※この作品はR-18です。

アナル大好きな先生の性的嗜好を受け入れてくれる生徒の話   作:夜の機動戦士

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skeb依頼品です。
pixivにも投稿しているので、そちらでも読めます
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=20674329


<ティーパーティー編①>なかなか手を出してもらえない聖園ミカが、アナル嗜好な先生の期待に応えたくて一生懸命自己開発してくれた話

回復する自己愛

 

 

六月十日

 

 

 朝、家から眠気と一緒にシャーレへ出勤し、デスクカレンダーに付けた印を確認する。今日の日付には、ピンクの小文字でmmと書き入れてある。当番にやってくる予定日を私のカレンダーへ書いていく生徒は少なくない。今日の当番のmm――聖園ミカ――もその一人だ。

 

 彼女を当番に組み込むかどうかは、判断に迷った。

 

 聖園ミカは、エデン条約事変において巨大な過ちを犯した。査問会を経て、権限の全てを剥奪されてなお、いち生徒としての平穏な学園生活など到底許されるはずもなかった。トリニティ存亡に関わる大事件の張本人としての非難と、エコーチャンバーで増幅された学園中の憎しみを、ミカは絶えずぶつけられている。

 

 私が彼女を当番リストに入れて、定期的にトリニティ総合学園の自治区外に出すようにしたのは、そういう理由からだった。彼女なりに見聞を広めてほしくて、D.U.の外での仕事に同伴してもらったこともあった。

 

 騒動が起こって以来、罪の意識と針の筵の中で過ごすミカは、自己愛――自信、自尊心、自己肯定感の全て――が著しく傷ついて自罰的になっている。かといって、彼女を肯定し続けて甘やかすのも、彼女を阻害する。ミカの自己愛は、彼女自身で回復しなければならない。

 

 それを分かっていたのに。

 

 天真爛漫な笑みの底で怯える眼差しを放っておけなかったからか。ナイフで自分の心を傷つけながら甘えてくるのを見ていられなかったからなのか。

 

 いけないこととは知りながら、私は彼女と私的な関係を結んでいた。

 

 

 * * * * *

 

 

「……じ~っ……」

「!?」

 

 突然、左側から声が聞こえて、両膝が跳ねた。

 

「び、びっくりした……」

「あははっ、五分ぐらい隣に座ってたんだけど、本当に気付いてなかったの?」

「うん、ちょっと考え事してて」

「へ~、真っ黒なモニターとにらめっこして、先生は何を考えてたのかな?」

「……今日の仕事、何から手をつけようかな、って」

「……ふーん……」

 

 ミカの目線が、一瞬だけ左下の方へ動いた。

 

 嘘ではないが、本音でもない。ミカにはそれが分かっていたようだが、彼女もそれ以上を問い詰めようとはしなかった。自分で言っておいて、今日のToDoすら作成できていないのがちょっと気まずい。ちょうどそこへ、私へ助け舟を出すように、プリンターからドキュメントが出力されてきた。

 

「ハーブティー、持ってきたんだ。淹れてくるね」

 

 そう言うとミカは椅子を立ち、紙袋を携え、執務室のキッチンへ向かった。

 

 気分屋でワガママな彼女のご機嫌が、今日も一日持ちますように。

 

 私はそう願いながら、モニターの電源を入れ、出てきた書類に目を通した。

 

 

 * * * * *

 

 

 時計の針はもう午後の三時を回っていた。仕事の多い日は、時間が経つのも早い。緊急出動が無いと、なおさらだ。貯まりっぱなしだった業務が、この日は順調に消化されていた。手伝いの合間に学校の課題を進めていたミカからティータイムに誘われて、しばしデスクを外す。

 

 お嬢様学校のトリニティで育ってきた環境ゆえか、ミカはおてんばでも細かな所作が上品だ。椅子にちゃんと座れば背筋のシルエットが綺麗だし、ソーサーにカップを置く時にも食器の音が立たない。特段気を付けている様子もないから、自然とそういう風に振る舞えるよう、マナーが身についているのだ。電話の取次ぎや来客対応など、対外的に人と接する業務は一部の生徒にだけ手伝いを任せているが、ミカもそういった生徒の一人だった。 

 

「ねぇ先生、さっきの子、誰?」

「ノノミ? アビドスの二年生だよ」

「ふーん……そうなんだ……」

 

 生返事っぽい呟きと共に、ミカの目は微かな険を帯びていた。ノノミと話す時に、ちょっと距離が近すぎたかもしれない、と私が内心で振り返ると、ミカは私が一瞬抱いたそんな思考にも、目敏く気が付いた。

 

「あっ、別に怒ってるんじゃないの。な、仲が良さそうだったから……その……」

 

 指先を突き合わせて言い淀むミカだが、言葉の端々に、膨れるヤキモチが見え隠れしていた。思ったことをすぐ口にしてしまう所は、時にいじらしくて可愛いのだけど――

 

「私って、こういう所、めんどくさいよね? 悪い子でごめんね……?」

 

 自分のネガティブな所を見つけると、すぐこうだ。「そんなこと無いよ」と言ってほしい気持ちもあるのだろうが、それでは甘やかすだけになってしまう。

 

「確かにめんどくさいけど、そういう所も可愛げだよ」

「……っ……! もう……!」

 

 一瞬目を大きく見開いてから、ミカは苦笑いした。面倒な所を褒められるとは思っていなかったらしい。ヘソを曲げなかったことに、私は密かに胸を撫でおろした。

 

「ごめんね、先生。あんなに近くで喋ってるのが羨ましくて、妬いちゃったの」

 

 

 だから、私はもっと近くに行くね。

 

 

 そう続けるかのように、ミカは私のすぐ左隣まで椅子を動かしてきた。すぐ隣、それこそ肩が触れ合うぐらい近くに。ティータイムを楽しむには不自然な位置関係だ。ミカは分かってそうしている。

 

 多くの人間は心臓が左にあり、左側からの接近は無意識に警戒する傾向にあるそうだ。だがその警戒心は、恋愛感情が混ざれば、心の昂りを促進するらしい。それをミカが知っているかどうかは分からないが、彼女が擦り寄ってくる時は大抵左側からだった。

 

「……二人きりだね、先生」

 

 右肩を抱かれた。ミカの両手はソーサーとカップに添えられているのに、だ。皮膚よりもさらさらツヤツヤした、羽の感触がする。腰から生えた清らかな白い翼が、アクセサリをチャリチャリ鳴らしながら、私の肩にじゃれついてきたのだ。そのままハグを催促するように翼で抱き寄せられて、剥き出しの二の腕からほのかな体温が伝わってきた。銀河を思わせるミカのヘイローが、赤らむ頬に合わせてゆっくりと回った。

 

 キヴォトスの生徒はみんな天使の光輪(ヘイロー)を頭上に浮かべているけれど、翼を生やしたトリニティの生徒はとりわけ、宗教画に出てくる天使を思い起こさせる。ミカもそうだ。右の側頭部にシニヨンを作った髪こそ淡いピンクだが、神聖さすら漂わせる白いケープに、金糸で刺繍の入ったワンピースの制服も、すらっと伸びた脚のタイツも、また白い。白とミカは、私の脳内で一組になっている。

 

「……キスしていい? いいよね……?」

 

 ミカが私を見上げた。キラキラ輝く黄金(こがね)色の瞳が、じいっと私を覗き込み、内心の襞にフックを引っかけて、甘く食い込む。ミカはそのままゆっくりと顔を近づけてきて、カモミールティーの香りがする唇をそっと押し付けてきた。

 

 ミカはすぐに顔を離し、長い髪を手繰り寄せ、鼻の下を隠した。

 

「……しちゃった……♡」

 

 ミカは、ぽっと頬を染め、照れ笑いを浮かべた。もう何度かしているのに、ミカがキスの後に見せる顔はいつも初々しくて、その恥じらいが愛おしくなる。

 

 正式に付き合い始めてしばらく経つ。スキンシップはキス止まり。だが、ミカはここまででも十分に乙女心を満足させているように思えた。

 

 ミカは可愛い。一人の女性として魅力的だ。いつも楽しそうに笑い、無邪気な姿を見せてくれる。お嬢様育ちでちょっぴりウブな所も、男心をくすぐるものがある。

 

 そんなミカから、丸々と膨らんだ柔らかそうなバストや、タイツの下に生肌を隠すふくらはぎの艶めかしさ、体操着の時に見せたやや厚めな太腿をアピールされたら、どうやってやり過ごそうか――。もっとも、私のある特殊な事情がある限り、ミカにボーダーラインを跨がせるつもりはなかった。

 

 ところが――

 

「ねぇ、先生……」

 

 ミカは私の左腕を掴み、ふわっとした膨らみを大胆にも押し付けてきた。どき、どき、と伝わってくる振動は、どちらの心臓のものだっただろうか。

 

「キスより先も……私、いいよ?」

 

 二の腕で、ふっくらしたものが潰れる。

 腕を包めそうなぐらい、大きかった。

 

「ま、待って、ミカ」

 

 それ以上はよくないよ。

 私はできるだけ優しくそう言って、ミカの両肩に手を置いた。

 

