こういうことがノーマルルートであったのかもしれません。
「そういえば貴方、先週精通したでしょ」
「んぶふっ!? ってあっつぅ!?」
やぁみんな! 元気にしてた? 僕はついさっきまで自分の部屋の窓辺で月を見ながら優雅に紅茶を飲んでいたよ。今はその紅茶を淹れてくれたアルファの口から出たとんでもない下ネタに陰の実力者ムーブをする暇もなくむせて、紅茶を噴き出した上にティーカップを落としてしまったけどね! 窓を開けてたおかげで口から出た紅茶が地面に吸い込まれたのは不幸中の幸いか。
鼻と口から垂れる液体を素早く拭い、カーペットに落としたティーカップを拾って何事もなかったようにアルファの方に振り返る。彼女は至って真面目な顔をしていた。
頭痛と胃痛を堪えながら僕は口を開く。
「ごめん、もう一回言ってくれる? 修行の疲れが溜まったのかとんでもない聞き間違えをしちゃったかもしれない」
「そう、ちゃんと休まないとだめよ。じゃあもう一度言うわね――貴方、精通したでしょ」
「……」
フーッと息を吐きながらこめかみを揉む。どうしよう聞き間違えじゃなかった。
動揺から空っぽのティーカップに口を付ける。もちろん何も飲めない。アルファがおかわりを注ぐ。紅茶の表面がとても波立っている。小規模の地震が起きているのかと思ったら僕の手が震えてるだけだった。
アルファ……君は、というか君達は半月前に『ディアボロス教団』に対抗するために世界に散って、その初めての報告会だというのにいったい何があったんだ。ベッドに座らせて僕も隣に腰かけて話を聞く。
「アルファ、疲れとかストレスとか溜まってる?」
「どちらも完全にないと言えば嘘になるけれど、貴方から教わった魔力の圧縮睡眠とストレス発散法で溜め込まないようにしてるわ」
「熱は?」
「ないわよ。嘘と思うなら額でも触ってみる?」
「うん……ないな。触るついでに変な魔力がないか調べてみたけど何もない」
僕は物心ついた頃から修行をして魔力に関しては世界トップクラスの自信がある。しかしこの世界にはエルフという長命種族の代名詞みたいな連中がいるのだ。僕より魔力の扱いが上の人がいてもおかしくない。
あともっと可能性は低いけど僕と同じ転生者がエロ同人みたいな催眠能力を持って転生してきてるとか。もしそうだったら草の根をかき分けてでも見つけ出して殺す。
とりあえず、どうして僕の下半身の事情を知っているのか尋ねてみたのだが、
「先週貴方に報告をしに来たら部屋は空っぽ、ベッドにはシミと独特の匂い、肝心の貴方は庭で下着を洗っていたから
その時は見なかったことにして帰ったけれど、と話すアルファに僕は頭を抱えた。忙しいのに気を遣わせてごめんねという申し訳なさと対応が完全に思春期の息子に対する母親じゃんという恥ずかしさで。
「……いや待て。なんで先週は男の子の気持ちを考えて行動出来たのに、どうして今日は女の子の羞恥心を捨てたかのような発言をしたんだ」
「貴方……昨日『ディアボロス教団』の小規模拠点を壊滅させる時、少しだけ怪我したでしょう。女性団員の発達と露出が著しい身体の一部に意識を割いて。圧倒的な実力差があるのに」
「……ソウダネ」
前世を含めたらいい歳いってる僕だが基本的に三大欲求は身体に引き摺られていた。おかげでアルファ達をそういった目で見ないですんでいたけど、思春期を迎えたことで感情と身体の一部を制御することが難しくなっている。
それでもあれは胸が強調されてた上に激しく揺れてたせいだから! ……普通に不安になるよね。僕だってガンマ以外の誰かが相手の胸元が気になって傷を負ったとか聞いたら心配する。
「心配なのよ、貴方が色仕掛けに引っかかったりして怪我をしないか……死んじゃったりしないか」
「あー、うん。心配させてごめん。でも露骨なのとか開けっ広げすぎなやつには引っ掛からないから安心して」
「――じゃあ確かめさせて」
♦♦♦
確かめるって何を? そう言おうとした僕の口は塞がれた。視界いっぱいにアルファの顔が広がる。唇にひんやりとした弾力のあるものが押し付けられている。金色の髪から漂うささやかな香水の香りが鼻をくすぐる。
アルファにキスをされた。それも不意打ち気味かつ強引に。その事実をどこか客観的に見ていた僕だが、口の中にぬるりとしたもの――舌を捻じ込まれて沸騰するような感覚が全身から湧き上がった。顔は鏡を見るまでもなく真っ赤である。
