メタモン娼館経営記録 作:支配人バントウ
ポケモン、それは不思議な生き物。
世界各地にどんな姿でも存在している彼らについて科学者たちは一生懸命に研究を進めているものの、一向にその本質は見えてこないままだ。
タイプ、タマゴ、分布、進化、起源、メガシンカ、わざ、ダイマックス……ポケモンにまつわる様々な現象の解明が進んでも、まだまだポケモンの謎は深まっている。
しかしながら、不明瞭な存在だが、科学者ではなく、一介のポケモントレーナーや町人たちには分かっていることがある。
それはポケモンには発情期がある、ということだ。
発情期。
ポケモンたちには自らの種を残そうと、性的に興奮する時期がある。
町で飼われているポケモンは去勢手術を受けている個体が少なからずいるが、人と共に暮らすポケモンたちの殆どは去勢手術を受けていない。
それゆえ、発情期に入るとトレーナーはポケモンの性処理に回らなくてはいけなくなるのだ。
豪胆なトレーナーは臆せずポケモンのチンコやらマンコやらを触りほじくり、ポケモンをスッキリさせてあげられるがしかし、思春期の若いトレーナーにとっては未知の領域。
自分のよりデカいチンコにショックを受けたりするだけならまだいい。最悪、発情したポケモンに人間が性的に襲われてしまい精神に重い負担を背負うリスクだってある。
この危険性についてはポケモンリーグにも伝えられており、特に事態を憂慮したとある地方では四天王の全会一致によりとっておきの秘策に繰り出した。
ポケモンリーグはとある辺境のポケモン預かり屋と連携し、ポケモン性処理サービスの告知が行われ始めたのだった。
「まさかここまで大事になるとはなあ」
「メタ~」
四方を山に囲まれた盆地にて40~50歳ほどの白髪の目立ち始めた壮年男性は驚きを隠せない口調をしながら、自身の肩にべちょっと座っているメタモンに声をかけていた。
この男こそが、とあるポケモンリーグの四天王全員が目を付けた男。ポケモン性処理サービスの担当者である。
男は今、メタモンと共に自宅のパソコンにてポケモンセンターから連絡が届くのを待っていた。
ポケモンセンターにてサービスを受けたいトレーナーなどのポケモンを預かってもらい、こちらに転送して
「どんなポケモンがやってくるんだろうなあ……可愛いポケモンだといいなあ……」
「メタ~ッ!」
「いててっ、もちろんお前が一番可愛いよ」
「メタメタ~ッ♡」
男にとって、“他人の”ポケモンと触れ合うなんてことは久しかった。
この男はここ数十年、この一帯を緑の山脈に囲まれた盆地から外に出たことがない生粋の田舎人なのだ。
決してこの男が引きこもりだからというわけではない。きちんと仕事はしている。
そもそも、男の仕事は本来ポケモン預かり屋ではない。
本職は人形細工師である。この過疎化しきってもはや男のみしかいない村だった場所の主要な産業だ。
その証拠に男の部屋の棚には色艶の良い、隅々までこだわったポケモンたちのフィギュアが並んでいた。そのすべてが1から10まで男の手作りであるのだ。
可愛らしいポーズ、勇ましいポーズ、恐ろしいポーズ。多種多様なポケモンが様々なポーズをしているフィギュアたちは野生での生き方のワンシーンをくりぬいたかのようなリアルさまで覗える。
これほどの精密な色合いには秘密があり、メタモンの体液を利用した絵具を用いているのだ。
古来よりメタモンの多くいるこの地ならではの産業だったといえる。
そんな彼の住む村だった場所にはしょっちゅう野生のポケモンが山を下りてやってくる。
主に男が栽培している野菜か木の実といった作物が目当てだったり……性処理が目当てのポケモンもいたりするのだ。
正確に言えば村に住み着くメタモンを利用した繁殖目的ではあるのだが、やってくるときの形相がまるで初めて娼館に向かう人のような初心な雰囲気だったりしてるのだから、そう男は捉えてしまったのだ。