「……ご、ごめんね、先生。私、またやっちゃったかな……?」

 

 ミカのあどけない表情が、失意に歪んだ。

 きっとその矛先は、また自身に向いてしまう。

 

 ――謝らなきゃいけないのは、こっちなんだけどな……。

 

 そう思っていても、私はミカにきちんと伝えることができなかった。

 

 

 * * * * *

 

 

七月三日

 

 ミカのアプローチは、シャーレへやってくるごとに積極的になっていった。他に誰かがいる時や、気配がある時はそれまでと特に変わらないが、二人きりになるとパーソナルスペースの内側へ入り込んでくることが多くなった。

 

 椅子に座る私の肩に乗るのは、彼女の手ではなく、女性特有のずしっと重たい塊になった。私の首筋に顔をうずめ、甘い香りのする髪で顎先をくすぐってきたり、ソファーに座る私の膝の上に、弾力豊かなお尻を乗せてきたり――とにかく、ミカは女の武器を容赦なく突き付けてくる。

 

 ミカがやんちゃする度に私はやんわりと注意して、先生と生徒の距離感を保つように諭してきたのだが、私の理性はミカに会う度にガリガリと削られていった。「ダメだよ」と告げた時に彼女の瞳で揺れる遠慮と怯えに、罪悪感も腹の中で膨れる一方だ。

 

 だから、限界が訪れるのは時間の問題だったのかもしれない。

 

 ある日、当番の仕事を終えたミカが帰った後、私の理性はとうとう耐えかねてしまった。込み上げた劣情を家まで持ち帰ることすら我慢できず、私は誰もいなくなった執務室で、自慰を始めてしまった。

 

 目を閉じてオカズにするのは、椅子にされた時に触れた、お尻と太腿の感触だ。

 

 スカート越しに感じた臀部の肉は瑞々しくて弾力豊かだった。厚みのある尻たぶの内側には、ひっそりと息づく可愛らしい窄まりがあるはずだ。きっと、トリニティ自治区で育ったお嬢様は、肛門に性的な欲求を抱く人間なんてこの世に存在するとは思いもしないだろう。純潔の象徴たる白い制服を纏い、シミ汚れもない純白の翼を備えるミカを妄想で汚して台無しにする背徳に、背筋がゾクゾクと震えた。

 

 私の抱く性的嗜好――彼女が受け入れてくれるはずがない。頭の中で虚しい結末を迎える穢れた空想も、救いがたいことに、射精の快感を高めるスパイスになっていた。

 

「……ハァ……」

 

 ティッシュに吐き捨てた劣情を、二重、三重に丸める。変な臭いを残さないよう、レジ袋のゴミと一緒にまとめた瞬間――

 

 

 どさっ――

 

 

 ミカが、デスクの向こうに立っていた。足元には、トリニティのスクールバッグが横倒しに落とされている。

 

「ご、ごめんなさい、先生……。私、忘れ物取りに来ただけ、だったんだけど……あは、あはは……」

 

 ミカは慌てて目を逸らしたが、そうするまで彼女の視線は私の下腹部に注がれていた。

 

 どう言い訳すればいい?

 言い訳なんてしようもない。

 

 ズボンを直しながら考えたが、手遅れだ。

 

「ミカ、これは――」

「私が悪いんだよね……」

 

 声が震えていた。

 

「私、先生のカノジョなのに……私に魅力がないから、先生、一人でシちゃってるんだよね……私が不良だから、私が悪い子だから……っ!」

 

 ミカはそう言って、わっと泣き出してしまった。ぽろぽろと涙をこぼし、幼い子どもみたいに顔を歪め、掌の付け根で乱暴に目元を拭っているが、指の隙間をすり抜けてぽたりと滴が床に落ちる。

 

 殴られるかもしれない。

 

 伝聞だが、建物の壁を素手で破壊できるだけの腕力が、ミカには備わっているらしい。そんな力で殴打されれば私などひとたまりもないが、むしろそうされたいとすら思った。

 

 我慢できなかった私が悪い。

 せめて、ミカには正直でありたかった。

 

「……ミカ」

 

 うずくまったまま泣きじゃくるミカに呼びかける。掴みかかられるのも覚悟したが、思いの外、彼女は大人しかった。怒りよりも、ショックの方が大きいのだろうか。

 

「少し話せる?」

「……別れ話……?」

「違うよ。……ごめんね、ミカに嫌われるのが怖くて、話せていなかったことがあるんだ」

嫌われるのが(・・・・・・)怖くて(・・・)……」

 

 嗚咽が、少しずつ治まっていった。

 

「分かった……聞かせて、先生……」

 

 すん、と鼻を鳴らして、ミカは私を見上げた。琥珀色の瞳が濡れている。頬は涙でびしゃびしゃになっていて、鼻水まで垂らしている。可愛い顔が台無しだった。ティッシュで顔の水気を拭きとってあげながら、私はミカをソファーまで連れて行った。

 

 

 私は、洗いざらいを話した。

 

 自分が女性の肛門に並々ならぬ執着心を抱く、一般的とは言い難い性的嗜好を持つことを打ち明けた。ミカに対しても劣情を催しており、大胆なアプローチに気が気でなかったことも、正直に話した。最初こそ面食らって、おぞましいものを見たような目つきをしていたけれど、次第に落ち着きを取り戻して、ミカは私の話を聞いてくれた。

 

「……というわけだ」

「そうだったんだ。ちょっとびっくりしたけど――嬉しいな」

 

 ミカは目を細めて、にっこりと微笑んだ。

 

「先生が自分のことをこんなに話してくれたの、初めてじゃない?」

「そうかも……しれないね。嫌いになったりしない?」

「ううん。先生を嫌いになんてならないよ」

 

 隣り合って座っていたミカが、私に向き直った。そのまま、腕と翼を目いっぱいに広げて、私に飛びついてくる。

 

「……そんな先生も好き……♡」

 

 ぎゅう、ときつく抱き締められた。首に腕が回されて、翼が背中を包んでくれる。胸板に押し付けられた乳房がむにゅっと柔らかく潰れ、石鹸の匂いが立ち上る。ミカの体温と柔らかさが、シャツ越しであっても私の肌に染みこんでいくみたいだった。

 

「先生、いいよ。その……おっ、お尻で、しても……」

 

 腕の中から、ミカが見上げてきた。

 

「気持ちは嬉しいけど、焦らなくていいよ」

「ど、どうして?」

「いきなりしたら、ミカの体が傷ついちゃうから」

 

 それから私は、不安げに瞳を揺らすミカにもう少し詳しく話した。肛門は本来、排泄にしか使わない一方通行のデリケートな器官であり、事に及ぶ前に準備も必要だ。それに、ゆっくり時間をかけて拡張しなければ括約筋が裂けてしまう。

 

 痛くて苦しい体験にはしたくない、と話す私の言葉を、ミカは大人しく聞いてくれていた。

 

「それに、今日はもう、ミカの門限も近いから」

「門限は別に……うん、そうだね……破ったらダメだよね」

「だからミカ、今日は――」

 

 壁の時計によれば、あと三十分以内にここを出ないと、トリニティの寮の門限に間に合わなくなってしまう。名残惜しそうにミカが立ち上がろうとしたが、私は彼女を呼び止めた。

 

 ほんの十分程度でもいい。

 今すぐミカに触れたかった。

 

「今日は、宿題を出すからね」

「宿題?」

「そうだよ。まずは『触られるのが気持ちいい』って、ミカの体に覚え込ませるんだ」

「な……なんだか、えっちだね……本当に、えっちなことしちゃうんだ……」

 

 ミカはたちまち赤くなってしまった。私が求めていた反応だった。寮の屋根裏部屋に朝まで閉じ込められたあの夜にも、ミカは何かを期待する素振りを見せていたが、「本当にそこまでするはずはない」という甘えがあったのかもしれない。

 

 セックスについては多少なり知識があるかもしれないが、お尻の穴でのプレイがあると聞いたのは、きっと今日が初めてだろう。まっさらなミカを、私が染め上げられるのだ。その愉悦を予感して、血液が茹だる心地だった。

 

「途中まで、少しだけしようか。雰囲気だけでも」

 

 私から肩を抱き寄せると、ミカは一瞬目を泳がせて――こくんと頷いた。スマートフォンを操作して入口にロックをかけると、「ドキドキする……」と小さく呟く声がした。ベッドの上に行く時間ももったいなくて、唇を重ねる。私の方からそうするのは珍しいからか、ガサガサと翼がソファーに擦れる音がした。

 

「……ン……!」

 

 湿った花の蕾を舌で割り開く。ミカは小さく体を震わせながら、こちらに応じてくれた。戸惑いながらも、私の舌に応えようと舌びらを差し出して、絡めてくれる。禁を破って味わう果実の味わいは背徳的で、後戻りできない快感に、脳髄が焼けていく。

 

「……何これ、すご……♡」

 

 軽くじゃれつく程度のソフトなディープキスに小休止を挟む。唇が離れると、驚き半分、恍惚半分といった具合に、ミカは瞳を潤ませた。ほのかに甘い唾液。もっと欲しくなった――と思ったのは、彼女も同じだったようだ。今度はミカの方から仕掛けてきた。