思わずアルファを突き放そうとしたけど、緊張でガッチガチに固まった身体は思うように動かず、僕の肩と後頭部をガッチリ掴み、膝の上に跨って逃げることができないように押さえつけているアルファは弱々しい力じゃどかせない。更に上顎や歯を舐められるごとに抵抗する意思もなくなっていった。
およそ一分ほどだろうか。ぷはっという息継ぎと一緒にキスは終わった。気が抜けて背中から倒れ込んだ僕を使い慣れたベッドが受け止める。
「初めてのキスはレモンの味がするって聞いたことはあるかしら? 私は紅茶の味がしたけど貴方はどうだった?」
覆い被さりながらそんなことを聞いてくるアルファ。金の髪のカーテンが彼女以外を瞳に映すことを許さない。口を動かしながら僕と指の一つ一つを絡ませ合う、いわゆる恋人繋ぎで両手を重ねてくる彼女の月の淡い光に照らされる肌は赤く、瞳は情欲と恐怖で揺れていた。
「……貴方は優しいから。私がこんな真似をしても拒んだりしない。傷つけないためにされるがままになってるでしょう。……私はそれが怖い。その優しさに付け込まれて死んでしまいそうで……」
されるがままになってたのは緊張で全身がギチギチだったからなんだけど。瞳を覗き込んでくるアルファから逃げるように目を逸らした。
「それに仲間の私達をそういう対象として見ないようにしてるのも知ってる……でも、いいの。救ってもらった恩を抜きにしても私は貴方が好きよ。だから、遠慮も我慢もしないで? 全部受け止めるから」
僕は自分がこれ以上ないくらい興奮していることを自覚した。いきなりキスしてきた時にはどうかと思ったし、なんなら少し怒ってもいた。それでもアルファのような美少女が雌の顔をしながら愛の告白をしてきたならば、許して受け入れてやるのが男だろう。
魔力を操りアルファのスライムスーツを脱がせる。彼女の服は手袋からブーツに至るまで全てスライム。それを解除すればアルファはあっという間に生まれたままの姿になった。まだ成長を始めたばかりの薄い胸が最初に目に入り、次にきゅっと引き締まったお腹と臍、最後に毛は生えていないけど水気を滲ませる割れ目が見えた。
いきなり全裸になったことでキスされた時の僕に負けないくらい赤くなったアルファだったが、お腹にぐいぐいと押し当てられる脱いだズボンから解放された僕の分身を見て艶やかな笑みを浮かべる。
「私でこんなに大きくしてくれたの? 嬉しいわ……」
「まぁアルファは綺麗だし。あー、
正直に言えば今やめられたら生殺しにも程がある。だが性行為の負担は女性の方が大きいとどこかで聞いた気がするし、ましてやアルファはまだ十三歳。同い年でも男の僕とはリスクが違うだろう。あと嫌がられたら続けてほしいと頼む勇気ないし。
そんな陰キャらしいヘタレ気味な理由の気遣いが出そうになったを僕の口を再びアルファの口付けが塞ぐ。二度目の柔らかい感触が生まれた唇は熱かった。口を塞ぐだけのキスを終えた彼女は片方の手を解いて僕の陰茎を掴むと、躊躇いもなく股間にあてがう。
彼女は蜜の滴る秘裂に陰茎を擦り付けながら僕の耳元に口を近付け、
「女の子も意外と溜まるのよ」
囁きながら腰を落とした。陰茎の先端に膜のような抵抗を感じたが、ブツッという感触とともに消える。
……アルファの膣は狭かった。それでも挿入寸前に告げたセリフから察するに自分を慰めたことはあるのだろう。未成熟な肉体を置き去りにするように膣内は愛液を分泌し、心地よい窮屈さを与えながら陰茎をじゅぶじゅぶと奥へ沈めていく。
僕の分身は根元までアルファの女性器に呑み込まれてしまった。先端に吸い付いているのは子宮口だろうか? 包み込んでくる熱い淫肉で陰茎が溶けてしまいそうな感覚に陥る。ぶっちゃけるとキスの時から昂り過ぎて挿入したばかりなのにイキそう。早漏と思われるのが恥ずかしくて必死に耐える。
その時、破瓜の痛みを声も出さず一筋の涙だけで堪え切ったアルファが僕の耳を優しく噛んだ。女の子から女になったエルフはトドメを刺すかのようにこう呟いた。
「我慢しないで、い~っぱい出して」
普段の凛とした彼女からは想像も出来ない甘い声。ちっぽけなプライドの抵抗も空しく、快楽に屈した男性器が屈服の白濁液を吐き出す。脈動とともに吐き出される精液が子宮を満たしていくのを感じているのか、「あついのが、たくさん」というセリフが僕の上の少女の口から零れた。