その悪乗りで、男はよくポケモンたちがやってくる山の方角にそれらしい入り口を立てた。
メタモンカラーの紫色のゲート。そこにはポケモンたちは読めない人間の言葉も書かれていた。
――『メタモン娼館』と。
こんな人間が自分しかいないような場所なのだからこんな悪ふざけもいいだろう――そう思って建てたこのゲートだったが、なんの運命の巡りあわせか四天王全員がこのゲートを見てしまい、そして四天王たちのポケモンをスッキリさせた結果、今こうしてサービスを大体的に開始したのだった。
『ピピピピッ!』
「――おっ、やってきたぞ。もしもし、メタモン娼館の者です」
「メタメタ?」
『おはようございます。こちらはポケモンセンターです。今回、このサービスを行っていただきありがとうございます』
「いえいえ、俺も趣味でやっていたことなので」
『少なくとも、一般人にとってポケモンの性処理は隠せない問題ではありました。それを解決できるサービスというのは、ありがたいことです』
そう言うポケモンセンターの責任者の言葉には、本当にありがたいと言わんばかりの安堵感が募っていた。
無理もない。この時期のポケモンセンターはどこもかしこも発情期になったポケモンに興奮を抑える木の実や薬を処方することで忙しくなるのだ。
木の実は食べてる間の一時的なものだし、処方箋もポケモンの健康面を大きく気にした効き目の薄いものであるため誤魔化しにもならないケースが多く、ポケモンセンターはその対応に駆られ往来のポケモンの治療に手が回しずらくなってしまうのだ。
その状況を回避してくれるサービスができたことは、ポケモンセンターで働くドクターたちにとって大きすぎる労働改善なのだった。
『それでは、こちらが今回あなたに任されるポケモンたちです。こちらである程度性格や身体的特徴などといった面でのカルテを取っていますので、そちらも一緒に送信します』
「ありがとうございます。依然話してた通り、1週間後にこの子たちは全員スッキリした状態で送りますので」
『はい。何かわからないことがあればいつでもご連絡ください。それでは、また』
「お疲れ様です」
そうしてポケモンセンターとの連絡が終わったと同時に転送マシンが動き出し、マシンの中に何個ものモンスターボールが転送されてきた。
パソコンにはカルテデータが送られてきて、十数匹のポケモンのモンスターボールとカルテがやってきたのだった。
「メタメタ~」
「さて、どんなポケモンなのかな~っと…お?」
「メタ?」
「モ~?」
「モッ?」
「お前たちも見るか? 今日からの仕事だぞ?」
男は聞いたことのない転送マシンの音につられてやってきたメタモンたちと共に、今日から新たなお仕事を始めるのだった。
余談ではあるが、メタモンたちにはこの仕事に対する嫌悪というものはない。
なぜなら、メタモンという種はほかのポケモンとの交尾によって増えない=性処理はお仕事=交尾はお遊びという感じに認識している節があるからだ。
これはメタモン特有の価値観で、別のポケモンに変身してつがいになりタマゴを生み出すことで一個体の生存時間を長引かせようとするメタモン本来の生態が『他のポケモンと産んだ(産ませた)タマゴならセーフ』理論を構築しているのだ。
そんな風にエッチなことを遊びだと認識してしまっているメタモンは、たくさんのポケモンとまぐわえるこの盆地にて技術的な面で強く成長していた。
効率的な身体の動かし方から相手の悦ばし方まで。その技能レベルはもはや人間の開発したオナホールを優に超えていて、男が月に60回以上オナホ代わりに使用するほどでもある超高性能なものになっていた。
そんなメタモンたちという果てしないほどの技能を持つ名器肉壺であるエロポケモンが大量に住まう場所に一介のポケモンを放ったらどうなるか……
それは、すぐにわかることである。