 

 "ちゅ、ちゅばっ……るりゅっ……にち……っ"

 

 拙い舌遣いを迎え入れてあげると、ミカは私の口内を漁ろうとした。歯茎の裏や口蓋まで舐め回し、息継ぎをしながら、吐息まで飲み込んでいく。もったり重く、蜜のように甘くなっていく彼女の唾液を飲み下していると、ついさっき処理を済ませたペニスが、スラックスの中でガチガチに硬くなっていく。

 

「……っ……」

 

「私に魅力がないから」なんて自虐を打ち砕いてやるつもりで、ミカのお腹に、ソレを押し当てた。びくっと細い胴体が震えて、唇が離れた。銀色の橋がぷつんと切れたのを合図に、ミカは見る間に頬の紅色を濃くしていく。

 

「……わ~お……♡」

 

 視線を下ろして、「接点」をまじまじと見つめている。お腹をくいくい押し付けて硬さを噛み締めると、ミカは私を見上げた。何かを言おうとして口をぱくつかせ、二の句を探している。キスの余韻を味わうようにぺろりと唇を舐めると、首に回っていた手が、胸板を下ってきた。下腹部を擦りつけて、ミカは目を白黒させていた。

 

「これ、先生のおちんちん……?」

「……うん。ミカに興奮して、こんなになってるんだよ」

「こんな、杭みたいに太いの、本当に……お、お尻に、入れちゃうの……?」

「いきなりは無理だよ。だから、ゆっくり時間をかけて、慣らそうね」

「う……うん……♡」

 

 ホッと吐かれた息に含まれるのは、安堵だろうか。夜空の星を散りばめたように、瞳が煌めき始めた。広がった瞳孔が、関心の強さを示しているみたいだった。

 

「あのさ、おっ、お、おちんちん……触ってもいい?」

「今日は触るまでだよ」

「い、いいんだ……♡」

 

 手をベルトに導いてあげると、微かに震える手で、ミカはカチャカチャとバックルを外した。ファスナーを引き下げる手つきがぎこちない。内側から膨れてきた陰茎に手が当たり、「ごくっ」と唾を呑みこむのが聞こえた。恐怖より好奇心が勝っているのか、少しの躊躇の後に、下着の中まですべすべした手が入り込んでくる。ずるん、と外に曝け出された赤黒い槍が頭を振り回し、下からミカを睨みつけた。

 

「わ、わ、わ、すご……♡」

 

 興味津々な視線を浴びて、怒張が背伸びした。指先でちょんと竿をつつき、ミカは新鮮な驚きに半笑いになりながら、竿をそっと握ってきた。指先を絡めて、硬さや太さを学んでいる。そんな彼女を導きながら、私はスカート越しのお尻を鷲掴みにして、ハリのあるお肉を揉みしだいていた。

 

「やっぱり、お尻から触るんだ。おっぱいじゃないんだね」

「胸も触るよ。でも、手は二つしかないから」

「あはっ、何それ……やん♡ 触り方、やらしい……♡」

 

 くすっと笑ったミカは、私のイチモツを握ったままだ。だが、男性器の構造上、上下にしか動かせないことが分かると、優しく握ったまま、おずおずと扱き始めた。

 

「ちょっとだけだからね」

 

 ミカの興味を満たしてあげながら、私は彼女の滑らかな体を撫で回す。股や胴を掌が通り過ぎると、くすぐったがる猫みたいにミカはもぞもぞ体を捩った。どこを触っても彼女はしっとりした息を漏らしていたが、手に余るサイズの乳房をぐっと持ち上げて指を沈めると、

 

「先生って、こんなにえっちなんだ……♡」

 

 と、からかうように笑ってみせた。

 

 残念ながら、タイムリミットはあっという間に迫ってしまい、射精することもなく、ペッティングは終わりにせざるを得なくなった。さしずめ、体験版のゲームだ。とはいえ、体つきを触覚で少し学び合っただけで、お互い途方もなく火照っていた。ミカは首筋までピンクに染まるほどに肌を上気させて、ソファーから立ち上がった後も、もじもじと内股になっていた。

 

「ミカ。モモトークに宿題を送るから、次の当番の日までに目を通しておくんだよ」

「……エッチな宿題?」

「そうだよ」

「うぅ……わ、わかった……♡ ちゃんとやるね……♡」

 

 スカートの内側で、太腿が摺り合わされていた。

 

「あのね、先生。恥ずかしいけど、言っちゃうね。今すっごい全身がカーッと熱くて、多分、帰ったらすぐ……オナニー……しちゃうと思う。先生のこと、オカズにして……。いけない子だけど、許してね……」

 

 さすがに股に手を添えるのは憚られるのだろう。ミカの手は臍の辺りを撫で回していた。ボディタッチだけでミカがそれほど昂っている。恥ずかしがりつつも過激な単語を口にしてしまうほどに。

 

 愛らしい唇から紡がれた淫らな宣言に、勃起の治まらないままスラックスに押し込んだペニスが暴れ出す。だがムラムラをその場で発散することは許されない生殺しのまま、執務室を後にするミカの背中を見送った。

 

 

 * * * * *

七月十日

 

「うぅ……そんなにまじまじ見ないでよ~……」

 

 終業後の、居住区の一室。ミカはベッドの上で四つん這いになり、股を広げていた。私の言いつけ通り、腸内洗浄をしっかり行い、本人曰く、下の毛も綺麗に処理してきたらしい。

 

 私の目の前には、皺の寄り集まった、微かにくすんだ窄まりがある。尻たぶを割り開いてみると、粘膜のピンク色が花咲くように広がっていく。

 

「ミカは、お尻の穴まで可愛いね」

「可愛さを褒めるなら顔にして~~!」

 

 むず痒そうに翼が揺れて、飾りが澄んだ音を立てる。ぷるぷる小刻みに体を震わせるミカの足元に、ローションボトルの蓋を落とした。冷たくならないように掌で温めてから、指先に粘液をまとわりつかせる。

 

「自分で触ってみた?」

「……ちょっとだけ。でも、怖くて……」

「そうだよね。じゃあ今日は、リラックスできるようにする所まで、頑張ろうね」

「うん――ひゃあんっ!」

 

 人差し指の先端を窄まりの中心に当てると、ミカの腰が跳ねた。

 

「ここを触るのは気持ちいいことなんだって、体に覚えてもらおうね」

「く、くすぐったいよぉ……」

 

 円を描くように、皺の外側をなぞる。潤滑液を塗り広げて、会陰を指で押してあげると、少しずつミカの体から力が抜けていく。もっとほぐしてあげるつもりで、腋下のスリーブから手を捩じ込み、もっちり柔らかい乳房を捏ねる。

 

 

 "きゅ……くりっ、くにゅ……"

 

 

「ん♡ んっ♡ うン……♡」

 

 掌に当たって膨らみだす乳首をそっと摘まんであげると、ミカは甘い声を漏らした。

 

「自分でする時は、こっちも弄るの?」

「うっ、うん……その、左の方がね……あ、あ、あっ♡」

 

 自己開発の済んだ乳首への刺激に反応しているのは明らかだが、どさくさに紛れて肛門もくすぐっていく。こうやって、体に走る快感がアナルへの愛撫と紐づけされるように、刷り込んでいくのだ。

 

「うぅ~……おしり、こそばゆい……」

 

 肛門へ走る違和感をまだ快楽としては認識できておらず、ミカはもぞもぞと身を捩らせている。しかし、きゅっきゅっと収縮する肛門は、緊張の解けていく肢体と同様に、少しずつ柔らかくなってきていた。

 

「ミカ、見てごらん」

 

 何の変哲もない、ドラッグストアに売っているような黒綿棒のケースを、ミカの鼻先に差し出した。

 

「まずはこれ。この細さなら怖くないでしょ?」

 

 ローションをまぶして滑りをよくする所も見せてあげると、ミカは目を伏せて、既に紅潮した頬をますます赤らめた。

 

「私、先生の色に染められちゃうんだね……♡」

 

 ゆっくり瞬きしながら、ミカが私を見つめた。

 

「やっぱり、抵抗がある?」

「無いことはないけど、ドキドキして――あっ♡ あ、あ、それ、きもちい……♡ もっとして……♡」

 

 

 "きゅうっ♡ くにっ♡ こりこりこりっ♡"

 

 

 葡萄の粒サイズの乳首をくりくり捏ねて弄ぶと、無邪気な目つきがとろんと淫らな湿り気を帯びていく。ミカは快感に従順なタイプみたいだ。気持ちよさそうにぴくぴく目蓋を震わせて、吐息に混じって湿った声をあげる。これなら、心理的な抵抗も緩んでいそうだった。

 

 

 "すぷ……っ"

 

 

「……っひ……♡」

 

 驚くほどすんなりと、綿棒が菊門へ吸い込まれた。埋没してしまわないよう、先端部だけに留めて、ゆっくりと綿棒を回す。

 

「ミカ、分かる? 入ってるよ」

「ううっ、う……何、これぇ……♡」

 

