※この作品はR-18です。

タンク系魔法少女 ~負けてからが本番!?~   作:にゃんたるとうふ

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第二十話

絵梨との昼食とその後のカラオケを楽しんだ彼女は夕方に解散して帰路に着くと、すでに帰ってきていた陽香と熱烈な口付けと抱擁を交わしてからのんびりとした時間を過ごしていた。

「そういえば冬ちゃん、帰ってきてから持ってるその宝石どうしたの?」

「んぅ・・・?これは、子供たちからの贈り物・・・かな?」

陽香に後ろから抱き締められながらの問い掛けに、微睡んでいた彼女は頬を緩ませながら嬉しそうに声を弾ませつつ返事をする。

「子供たち?今日は絵梨ちゃんと、ゲームセンターに行ってたんだよね?」

「んっ・・・ちょっと複雑な、事情があってね」

「その複雑な事情は、話してくれないの?」

「んっ、簡単に言うと・・・出会えたことへの思い出、かな?」

多くを語れないことで言葉を選んで答えた彼女に、ふぅんっと声を漏らして宝石を眺めていた陽香だが意識を彼女へと戻す。

「それじゃあ、大事に保管しないとね!明日、保管用のケースを買いに行こっか?」

「付き合って、くれるの?」

「もちろんっ!ついでに、冬ちゃんとのデートもできるしね!」

恐る恐るといった様子で顔を上げて問い掛ける彼女に、満面の笑みで答えた陽香は腰に回した腕に力を込めて抱き寄せる。

「私はついで、なの?」

「私にとっては冬ちゃんが本命だけど、冬ちゃんはケースを買うのが目的だからねっ」

「私も陽が本命、だよ?この宝石も、十分大事だけど・・・私は陽が、一番大事だからっ♡」

そう口にして陽香の首筋に頭を擦り付けるように押し付けた彼女は、腰に回された手を掴んで自身の膨らみに押し付けると妖艶な笑みを向ける。

「だから今日も、いっぱい愛してほしいっ♡」

「むふっ♪しょうがないなぁ、冬ちゃんはっ・・・たくさん気持ち良くしてあげるねっ!」

「んぁっ♡私の身体、好きに使って・・・楽しんで、ほしいな♡」

彼女の膨らみを鷲掴みにして持ち上げながら立ち上がった陽香は、そのまま寝室へと移動すると恋人をベッドに押し倒して夫婦の営みを始めるのだった。

 

陽香の責めで何度も絶頂して体力を使い果たして気絶するように眠りについた彼女は、次に目が覚めた頃にはいつも起きている時刻よりも一時間過ぎていることに気付く。

「んっ、んぅ・・・っ?もう、朝?あれ、陽はっ?」

ベッドから身を起こした彼女は眠気眼を擦りながら隣に視線を向け、恋人の姿が無いことに気付いて逸(はや)る気持ちを抑えながら寝室を後にしてリビングへと向かう。

「あっ、冬ちゃん!おはよう、今日はお寝坊さんだったね?」

「んっ、陽っ・・・!おはようっ」

自身のエプロンを身に着けて朝食の準備をする陽香を見つけた彼女は、挨拶を交わしながらその胸に飛び込むと頬擦りしながら大好きな匂いで肺を満たす。

「もしかして昨日、張り切りすぎちゃったかな?」

「私は陽の愛を感じれて、嬉しかったよ?♡」

自身の顔を見上げた彼女は頬を緩ませながら潤んだ瞳を向ける様子に、陽香は胸を高鳴らせて強く抱き締めると軽く触れる程度の口付けを落とす。

「んちゅっ・・・♡陽っ?♡」

「はっ!?冬ちゃんが可愛すぎてついっ、けどおはようのキスもまだだったからちょうどよかったね!」

「んんっ♡もっと、キスぅ♡物足りない、よぉ・・・っ♡」

頬を紅潮させて唇を尖らせながら催促する彼女に、陽香は優しく髪を梳くように頭を撫でつつ口を開く。

「先に身嗜みと朝食を済ませてからね、さすがに裸の冬ちゃんをそのままにはできないしね!」

「んぅ♡・・・んっ?ぁっ、本当だ・・・でも陽なら、気にしないよ?」

「暖かくなってきたとはいえ、風邪引いちゃうかもしれないでしょ?ほらほらっ、顔洗って服を着てきてね!」

「んっ・・・陽を心配させたくない、から着替えてくるね?」

背中を押されてリビングから押し出された彼女は陽香の言葉に渋々従い、寝室から下着と衣服を取りに行く姿を見送った陽香はホッと息を吐く。

「あのままだったら、冬ちゃんを襲っちゃってたよっ・・・お出掛け前に体力を使わせちゃダメだから、そういうのは帰ってきてからじっくりとしなきゃねっ!」

襲いたい欲求を何とか抑えた陽香はそう呟くと朝食の準備を再開し、着替えと身嗜みを整えた彼女が戻ってくる頃には準備を終えて共に朝食を済ませる。

 

 

