次はR-18描写の有るお話を投稿します。
コメント&高評価ありがとうございます。
誤字脱字報告もありがとうございます…ツールとかでわかるやつとかないっすかねぇ…。
それでは最新話をどうぞ!!
結果としては更識姉妹の仲直りは完了し数年間の溝はほぼ無くなったと言っていいだろう。
楯無と試合のあとに二人揃ってお礼を言われた蜂也は頬を掻きながら苦笑いを浮かべる。
「俺は特になにもしてないですよ…実際に頑張ったのは簪、生徒会長。貴女たちです。」
「ありがとう蜂也くん…貴方が居てくれなかったらお姉ちゃんと仲直りできなかった。」
「簪ちゃんのいう通り…”蜂也くん”君が居てくれなかったらこうして簪ちゃんと真正面からこうして向き合うことができなかったわ…最初に会ったときに嫌な人扱いしちゃってごめんね」
「ははは…」
「お姉ちゃん…。」
正面切ってそう言われると思わなかった蜂也は苦笑いを浮かべ簪は「お姉ちゃん…」と頭を抱えた。
「ままっ、そういうことも有るわけよ簪ちゃん…蜂也くん、簪ちゃんのお手伝いよろしくね。」
先程のまで茶化していた雰囲気とは一転して真面目な表情になる楯無に真面目に答える蜂也。
「勿論。それじゃ俺はそろそろ戻ります。」
「あ、ちょっと待って!」
「ん?どうしました会長。」
唐突に呼び止められて疑問符を浮かべる蜂也に楯無はお願いをした。
「その”会長”って言うんじゃなくて下の名前で呼んでくれないかな?」
少し頬を紅潮させながら名前で呼ぶように指示もといお願いをしてきた楯無に対して断る理由もない蜂也は名前で呼ぶことにした。
長い付き合いになる…そう何故か蜂也は確信した。
だが、”楯無”ではなく隠されたもう一つの名前の方で呼ぶことにした。
丁寧な口調から普段通りの少し雑な物言いに変わった。
「…分かった。これからよろしくな。”刀奈”」
不敵な笑みを浮かべる蜂也に驚愕する姉妹。
「…!どうしてわたしの本名を?」
「お姉ちゃんの名前をどうして蜂也くんが…」
「あーすまん。IS学園に来る前に更識家について調べていてな…それに楯無が偽名なのは調べれば分かる話だ。歴代の当主が襲名するのが習わしなんだろ?(まぁ、原作で知ってたって言うのはおかしいから…。)それにそっちの名前の方が可愛くて格好いいじゃないか。」
「…////」
そう告げたあとに笑みを向けると楯無、もとい刀奈は顔を紅くしていた。
「それとも楯無の方がよかったか?」
「…刀奈で良いわ。でもそれは人目の無い所で呼ぶようにしてくれる?」
「分かった…それじゃあ。”刀奈”、簪。」
その事を告げて地下アリーナから立ち去るのだった。
蜂也が立ち去った地下アリーナで姉妹が自分達を仲直りさせてくれた彼について話し始めた。
「ねぇ、簪ちゃん。」
「どうしたのお姉ちゃん?」
すんなりと姉と妹の会話を出来ていることに不思議に思ってしまい簪と楯無は笑い合った。
一頻り笑い合ったあとに楯無から本題を切り出した。
「簪ちゃん、彼の事好き?」
「えっ?…えっとその…///」
恥ずかしがる簪を見て楯無は姉バカを発揮した。
「あ~んもう~!恥ずかしがる簪ちゃんかわいすぎるよぉ~!」
「おねえちゃ、苦しいよ…!離れて…。」
「簪ちゃんをギュするの何年振りだったかしらね…おっといけない。で?どうなの?」
言おうか少し戸惑っていたが意を決して答えた。
「うん…わたしは…蜂也くんの事が…好き///…あれ?」
「そっか…簪ちゃんは蜂也くんの事好きなんだね。ん?どうしたの。」
簪はそういう姉に対して意中の男の子の呼び方が試合前と試合後で変わっていることに気がついて恐る恐る聞いてみた。
「お姉ちゃんは…蜂也くんの事どう思ってるの?」
そう聞くと楯無は顔を紅くして頬を掻きながら回答する。
「あんな男の子わたしの身の回りで見たこと無くてね?お姉ちゃんもちょっと気になっているといいますか…その…はい…///それと…名前…知られちゃった…////」
「お姉ちゃん…。」
まさかの好きな人被りに驚くと同時に嬉しいのと悲しい感情が襲ってきた簪。
その表情を見た楯無は慌てて訂正し始める。
「あ、いやね?気になっているだけで別に好きという訳じゃ…。」
「嫌いなの?」
「き、嫌いって訳じゃ…」
「好きなんだ?」
「いや、そこまでは…行かないというか…気になっていますというか…ううっ簪ちゃん今日は強気なのね…」
「大事なことだから…それとなにかお姉ちゃんがたじたじになる姿は見てて楽しい。」
普段見ない簪のドSな部分を見せられてたじたじになる楯無を見て簪は微笑を浮かべている。