 くちゅっ……くちゅっ……と、緩慢な水音が微かに聞こえる。ローションと愛液が混ざりあっている。サーモンピンクの裂け目は、粘膜をテカテカさせるほどに濡れそぼっていた。きっと、オナニーする時はこっちを使っているのだろう。膣穴はひくひく震えて、塞いで欲しそうに媚を売っている。私がもし、後ろの穴に偏執する変わり者でなければ、今頃ミカを組み敷いて剛直を突き入れ、ベッドを軋ませていることだろう。

 

「……っ……♡ ん、ぅ……♡」

 

 肛門に異物を出し入れされる感触に、ミカはぷるぷると震えている。

 

「もう一本入れても、大丈夫そうだね」

「ど……どこまでするの……?」

「私の指が入るまで、かな」

「先生の指……♡ うん、がんばる……♡」

 

 それから、追加の綿棒を挿入しては括約筋を内側から撫で回し、そっと出し入れして――二本、三本、四本、とミカの肛門は少しずつ異物を許していった。五本目まで入れる頃には、吐息が浅く上擦ったものになっていた。雑な傘立てみたいになった綿棒を指で束ね、ゆっくりと回転させる。今これぐらい広がっているんだよ、この広がり方を覚えるんだよ、とミカの体に刻み込む。

 

「う……あぁ……♡」

 

 腸壁を押し広げるように掻き混ぜていると、ミカは苦しそうな声を漏らす。だが、感度の高い左乳首を愛でられると、苦悶の声は快感に蕩けていく。

 

「思ってたよりいい感じだよ、ミカ。……ちょっと、指も試してみようか」

 

 

 "……つぽんっ♡"

 

 

「はあぁんっ♡」

 

 綿棒の束を滑りに任せて引き抜くと、悩ましい声があがり、ミカの腰が跳ねた。充血したヴァギナから、とろりと愛液が垂れて、シーツに染みを作る。

 

「今……ぬっ、抜ける時……」

「気持ちよかった?」

「ちょっと、だけ……♡」

「お尻の穴から何かが抜ける感覚は、赤ん坊の頃から快感だと認識されているんだ。ミカは、それが分かってきたんだね」

 

 もちもちの乳房を揉んでいた左手で、枕に顔を埋めるミカを撫でた。目を細めて喜びはしたものの、肛門を弄られながらそうされるのも、少々複雑なようだ。

 

 ローション塗れの右手で、アナルの周りにマッサージを施す。皺を伸ばすようにほぐし、中心部目掛けてぐっぐっと軽く押して、お尻の穴に準備を整えさせる。

 

「う、ううっ♡ 先生の指、あったかい……♡」

「触ってるのが分かる? ほら、今からここに入れるからね」

 

 

 "ちょん、ちょん"

 "つん、つん、つんっ"

 

 

「っひ……♡ ん、にゃ……ぁ♡」

 

 ぷるぷると尻肉が揺れる。もう私は乳首を責めていないのに、ミカは菊門をタッチされるだけで声を漏らしている。ミカは言葉にしていないが、シーツの染みは広がるばかりで、私が肛門の皺を指先でカリカリしている間にも、ぽたり、ぽたりと裂け目から果汁がこぼれている。このアブノーマルな状況に、かなり興奮しているのだろう。「どうしてこっちには何もしてくれないの」と涙をこぼして抗議されているみたいだ。

 

 

 ――小指じゃなくても、大丈夫かな……?

 

 

 力を抜くように伝え、窄みの中心へ、人差し指をゆっくりと沈めていく。

 

 

 "ちゅ……つぷ……"

 

 

「ひあ……♡ あ……っ、っ……♡」

 

 ミカのお尻が、私の指を受け入れてくれた。私の願望が満たされていく。括約筋からぎゅうっと強く締め付けられた瞬間、何もしていないのにペニスが爆発しそうになってしまった。

 

「入ったよ、ミカ。熱くて柔らかくて、キツキツだよ」

「あうぅ……♡ そんなこと、言わないで、恥ずかしい……♡」

 

 恥じらう顔を隠すように、白い翼がパタパタはためいている。ミカはうつ伏せのまま枕に顔を突っ込んでしまったが、彼女の菊門は指をしゃぶるように吸い付いてくる。引き抜こうとすると、秘門を閉じる筋肉の環がモコッと隆起して、後ろの穴の肉壺がいかに狭いのかが浮き彫りになる。この肉穴に己の劣情棒を突き入れ、ミカの腹の中を精汁で汚す背徳感を思うと、ズボンが千切れそうだ。

 

 

 "つぽ……つぽ……♡"

 

 

「ンっ♡ もご……おン~~~~っ♡」

 

 恥ずかしさと快感に、ミカが枕に向かってくぐもった叫びをあげる。ゆっくり、じっくり、指先を前後させる。腸壁の柔らかさと温かさ。ヌルヌルの粘膜。そして、奥へ長く続く圧迫感。ミカも、こんな所を虐められて、不快感よりも快感を覚えているようだ。私に負けず劣らずの変態なのかもしれない。

 

「フ~ッ♡ フーーーッ♡」

 

 

 "ピピピピッ ピピピピッ"

 

 

「……!」

 

 アラームの音。ミカの門限が近づいていた。

 

 いい所だったのに。

 だが今日の目的は既に果たされた。

 

 欲求がエスカレートしてミカを傷つけないためだと思い、ブレーキに従う。そっと指を引き抜いた。指先と肛門の間には粘液の糸が伸び、やがてたわんでぷつりと切れた。その光景に生唾を飲み込みつつ、ミカに支度を整えるよう促す。

 

「宿題」に使うよう、細いアナルディルドとローションのボトルを手渡すと、ミカはまだ火照りを残したままの頬を色濃く染めて、鞄の奥にそっとそれをしまった。

 

「ねぇ先生。あと五分ぐらいなら、いいよね?」

「余裕を見て時間を設定してあるから大丈夫だけど……物足りなかった?」

「違うよ~! 私じゃなくて、そのぉ……」

 

 好奇の目が、不自然な盛り上がりに注がれた。

 

 お口でしてあげる。

 

 そう言わんばかりに、ぺろりと舌が誘う。

 

「い……いいの?」

「一応やり方は勉強したから、実践も必要、っていうか……」

「……五分か……」

「時間、足りない?」

「いや、三分持たないかも……」

「あはっ♡ じゃあ早くしよっ♡」

 

 いそいそとベルトを抜き取り、我慢汁まみれの剛直がミカの目の前で首を振る。二度目の対面を果たし、ミカは恥じらって目をぱちくりさせていたが、すぐ上目遣いになって、にやーっと口元を緩めた。

 

「……わ~お♡ ドロドロだぁ……♡」

 

 そして、髪をかきあげて、ミカはグロテスクな亀頭へ舌を伸ばす――

 

 

 "ちゅぷっ……♡"

 

 

 それから私は、一分三十秒しか持たなかった。

 

 

 * * * * *

 

 

七月二十一日

 

 ここの所、夜十時半になると、ミカから定時連絡が入るようになっていた。「十分後に消すね!」というモモトークの直後に、画像が送られてくる。それは、ミカが当番の仕事でシャーレを訪れるまでほぼ毎日行われる「宿題」の報告だった。

 

 自らお尻の穴に指を突き入れた所。

 二本の指に粘液の橋がかかった所。

 花弁の中心に突き刺さるバイブ。

 指で広げた肛門粘膜の色。

 何度も絶頂した後のトロ顔。

 

 そういった、私の深い所に突き刺さる一枚が、ほんの数分だけモモトークに現れる。ミカから提供される極上のオカズを、私は一も二もなく画像フォルダに保存し、自宅のパソコンへすぐさま転送する。

 

 時たま「今日はお休み!」という一言で終わっていたこともあるのだが、ミカは、ある意味ひたむきに、私の課した宿題――肛門開発――をこなしていた。初めの内は前の穴でするオナニーのついでだったそうだが、自分の指が入るようになってからは、アナニーの方に熱が入るようになった、とか。

 

 昨晩送られてきたのは、樹脂製の球が連なった紫色のアナルパールを挿入するショートムービーだった。自分で購入したのだろうか。パール先端の粒は大豆のように小さく、根元の玉は直径2,3センチぐらいはありそうだった。それを、込み上げる声を健気に堪えながら、ミカがゆっくりと押し込んでいくのだ。

 

『真ん中までは、入るようになったよ……』

 

 潜めた声で、画面越しのミカが私に報告する。その後は、声を殺して球を出したり入れたりして、肛門快楽に太腿を震わせるあられもない姿が数秒映って、それで動画は終わっていた。私は動画を反芻して、その夜もミカの痴態を享受した。

 

 

 今日はミカが当番で来ており、他の生徒達が先にシャーレを退出しても、彼女は最後まで残っていた。その理由なんて分かり切っている。

 

 ミカが、宿題を提出する(・・・・・・・)ためだ。

 私が、課題の出来(・・・・・)を確かめるためだ。

 

 そして、あわよくば。

 

 煮えたぎった肉欲を彼女に浄化させたい。

 

「……もう、残ってるのは私だけ?」

 

 忙しなく歩き回り、念入りに執務室に繋がる部屋も調べながら、ミカが言った。

 