朝食で使った食器を片付けて食後のコーヒーを飲みながら一息吐いた彼女と陽香は、出掛ける準備を整えて自宅を後にするとショッピングモールへと足を運ぶ。

「ケースを、探すにしても・・・どこに行けば、いいんだろ?」

「私もわからなかったから知ってそうな人に連絡しておいたんだ、先に着いて待ってくれてるはずだよ!・・・って、噂をすればっ」

何かに気付いた陽香が向ける視線の先に振り向いた彼女は、軽く手を振りながら小走りでこちらに駆け寄ってくる聖歌の姿を目にして納得の頷きを見せる。

「待たせてしまってすみません、聖歌さん!急に呼び出してしまって、大丈夫でしたか?」

「問題ありませんよ、龍鬼はお家の用事で一緒には居られませんでしたから。それよりも、宝石はお持ちですか?」

聖歌の問い掛けに頷きを持って返した彼女に微笑みを浮かべると、目的地に向けて案内するために先導して歩きながら問いを投げる。

「んっ、持ってるけど・・・?」

ポケットから取り出そうとする彼女を手で制した聖歌は、微笑みを浮かべたまま彼女の耳元へ顔を近付けて囁くような呟きを零す。

「絵梨から話は聞いています、魔の者との愛の結晶だそうですね?」

「っ・・・!そうなる、のかな?」

「そのような形で宵ノ世界から持ち出せるとは、盲点でしたっ・・・もっと早く気付いていればわたくしもミカエル(旦那)様とガブリエル(ご主人)様との愛の結晶を作れたかもしれないのにっ、冬華には学ばされてばかりですね」

「んっ・・・それより、持ってこさせたのは・・・確認の、ため?」

口惜しそうに歯噛みして気持ちを吐露する聖歌に苦笑を浮かべながら、問い掛ける彼女に一旦気持ちを落ち着かせるために咳払いを挟んでから口を開く。

「いいえ、それだけではありません。そのまま保管するのではなく、加工してアクセサリーにしてはどうかと思いまして」

「アクセサリー?でも、できればこのまま・・・」

「もちろん宝石を傷付けるつもりはありません、そのままの形を維持して加工するように伝えますよ」

「んっ、それなら・・・ありがとう、ございます」

聖歌の説明を耳にして懸念事項が解消することが分かって安堵の息を吐き、自身に気を使ってくれたことに感謝を伝える。

「気にしないでください、大切な友達の為ですから・・・それとまた映像を貰いたいのですが、かまいませんか?」

「んっ・・・途中までは、良い話だったのに・・・」

何とも言えない表情で感情を表す彼女に疑問符を浮かべる聖歌だが、目的地に着いたことで視線をそちらに向けて二人を手招きする。

「二人とも、着きましたよ。ここはいつもご贔屓にしているので、腕は確かですから心配いりませんよ」

そう口にして先に足を踏み入れる聖歌の後ろ姿を眺めながら、並べられた煌びやかな宝石を使ったアクセサリーに気後れしながら彼女と陽香は顔を見合わせる。

「私、こういうお店に入るの初めて・・・冬ちゃんもだよね?」

「んっ・・・ちょっと、緊張する」

お互いに心境を確認してから深呼吸を行って気持ちをいくらか落ち着かせると、陽香が彼女の手を引いて意を決した様子でお店に足を踏み入れた。

 

すでに店員と話をしながら席についていた聖歌は二人が入店したのを確認して手招きをし、それに導かれるように足早に歩み寄ると用意された席に並んで腰を下ろす。

「いらっしゃいませ。聖歌様からお話は聞いております、お持ちの宝石をアクセサリーに加工したいということですが・・・」

「ぁっ、はい・・・えぇっと、これですっ」

懐からハンカチに包まれた宝石を取り出して台の上に乗せた彼女に一言了承を求めた店員は、ハンカチを解いて露わになった宝石を目にすると感嘆の声を漏らす。

「これは、とても綺麗な宝石ですね。自然と引き寄せられる、魅力を放っていると言いますか・・・」

「それでこちらをアクセサリーに加工するなら、どれがいいと思いますか?」

瞳を釘付けにして恐る恐る宝石に手を伸ばす店員から遮るように、手を視線上に差し込んだ聖歌の問い掛けにハッと気を取り直した店員は咳払いをする。

「こほんっ・・・!そ、そうですね・・・大きさもあって傷付けずに加工するなら、ブローチなどが良いと思います。ネックレスやブレスレットにするには大きすぎますし、形も整っているので削ったりも不要ですから」

店員の言葉を聞いてどうするか尋ねるように顔を向けた聖歌に、彼女は少し考える素振りを見せてから頷きを返して口を開く。

「ならそれで、お願いしますっ」

「はい、かしこまりました。次いで周りの装飾については、どのようにしますか?見本として店内にあるブローチを見て回って決めていただき、装飾の色合いなども選んでいただけますよ」

「んっ・・・陽っ」

「? 冬ちゃん?あっ、一緒に見て回ろっか?」

困ったように眉を下げて袖を引く彼女の様子で察した陽香の提案に、パァッと顔を綻ばせながら大きな頷きを見せる彼女と手を繋ぎながら店内を回って装飾を決めていくのだった。

