※この作品はR-18です。

陰の実力者になりまして…… R18   作:柔らかいもち

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 やっと新キャラ。でも別作品のR18を書きたくなってしまっている。どないしよ。


アイリス

 落ち葉と枯れ枝を組んで作った焚火がパチパチと音を響かせる。雨宿りのために入った洞窟の天井の穴から見える空は分厚い雲で覆われており、入口に目をやれば凄い勢いで降り注ぐ雨が一寸先も見えないほどの幕を作り出しているのがわかる。

 

 ちらりと横を見る。そこには自身の妹が通っている魔剣士学園の制服を脱いでパンツだけになっている青年がいた。彼――シド・カゲノ―は雨で濡れた身体を冷やさないために脱いだ服を焚火の近くに置き、こちらに背を向けて火に当たっている。彼女――アイリスを視界に入れないように、焚火に近寄れるように少し離れた場所で。

 

 シドと同じように濡れた軍服やズボンを脱いでワイシャツと下着だけになっているアイリスの胸が締め付けられる。こんな状況に付き合わせてしまっている後悔と罪悪感――そして、別の感情で。

 

(駄目です。既にたくさん迷惑をかけているのに、これ以上は駄目です)

 

 雨の日になるとアイリスは『ブシン祭』を思い出してしまう。誇り高き魔剣士達の舞台を好き放題に荒らしてくれたシャドウへの怒りと、圧倒的な力の差で弄ばれ止めることさえ敵わなかった屈辱を。

 

 あの敗戦を無駄にしないためと夜中に城を抜け出し王家が管理する山で鍛錬していたが酷い言い訳だ。ただ腹の底から湧いてくる感情を処理しきれなくて、ただ暴れ回っていたに過ぎない。シャドウとの戦いをなぞることも忘れて物に当たっていたのがその証拠。

 

 それがわかっていても雨をきっかけに湧き上がる激情を堪えることができず、ついに城に戻るための魔力を温存することも忘れて魔力切れで倒れ込むまで暴れ回った。あのままだとずっと雨に打たれ続けて重い病気を患うことになっていたか、野生動物やモンスターに襲われていたかもしれない。

 

 そうならなかったのはシド君がいてくれたから。アレクシアから姉の様子がおかしいと相談されてここまで様子を見に来てくれた彼は昏倒する寸前のアイリスを抱きとめ、洞窟まで連れて行ってくれた。かろうじて濡れていない枝を集め焚火を起こし、食べられる木の実も持ってきてくれた。嫌な顔なんて一つも見せずに。

 

 市井を『お忍び』で見て回る時から私欲で迷惑をかけ続けた。だから、この浅ましい感情は抑えなければならない。妹は口では悪く言ってるけどきっと彼のことが好きだ。同じ気持ちを抱いてしまえば、王家の威光を利用しようとしない高潔でお人好しな彼がどれほど魅力的かわかるから。

 

(ごめんなさい、アレクシア。本当にごめんなさい)

 

 頭ではわかっているのにこの気持ちを抑えられない。むしろ頭はこの恋情を肯定するようなことばかり言ってくる。

 

(また雨の日になれば迷惑をかけてしまう……この怒りを忘れられる何かが欲しい……何かお返しをしなければ……今の私に差し出せるのはこれくらいしか)

 

 焚火の火が弱まっていく。雨が降っていたのだから燃やせるものは少なく、そうなるのも当然だ。火が小さくなれば洞窟の壁に映る影が薄くなっていくのも自然のことで、王族で妙齢の女性の濡れ姿を見ないよう背を向けていた男が気付くのに遅れるのも当たり前だった。

 

「シドさん……」

「ア、アイリス様……ッ!?」

 

 シドの声が途中で裏返る。それもそうだろう。なにせアイリスが背中にしなだれかかるように抱きついてきたのだから。剥き出しの肌に軍服の上からでも豊満だとわかっていた胸が押し付けられる。

 