観念して簪に伝えた。
「はい…蜂也くんの事気になってます…。あ、でもね簪ちゃん心配しないで?」
「へ?何が。」
「わたしと簪ちゃんがもしも蜂也くんの彼女になっても問題は無いってこと。」
「どう言う…事?お姉ちゃん。」
「実は…。」
”とっておきな情報”を伝えると驚くと同時に楯無と簪は顔を合わせて同じことを発言した。
「「蜂也くん、今彼女いるのかな…」かしら…。」
次の日。
蜂也は整備室へ顔を出す。
昨日今日で簪の乗る機体を完成させるまで持っていかなければならない。
学年別タッグマッチまで日数が少ない。
「よ、簪。」
「あ、蜂也くん。昨日はありがとう。」
「お礼はもう貰ったから大丈夫だ。それよりも開発を進めよう。時間も残り少なくなってきたしな…」
「う、うん。それで他の武装はほぼ出来上がってるんだけど…。」
「この機体の一番の要である”この機能”が完成しないと”打鉄弐式”は完成しない。」
「板○サーカスはロマンだもんな…。」
「白煙とミサイルは戦の華だから…。」
「よし頑張ろう簪、あと一押しだ。」
「うん!」
本当に装備はほぼ出来上がっている。
速射荷電粒子砲2門、高周波ブレード薙刀…しかしこの機体の特徴である多弾頭ミサイル兵装の要である『マルチロックオンシステム』が完成してない、ということがあげられていた。
しかしそこは蜂也。しっかりと対応策は用意していた。
「しかし、一から調整するのは骨が折れる…というわけで此処に調整したマルチロックオンシステムの骨組みがあってですね簪さん。」
某3分で作るクッキング並みの手際の良さで出来上がったものを提示する。
ISの待機状態から仮想デスクトップを表示し蜂也が作成した《マルチロックオンシステム》の骨組みを簪に手渡すと驚いた様子で交互に蜂也を見ていた。
「うそ…これって…。」
「ああ俺が作った…というよりかは俺の機体に搭載されてるシステムに似たようなのがあってね…それを使おう。」
「い、いいの?これってデュノア社のシステムなんじゃ…」
不安そうな表情を浮かべる簪に笑い掛ける蜂也。
「いや、これは俺の機体で使用する『ブラストモード』で使用するために仮組したやつが採用されただけだから問題ないぞ?既存の技術をブラッシュアップしただけだしな。」
受け取ったデータを自分の端末で確認する簪。
確かにその技術の骨格は既存技術で作られておりその完成度の高さは同じISを作るものとして感心せざるを得なかった。
「凄い…わたしじゃ思い付かなかった。」
「過去の
「そっか…ありがとう蜂也くん。」
「さぁ、完成までもうすぐだ。」
打開策を見つけ出した二人は《マルチロックオンシステム》をブラッシュアップして搭載。
遂に装備群も準備が整って全てが搭載された”打鉄弐式”が起動しアリーナを宙を舞う。
「《マルチロックオンシステム》…起動…模擬弾頭装填…全四十八発行っちゃえ…!」
打鉄弐式の
標準を定めた簪が命令するとコンテナから白煙を巻き上げ飛び出す。
ランダムに、奇抜に動くランダムターゲットを的確にその中心を全て撃ち抜いた。
「目標の破壊を確認…遂に…出来た!」
遂に、IS日本代表候補生更識簪が駆る専用機”打鉄弐式”が完成したのだった。
◆ ◆ ◆
ピットに戻ってきた簪を笑みを浮かべて出迎える蜂也にその嬉しさからISを解除して抱きついてしまう簪。
「やった…やったよ!蜂也くん!遂に完成したの!わたしの”打鉄弐式”が!」
「うぉっ!…大胆だな簪…って嬉しいのは分かったから離れてくれ。」
「あっ…」
自分のしていることが分かったのかいつも通りのおとなしい簪に戻って急ぎ離れて顔を真っ赤にして俯いた。
「ご、ごめんなさいっ////」
「ああいや、はしゃぐのは分かるけど女の子なんだから無闇やたら男に抱きつく…ってこの学園、男って俺と織斑しかいないから問題無い…のか?いや問題だわ。」
何を思ったのか簪が本心をポロリと漏らした。
「は、蜂也くん以外にこんなことはしない…よ?」
「え?」
「うん?」
この事について突っ込むのは野暮だと思った蜂也は話題を切り替える。
「…ともかく学年別タッグマッチトーナメントに間に合ってよかったよ。これで簪もクラスに戻ってもクラス対抗戦とかに出れるな。」
「うん、蜂也くんのお陰…だね。」
「簪が頑張ろうとしなかったら此処まで行かなかったぞ?楽しかった。」
しかし、簪は思ってしまった。
彼はこの機体の組み立てが終わったら会いに来てくれなくなるのではないのかと不安が心をよぎった。