前世を含めても一番の心地よさと満足感を味わった射精が終わる。しかし、繋がって五分も経たない間に達した雑魚のくせに僕の分身は硬さを保ったままだった。覆い被さられている故に引き抜くこともできずそのまま身を委ねていると、アルファが腰を上下に弾ませた。その衝撃で子宮に収まりきらなかった白濁液が膣口から溢れ出る。
「夜は長いわ……まだまだこれからよ」
肉食獣のように目をぎらつかせるアルファのタガは外れていた。
♦♦♦
「――なんてこともあったな」
「どうしたの、いきなり遠い目なんかして?」
ミドガル魔剣士学園の寮の自室。五日間に渡るアレクシア誘拐の取り調べを受けた僕は、部屋に戻るなり現れた学園の制服を着たアルファによって三大欲求を満たされていた。具体的に言えば『まぐろなるど』を食べてすぐにセックスしてる。
今はベッドの上でアルファの股を割ってそこに僕が座り、彼女のお尻が自分の膝に乗ってる状態だ。肉付きの良い白い脚が覗くミニスカートによって性器の結合部が隠されているが、アルファが小さくゆさゆさと腰を揺らすごとに響く濡れた音と伝わる快楽が性的興奮をどこまでも高める。絶頂に達するまで長いが、お互いが繋がっていることを意識できるゆったりとしたセックス。
それに対して初めてのセックスはまるで獣の交尾、悪く表現するなら捕食だった。タガの外れたアルファは僕を
ばちゅばちゅと激しく肌がぶつかるほど腰を弾ませて射精を促し、陰茎が萎えてきたら深く尻を落としてぐりぐりと硬くなるまで押し付ける。「すき」という言葉をうわ言のように繰り返しながらしていたキスは歯を突き立てることに代わり、流れる血や汗はどれも舐め取られた。途中で意識を飛ばし、目を裏返して涎を垂らしながら、腰を振ることだけはやめなかった。
流石の僕も精魂果てて意識を落として、朝日が昇り始めた頃に目を覚ました時の部屋中に漂う淫臭と上に乗っかったまま寝ていたアルファをどかす際、陰茎を抜いた彼女の膣から零れた白濁液の量と言ったら!
一歩間違えたらトラウマになりかねない童貞喪失を経験させてくれたエルフを見つめる。キスをしてきた。舌で口を開けて唾液を流し込もうとしてくる……違うそうじゃない。
「てっきり喉が渇いたと思ったの。だから私の水分を分けようとしたのだけど……『まぐろなるど』の味がしたわ」
「それを食べたばっかりだからね。あとそんな極限状態でやるような方法じゃなくて普通に水を頂戴」
「残念だけど水は持ってきてないのよ。だから、これで我慢して」
そう言ってアルファは制服の前を開く。たゆんっと揺れるのは二年前とは比べ物にならないほど実った双丘。彼女は右の乳房を持ち上げてピンとなった桃色の突起を咥えさせてくる。彼女が自分で胸を揉みしだくのに合わせて吸い付いた。
すると僕の口の中にほんのりと酸味のある甘さが広がる。少しずつ量を増していくその液体を僕は赤子のように飲み干していく。事実、これは赤子が飲むものだ。
本能のままに交わったあの日以降も僕とアルファはずるずると肌を重ね続け、二ヶ月ほど経ったある日、アルファの妊娠が発覚した。一応本人の自己申告でデキにくい日を狙ってしていたが、避妊もせずしていれば当然こうなる。
当然大変なことになった。『シャドウガーデン』崩壊の危機とか、出産でアルファが死にかけたりとか色々あった。だがその話は別の機会に。今認識するべきは僕が子持ちになったということだ。
「左の方は沢山飲んでくれるけれど、それで満足しちゃうから右の胸が張って痛くて……飲んでくれてありがと」
胸に吸い付く僕の頭を微笑みながら撫でるアルファ。とんでもない母性、とんでもなく高度な赤ちゃんプレイだ。
しばらくして搾乳も性交も終わる。シャワーを使えないアルファは軽く身体を拭いて香水で臭いを誤魔化し、スライムスーツに着替えて股から垂れ落ちそうになる精液に蓋をした。二年前は慌て過ぎて手で股間を抑えながら涙目になって証拠隠滅をしていたのにえらい違いである。
「それじゃあ準備ができたら連絡するから、またね」
「アルファも身体に気を付けろよ……もう自分だけの身体じゃないんだから」
抱き着いてきたアルファを抱き返しながら彼女の腹を撫でる。見るだけではわからないそこを触ると命が宿っていることを感じられる……つまり、そういうことだ。
「ありがとう。シャドウも気を付けて」
アルファは笑顔で、窓から姿を消した。
アレクシア、ベアトリクスは絶対に書きたい。特にベアトリクス。