 時刻は午後六時半。夏のこの時間はまだ明るい。だが、ミカの暮らす寮は、夏場の門限は九時半だ。古びた寮は、D.U.からやや遠いトリニティ自治区の奥まった所にある。外泊申請や門限遅れの届け出も、ミカには許されていない。日中彼女の身柄を預かる立場として、門限破りをさせるわけにはいかないのだ。

 

 時間がない。それは私もミカも、よく分かっている。だから、甘い雰囲気を作ってからしっとり雪崩れ込もう、なんていう余裕も、無いわけで……。

 

「先生、しゅ……宿題、ちゃんとやってきたから、見て……?」

 

 いつもの張りのある声ではなく、遠慮がちで、恥じらった調子で、ミカが歩み寄ってくる。膝同士がくっつき、内股になっていた。ムードもへったくれもなくいきなり誘うのは、思い付きで場の空気を読まないミカとはいえ、気まずかったみたいだ。

 

 宿題の点検。すなわち、アナルの開発進捗の報告だ。同時に、次回に向けての課題を与える機会でもあるし、許される限りお互いの服の下を味わい合う時間でもある。

 

「あの、さっき綺麗にしてきた(・・・・・・・)から、今すぐでも、いいよ?」

「うん……じゃあ、おいで」

 

 執務室にロックをかけ、奥の仮眠スペースへミカを招く。緊張なのか期待なのか、ミカの翼は縮こまっていて、ぷりんとしたお尻も、ソワソワしていた。ほんの数メートル一緒に歩く内に臀部の肉を強めに揉んであげたら、尻穴のヒクつきが指紋を伝ってきたような気がした。

 

 

 * * * * *

 

 

 "つぷ♡ つぷっ♡ つぷっ♡ つぷっ♡"

 

「あ……あっ♡ は、ぁ……♡ んぁ、あっ、あは、ぁ……♡」

 

 お互い何も隠すものが無い裸になり、横向きに寝転んで向かい合う。少しローションを馴染ませてやっただけで、ミカの括約筋は柔軟に広がり、美味しそうに私の指を頬張っていた。指を曲げたり、関節の出っ張りを食い込ませるように細かく出し入れしてやると、艶めかしい吐息と共に、肉環がきゅうっと締まる。課題の提出状況から、指ぐらいならスムーズに出し入れできるのは、容易に予想がついたことだった。だけど、予想以上にミカの肉穴は具合が良さそうで、喉が鳴ってしまう。

 

「苦しくない?」

「うん……♡」

「素晴らしいね。よく頑張ったね」

「ん……頑張ったよ……♡ だから、いっぱい、可愛がって……♡」

 

 ミカのお尻を揉みながら、排泄孔をほじくる。熱心に耕された畑に、私は感嘆の溜息を吐いた。

 

「ねぇ、先生……お尻だけでも、気持ちいいんだけど……」

 

 こっちも……と、上目遣いになって、ミカは鏡餅よろしく積み上がった豊乳を揺らした。本当は股座に手を突っ込んで女性器を弄りたいのかもしれないが、私がそちらにあまり興味を持っていないのを、既に分かっているようだ。ミカの望み通りに、空いた左手を滑り込ませて、手にやや余る右乳を鷲掴みにする。

 

「左は、自分でするから――んッ♡ あ、お尻といっしょにするの、すご……♡」

 

 ミカは、左手の人差し指を自らの乳首に重ねて、円を描くように捏ねている。お代わりを差し出すように、私は彼女の右乳首を責めた。利き手の関係で自分ではあまり触らないらしいそこを軽く摘まんだだけで、ぎゅっと目を閉じてミカは感じ入った。

 

「み……右も、感じるぅ……♡」

 

 

 "ちゅぷ♡ ちゅこっ♡ ちゅこ、ちゅこ♡"

 

 "くに……こりっ♡ きゅっっ♡"

 

 

「は……あ、あぁ~~~~っ♡」

 

 かりかりかり、と、チクニーにふける左手が速くなっていく。アナルに挿入した中指のグラインドを大きくしていくと、ミカはくねくねと腰を振り、悩ましい声を震わせる。親指で乳首を押し込んでぐりぐり押し潰すと、今度は背中を反らして悲鳴をあげる。目まぐるしい彼女の反応に心の疼きを癒してもらいながら、開発の進んだ括約筋を更にほぐしていく。

 

 

 "づぷ♡ ぬこっぬこっぬこっぬこっ♡"

 

 

「あ♡ あっ、まって♡ 速っ、あっあっあっあっあっ♡」

 

 充血して厚みを増した肉環を、指の関節でグリグリ内側から圧迫する。小刻みに出し入れしていると、ミカの呼吸が切羽詰まっていく。乳首を弄っていた手が止まってしまい、快感を堪えるように拳が握られた。身を寄せた拍子に、爪で引っ掻かれてぷくっと腫れた乳首が差し出されて――私はそれに吸い付いた。

 

 

 "じゅ♡ ちゅうっ♡ ぢゅぱっ♡ ちゅる♡"

 

 

「ひ♡ はひいぃぃんっ♡ あっ、左はっ、よわいのっ♡」

 

 大きく震えたミカの体が反り返った。マットと体の隙間から左腕を差し込んで抱き寄せ、逃げられないように捕まえる。背中の向こうでは縮こまった翼が震え、飾りが絶えずさざ波のように揺れていた。腸壁の中で指を折り曲げ、粘膜を押しながら肛門を責め続けていると、ミカは一際甲高い鳴き声をあげはじめた。

 

「ああぁぁっ♡ だめ、だめっ♡ だめぇ……♡ おしり、で……イ˝っ……ッ♡ ~~~~~~~っ♡♡」

 

 指を食い千切るような圧力がかかった。バタバタと私の腕の中でミカの体が暴れたが、すぐに糸が張るように全身が緊張した。手と口は緩めつつ、絶頂して痙攣するミカへの愛撫は止めない。乳首を舌先で転がし、唇で食む。抜去の快感を与えるために、ゆっくり指を挿入し、ねちっこく引き抜く。

 

 

 "ずぷっ♡ ずぷっ♡ ずぷっ♡ ずちゅ♡ ずちょっ♡ ぬぶぶっ……♡"

 

 

「あぅ、あ˝ぁ~~……♡ イッた、イッたよぉ……♡ イジめないでぇ……♡」

 

 甘イキが止まらないようだ。敏感な左乳首を吸っても、肛門へ指を出し入れしても、ミカはビクンビクンと体を跳ねさせてしまう。さすがに呼吸が苦しそうになってきて、一旦責め手を止めてあげた。

 

「お尻で気持ちよくなっちゃったね」

「はぁ……はぁ……♡ う、うん、先生の指が、きもちよくて……イッちゃった……♡」

 

 うっとりとミカが呟く。エクスタシーの余韻がまだ残っているのか、吐息が艶めかしい。ほのかに汗ばんだ肌が、薄ピンクに上気していた。

 

「宿題、ちゃんとできてた? 何点つけてくれる?」

「100点じゃ足りないかも」

「あはっ、やったぁ♡」

 

 無邪気に笑ったミカが、キスを求めてきた。火照りを押し付けるように、舌を巻きつけてくる。ちゅくちゅくと唾液を交換すると、今度はお腹を擦り付けてきた。

 

「ねぇ、先生のコレ……♡」

 

 ガチガチの剛直から垂れ流しのカウパーが、ミカの臍を濡らしている。

 

「もう、入るかな?」

「うーん、もう少し余裕ができたら、かな」

「……そうだね。先生からもらったアレ、まだ全部入らないし……。じゃあさ……」

 

 

 "きゅっ……♡"

 

 

 悪戯っぽい笑みを浮かべて、柔らかい手がペニスを握ってきた。

 

「……舐めたいな……♡」

 

 吐息混じりにそう囁いて、赤い舌で自分の唇をなぞる。下半身がぶるりと震えて、口よりも先に返事をしてしまった。

 

「私も、ミカのを舐めていい?」

「えっ……?」

 

 指先で、菊門の縁をくすぐる。

 

「そ、そ、そこは……洗ってきたけど、そんな……」

「ダメかな? こんな風にしてあげようと思うんだけど」

「あ……♡ ん、んん……♡」

 

 じんじん尖ったままの左乳首に口付けを交わし、柔らかく咥えて、優しく舐め転がす。たちまち甘い声を漏らすミカを煽るように、窄まりを撫でて催促するのも忘れない。

 

「お……おっぱいで、こんな気持ちいいのに……お尻、なんて……♡」

 

 吐息に、じっとりとした発情が染み出したのが分かる。ミカの体は誤認を孕みつつ期待が高まっているようだ。腰がへこっへこっと揺れ出している。もう彼女の尻穴は指ぐらいなら易々と受け入れてしまう。指先を軽く入れて優しく抜き差ししてあげると、ミカの恥じらいは喘ぎ声に溶けていった。

 

「……いいよ……お尻の穴、舐めて……っ♡」

「舐めながら、少し太いのも入れていくからね」

「う……うん……っ♡」

 

 口の中で乳首がまた一回り膨らんだように感じた。

 

 