思わずそんなことを彼へ聞いてしまう。
しかし、その回答は決まりきっていたものだった。
「組み立て…おわったからもう…。」
「なに言ってるんだ?俺と簪はもう他人じゃないんだら一緒にごはん食べたり遊んだりするだろ?もしかして嫌だったか?」
「ううん!…そんなこと無いよ。蜂也くんに誘って欲しい。」
「そっか…ならよかった。」
丁度放課後を告げるチャイムが鳴り響いた。
作業が完了し後片付けまで終了していたので帰るだけだったが簪が提案した。
「夕御飯…一緒にどうかな。」
「そうだな…丁度機体も組み立て終わったから祝勝会ならぬ完成会を食堂でやろう。」
「うん!」
こうして簪は”二人で完成会”を行うというニュアンスだと思っていたのだがそれは違っていた。
「えっ…。」
食堂に到着した簪は広がっている光景に驚いた。
「蜂也。こっちだよ。」
「蜂也さん。こっちですわ~」
そこには蜂也の到着を待っていた蜂也ファミリーがテーブルを二つ占拠していたのだ。
それに蜂也も応じる。
「ああ。直ぐに行く。…どうしたんだ?簪」
「…なんでもない(蜂也くんと二人っきりでお祝いするのかと思ったのに…でも仕方ないかな。)」
心の中で若干不貞腐れる簪だったがそれでもお祝いしてくれると言うのは素直に嬉しかった為その気持ちは一旦置いておいて蜂也についていくことにした。
完成会並びに夕食を取ることにしたのだがその前に一夏が蜂也から聞いていた”事故”について簪に謝罪をするという場面があり、その件について既に簪の中で終わっていたことだったので一夏の謝罪を真っ正面から受け取り”、白式と打鉄弐式の開発の件”はこれにて終了した。
簪と一夏の間の問題は終了したがまた新たなる問題が勃発していた。
「(ニコニコ)」
「(じー。)」
「うぅっ…(凄い見られてる…ただ見られてるだけじゃない…なにかこう査定的な…渡さないぞ的なものを視線から感じるよ…。)」
「?どうしたんだシャルロット、セシリア。簪をじーっと見て。」
「いや、蜂也が手伝ってあげていた女の子がどんな娘なのかな~って。あ、自己紹介が遅れてごめんね。わたしはシャルロット・デュノア。よろしくね更識さん。」
「失礼しましたわ。わたくしはセシリア・オルコット。よろしくですわ更識さん。」
「さ、更識簪です。」
挨拶をされて簪も少しビクビクしながら返した。
「…更識さんは、一体蜂也さんとはどう行った関係ですの?」
セシリアの追撃が間髪入れずに入る。
シャルロットは査定が終了したのか普段のような優しい微笑みをしており一方では詰め寄るようにテーブルを叩こう…とはせずセシリアが簪に問いかけていた。
「ど、どうってそんな”蜂也くん”とはその…と、”友達”//」
顔を紅くして答える簪にセシリアは察してしまった。
”この娘もわたくしと同じく蜂也さんに好意を、尊敬にも似た念を持っている”と確信した。
セシリアが追求のために蜂也へ問い合わせた。
「そうですか…因にですが蜂也さんは更識さんとどこでお知り合いに?」
「簪とは整備室で知り合ったんだよ。そこの隣でお茶を飲んでるやつのISの開発企業が簪の専用機開発をぶん投げて一人で開発してるのを見てな?俺も技術者の端くれだからそんな状態の機体を見てられなくてな…そこからかな。(まぁそっから成り行きで冷えきってた姉妹間の心の壁をぶち破って仲直りさせただけなんだけどな。)」
「うっ…本当にすまなかった簪さん。」
自分の事を指摘され再度渋い顔をして謝罪する一夏をマドカと鈴と箒が慰めていたのは珍妙であった。
「兄さん、お前は悪くない…どちらかと言えば研究を蔑ろにした倉持技研が悪い…よくもわたしの一夏に濡れ衣を被せてくれたな倉持…わたしの機体で壊滅させておくか…?」
今にも部分展開して殴り込みに行こうとするマドカを必死に止める一夏。
「ちょ、待てって!!…てかマドカって俺の事になると物騒になるよな…あ痛っ。ちょ、脛を蹴ってくるな!」
「煩いぞ兄さん…脛を蹴るぞ…!」
「蹴ってから言うんじゃない!あ痛っ!」
特にマドカの声色が優しくなっているを一夏が指摘したら恥ずかしくなったのか照れ隠しで軽めに脛を蹴っていたのが印象的だった。
そして此処に蜂也の心の声が聞こえたならば「いや、好意を寄せられるのに十分な行動だろ!」と突っ込まれそうであるがその事を指摘できるものはいない。
「まぁ、一先ず置いておいて同級生の機体が完成したんだからお祝いしようよ。ね?蜂也。(まぁあとで簪さんに蜂也の事どう思ってるの?と追求することにして…。)」