 

装飾のデザインと色合いを決めた彼女の意向を受け取った店員から完成には約一時間掛かると伝えられたので、それまで時間を潰すために陽香と聖歌と一緒にショッピングモールを練り歩いていた。

「今日はありがとうございました、聖歌さん。突然呼び出したのに来てくれて、それに料金の件もよかったんですか?」

宝石を加工する過程で資金面の相談をしていた彼女だが、聖歌の友人ということで今回の支払いは無料という流れとなっていた。

「大丈夫ですよ、これまでのお付き合いもありますし・・・遠くない未来に陽香も利用していただければいいと、そう言っていましたからね」

「むむっ、たしかにっ・・・いずれ冬ちゃんとお揃いのものを買うだろうし、その時はあのお店を選ばせてもらいますねっ!」

彼女と自身の薬指に目を向けてから好意的な返事をする姿に、自身も送るべき存在を思い浮かべながら聖歌は頬を緩ませる。

「んっ、陽?どうか、したの?」

「むっ?ただ冬ちゃんとの未来を思い描いていただけだよ、幸せな人生計画ってやつだね!」

陽香の言葉に瞳を輝かせた彼女は気持ちの赴くまま飛び付くように抱き着くと頬擦りし、聖歌から声を掛けられるまで二人は触れ合いを続けて愛を確かめ合っていた。

 

そして一時間が経過した頃にジュエリーショップに戻ると完成したブローチを手渡され、その出来栄えに感嘆の声を漏らした彼女から受け取った店員はクッション入りのケースに収納して再度手渡す。

「本日は当店をご利用いただきありがとうございました、近い将来に指輪などが入用になりましたら是非当店にお越しくださいませ」

「はいっ、その時はこのお店を利用させていただきますね!」

「んっ・・・ありがとう、ございますっ」

店員からのお辞儀を受けながら店を後にした一行は昼過ぎということで共に昼食を済ませると、午後から用事があるという聖歌を見送ってから彼女と陽香は顔を見合わせる。

「これからどうしよっか?」

「陽とのんびり、過ごしたい・・・かな?」

「じゃあ、冬ちゃんのお家に戻ってゆっくりしようよ!ブローチも持ち歩くより、持って帰って家に置いといた方がいいだろうし」

「んっ、たしかに・・・陽の言う通り、かもっ――――っ?」

陽香の提案に同意を示した彼女は並んでショッピングモールを後にしようと歩き出したところで、けたたましく懐から鳴り響くアラームの音が鼓膜を震わせたことでムスッと頬を膨らませる。

「ゴメン、陽っ。少し用事を、思い出したから・・・ブローチを持って、先に戻っていてくれる?」

「え、そうなの?冬ちゃんも用事くらいあるよね・・・わかった、ブローチは任せてねっ!」

一瞬だけ気落ちした表情を浮かべた陽香だがすぐに取り繕った表情で了承の返事をしてブローチを受け取る姿に、無意識の内に身体が動いた彼女は飛び付くように抱き着くと背伸びをして無防備な陽香の唇に自身の唇を重ねる。

「むちゅっ・・・ふっ、冬ちゃん?」

「ぷぁっ・・・♡今はこれで、我慢してね?♡それじゃあ、いってきますっ♡」

陽香の返事を聞く前に身体を離して駆け出した彼女を呼び止める暇もなく、曲がり角で姿が消えるまで見送った陽香は人差し指でそっと唇を触れる。

「~~っ!!冬ちゃんは可愛いなぁ、もうっ♪」

気持ちが沈んでいたのが嘘のように声を弾ませる陽香は、彼女が返ってきたら目いっぱい溶けるように交わって愛し合おうと決意するのだった。

 

 

白昼堂々と往来で口付けを交わしたことに今更ながら気恥ずかしくなって頬を朱に染めながらも、取り出したステッキのマップを開いて目的地を確認した彼女は気を取り直して足を速める。

「赤い点は、こっちだけど・・・ここは、非常口?」

マップが示す通りに歩みを進めた彼女が辿り着いたのは、もとよりひと気の少ない非常口に続く通路だった。

「ここに、入り口があるはず・・・あ、これかな?」

通路全体を見渡した彼女は腰付近の不自然な高さにある扉を見つけて、背伸びをしながらドアノブを回すと見慣れた灰色の景色が広がる様に気を引き締める。

「んっ、よし・・・っ」

ステッキを振るって変身した彼女は軽く床を蹴って跳躍すると、一息で扉を潜り抜けて宵ノ世界へと足を踏み入れる。

 