 私がミカの股にかぶりつく形で、横向きのシックスナインになった。桃のようなぷりぷりの臀部を割り開くと、汗混じりの甘酸っぱい愛液の匂いが顔中に浴びせられる。むわっとしたその淫臭で肺を満たしながら、私はミカの、ひくひく震える肛門(第三の唇)とキスを交わした。

 

「んあぅっ……♡ や、やぁ……♡」

 

 人体で最も汚い部分の一つだ。思わず腰が逃げてしまうのも、無理はないだろう。だが、逃がしてあげない。ムチッとした太腿を抱え込み、皺の一つ一つを舌でほぐしていく。仄かな苦みと、愛液の酸味が混ざり合うと、不思議な甘みが生じた。

 

 指で散々ほぐしていたから、舌を突き入れれば苦も無くずるんと入り込む。残念ながら私の舌は妖怪のようには伸びないので、秘門の入口を軽く往復するのが精一杯だ。

 

 

 "つぽ♡ ぬるっ♡ にゅぷぷっ♡"

 

 

「んひ♡ ほォ……♡ ふぅぅっ♡ おっ、お……♡」

 

 戸惑いの混ざった声がする。舌の先が浅く潜り込む度に、ミカの体がびくんと跳ねる。翼の羽が、ガサガサと忙しなくシーツを擦っている。

 

「わ……わたしも、なめなきゃ……♡ いっ♡ いただきま~す……♡」

 

 私のアニリングスに悶えていたミカも、それを契機に動き出した。

 

 

 "ちゅっ♡ ちゅ……♡"

 

 "れろ、れるっ♡ ぴちゃっ♡ ぴちゃ♡"

 

 

 柔らかい唇が亀頭にキスを降らせ、甘い痺れがビリビリと脊髄を駆けあがってくる。ネトネトの粘液に塗れた亀頭を綺麗に舐め取り、カリ首の溝まで掃除してくれる。浮き上がった先走りを啜られ、「こく……♡」と嚥下する振動も伝わってきた。

 

 

 "かぽ……っ♡"

 

 

 蕩けるようなぬくもりにヌルヌルの亀頭が包まれる。前は軽く舐められただけで果ててしまったから、咥えこんでもらうのは初めてだ。歯が当たることもなく、ぬかるんだ肉筒が覆いかぶさってくる。

 

「ん……♡ んむ……♡」

 

 

 "ぢゅぽ……♡ ずっちゅ……♡"

 

 

 頬の粘膜にエラをズリズリと擦られ、唾液をたっぷりまとった舌が裏筋をくすぐってくる。竿全体が熱く濡れた粘膜に包まれると、もう気持ちよすぎて下半身が融け消えてしまいそうだ。

 

「あは……♡ 固まっちゃった♡ 先生も気持ちいいんだ♡ 続けるね……あむ……っ♡」

 

 舌を止めてしまった私をくすくす笑うと、すぐにミカはねっとりしたフェラチオを再開した。私も、こうしている場合ではない。周りの肉を引っ張って皺の内側を剥き出しにさせ、舌を突き入れる。入れられる限り深く突き入れて、穴がもっと広がるように縁を舐めていく。

 

「んォ……♡ ほぉんッ♡ オ、オ♡ んぉぉ……っ♡」

 

 くぐもった喘ぎ声に呼応して、ミカの肛門がひくついていく。フーフーと息が荒くなり、ペニスへの吸い付きは激しくなっていくばかりだ。

 

 そうやって、段々穴がこなれて、恥じらう秘門が浅ましく蕩けだした頃、私はミカに告げた。

 

「耐えられなくなったら、私の脚を叩くんだよ」

「ンも……?」

 

 彼女に渡したものよりも一回り太い、半透明の青いディルドを、ミカの顔の前に翳した。これも、細い先端から徐々に太くなり、アナルの拡張をもたらすものだ。

 

 

 "ぬぷっ♡ ずる、ずるっ……♡"

 

 

「ン˝っ♡♡ んふう゛ぅぅ……っ♡」

 

 ディルドをゆっくり沈めこむ。未知の太さに、ミカの声が濁った。それでも彼女は、健気な奉仕を続けてくれる。口を止めるどころか、啜りたてる音が大きくなり、亀頭をほじる舌遣いがますます積極性を増していった。

 

 

 "ぬぶぶ、ぬりゅ~~っ……♡"

 

 

 タップされたらすぐに止めよう。そう自分に言い聞かせ、ペニスに押し寄せる快楽に理性をジリジリ焼かれながら、ゆっくりと挿入を続けた。拡張用の樹脂棒は、たっぷりまぶしたローションと、ミカの腸液のおかげで、小刻みな抜き差しを繰り返しながら奥へ奥へと飲み込まれていく。

 

 そしてとうとう、ストッパーを残して、全てが直腸の中へと埋没してしまった。根元の直径は4センチ。ペニスの直径とほぼ同じ太さだ。

 

「ミカ、全部入ったよ。よく頑張ったね」

 

 頭の代わりに、お尻を撫でてやると、返事の代わりに翼がパタパタと揺れた。この太さのディルドが入ったということは、もうアナルセックスの準備が整ったということ。そう考えたかったが、まだ挿入を果たしただけだ。フェラチオの最中ということもあって、ミカの呼吸には余裕がない。やはり、今日はまだここまでに留めておくべきだろう。

 

「動かすからね。ダメだったら、無理をしてはいけないよ」

「ン……ン……♡」

 

 ストッパーを掴み、そっと引っぱる。茎の中腹まで抜いたら、慎重に押し込む。肉環を開け閉めする傍では、白く濁った蜜が、膣口からトロトロ湧き出ている。男が勃起するのと同じように、ミカもまた、欲情して涎を垂らしている。

 

 

 "ぬち……ぬち……♡"

 

 "ぬもっ……にゅぷぷ……ぬぽ……♡"

 

 

 ストロークは、短く、浅く。ミカを傷つけないように。そのつもりで動いていたのだが――

 

「ンン~~~~♡ ンむぅ……♡ むぉッ♡ ふぉ♡ んっむうぅぅ……♡」

 

 ペニスを咥えたまま官能的に喘ぎ、ミカは腰をへこへこ揺らしている。おかげで、意図せず挿入が深くなり、リズミカルなピストンが生まれてしまう。

 

「んふっ♡ ぢゅるるる♡ ぐぽっ♡ ずちゅ♡ ぢゅうぅっ♡」

 

 ミカの口淫は貪欲さを増していき、はしたない水音が絶えず立っている。目の前では、ミカの可愛い肛門が、美味しそうにディルドをしゃぶっている。その淫らな光景を特等席で眺めつつ、ガチガチに勃起したペニスは、濡れそぼってネトネトした肉筒の愛撫を受けている。亀頭の根元を唇で扱かれて、一気に射精欲求が込み上げる。極度の興奮状態にあって、もう我慢することなんてできなかった。

 

 

 "ぐぼっっ♡"

 

 

 ストッパーを奥まで押し込み、ディルドを捩じ込む。

 

 そして、排泄の快感を最大限に味わわせてやろうと、己の射精感ごと引っ張り出す――

 

 

 "ぬぼぉ……ッッ♡"

 

 

「ン˝っ!? んも˝おぉぉぉぉ~~~~~~っ♡♡♡」

 

 ミカが絶頂にガクガク痙攣する。

 私も、我慢を止めた。

 

 

 "ぼびゅっ♡ どぶるるるるっ♡"

 

 "びゅっ♡ びゅうぅ~~~~っ♡"

 

 

 顎に熱い飛沫を感じながら、抑圧していた分巨大になったオーガズムのカタルシスに、思う存分精液を解き放つ。濡れそぼったぬくもりへドクドクとフラストレーションをコキ捨てる背徳の、何と甘美なことだろうか。

 

 ミカは縋るように私の脚へしがみつき、一滴残らず受け止めてくれた。ごくっ、ごくっ、と粘ついた劣情を嚥下する音が、私の耳にまで届いてくる。ディルドを引き抜かれた菊門はぽっかりと穴になっていたけれど、やがてヒクヒク蠢きながら、閉じていく花のように、窄まりへと戻っていった。

 

 隅々まで舐め回して綺麗に掃除してから、ミカは私のペニスを口から離した。のそのそと体の向きを変えて、シックスナインが添い寝になった。

 

「せ……先生、ごめんねっ、お潮が顔にかかっちゃったよね……?」

「あはは、大丈夫だよ」

 

 顔が向かい合うなり、ミカがウェットティッシュで私の顔を拭ってきた。そんな彼女の口元には縮れた毛がついていて、唇の端には白濁液の残りがこびりついている。私もミカを拭ってあげた。お互い、エクスタシーの余韻が全身を駆け巡っていて、頭がまだふわふわしていた。

 

「可愛くない声、出しちゃった……き、嫌いになっちゃう……?」

 

 しばらく呼吸を整えていると、ミカがそんなことを口にして、目を伏せた。

 

「ミカは……私の趣味を知って、嫌いになった?」

「……ううん、もっと好きになった……♡」

「だったら、私も同じ思いだよ。もっとミカのはしたない声が聞きたいな」

「うぅ~っ、なんか意地悪じゃない?」

 