「ああ。そうだな。(何故だろう…不安しか感じない。)」
「むぅ…(蜂也さんは色々な女の子におモテになりすぎますわ…!)」
「うぅ…(デュノアさんの視線が怖い…!)」
シャルロットがまとめて一先ず完成祝いと夕食を取ることになった。
そこで一旦簪への追求が終了したかと思えばまた別の問題が発生した。
食事を取りながらその起点となる発言をしたのはマドカだった。
「そういえば兄さんはもうペアを組んだのか?」
「ペア?なんのだ?」
「はぁ…今月末に行われる学年別のタッグマッチトーナメントだ。文字通りツーマンセルの。」
「あっ!ヤバイ…まだ申請してない!」
「全く困った兄さんだ…それなら私と組もう。丁度私の機体は遠中距離対応型の機体だ。兄さんの近接型で相性も…」
「ちょ、ちょっと待ちなさいよマドカ…さん!一夏と組むのはあたしよ!」
「へ?」
呆ける一夏にプレゼンし始める鈴。
「あたしの機体は近接中距離対応型よ?あんたのフォローを出来るわ!」
「待て鈴!それは聞き捨てなら無い!私も訓練機だが『打鉄』は全領域対応出来る。逆に近接が強い機体は一夏の邪魔になるぞ?それなら射撃に専念できる方が一夏の強みを生かせる。す、即ちわたしが適任ということだ!」
「あんた射撃苦手だったでしょ?」「箒は飛び道具が苦手なはずでは?」
「こ、克服したのだ!ほ、本当だぞ!?」
鈴とマドカにその事を突っ込まれてたじたじになる箒。
一夏のペアを巡ってマドカ、鈴、箒の美少女に囲まれてあーだこうだと激論を繰り広げるのに巻き込まれた一夏は苦笑いを浮かべるしかなかった。
しかしそれは蜂也の方にも飛び火した。
「蜂也さん、わたくしと一緒のペアになって優勝を目指しましょう!わたくしの機体は遠距離型、蜂也さんの近接型との連携もバッチリですわ!」
ここぞとばかりに蜂也の手を取ってアピールしだすセシリアに負けじと簪もアピールしだす。
「それならわたしの機体も蜂也の近接型と相性の良い全領域型…!蜂也くんの後方支援や素早く近接型に切り替えられる…特殊装備の多いオルコットさんの機体よりも相性が良い。」
ハッキリと言いきった簪は先日まで自信の無い受け答えだったが今はハッキリと物言いが出来るようになっておりあのセシリア相手にキッパリと言いきったのに蜂也は驚いた。
「…!」「…!」
セシリアと簪が視線で火花を散らしているときにシャルロットが普段通りの表情を浮かべ食後の紅茶を飲んでいるのが視界に入った二人。
「…随分と余裕そうですわねデュノアさん?」
「デュノアさんは…誰と組むの?」
その態度に不審に思った二人はシャルロットに話しかけるといつもの笑みで答えた。
「え?勿論蜂也とだけど?」
当然の事を聞かないでくれる?と言わんばかりに気圧されるセシリアと簪。
「は、蜂也さんはデュノアさんと組みますの!?」
「蜂也くんは…デュノアさんと組むの!?」
「うおっ!?」
パスタを巻いていた蜂也は突然詰め寄られペペロンチーノの輪切り唐辛子がテーブルに飛び出してしまった。
食べ物を粗末にするとはいだだけない。
「ああ…元々シャルロットと組む予定だったんだ。このタッグマッチも一試合毎にペアの変更とかして異なる機体との相性確認とか連携確認とか必要だと思うんだよな。ってどうしたんだシャルロットとセシリアに簪。そんな顔をするのをやめろ。結構心に来るんだからな?」
「まぁ蜂也だし?」
「むぅ…」
「蜂也くん……。」
「酷くない!?…まぁそもそも俺とシャルロットは同じデュノア社の機体を使ってるからデータ収集の件もあるからな」
「まぁそれはともかくとして蜂也と組むのはわたしだから…ごめんね?」
そういって蜂也の右に座っているシャルロットは得意気に蜂也の腕に絡み付く。
その光景を見たセシリアと簪は羨ましそうにしていたのであった。
◆ ◆ ◆
セシリアは焦っていた。
(デュノアさん…最近スキンシップが激しすぎませんか…!?まるでお付き合いしているかのような距離感…はっ!?ま、まさか…。)
セシリアの脳裏に思い当たる事が有りまくっていた。
同じ企業所属でテストパイロットで入学当初から仲が良く寮の部屋も異性でありながら同室が許されているというそれもフランス政府とデュノア社からの指示という噂であると。
(…////)
更にその疑念が確信に変わったのは先日登校してきた際にシャルロットと蜂也が腰を庇うような動きをしていたことが思い出された。
(ま、まさかデュノアさんと蜂也さんもう既に…AとばしてBを越えて…Cまで!?はう…!!)