扉を抜けてしばらく歩いた先にある廃墟へと辿り着いた彼女は、周りを警戒しながら割れた窓から中を確認して魔の者の姿を探す。

「そこまで大きい、建物じゃないから・・・探すのは、楽そうかも?」

覗き込むのをやめて窓枠を乗り越えた彼女は廃墟内に軽やかに着地すると、無数の柱が立ち並ぶ薄暗い空間を慎重に歩きながら探索する。

「・・・っ?(おかしい、外から見た時はここまで広くなかったのに・・・ずっと同じ景色が続いてる)」

本来なら既に入ってきた場所から反対の壁に辿り着いているはずがまったく届かない現状に、疑問符を浮かべながらも歩みを進めていると自身以外の物音が薄暗い空間に響く。

「っ・・・!何か、いる・・・っ」

咄嗟に近くの柱に身を隠した彼女が音の発生源の方角へと視線を向けると、二メートルはあろうかという大きな黒い影が辺りを見渡すように頭を左右に振りながら姿を見せる。

「(いたっ、まだこっちには気付いてないみたい・・・)っ?あれは・・・」

ゆっくりとした足取りで歩く魔の者を観察していた彼女は、暗闇に目が慣れてきたことで魔の者の全容を把握して息を呑む。

「――フシューッ、フシューッ」

顔全体は大きな口と分厚い唇で形成されており、筋肉質な身体で直立しても地面に着くほど長い二本の腕を持ち、四本の指の先には鋭い爪が伸びていて足の指も同様の本数と形状をしている。

「(初めて見た魔の者と姿が似てる気がする、見た感じ目が無いから別の五感で獲物を探してる?鼻も耳も見当たらないけど、用心するに越したことはないかも)・・・っ」

考えを纏めた彼女は身を低くして崩れた柱の欠片を手に取ると自身とは反対の方向へと投擲し、欠片が床に落ちて音を立てたと同時に魔の者が首を向けたことで確証を得る。

「(どうやら音で判断してるみたい、こっちを見ていない今のうちに・・・っ)『シルバーバレット』っ!」

「――ッ、フシュゥーッ・・・!」

彼女の声を認識して首を回した魔の者は飛来する銀の弾丸を身を低くして躱し、その体勢のまま深く息を吐きながら彼女との距離を一気に詰めて腕を振るう。

「っ・・・!?(躱されたっ、それに速い・・・っ!)」

その場でしゃがむことで突き立てられた爪の一閃を躱した彼女は、甲高い音を立てて柱に食い込みながら軽々と両断する程の切れ味を目の当たりにして後方に飛び退く。

「一旦、距離を取って――――っ!」

「――フシュァーッ!」

その場から駆け出そうと足に力を込めている最中に首を勢いよく回して彼女の方へと向けると、両断した柱に爪を突き立てて振り向かせた身体の遠心力のままに投げ付ける。

「くっ・・・!っ、はぁっ!」

「――ッ、フシューッ!」

咄嗟に横に飛び退いて柱を躱した彼女は距離を詰めてきた魔の者の爪の一撃を剣で防ぐと、胴体を蹴り上げて後方に下がるとステッキを構え直して鋭い視線を向ける。

「――フシュゥーッ・・・!」

蹴りを受けて一歩後ろに下がりながらもすぐに体勢を立て直した魔の者は、彼女の床を踏み締める音で場所を特定すると再び俊敏な動きで距離を詰める。

「――フシュッ、フシュッ、フシューッ!」

「ふっ、はっ・・・!はぁっ・・・!」

左右から振るわれる爪の連撃を剣で弾きながら隙を窺っていた彼女は、手に忍ばせていた柱の欠片を空中に放り投げると魔の者の背後に落下して音を立てる。

「――ッ・・・?」

爪が空振りして背後から物音がしたことに魔の者は疑問符を浮かべながら首を回し、その隙に突きの構えを取った彼女は小さく息を吸うと足に力を込める。

「すぅー・・・はっ!」

「――フシュ・・・ッ!?」

突きを放つと同時に声を上げた彼女に気付くと顔を戻して爪を振るおうとする魔の者よりも先に、放った突きは大きな口の中に吸い込まれるようにして差し込まれる。

「っ・・・?手応えが、ないっ?「――フシュッ、フシュアァーッ!」――――ひゃっ!?」

しかしそれを歯を突き立てることで押さえて侵入を妨げた魔の者は、刀身を噛み砕くと無防備になった彼女に向けて容赦なく爪を振るう。

「くっ、うぁ・・・っ!――――かはっ!?」

自身の衣服の大半を切り裂かれて恥部が剥き出しのズタズタな状態にされた上に衝撃で吹き飛ばされた彼女は、背中を柱に強く打ち付けて肺の中の空気を吐き出して呻き声を漏らす。

「けほっ、こほっ・・・はーっ、はぁーっ・・・!っ、くぅ・・・!」

その場にへたり込んで乱れた呼吸を何とか整えようと深呼吸する彼女だが、俯かせている視界の端に鋭い爪を有する筋肉質な黒い足が映り込んだことで顔を上げる。

「――フシューッ、フシューッ」

眼前まで迫る魔の者に悔しげに顔を歪ませる彼女を尻目に、大きな口を開いた魔の者に抵抗しようと手を握り締めてあることに気付く。

「あ、れっ?ステッキが、手元になっ――――んぶっ!?~っ、~~っ!?」

言い終える前に頭を魔の者に丸呑みにされた彼女は最初は抗おうと藻掻いていたが、次第にそれも弱まっていき最後は身体から力を抜けてされるがままとなってしまう。

「――フシュゥーーッ」

抵抗がなくなったことを確認するとその場から移動を始めた魔の者は、ブラブラと揺れる彼女を気にせずに薄暗い空間から比較的明るい場所に移動するのだった。

 