「なっ、なにを……」

「そろそろ焚火が消えてしまいます。まだ服は乾いてないですし、まだまだ雨は降り続けるでしょう」

「じゃあ、もう一回薪を拾いに――」

「だから、肌を寄せ合いましょう」

 

 ぶっと吹き出すシド。暗くなりつつある洞窟でもわかるくらい彼は顔を赤くしていた。アイリスも赤面していたが、彼女は別の所に目を向けていた。服の皺などとは到底誤魔化せないくらいパンツを持ち上げる逸物にである。

 

「王族が僕みたいな下級貴族とそんなことしないでください……!」

「シドさん……ご自身を卑下するのはやめてください。私だってこんな状況だろうと誰彼構わずしようとは思いません――シドさんだからするんです」

「――」

「……これから温めあいますが、私はもう魔力がないです。だから何をされても抵抗できませんし、それがわかっていて男性に近寄ったのなら……それはもう、自業自得です」

 

 ここまで言ってもシドは手を出さないだろう。だからアイリスは、最後の一押しをする。

 

「――愛しています、シドさん」

 

 二つの影が重なる。それを最後に、洞窟を照らす火の光は完全に消え去った。

 

 

 

 ♦♦♦

 

 

 

 暗闇に包まれる洞窟で幾度も水音が響く。それは外で降り注ぐ雨の音ではなく、湿ったものが何度も触れ合う音……硬い地面で身体を傷めないよう下敷きになる男と、彼に跨る女が唇をついばみ合う音だった。

 

 生真面目なアイリスには縁遠い粘膜を触れさせ合う行為。くちゅ、ちゅっと軽く触れ合う唇から漏れる息は次第に荒く熱っぽくなっていき、くちゅり、ちゅるりと淫らな水音へと変わっていく。

 

 どちらからともなく口吸いをやめると、アイリスはワイシャツを脱ぎ捨てた。処女雪を思わせる白い肌と引き締まった腹筋が暗がりに慣れた目に映り、支えるために手を回した腰は力を入れたら容易く折れてしまいそうなほど華奢だった。

 

 更にアイリスは白い布地の上からでも鮮明だった妹に選んでもらった赤いブラジャーも外す。ぷるんと大きくて柔らかい乳房がシドの眼前で震え、ほっそりした首筋から伝う汗か雨水かわからない雫が深い谷間に消えてゆく。燃え盛るような輝きを放つ真紅の瞳は濡れていて、気品を宿す美しい顔はどこか艶めかしい。

 

 シドがさらけ出された胸を揉む。柔らかい乳肉に指を沈め、大きめの乳輪をなぞり、桃色の乳首を指の腹で摘んで転がした。手遊びで満足できなくなれば乳輪ごと口に咥え、舐めては吸って、時に軽く歯を立てる。自分で触れた時には感じない僅かな忌避感、それ以上の甘い痺れをアイリスはシドに抱き着いて受け止め続けた。

 

 シドの胸遊びが終わると今度はアイリスがシドを押し倒して彼に覆い被さり、味わうように彼の身体を舐めていく。ぴちゃぴちゃとはしたない音を立てながら舌を這わせるアイリスの大きな肉の塊がシドの胸元に押し当てられ、むにゅりと形状を変化させる。

 

「ん……ふぅ、ちゅっ」

 

 鎖骨を過ぎて首に到達したアイリスは顔を上げて、お互いの顔が吐息が聞こえるほど接近していることに気付くと唇を重ねる。シドの顔にかかった濡れた髪からは色香を伴う淫靡な香りが漂い、鼻腔をくすぐった男の獣性をがなり立てる。

 

「……そろそろ、しますか」

 

 その言葉をどちらが言ったのかわからない。けれど、お互いにその言葉を待ち望んでいたかのように唯一残っていた局部を隠す布を脱ぎ去った。

 

 押さえつけるものがなくなって大きく反り立つシドの剛直はアイリスの腹をぺちぺちと叩き、アイリスは雨ではない淫らな水で濡れた秘部を陰茎の根元にくちゅくちゅと擦り付ける。

 

