TS転生したら、ふたなりが実在する世界だった!? ~エッチすぎる身体に成長してしまった私は、今日もふたなり美少女たちに迫られる~ 作:牡丹アリス
「お疲れ様です。お先に失礼しますね」
「はーい、気をつけて帰ってね」
アルバイト先の飲食店から出て、帰路に着く。
外は暗くなり、車通りも少なくなりつつある。時刻は19時くらいだろうか。
今日はいつもよりお客さんの数が少なくて、店長に『早く上がっていいよ』と言われたので、お言葉に甘えさせてもらった。
(今日は時間もあるし、新しい作品を読んでみようかな?)
スマートフォンを片手に、お気に入りの小説投稿サイトを巡回しながら歩く。
――人には言えないが、“可愛い女の子になりたい”という願望が俺にはある。
だからといって現実で女装する勇気もないので、TS系ラノベを読んだり、女装モノのエロゲをプレイしたりする時間が日々の楽しみなのだ。
そうして周りが見えていなかった俺は、猛スピードで迫りくるトラックに、ついぞ気づくことができなかった。
――キキィィィィィイイイ!
轟音と共に、体中に強い衝撃を感じる。
自分のくだらない人生を追体験するような映像が頭の中を駆け巡る。
ああ、自分はこのまま死ぬのかな、と他人事のように思う。
(もし、生まれ変われるなら、今度は女の子として生きてみたいなぁ……)
薄れゆく意識の中で、そんなことを考えていた。
◇
気が付くと、真っ白な空間にいた。……というか、眩しい!
まるで太陽を直視したような、強烈な光が目に入ってくる。
あまりの眩しさに顔を背けようとするが、体にうまく力が入らない。
それどころか、呼吸すらままならないような……。
「おぎゃああああ! ほぎゃあああ!」
自分の意志とは関係なく口から漏れたのは、耳をつんざくような産声だった。
「おめでとうございます! 元気な女の子ですよ」
「ああ、良かった……本当に」
上手く聞き取れないが、人の声がしたと思うと、体が勝手に抱きかかえられ、優しい温もりを感じる。
「初めまして、あなたのお母さんよ」
ぼやけた視界に、綺麗な女の人の顔が映る。
そこでようやく理解する。
そうか、本当に生まれ変わったんだ。そして自分は今、赤ん坊になっているのだと。
こうして、新しい人生への一歩を、踏み出したのだった。
◇
あれから約10年。私はすくすくと成長していた。
最初こそ戸惑ってはいたものの、今となっては女の子としての生活にもすっかり慣れてしまったものだ。
(……慣れすぎて、精神的にも男らしさが失われちゃった気がするけど……まあ、別にいっか)
なにはともあれ、前世で願っていた通り、今世では女性として、なかなか恵まれた容姿を授かることができた。
自分が生まれ変わったという事実を素直に受け入れて、第二の人生を謳歌することに決めたのだ。
今の私は『
母親は美人で優しくて、父親はイケメンだ。こんな親の元に生まれてこれて幸せだと思う。
私はというと、両親譲りの整った顔立ちに、サラサラの髪。ぱっちりとした大きな目。透き通るような白い肌。
普段から健康的な生活を心掛けて、運動もそれなりにしているので、スタイルだって悪くない。
自分で言うのもなんだが、絵にかいたような美少女だと言って差し支えないだろう。
“可愛い女の子になりたい”という前世での願いを見事叶えたことで、毎日が幸せで満ちあふれていた。
それと、この世界は前世で住んでいた地球の日本とよく似ているようで、少し異なる。
例えば、“ふたなり”の存在。
今の私が住む国には、実際にふたなりの人がいて、普通に暮らしているらしい。
といっても、ふたなりの外見は普通の女性と変わらないみたいなので、普段生活している分には、あまり実感は湧かないが。
はじめてそのことを知った時、性的な意味ではなく、純粋な好奇心として(まだ幼い身体のせいか、今は性欲を失っている……)私はとても興味が湧き、ふたなりについてもっと詳しく聞きたかったのだが。
「ヒナにはまだ早いから」
といって、全然教えてくれなかった。
……でも、私は諦めない。いつか必ず、ふたなりについて詳しく調べ上げてやるんだ!
◇
そんな決意を抱きながら過ごしていた、ある日のこと。
♪ピンポーン
家のインターホンが鳴る音が聞こえてきた。
どうやら、新しく隣に引っ越してきた家族が挨拶にきてくれたらしい。
「はーい!」
お母さんと一緒に玄関まで向かう。
そして、ガチャリと扉を開け、現れたのは――。
「こんにちは~。隣に引っ越してきた
笑顔を浮かべる夫婦と、その間にちょこんと佇む黒髪ショートヘアーの美少女だった。
少女の歳は私と同じか、少し歳下くらいだろうか? くるりとした瞳に、ぷっくりと柔らかそうな唇。
顔立ちは整っていて、一見すると落ち着いた印象を受ける。
だが、その表情はとても硬く、緊張しているようだった。
「あらぁ、可愛らしい子ねぇ」
お母さんが、美少女を見てそう呟いた。
うん、確かに可愛い。
「ふ、
彼女は、少し照れたように頬を赤らめ、小さく会釈をした。
「こちらこそ、仲良くしてね。ほら、ヒナちゃんもごあいさつして?」
「うん! えっと、私はヒナ。よろしくね、咲ちゃん!」
それが、私と咲ちゃんの出会いだった。
ふたなりの語源は諸説ありますが、“
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