 

~♡♡♡~

 

 

場所を移動した魔の者は大口を動かして彼女の頭部を咀嚼し始めて噛み締める度に、ぶら下がった彼女の身体は痙攣して秘部から愛液を垂れ流して白タイツを汚していく。

「――ッ、ッ・・・フシュッ」

くちゃくちゃっ♡と音を立てて咀嚼していた魔の者は満足したのか大口を開けて彼女の頭を吐き出し、支えの失った彼女は重力に従って床に尻餅をつくと唾液まみれの呆けた顔を上げる。

「はへ、んひぃ・・・っ?♡私、何してぇ・・・?♡」

焦点の合わない瞳を揺らしながら周りを見渡していた彼女は、目の前に立つ魔の者の姿に気付くと口元を緩ませて甘えた声を上げる。

「ぁはっ♡魔の者様、だぁ♡今日はお口でピュッピュッ♡と射精しますか?♡それとも無責任膣内射精して、優秀な遺伝子仕込んでくれますか?♡はたまたケツ穴押し広げて、排泄もまともにできないほどハメ潰しますか?♡」

媚びるために姿勢を正して正座すると頭を下げながら上目遣いで見上げる彼女が、恋人に向けるような蕩けた瞳で自身に擦り寄る様子に魔の者の心情を表すように股間部位からいきり立った肉棒が姿を見せる。

「――フシューッ、フシューッ・・・!」

「ふひっ♡魔の者様の、おち◯ぽ様っ♡とっても大きくて、素敵です♡」

自身の胴体ほどの長さと腕ほどの太さを有する肉棒を目にした彼女は恍惚とした表情を浮かべ、膝立ちになりながら両手で肉棒に触れると感嘆の声を漏らしながら生唾を飲む。

「――フシュッ、フシューッ!」

「ぁんっ♡わかりました、魔の者様っ♡まずは、お口で♡綺麗にさせて、いただきますねっ♡」

肉棒に触れる手を払い除けて近付いた彼女の頬に打ち付けて興奮した様子で息を吐く魔の者に、意図を察して頬を叩く肉棒の硬さと熱にうっとりしながら了承の返事をする。

「それでは、失礼して・・・んふっ♡」

頬に打ち付けられる肉棒を再び手に取った彼女は今までの魔の者では珍しく被っている皮を剥くと、亀頭周りやカリにびっしりと溜まった恥垢から立ち込める強烈な臭いに頬を緩ませる。

「すうぅぅーっ・・・はぁぁ♡皮を剥く前から、漂っていたけどっ♡直に嗅ぐと、すごく濃くって♡匂いだけで、イッちゃいそう・・・っ♡」

「――フシューッ!フシューッ!」

鼻を一心不乱に動かして匂いを堪能して身震いする彼女に痺れを切らせた魔の者の催促に、自身の役目を思い出して気を取り直すと舌を垂らして肉棒に向き合う。

「では、チンカスで汚れた♡おち◯ぽ様を、綺麗にしますねっ♡・・・んっ、じゅるっ♡」

早くしろと自身の頭を叩いて促す魔の者に従いながら肉棒に舌を這わせた彼女は、精液とはまた違った刺激を感じてこそぎ取った恥垢を咀嚼しながらじっくりと味わってから喉を鳴らす。

「〜〜〜っ!!♡チンカスって、こんなに美味しいんですねっ♡これなら幾らでも、食べられそうですっ♡えろぉ、ぶぢゅっ♡ぢゅるっ、ちゅぽっ♡」

まるで甘味を前にした女子のように目を輝かせた彼女は無我夢中で舌を動かし、こびり付いた恥垢を唾液で溶かして吸い上げたり舌で掬い上げたりして口内に取り込んでいく。

「ぐじゅっ、ぶちゅっ♡くちゅっ、じゅぼっ♡・・・ごくんっ♡どうですか、魔の者様っ♡おち◯ぽ様っ♡綺麗に、なりましたよ♡」

「――フシュッ、フシューッ!」

「? 魔の者、様っ?♡どうかしっ――――ぁっ♡」

亀頭とカリ首に溜まった恥垢を平らげて清潔にしたことを褒めてもらおうと報告する彼女に、感謝を述べることなく中途半端に止まった肉棒の皮を剥いて竿部分も露出させる。

それにより竿部分と皮の裏にこびり付いた恥垢が姿を見せて強烈な臭いを発し、それを確認した彼女は流れ落ちる唾液を気にすることなく犬のように舌を垂らして期待に胸を高鳴らせる。