「……挿れますね」

「……どうぞ」

 

 シドのお腹に手を置いてバランスを取りながら秘部に陰茎の先をあてがっていたアイリスは、息を大きく吸い込むと割れ目に赤黒い亀頭の呑み込ませ、腰をずぶずぶと落としていく。

 

「う、あ……くっ……ん、ふぅぅっ」

 

 初めて男の逸物をすぐには受け入れられない膣内の淫肉が追い出すべく迫って来るが、それを受け入れようとする女の欲望がそれを邪魔する。腰をゆっくり動かして陰茎で円を描くように膣内をかき混ぜて押し広げながら受け入れていく。

 

「あっ……」

 

 途中で何かを裂くような感覚をきっかけに、陰茎は奥へ奥へと進んでいく。弾力があって、蕩けるように淫肉が絡みつくように締め付けてくる。溺れてしまいそうな快感を与えてくれる膣内を貫く陰茎は、先端が突き当たりにぶつかることでようやく止まった。

 

「ここにシドさんがいるんですね……」

 

 シドの腹に置いていた手で彼の陰茎で埋め尽くされた膣内を感じるようにアイリスは下腹部を撫でる。ただそれだけの仕草がどこか官能的で、撫でられるお腹の中にいる陰茎が達してしまうのを我慢するように震えていた。

 

 そしてそれは、体内に受け入れているアイリスにも伝わっていて――彼女はシドの手を取ると掌を重ね合わせ、指の一つ一つを絡めるように繋ぎ合わせて、ゆっくりと腰を動かし始めた。

 

 激しさや気持ち良さよりも繋がっていることを深く感じる為のようなセックス。腰を少しだけ上げてはすぐに落とすようなまぐわい。しかし、隙間もなく締め付け、搾り取るように吸い付いてくる蜜壺でそれをやれば、すぐに射精してしまいそうな快楽に変わる。

 

「あっ……はぁっ……ぁん、シドさんっ……シドさん……んんっ」

 

 それを知ってか知らずか顔を赤らめて身体を弾ませていたアイリスは腰を深く下ろして膣内をより強く締め付けながら厭らしくくねらせる。彼女にとって更なる繋がりと気持ち良さを求める動きだったのだろうが、それがトドメとなったシドの腰の奥から湧き出した白いマグマがそのままの勢いで鈴口から飛び出した。

 

 女の聖域を鈴口から吐き出される白く濁った粘液が汚していく。次世代の王族を産む役割を持った女性の子宮に雄の種汁が注ぎ込まれていく。

 

「ふぁぁぁ……シドさんの精液、お腹の中に広がってます……」

 

 シドに倒れ込みながらアイリスは夢見心地で口を動かす。密着させた肌から柔らかさと卑猥な温もりを伝えながら、蕩けた顔と濡れた瞳で見上げる自分の姿がどれだけ雄を誘惑するのか自覚しないままに。

 

「だいすき、シドさん」

 

 

 

「はひっ、いぎ、んにぃぃ、ひぎゅうぅぅぅ!?」

 

 アイリスは犯されていた。紳士で優しいと思っていた青年に地面に押さえつけられて、背中から覆い被さられて、初めてのゆったりした交わりの余韻なんてなくなってしまうくらい滅茶苦茶に犯されていた。

 

 アイリスはそれを拒むことも非難することもできぬまま、ただ受け止めることしかできなかった。

 

 鍛えて引き締まっても柔らかさと大きさを失わなかった臀部は形が崩れて手の跡が崩れるほど揉みしだかれ、獣の交尾の如く激しい抽挿で打ち付けられる腰によって揺れていた胸は鷲掴みにされて乳首を何度も引っかかれては指で潰されそうになり、首や肩に歯形を付けられればその度に脳に苦しいのか気持ちいいのかわからない痺れが走る。

 

 勝手に逃げそうになる腰は無理矢理抑えられて、一番気持ちいい膣のざらざらした部分を摺り上げられ、子宮口を亀頭でどちゅどちゅと繰り返しぶたれる。快楽をより感じるようになった膣をヒダや膣壁が削れてしまいそうなほど犯されたアイリスの頭は真っ白になっていた。

