃の治療技術では治療が出来ないために研究施設兼任の病院へ入院していたが”どこかの組織が”その病院で行われていた研究データを奪取したさいに襲撃されそこに偶々入院していた昏睡状態の織斑千冬の妹を発見した組織が回収しようとしたが束に阻止されて束の仲間になった。
一夏や千冬について憎悪や恨みは無く、どちらかといえば好意の情の方が高い為原作の殺伐とした雰囲気は無し。ということになっています。
クロエに関しては大きな変更点は無し。
IS学園の蜂也達の同学年の生徒になったぐらいでしょうか?
ラウラ周りの一夏に対する憎悪がなくなっているので二巻に当たる部分は大分変更が多いので見辛いかもしれませんがご容赦ください。
それでは。
山田先生をヒロインに追加…?
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して欲しい
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しなくても良い