「――・・・フシューッ!」

「っ!♡・・・はむっ、ぢゅぶっ!♡じゅるっ、じゅぶぶっ!♡ぐじゅっ、ぶぢゅっ!♡」

魔の者から許しが出た瞬間に身を乗り出して肉棒に唇を押し付けた彼女は、竿全体に口付けを行いながら舌を這わせて恥垢を舐め取ると口内で転がして味わう。

「ぢゅるっ、ぢゅぅぱっ・・・♡ごちそう、さまでしたっ♡極上のチンカスを、恵んでくださり♡ありがとう、ございますっ♡・・・っ、げえぇっふ!♡」

自身の唾液で濡れて艶が増した血管の浮き出た赤黒い肉棒を目を細めて愛おしそうに見つめる彼女は、舌舐めずりしながら魔の者に感謝を述べると我慢出来ずにゲップを漏らす。

「んぶっ、げえぇ・・・っ!♡すみません、魔の者様♡つい我慢、できませんでした♡――――っ、んひっ♡」

「――フシューッ、フシュゥーッ!」

肉棒を自身の頬を押し付けて優しく撫でながらゲップを浴びせる彼女のわざとらしい煽りを受け、魔の者は肉棒の硬さを増して苛立たしげに息を吐くと彼女を床に押し倒す。

「魔の者様も、我慢の限界みたいっ♡私も、準備万端ですからっ♡私の身体を使って、気持ち良くなってくださっ――――んごぉっ!!?♡」

自ら秘部を指で開いて愛液を溢れさせながら誘う彼女が言い終える前に、腰を鷲掴みにした魔の者は肉棒を開かれた秘部に押し付けると一気に根元まで挿入する。

「――フシュッ、フシュッ、フシューッ!」

子宮が鳩尾付近まで肉棒に押し上げられて腹部が盛り上がり、カヒュッと苦しげな息を漏らす彼女に配慮することなく腰振りを始める。

「ぐっ、ぎゅっ・・・!♡かはっ、ぶび・・・っ!♡」

肉棒を半ばまで引き抜いてから一気に根元まで突き入れるピストン行動を繰り返して快感を貪る魔の者に、彼女はされるがまま子宮を押し潰されながら膣内を締め付けて無意識に媚びを売る。

「ぐぎっ、ぶぅ・・・っ!♡気持ちっ、いいですか?♡魔の者、さまぁ♡ふぐっ、うぎっ・・・!♡」

「――フシューッ、フシュゥーッ!」

自身の腰に足を絡めて問い掛ける彼女を気にする素振りもなく腰を振り、肉棒から伝わる膣壁を擦り上げる感覚と子宮を押し潰す感触に魔の者は興奮した様子で息を吐く。

「っ・・・♡喜んで、もらえてっ♡雌として、嬉しいですっ♡んぎゅっ、ふほっ・・・!♡」

グリグリッ♡と最奥である子宮を肉棒で捏(こ)ね繰り回されて甘い吐息混じりの喘ぎ声を漏らす彼女は、意識を子宮に集中させると亀頭に子宮口を吸い付けて子種を催促する。

「――ッ、フシュゥゥーーッ!!」

「ぁっ♡おち◯ぽ様が、膨らんでっ♡射精そう、なんですね?♡魔の者様の濃くて、優秀な遺伝子の詰まった精子でっ♡また私を内側から、塗り変えて貴方だけの雌にしてくださいっ♡」

当然だと肯定するように彼女に覆い被さって身動きを封じてから腰振りを速めて種付けする姿勢を取る魔の者に、再び自身の価値観や尊厳が塗り替えられることを理解して背筋に快感が走るのを感じて胸を高鳴らせる。

「(頭を食べられた時に唾液を飲んで分かったけど、魔の者様の体液には魔素以外に特性が含まれてるみたい・・・でもそのおかげでこうして、魔の者様に従順な雌にしてもらえたんだよねっ♡)次は私、どうなっちゃうんだろっ――――ぉごっ!?♡」

爪が食い込むほど強く彼女の腰を握り締めた魔の者は根元まで押し込んだ肉棒をさらに押し込み、吸い付いた子宮口を無理矢理抉じ開けると込み上げていた情欲を解き放つ。

「――フシュウゥゥゥ・・・ッ!」

「ほひぃいぃぃぃぃぃっ!!?♡子宮内でビチビチッ、精子泳いでぇ♡・・・んおっ!?♡身体を弄られてる、感じがするっ♡ふぎゅっ、んひょぉ・・・っ!♡」

自身の内側から身体を作り変えられている感覚に気付いて甘ったるい嬌声を上げながら身を震わせる彼女は、排卵したことで泳いでいる卵子が喰い潰されて潮を吹いて絶頂する。

「ぶぎっ、ぎゅうぅぅっ・・・!♡くぴっ!?♡魔の者様のっ、子供孕みゅぅ・・・っ!?♡」

ぷちゅぷちゅっ♡と精子が卵子の膜を突き破って受精する感覚を受ける度に秘部から潮を吹いて報告し、そんな雌の様子に満足そうな息を吐いた魔の者は射精が一段落したことで一度肉棒を引き抜く。

「ぐぎゅっ、ぎょほぉぉ・・・っ!♡ぎぃっ、ぎゅおぉっ・・・!♡ひょぴいぃぃぃっ!!?♡」

十数回の受精を繰り返して出来た受精卵は一度大きく脈動すると急速に成長して胎児の形に変化し、一気に複数の胎児を抱えることになった彼女の腹部は大きく膨れ上がり、通常の妊婦の三倍以上まで大きくなったところで治まって彼女は安堵の息を吐く。