脳内には裸で愛し合う蜂也とシャルロットの姿が思い浮かんでしまった。
更衣室のベンチにあまりのショックに座り込んでしまったセシリア。
(蜂也さんのお隣は埋まってしまっていたということだったのですね…ですけど…ですけど!)
悔しがるセシリアだったが蜂也を諦めきれなかった。
(わたくしは蜂也さんに愛されたい…例えそれが不貞な愛だとしても…わたくしは蜂也さんのあの大きな手で撫でられたり触れられたりしたい、抱き締めて欲しい…)
セシリアは決意し、蜂也達の居るアリーナへと足を運ぶのだった。
◆ ◆ ◆
「さてと…シャルロット、じゃあやるか。」
「うん。準備万端だよ。」
第三アリーナにて蜂也とシャルロットのペアがそれぞれ機体を展開し
「そっちの準備は良いか?」
「おう。」
蜂也達の相手は一夏で結果としてペアを組むことになった人物は直ぐ様現れた。
「問題ない。わたしも一夏に次いでの操縦者の実力を測っておきたかったからな。」
紫と黒を主体とした機体色で蝶の様な意匠が彩られたBT計画の姉妹機、《サイレント・ゼフィルス》を身に纏うマドカがペアを組むことになった。
因に、一夏のペアを巡ってじゃんけんで勝負をすることになったのだが結果は瞬殺。
マドカがパーを出して箒と鈴がグーを出して敗北し二人が悔しがったがデートの約束を取り付けてその場は収まった。
互いに武器を構え一夏を鍛えるために様々なシチュエーションでシャルロットが攻撃を仕掛ける。
入学したての頃の一夏ならば対応できずに直ぐ様撃墜されていたであろう攻撃を危なげなく捌いていく。
『このくらいならなんともない!』
『へぇ…そっか。なら増やしても問題ないよねッ!!』
シャルロットは難易度を上げるため
それを見た瞬間に一夏の表情は青くなっていった。
『行くよっ!』
『え、ちょ、まっ…!!うわあああああああっ!!?』
その光景を蜂也と射撃戦をしながら呟くマドカ。
『全く…兄さんは調子に乗るとすぐこうだ…詰めが甘いっ。』
『あいつ腕は良いのに直ぐに舞い上がるからなっ…昔からなのか?』
『ああっ!』
『成る程っ!』
雑談を交えつつその隣の空中で射撃型のスタンスである
蜂也は機体背面のウイングスラスターを一部展開し
ビット数基とSEが削られる。
今までダメージというダメージを受けてこなかったマドカは目の前に居る男が強者だと理解した。
蜂也を称賛する言葉をぶつけた。
『流石だな…これなら束も興味を持つはずだ!』
『そいつはどうも…ってさっきより攻撃激しくなってないか!?』
『興が乗ってきた…女の子の誘いだ…断るなよっ!』
『ごめん被る!』
黒と紫の機体が練習だというのにタッグマッチ本番と同じくらいの気迫を見せていたのだった。
◆
「ぜぇ…ぜぇ…ぜぇ…死ぬ…。」
シャルロットからの扱きから解放されてアリーナの地面に大の字になって転がる一夏。
それを見て蜂也達は笑っていた。
「お前が『いける!』何て言わなきゃシャルロットがおかわりしなかったのに。」
「はは…まぁ織斑くんも随分射撃武器の対応について板についてきたんじゃないかな。」
「そうだと良いんだけど…さっきの訓練の内容、マドカはどう思う?」
蜂也とシャルロットの意見を聞いていた一夏がマドカにも評価を聞いた。
ISを解除して倒れ混む一夏の側へ駆け寄るマドカ。
駆け寄った後一夏の方を見て微笑んだ後酷評した。
「全然ダメだな。攻撃の受け方に無駄が有りすぎる。回避も白式の機動性があれば最少の動きで行けた筈だぞ。」
「うぐっ…」
容赦ない言葉に心を抉られる一夏だったが直ぐ様マドカはフォローした。
「まぁ、企業所属の国家代表候補生相手にここまで粘ったのはまぁ…及第点だな。」
(ツンデレだ…。)(ツンデレだね…。)
そのやり取りを見てマドカの一夏の大好きっぷりが垣間見えてほっこりしていた。
それの視線に感づいたのか頬を紅らめて咳払いをして一夏は苦笑いを浮かべていた。
一方でセシリアと簪は同じペアを組むことになり、最初は蜂也とペアを組めないことで仲違いをするかと思ったがそこまで幼稚ではなく、彼女らは協力してタッグマッチ優勝を目指すために連携の訓練を行っていた…のだが
(蜂也さん…)