 

「出すよ、アイリス様」

「お゛っ、おほっ、んお、ん゛ん゛んあ゛あぁぁぁっ!?」

 

 どこに、なんてことは考えずとも本能でわかる。膣内から剛直をぐりぐりと押し付けられ、外側からすりすりと撫でられれば嫌でも意識してしまう。子宮に子種を植え付けられてしまうのだと。

 

 始まった射精。既に出された精液と新しい精液が胎の中で混ざり合う感覚。子宮の中が焼かれるような熱さを無視して、子宮口は亀頭と隙間なく接吻を交わしながら注ぎ込まれる精液を嬉しそうに飲み干していく。

 

「……お゛っ…………んほっ……っ……」

 

 ずるるっ……と陰茎が入口に向かって引き出される。これが終わりではなく更に子種を注ぎ込むためにいっぱいになった精液をかき出すための動作だと、快楽に苦しむ野太い艶声も快感に溺れる甘い嬌声も出し尽くした口からだらしなく舌を垂らして雌であることを教え込まれたアイリスは知っていた。

 

 無意識に逃げ出そうと浮いた腰がどちゅんと剛直を叩き込まれて沈黙する。それでも王国最強の魔剣士として鍛え上げた身体が意識を失うことだけは許さない。王女は男が満足するまでその肢体を貪られ続けるのであった――。

 

 

 

 ♦♦♦

 

 

 

 あれから雨の日を迎えてもアイリスはシャドウへの怒りに振り回されることもなくなり、城をこっそりと抜け出すこともなくなった。しかし、代わりにあの日の交わりの温もりと快楽を思い出すようになってしまい、

 

「……ん……ぁ……っ……駄目。シドさんじゃないと……」

 

 王城の寝室で赤いネグリジェ姿になっていたアイリスは股に挟んでいた手を引き抜く。指先には糸を引く粘液が付着していたが、彼女の不満げな表情は変わらない。

 

「うっ」

 

 唐突に吐き気がこみ上げる。アイリスはあらかじめ用意してあった桶に向かい、吐瀉物を吐き出す。何度か吐いて身体の不快感が薄れていったところで水差しの水で口を注ぎベッドに戻り、熊のぬいぐるみを抱きしめて身体を丸める。

 

 あの日から幾日も過ぎた時から体調が優れない。時々気分が落ち込み、何度も吐き気がこみ上げる。今まで食べていた食事もあまり美味しいと感じられなくなって食欲が小さくなり、酸味のある果物ばかり口にしている。

 

 ――そして、その原因はわかっている。

 

 抱いている熊のぬいぐるみの中に手を突っ込む。抜かれた手には棒状の物体が握られていた。体調を崩してその内容を耳にしたアレクシアが内緒で持ってきてくれたものだ。

 

 もう既にこれは自分が使ったものだ。アレクシアが恥ずかしそうにしながらも実演付きで使い方を教えてくれた。姉妹揃って同じ反応が出ていた。

 

「私は……シドさんの子を身籠ってしまったのですね。アレクシアもシドさんの子を身籠るなんて、変な所で似てしまう姉妹ですね、私達は」

 

 自嘲の笑いも浮かべられない。オリアナ王国か他国の有力貴族に嫁ぎ、未来の伴侶に捧げるべき身体に妹の想い人の子を宿してしまっている。王族どころか姉としても人としても失格だ。

 

 勘違いならどれだけ良いだろう。でももう自分の身体は早すぎるくらいに母親になる準備を始めてしまっている。チクチク痛む胸の先から滲み出る黄色い液体がその証拠。

 

「シドさん……私はどうしたらいいですか……」

 

 抱きかかえる熊のぬいぐるみをシドに見立てながら、アイリスは眠りに堕ちていく。明日への不安と、我が子の未来を考えながら。

 




 なんか……初めて不穏な感じの終わりになった。
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