「――フシューッ、フシューッ!」

「ふぅっ、ふうぅぅぅっ・・・!♡ひっ、ぎゅぅっ!♡魔の者、様っ・・・!♡お腹っ、叩いちゃダメでっ――――ひゅうぅぅう゛ぅ゛ぅぅぅぅっ!!?♡」

胎動する腹部に呼吸を整えようと深く息を吐く彼女を尻目に膨れ上がった腹部を無遠慮に叩く魔の者に、控えてもらおうと声を掛けて意識を向けたことで子宮口が緩み、その隙を逃さないとばかりに一体の胎児が通り抜けて体外に飛び出す。

「ぃぎゅっ、ぴぎっ!?♡ぽひゅっ、ぶびっ!?♡おっひょおおぉぉぉぉぉぉっ!!?♡」

それを皮切りに緩んだ子宮口を抉じ開けて次々と体外に飛び出してくる胎児に、彼女は膣内を通り抜ける快感に絶叫に似た嬌声を上げて絶頂を迎えながら潮を撒き散らす。

「――フシューッ、フッシュゥーッ・・・!」

そんな雌の姿に肉棒が硬さを取り戻して起立するのを感じながら、彼女の出産が終わるのを今か今かと待ち侘びる魔の者であった。

 

腹部に抱えていた十数体の胎児を体外にひり出した彼女は四肢を投げ出した状態で床に倒れ伏し、魔の者が一体の胎児を掴み上げる姿を目にして頬を緩ませながら弱弱しく手を伸ばす。

「ぇへっ、えへへぇ・・・♡私と、魔の者様の♡愛の結晶、ですよっ♡」

「――ッ?フシュッ、フシューッ」

自身の言葉に首を傾げる魔の者を不思議に思いながらも手にした胎児を顔に押し付けられたことで、ようやく我が子を抱けると喜んだ彼女だが違和感を感じて胎児の胸元に耳を当てて心音を確認する。

「ぇっ・・・?鼓動が、しない・・・っ!?まっ、魔の者様!?この子っ、心臓が止まって――――」

慌てた様子で魔の者に顔を向けた彼女が目にした光景は、自身が産み落とした胎児を一口で丸吞みにして咀嚼する雄の姿に驚きで唖然とする。

「――フシュゥーッ、フシュァーッ!」

しかしすぐに一回り大きくなり筋肉も増加した魔の者を認識して困惑しつつ、先程まで熱で浮かされていて気付かなかったことに気付いて改めて胎児に目を向ける。

「よく見ると、ゼリーみたいにプルプルで・・・とても生物には、見えないっ」

感触や揺らした時の動きなどで命が宿っていないことを確認した彼女は、前回戦った魔の者との間に産み落とした我が子とは本質から違うことを理解する。

「(もしかしてさっきの魔の者様を見るに、彼らを強化する何かで出来ている?だとすると、このまま魔の者様が食べ続けるとマズい・・・?)どうにか、しないと・・・っ?」

「――フシュウァァ・・・ッ!」

思考を巡らせて現状を把握した彼女が打開策を模索しようとした矢先に、彼女が抱える胎児以外を全て飲み干して体格も雰囲気も尊大になった魔の者を目にしてキュンッ♡と子宮が疼く。

「っ・・・♡とっても雄々しくて、素敵な魔の者様っ♡私をお使いに、なるんですよねっ♡」

二回りほど大きくなった肉棒に気付くと先ほどまで考えていたことを全て放棄した彼女は、無意識に股を開くと秘部から愛液を垂れ流して受け入れ態勢を整える。

「どうぞ、魔の者様っ♡好きなだけ、私の身体を使って♡作った子供で、さらにかっこよくなってくださいっ♡――――んほぉっ!?♡」

「――フシュアァァァーーーッ!!」

彼女の言葉を聞いて雄叫びを上げた魔の者は怒張した肉棒を秘部に突き入れて力強い腰振りを始め、先程よりも長さも太さも硬さも増した肉棒が膣内を抉りながら子宮を押し潰す度に彼女は潮を撒き散らす。

「ふっ、ぐぅ・・・っ!♡さっきよりっ、ぶっとぉ・・・っ!♡お腹、掻き回されてぇ♡魔の者様専用のっ、雌穴になっちゃぅ・・・っ!♡ぐぎゅっ、おほぉぉっ・・・!♡」

彼女の腰を爪が食い込むほど強く掴んで尻肉が波打つほど強く腰を打ち付けていた魔の者は、雌の象徴ともいえる乳房が激しく上下に揺れる様に気付いて意識を向ける。

「――フシュウゥゥゥッ・・・フシュァッ、フシュッ」

片手を掴んでいた腰から離した魔の者は暴れ狂う彼女の左胸を鷲掴みにすると、大口を開けて一息で飲み込むと歯を突き立てて咀嚼する。

「んぎゅっ♡魔の者、様っ?♡そんなおっぱいを、食べるなんてぇ・・・っ♡んおっ!?♡」

自身の膨らみが咀嚼されている様子を目にして負の感情よりも喜びが胸中を満たす彼女を尻目に、魔の者の口内に包まれる左胸が一際脈動して熱を持つのを感じて驚きの嬌声を上げる。