訓練中に蜂也のことを考えていたセシリアは上の空であり簪に鋭い声で指摘されるまで攻撃が接近していることに気がついていなかった。
『オルコットさんっ!!』
『へっ…?きゃあああああっ!!』
簪の機体から射出された残り一発の『
当然その光景をちょうど訓練を終えた蜂也達も見ていたわけで真っ先に動いた。
「セシリアっ!大丈…って擦りむいてるじゃないか」
「か、かすり傷ですわ…。」
「女の子が傷物になっちまったら大変だろ?手当てする。」
駆け寄って状態を確認する。
ISの絶対防御が働いているとは言え乗っているのは生身の女の子だ、と蜂也は心配になって声を掛けた。
しかしその声色は心配になる程元気の無い反応だ。
これは不味いと思った蜂也はセシリアを抱き抱えて保健室へ向かうことにする。
「ひゃあっ!?は、蜂也さん?」
「大丈夫か?心配だな…保健室に連れていくよ。手当てしてくる。」
抱き抱えた光景をシャルロットと簪はすごい形相で蜂也を見ていたが苦笑いを浮かべてセシリアを抱えて保健室へと向かうのだった。
◆ ◆ ◆
「救急箱を持ってくる。そこに座っててくれ。」
「は、はい…///」
「顔が紅いけど…やはりどこか痛むのか?」
「い、いえ…その…。」
歯切れの悪いセシリアに怪訝な表情を浮かべながらも保健室の戸棚から救急箱を探すために動き始める。
「しっかし…今日は保健室の先生は不在か…救急箱此処に有るか…?」
救急箱を探している蜂也の後ろ姿をボーッと目で追ってしまっていることに気がついた。
嘗ての大事な人と重ねることはいけない事だと分かっているのだがやめられない。
それに彼は大事なパートナーが隣に居るというのに、その想いを募らせるのは信頼の裏切ることになる。
「…リア?セシリア!」
「は、はいっ!?」
「手当てする。腕を出してくれ。」
「はい…あっ」
「それじゃ…巻くぞ?」
蜂也の冷たい手が包帯を持ちセシリアの柔肌に触れて巻いていく。
(蜂也さんの手冷たくて気持ちがいい…。)
(セシリアの肌モチモチしてて触ってて気持ちいいな…じゃなかった傷が残ったら大変だ、《治癒魔法》を掛けておこう。)
互いに無言であったが包帯が巻き終わる前に静寂を破ったのはセシリアからだった。
「蜂也さんはご自身のご家族の事は愛しておりますか?」
「え?どうした突然。」
「…。」
答えて欲しい、といわんばかりの表情で思わす蜂也は困惑したが回答する。
「まぁ…愛してるんじゃないかな?遠くに居るから会うことも無いんだろうけど…ね(向こうは俺が居なくても気にしたりはしないんだろうな…まぁ、そっちの方が気楽で良いけど。)」
「(遠くに居て会うこともない…?つまりは蜂也さんのご家族は…わたくしと同じ、ですわね。)蜂也さんもですのね…。」
その返答に蜂也は思い出していたことがあった。
セシリアの両親は列車の横転事故に巻き込まれ亡くなった…というのが本編で書き起こされていたということだったがそれは此処では同じなのだろうかと。
それと蜂也はさっきのニュアンスは誤解を与えてしまっていると後悔した。
”向こうの世界”に居るだけで両親ともに健在でありそう簡単に死なないだろう。
蜂也の父親は魔法師の世界では”かなりの有名人”であり世相的に愛人がいることが許され、もとい第二、第三と夫人的なポジションの女性が数多く居て蜂也の下には腹違いの弟や妹が居るのだ。
因に蜂也は第一夫人の子供である。
父親と結婚した蜂也の母親は元々の関係として姉弟であったそうだが弟…つまり蜂也の父が養子の為そのような関係に発展…したらしい。
蜂也の見た目はどちらかといえば母親に似ている。
アホ毛があるのは父親譲りだ。
それはさておいて、その事を訂正するには少し遅かった。
「わたくしもお父様とお母様を愛していましたけれど…もうこの世にはいませんわ…。」
蜂也は予想どうりだと思ったが黙って聞いている。
セシリアは言葉を続ける。
「ISが登場して世界は女尊男卑の世界に逆転してしまいましたが、その中でもお父様は強く賢く男らしい方でお母様もそんなお父様に惹かれていつも仲睦まじいものでした。わたくしもそんなお父様の背中を見て育ってきましたわ。わたくしは大切な二人に囲まれてとっても幸せでした。ですけど…それは長くは続きませんでした。」