 そんな風に、ミカが顔を赤らめて恥ずかしがっていると、アラームが私達のピロートークに割って入ってきた。

 

「あ……もう、時間なんだ……」

「そうだね。盛り上がってる所じゃなくて、まだよかったよ」

 

 名残惜しさを滲ませながらも、お互いベッドから下りて、身支度を整える。汗と体液で濡れたシーツを交換するのも忘れない。洗面所で口を漱ぎ、病気を防ぐための抗生剤を服用すると、ミカの方が先に帰る準備を済ませて待っていた。

 

「先生、次は、とうとう……」

「次回こそは、最後までしようね」

「う、うん……楽しみだなぁ……♡」

 

 期待に目を潤ませるミカに、消毒を済ませたディルドを布に包んで渡した。手で大きさを確かめると、ミカはそれをぎゅっと胸元で抱き締めてから、スクールバッグの奥へしまいこんだ。

 

「それの根元が、私のと同じぐらいだよ」

「わ、分かった。これで、宿題、頑張るから……♡」

 

 上擦った声でミカはそう言って、執務室を出る前に抱き着いてきた。両腕と両翼に力いっぱい抱かれる、豪勢な抱擁だった。

 

 

 * * * * * 

 

 

七月二十八日

 

「ねぇ聞いてよ、先生」

 

 エアコンの効いた執務室で、書類に承認印を押す私と、送付先に分けるミカとでベルトコンベアになっていると、だしぬけにミカが話し出した。

 

「今月になってからさ、何かとティーパーティーに呼ばれるの。また何かあったのかなーって思って行くと、何だかすっごいどうでもいい用事ばっかりなの。別に私いなくてもいいじゃん、みたいな」

 

 ――相槌を打つ間がない……。

 

「だからこの間ね、ナギちゃんに言ったの。『なんでどうでもいい用事で私を呼び出すの』って。そしたらさ――んんっ……♡」

 

 捲し立てていたミカの声が、突然艶めかしいトーンを帯びた。

 

「ミカ?」

「あ、あのっ……先生、これさぁ……♡」

 

 真っ直ぐ腰かけていたミカが前のめりになった。浅い呼吸に、肩が上下している。

 

「……声出ちゃうって……♡」

 

 白タイツの膝をもじもじ擦り合わせて、ミカは体に走る刺激を誤魔化そうとしていた。

 

 私の悪い思い付きだった。

 

 当番の仕事でやってきたミカに、黒々デコボコのビーズ付きアナルプラグをこっそり渡し、「仕事が終わったら、すぐだよ」と、詳細も告げずに押し付けたのだ。ミカがどうするのかを観察したい、という趣味の悪い好奇心もあった。

 

 ミカはどうやら私の意図を「ほぐして準備しておきなさい」という指示と解釈したようだった。眉をハの字にしてすぐトイレに駆け込み、十分ほど経って、ぎこちない足取りで執務室に戻ってきて――今に至る。

 

 今日は来客が多かった。朝一番からミレニアムの申請書と小言を携えてユウカが来訪すれば、昼時にはRABBIT小隊がまとめてシャワーを借りに来た。ついさっきまでは、換気システムの不調を直そうと柴犬の業者が工事をしていた。そんな間にも、開発されて敏感な性感帯となったアナルに、ぐっぽり異物を挿入したまま、ミカは執務室で当番の仕事をしていたのだ。

 

「あと一時間だよ」

「うん、そ……そうだね。まだお仕事中だもんね……」

 

 ちらっ。

 

 ミカが濡れた視線を私に投げかけてきた。熱でも出ているのかというぐらいに顔は赤い。今は二人きりだが、誰かが来て挙動不審な様子を問い詰められたらどうなってしまうだろうか。

 

 ふと、ドキュメントを受信したビープ音がして、プリンタが紙を吐き出し始めた。私とミカが、同時に手を伸ばす――

 

「はあぁんっ♡」

 

 びくんっ、とミカの体が震えた。体を動かした拍子に、プラグが腸壁をえぐってしまったようだ。ミカは慌てて両手で口を塞いだが、外に出た色っぽい声なんて取り消せるはずもない。

 

「……甘イキしちゃった……♡」

 

 今にも泣きだしそうに両目を潤ませ、切なそうな吐息が漏れ出している。「我慢できない」と全身で訴えるミカの姿に、睾丸がグツグツと煮えたぎる。「あと一時間だよ」とミカに投げかけた言葉を、己の中で反芻する。三回、四回と深呼吸を繰り返して、心の荒波を何とか鎮めた。

 

 どうか歯止めが効きますように。

 

 終業時刻まで、私は祈るような思いでいた。

 

 

 * * * * *

 

 

 もしかしたら、私は日頃の行いが良かったのかもしれない。

 

 大事なく本日の業務を終え、執務室の戸締りも済ませた。駆けるように廊下を進み、エレベーターに入った時点で、私もミカも息を乱していた。そして、シャーレ居住区の居室へ雪崩れ込むなり、どちらからともなく唇を奪い合った。

 

 

 "ちゅる♡ ぢゅっ♡ づぱ……♡ れちゅ♡ れる♡"

 

 

「は~♡ はふ……♡ んふっ♡ ン♡ むぅ~……♡」

 

 互いに性急だった。舌先を絡めて飲ませ合う唾液が、口元から零れて顎に伝ってしまう。それを拭うことも忘れて、ミカは私のシャツのボタンを外し、私はケープを束ねるリボンを解いた。

 

「あははっ♡ 今日の先生、何だか強引だねっ♡」

 

 早く裸が見たくて手が震える私を見て、ミカが笑った。

 

「いいよ、乱暴にしちゃっても……♡」

「……いや、優しくするよ」

「どうして?」

「ミカの初めてだから」

「……そうだね。ありがとう……」

 

 最後の一枚が引き下ろされるまで、あっという間だった。ミカはショーツを透かしてしまうぐらい、前の穴をドロドロにしていた。菊門に深々と刺さるプラグの表面が、メスのローションでてらてらと淫靡に輝いている。膝を掴んで股を開かせると、むせかえるようなフェロモンが顔に染みこんでいった。

 

「ハァ……ハァ……」

 

 猛りに猛ったペニスを晒すと、すぐにミカの目がそこに釘付けになった。

 

「今回は……お口でしなくていいの?」

「……いい。すぐにでも、ミカのお尻に挿れたい」

「……わ~お……♡」

 

 あまりに勃起が激しくて、苦しいぐらいだ。逸る気持ちを抑えて、プラグのストッパーに指をかけた。

 

「あ……あっ……♡ 抜けちゃう♡ 引っこ抜かれちゃう♡ あ、あ、ア˝ッ――」

 

 

 "ずぢゅっ♡"

 

 

「ん˝をッ♡♡」

 

 

 "ぐぼっ♡ ぢゅぽっ♡ ずるるっ♡"

 

 

「あ˝♡ おあっ♡ ほオ˝おぉぉっ♡♡」

 

 吠えるような嬌声と共に、ビーズが排泄されていく。最後の一つを引き抜いた瞬間にミカは呆気なく絶頂した。イキ潮がぶしゅっと噴き出して、シーツに放射状の染みを作った。

 

「ん……へ……♡ あは……あたま、ぐるぐるする……♡」

 

 栓を失った肛門から、腸液混じりの粘液がドロッと溢れ出す。プラグを挿入する前にたっぷりローションを馴染ませていたのだろう。ぱくぱくと呼吸するアナルに誘われるまま、待ちに待ち兼ねたペニスの切っ先をあてがう。呆然としていたミカの目に、光が戻った。

 

「あっ……♡ おっ……おちんちん……♡ おちんちんだ……♡」

「いいよね、ミカ」

「ふ……太いね♡ 先っぽから、ぜんぶ太い……♡」

 

 綿棒を入れるのがやっとだった所から、ここまで――

 

「先生……その……下品な声、いっぱい出ちゃう……♡」

「うん、いいよ。ミカのはしたない声、いっぱい聞きたい」

「も……もう……♡」

 

 ちょうだい。

 

 ミカの囁きに誘われて、腰を進めた。

 

 

 "にゅる♡ ずにゅうっ……♡"

 

 

「お……おっ♡ ン˝うぅ、ひお˝ぉぉっ……♡」

 

 亀頭の先が、ぬかるむ媚肉に埋もれた。ぐもっ……♡ と皺が伸ばされて、肛門を通り過ぎた途端に、熱い肉がきゅうきゅうに絡みついてくる。亀頭の傘が通り過ぎた瞬間に強く締め付けられて、尿道の根元が弾けそうになった。

 

「アッ……あ˝ぁ、おちんちんあついっ♡ 太ぉ、おぉ……♡」

 

 

 "ずぷんっ……♡"

 

 

「んひいぃぃっ♡♡」

 

 入った。

 

 ミカの肛門が大きく広がって、根元まで私を咥えこんでいる。嫌われるのが怖くて打ち明けられなかった私の本性を、聖園ミカが受け入れてくれたのだ。熱々の腸壁が、きゅうきゅうと竿に絡みついてきて――

 

「うっ……!」

 

 

 "びゅぐ♡ ぼびゅっ♡ ぶりゅ……♡"

 

 

「……へっ……?」

 