「――フジュゥッ、フジュゥッ・・・ッ、フシュゥゥッ」

「んぁっ♡もう、いいんですか?♡・・・ぁえ?♡」

満足したのか咀嚼をやめて左胸を吐き出した魔の者に名残惜しさを感じながらも声を掛けた彼女は、露になった左胸が大きく変化していることに気付いて呆けた声を漏らす。

「私のおっぱい、大きくなってる・・・?♡」

彼女の視線の先には右胸と比較しても数倍の大きさに膨れ上がって長く垂れ下がった長乳と化した左胸があり、左右非対称となった乳房を見比べてから魔の者に顔を向けると右胸を持ち上げる。

「これが魔の者様の、好みならっ・・・こっちのおっぱいも、弄ってくださいっ♡」

「――・・・フシューッ、フシュァーッ!」

自身の右胸を差し出す彼女に顔を向けてから呆れたような息を吐いた魔の者は、右胸に見向きすることなく長くなった左胸を手綱のように掴み上げて腰振りを再開して快楽を貪る。

「ぐひゅっ、ほぎっ・・・!♡おっぱい、ちぎれちゃぅ・・・っ♡ぶぴっ、ぽひ・・・っ!♡――――びょひゅうぅぅぅぅぅっ!!?♡」

「――フシュゥゥッ、フシュアァァァァァッ!!」

片手で彼女の腰を抑えながら掴み上げた左胸を千切れんばかりに強く引っ張ってさらに腰を押し込むと、子宮口を無理矢理抉じ開けて高まった情欲を吐き出して子宮内を満たしていく。

「はぁっ、ひゅぅー・・・っ♡ぁっ、また♡卵子、喰い潰されてる・・・っ♡」

魔の者の逞しい姿に発情して排卵を促されて卵巣から常に卵子を排出していた彼女は、子宮内を満たす精子が卵子に受精して子宝に変化するのを感じて頬を緩ませる。

「――フシュゥゥーッ、フシュゥゥゥーッ・・・!」

「んぎっ、ほごぉ・・・っ!?♡えへへっ、魔の者様♡貴方の糧となる、子供たくさん産みますっ♡だからっ、私を無茶苦茶に♡使い潰して、くださいっ♡」

ボコボコッ♡と腹部の形状が変わるのを苦しげな嬌声を上げながら魔の者に媚びを売り、荒い息を吐いて自身の肢体を貪ろうと肉棒を硬くする様子に、彼女は喜色の籠っただらしない笑みを浮かべながら雄の劣情を受け止めるのだった。

 

 

~♡♡♡~

 

 

何度目か分からない受精を終えて秘部から十数体の胎児を排出した彼女は荒い息を漏らしながら、床に転がる胎児を掴み上げて咀嚼する魔の者の姿に微笑みを浮かべる。

「魔の者様、とっても嬉しそうっ♡よかったぁ♡――――くぁ?」

食事に夢中な魔の者を眺めていた彼女は頭に電流が走るような感覚を受けて気を取り直し、特性が発動したことを認識すると手元にステッキを呼び出して刀身を作り出して立ち上がる。

「っ・・・ゴメン、ね?はむっ、んぐっ・・・」

初産で産み落としてから手元で大事に抱えていた胎児に謝罪を述べてから手首から先を口に含んで咀嚼した彼女は、胸の内から感じる湧き上がる熱に気力の漲(みなぎ)った彼女はステッキを握る力を強めて魔の者を見据える。

「――ッ!!フシュアアァァァァァッ!!」

「すぅ・・・ふうぅっ」

初めて相まみえた時から数倍の体躯に変化した魔の者が怒りの咆哮を上げて飛び掛かってくる姿に、彼女は焦ることなく振るわれた爪撃を紙一重で躱すとステッキを構え直す。

「――――はぁっ!」

「――フシュッ!?・・・フシュァ・・・ァ・・・」

腕を振り下ろして出来た僅かな隙を突いて彼女が振るったステッキの一撃で魔の者の胴体を斬り飛ばし、支えの失った上半身が床に着く前に黒い靄に霧散すると下半身も同様に霧散する。

「ありが、とう・・・君のおかげで、助かったよ」

大事に抱えていた胎児にお礼を口にすると同時に原形を留められずに崩れ落ち、それを悲しげに見つめながら宵ノ世界が崩れ始めたことで顔を上げる。

「早く、陽に会いたい・・・っ」

未練を振り切るようにその場から駆け出した彼女は宵ノ世界を後にして、元の世界に戻ると駆け足でショッピングモールを出て最愛の恋人の待つ我が家へと急ぐのだった。




――魔の者(大口)――

攻撃   :B
魔法攻撃 :E
防御   :C
魔法防御 :C
素早さ  :B

特性『機装細胞』・・・血液や唾液などの体液に魔素とは別に含まれており、取り込んだ相手の意識や肉体を自由に操ることができる。
ただし、特性を操ることはできない。
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