「…どうなったんだ?」
「お父様とお母様が一緒になられてから十周年の節目の結婚記念日の旅行で、欧州へ向かう列車へ乗ってしまったが為に…列車の横転事故に巻き込まれて還らぬ人となってしまい…ました。」
「そうか…。」
蜂也はセシリアの両親が死亡している原因を”物語”として知ってはいたが実際に本人の口から語られたことでその印象は大きく変わっていた。
実際に目の前にいる親しい少女が悲しげで辛い表情をしているのは心に来るものがある。
どんな言葉を掛けたらよいのか頭の中で思案しているとセシリアが言葉を紡ぐ。
「それからでした。お父様達が亡くなった後、オルコット家の財産と政治的な利権を巡って親族を名乗るもの達がそれを奪おうと動き始めたのです。下劣な殿方にお父様がお作りになった遺産を奪わせたくない一心で、わたくしは死に物狂いで毎日毎日知識と自らの地位を積み上げていったのです。全てはお父様達の大切な”思い出”を守るために。そのお陰か私は幼くしてオルコット家の家長となりイギリスの国家代表候補生としてBT一号機『ブルー・ティアーズ』を任せられたのです。…ですが私はお父様以外の殿方は全て下劣で卑しい者達だけだと。そう思うようになっていたのです。」
「そうか…セシリアは一人で頑張ってきたんだな。ご両親から受け継いだものを守るために。」
セシリアは頷いた。
「この学園に転入することが決まって女性にしか扱えないISを動かせる殿方が入学してくる、と聞いた際には耳を疑うと同時にその殿方も今までのような下賊な者だと…そう思っておりました。」
「思っていた?」
「はい…入学式のあの時、私が蜂也さんの席へお伺いしたときの事を覚えていらっしゃいますか?」
「ああ。随分綺麗な娘が来たな~って思ったよ。」
蜂也は素直に当時そう思っていたのでそう告げる。
そういうとセシリアは頬を紅潮させて微笑を浮かべた。
「ふふっ…ありがとうございます///お話ししたときに蜂也さんは今までお話しした殿方とは見ている場所が違う、と感じたのです。」
「視点が違う…か(まぁ実感が湧かなくて物語の人物だーって思ってたからな。)」
「お話ししたときのISへの造詣、IS戦闘時のその強さ…それは形は違えども私が憧れていた大好きなお父様の面影と重なってしまったのですわ…それにマドカさん達が転校していらっしゃったときに屋上でわたくしがお作りしたサンドウィッチを召し上がってくださいましたよね?」
「ああ、あれか。美味しかったよ。」
「…実はあのサンドウィッチはお父様に初めてお作りしてお褒めいただいたわたくしの、唯一の得意料理でしたの。」
「そうだったのか…」
「りょ、料理が苦手と言うわけではありませんのよ!?その…味は良いのですが見た目がその…」
もじもじするセシリアを思わず撫でたくなったが自重した。
「それなら…今度ご馳走してくれ。」
「…っ!はい!…こほんっ!それでそのとき蜂也さんが頭を撫でてくださいましたよね?」
「ああ。…あん時は悪かったな。」
女の子の頭を撫でると言う今の時代ならば即刻逮捕でもおかしくない行動だったが
「あのときも申し上げましたけど気になさらないで下さいまし…その嬉しかったですわ…あのとき初めて蜂也さんにサンドウィッチを食べていただいた時とお父様との反応が同じで…思わずわたくしお父様と蜂也さんの面影を重ねてしまいました…申し訳ございませんわ。」
「…いや、セシリアが謝ることじゃないだろ?感傷に浸るのは悪いことじゃない。過去を切り捨てられる人間は居ないんだ。だから気にするなよ。」
謝罪するセシリアに驚く蜂也。
頭を下げるセシリアを起こすとその表情は困惑していた。
「ひ、引きませんの…?」
「別に良いだろ。俺に実害が出てる訳じゃないしな。なんだったら”お父様”って呼んでみるか?なんてな…ってセシリア…セシリア?」
蜂也は冗談で言ったつもりだったのだがセシリアの表情は蕩け紅潮していた。
目が本気だった。
蜂也は思った。「失言した」と
セシリアは保健室のベットから立ち上がり蜂也に抱きついた。
突如として抱きつかれた蜂也は困惑した。
「せ、セシリア?」