 込み上げる幸福感に、昇り詰めてしまった。挿入してまだちっとも動かしてもいないというのに、どくんどくんと尿道が膨れ上がって、精液が排泄されていく。こんなはずじゃないのに、という焦りが一瞬だけ脳裏をよぎったが、括約筋に締め付けられながらの射精に思考を白く塗り潰されて、何も考えられなかった。

 

「……先生……?」

「ご……ごめん、ミカ。我慢できなかった……」

「あっ、あれっ? じゃあ、このあったかーいのって……」

 

 ミカは目を丸くしていたが、程なくして、私をからかうようにクスッと笑った。

 

「先生ってば、そんなにコーフンしてたんだぁ……♡」

「あ~、いや……面目ない……」

「まぁ、私も入れられただけでイッちゃったし……お互い様だねっ♡」

 

 ミカは体を起こして、私の頬にキスをした。もちろん、唇にも。軽く舌でじゃれあうと、すぐに彼女は枕に頭を沈めた。黄金色の瞳の奥で、婀娜な炎が燃えていた。

 

「先生、カチカチのままだよ? しないの?」

「するよ」

「じゃあ、はやくぅ……♡」

 

 挑発するようにミカが腰を揺すった。

 

「ミカ」

「……なに?」

「ありがとう。……愛してるよ」

 

 理性が吹き飛ぶ前に、それだけは何とか伝えた。

 

 

 "ぬる~っ♡"

 

 

「あ……あっ……♡」

 

 

 "ずぢゅんっ♡"

 

 

「ん˝ああぁぁっ♡」

 

 ミカの腸壁は既に蕩けていたが、吐き出した精液がずるずる滑って、摩擦が強くなっても全てが快感に変換される。一気に奥まで貫くのも、亀頭が抜けそうになるまで引っ張るのも、自由自在だ。願望が満たされる幸福感で胸をいっぱいにして、夢中で腰を振る。

 

 

 "ずぢゅ♡ ずぢゅ♡ ずぢゅ♡ ずぢゅ♡ ずぢゅ♡"

 

 "ぱん♡ ぱん♡ ぱん♡ ぱん♡ ぱん♡ ぱん♡ ぱん♡ "

 

 

「お˝♡ んおぉぉんっ♡ おぅ、ふっ♡ おっ、おしり♡ おしりきもちいいっ♡ きもちいいよぉっ♡」

 

 肌を叩く勢いで欲望をぶつけても、異物挿入に慣れきったアナルは、私の劣情の全てを受け入れ、優しく包んでくれる。それでいて、括約筋の締まりの良さは天にも昇るようで、一往復ごとに根元から締め上げられて、尿道の残り汁が押し出される。「気持ちいい」なんて言葉では、この快楽を表せない。全身に広がる多幸感に、頭がどうにかなってしまいそうだ。

 

「あ~~~~~っ♡ んお♡ んぉぉおぉっ♡ い˝、い˝、い˝、い˝、い˝♡♡」

 

 壊れた機械みたいに腰を振る私に対して、ミカもまた、アナルセックスの快楽に溺れていた。口元からだらっと涎が垂れて、目の焦点が合っていない。キリッと整った可愛らしさの面影は失われていたが、淫靡に歪むその貌は、どうしようもないほど私を掻き立てた。

 

「ミカっ、どう? 初めてのセックスはっ」

「う˝うぅぅぅ、きも˝ちい˝いよ˝おぉぉ♡ イ˝ッてる♡ かたいおちんちんがっ♡ ささって♡ ぬ˝けてっ♡ イぎっぱな˝しにな˝るうぅぅぅう♡♡」

 

 

 "びきびきびきっ……♡"

 

 

 獣のようなよがり声に、ペニスがますます硬度を増した。「イキっぱなし」になって意識が朦朧としているのか、ミカのヘイローは明滅を繰り返して、バチバチ火花を散らせている。結合部では、もう何が混ざっているのか分からない粘液がぶくぶくと白く泡立っていた。

 

 

 "ばちゅ♡ ばちゅ♡ ばちゅ♡ ばちゅ♡ ばちゅ♡"

 

 

 天井を突き上げると、ゴリッと当たるものがあった。膣奥の子宮だろうか。そこを揺らすようにしてあげると、快感から逃げるようにミカの体がじたばたと暴れる。細いウエストを掴んで押さえつけ、本能の突き動かすままにペニスを押し込み、引き抜く。ミカの尿道からは数往復毎にイキ潮が噴き出して、私の下腹部をべしゃべしゃに濡らした。

 

「ミカ」

 

 射精が近いのを悟りでもしたのか、括約筋がギチギチに締まって、ペニスを押し潰してくる。

 

「あ、あ˝あーーーーーっ♡ んぉ~~~♡ お˝~~~~~っ♡♡」

「出すよ。ミカの中で、イくからねっ……!」

「い……いいよっ♡ せんせっ♡ せんせぇぇ~~~~っ♡♡」

 

 バサッ、と翼に背中を包まれた。首には腕が回される。私では到底かなわない力で引き寄せられて、体が密着する。太腿の裏に踵が絡まってきた。爆発寸前の怒張も、汗だくの全身も、ミカに締め上げられた。

 

「……ッッ……!」

 

 

 "どすっ……♡"

 

 

「~~~~~~~っ♡♡ あお˝おぉぉおぉぉおッッ♡♡」

 

 限界を迎える瞬間に、ミカの腸内深くへ、己を突き入れた。

 

 

 "ごぽっ♡ ぼびゅ~~~~~~っ♡♡"

 

 "びゅぐっ♡ ずぴゅるるっ♡ どくんっ……♡"

 

 

 脳味噌が空中に放り出されたと錯覚した。視界が歪むような快楽の中で、ミカに種付けする。一度の拍動の度に、腰が浮いた。

 

 己の欲望の全てを受け入れてくれた愛すべき人は、恍惚として絶頂の余韻に浸っている。品の良さを台無しにする涎まみれの口元が愛おしくてたまらなくなり、顎の下から犬のように舐めてあげた。掬い取った涎を舌先に集めて、半開きのままの唇へ垂らしていく。

 

「ほ……♡ おン♡ んふ……ひぇんへ……♡ しゅき……♡」

 

 ディープキスの酸欠に頭をぼんやりさせながら、ゆっくりと腰を回し、精液をミカの直腸に塗り込む。肉環で根元からペニスを搾りあげ、残滓も全て注ぎ込む。

 

 力を使い果たした陰茎が自然と抜け出るまで、そうやって私はミカと睦み合っていた。

 

 

 * * * * * 

 

 

「ねぇ、先生、さっきの続き」

「さっきの?」

「なんでナギちゃんが私を呼ぶのか、って」

「ああ、それね」

 

 気怠い体を起こして、後始末を進めていると、ミカが突然数時間前の話を戻してきた。

 

「セイアちゃんが横入りしてきてね、『ナギサはただ君に会いたいだけなのに、それを分かってあげずに問い詰めるなんて無粋の極みだよ。君はグラウンドの草と一緒に友情もむしってしまったのか』って言ってきたの。ま~相変わらずの賢しい言い方で、カチーンと来そうになっちゃったんだけどね」

 

 ケープをリボンで留め直すと、ミカは肩の力を抜いて笑った。

 

「ナギちゃんが真っ赤になってたの見て、あぁ、怒ったらダメだな、って。セイアちゃんもすぐに『言い方が不適切だった』って、ぺこっと頭を下げてきたの」

「前よりも、三人は仲良くなれたみたいだね」

「……そうだね。前より、お互い素直になれるようになったのかも。ティーパーティーに集中してた権力が分散して、ナギちゃんも余裕ができたんだろうね。行政手続きの問い合わせ先がバラバラになってて、また別の問題が起こってるみたいだけど」

「ミカの後任は、出てきそう?」

「ぜーんぜん。お互い牽制しあってて、手を挙げる人がいないみたい。そんなにパテルの矢面に立つのが怖いのかな。まぁ……私のやらかしのせいだけどさ」

 

 ベッドから立ち上がって、一生徒の姿に戻ると、ミカはカラッと笑って見せた。権威を剥奪されたばかりの頃と比べると、いつも顔のどこかにあった曇りが、今は晴れているように見える。

 

「……ナギちゃんみたいにさ、こんな私を求めてくれる人がいるんだな、って思うと、ちょっと元気になったよ」

 

 険の取れたミカの表情を見て、私は胸を撫でおろした。どうやら、彼女の自尊心は回復しつつあるようだ。トリニティで過ごす苦しい日々は続くかもしれないが、きっとミカはもうあの環境でも、自分自身を貶めることなくやっていけるだろう。

 

「もちろん、一番は~……誰かさんのおかげだけどね~♡ ……ちらっ、ちらっ……♡」

 

 少し遅れて私が衣服を整えると、ミカはウキウキしながら近寄り、抱擁を求めてきた。

 

「……先生に出会えてよかったよ」

 

 安堵と共にそう呟き、ミカは先にシャーレのゲートを通り抜けていった。

 

 なお、別れ際にミカから「次回までの宿題」を求められたわけだが、その内容については、また別の話となる。

 

 

 

 終わり




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