「蜂也さんにお父様の面影を重ねているのと同時に異性として貴方をお慕い申し上げております…。」
突如としての告白に驚愕する蜂也であったが直ぐ様脳が切り替わる。
「あの時の微笑みと撫でられた時の暖かさ…もうわたくしは貴方無しでは…生きていけませんわ。」
セシリアからそういわれるのは嬉しいと蜂也は思う。
しかし、既に恋人がいることを伝えなければならない。
「セシリア俺は…むぐっ…!」
彼女がいるんだ、と言うことを伝える前に塞がれた。”セシリアの唇”に。
口が離れ互いの唾液の後が少し付く。
「んちゅ…ちゅぱ…ぷはっ…知って…いますわ…蜂也さんの隣にはもう
「それなら尚の事…」
「わたくしは愛人でも構いませんわ!わたくしは…蜂也さんの優しさに包まれたい、甘えたい…貴方が隣に居ないことを考えたらおかしくなってしまいそうで…。」
その事を告げるセシリアの目蓋には涙が溜まっていた。
蜂也は彼女に悪いと思いつつ《瞳》の力を使い彼女の本心を覗き見ることにした。
偽りの本心では互いに傷つくだけだ。しかしそれが冗談であればどれ程良かっただろうかと蜂也は思った。
”セシリアの心のなかには自分がいる”ことを。
(まじか…セシリア俺のことを本当に…。)
蜂也はセシリアのことを嫌いではない。むしろ好意を抱いている。
しかし、既にシャルロットと言う恋人がいて生涯を尽くして墓にまで一緒に入る決意をしている相手がいるのだ。
そんな半端者が相手ではセシリアが可哀想だと蜂也は思った。
しかし、此処で蜂也は
『それにさっきの話…君がいいなーと思ったらだけど…でもわたしが蜂也の一番だけどね。でも君の初めての彼女として査定はさせて貰うけど。』
(まぁシャルロットがそう言ってるなら…良いんだよな?)
言葉の真意を理解した蜂也はセシリアを抱き締める。
ならば”俺を愛するもの全て受け入れて命を掛けて守り抜こう”
目の前でこんな悲しげな表情をしている女の子を見捨てるほど男を捨ててはいない、と。
(それに…シャルロットのお墨付きだしな。)
一人蜂也は自嘲する。
(ははっ…これも親父の血かぁ…血は争えないってな!俺は俺を慕ってくれる娘を幸せにする。)
蜂也の脳裏には幼少期から親父の周りにいる母親のような姉のような女性達の姿が思い浮かんだ。
覚悟を決める。
「は、蜂也さん…?」
「セシリアが望むなら俺はお前の恋人になる。」
「で、ですけどデュノアさんがいらっしゃるのでは…?」
抱き締めを解除して正面に向き直りセシリアに伝える。
「あ…実はな…シャルロットからそのセシリアだったら一緒に俺と付き合っても良いよ、っていわれてたんだな…これが。」
「ふぇ?…くぅぅ…なんだが凄く徒労だった気がしますわ!…あら?あらあら…蜂也さん?」
ぽかぽかと蜂也の胸を叩くセシリアを抱き締める蜂也。
しかし、セシリアが有ることに気がついた。
「あ、いやこれは…その生理現象で…。」
「は、蜂也さんの大事な部分がその…当たってますわ////」
セシリアのISスーツお腹部分に蜂也の陰茎が固くなって当たっていた。
「えーと…この状態で言うのは非常に格好悪いのですが…セシリアさん?」
「な、なんでしょうか…?」
密着したまま言う台詞でムードもへったくれも無いのだがこれだけは言っておかなければならない。
「セシリア・オルコットさん…俺の恋人になってください。」
「…はいっ!蜂也さん。」
涙を流し花が咲くような満開の笑みをセシリアは浮かべていた。
「それで…そのセシリア…ムードもへったくれもないんだが…その…」
我ながら現金だと頬を掻く蜂也を見てセシリアも頬を赤らめながら自分のお腹に当たっている存在を確認しながら
頷いた。
「はい…わたくしも蜂也さんのが…欲しいですわ…ううっ、はしたない女の子と笑わないで下さいね…?」
恥ずかしがるセシリアと再び抱擁を交わし保健室の間仕切りを閉めてベットの上で重なった。
山田先生をヒロインに追加…?
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して欲しい
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しなくても良い