「おかしい……」
禁断の交わりからおよそ三か月後。卒業を間近に控えるクレアはかつての情事の痕跡を綺麗さっぱり消し去った自分の部屋でそう呟く。
「アウロラ、いるんでしょ。出てきなさい」
『……何かしら?』
ふわりと虚空からアウロラが出てくる。気だるそうな彼女にある物を突き付ける。
「もうずっと生理が来てないの。危険日じゃなかったけど万が一があるからこれを試してみたの……見て」
突き付けたのはミツゴシ商会で売られている妊娠検査薬だ。
「反応は
『……はぁ』
「何よそのため息」
説明するのを面倒くさがっているのかと思ったが、どうやら違う。幽霊みたいな相手にこの表現は違うのかもしれないけど顔色が悪い。血は流れてないはずなのに。
『……普段は鈍いのに、私が気にしてほしくないことにはすぐ感付く貴女へのため息』
「お姉ちゃんだから弟の些細な変化も見逃さないようにしてたから鋭いのよ。で、何が原因なの?」
『……結論から言うと貴女は妊娠してる』
思わずクレアは下腹部を押さえた。何故妊娠したのかよりも重要なことを口を震わせながら尋ねる。
「……相手は誰?」
『……あの後、私は嫌がる貴女の代わりに魔力補充を行ったわ。相手は貴女も知ってる』
「まさか……シド!?」
『……そうよ、貴女の弟さん』
ほっと息を吐く。よかった、知りもしない男の子供だったら悪いけど流すところだった。
『……安心するところが違うと思うのだけど』
「へっ!? べっ、別におかしなことじゃないでしょ、知らない相手より大事な家族の子供を妊娠してた方がマシじゃないかしら!? というか勝手に私の身体を使ってシドを貪ってんじゃないわよ!」
『……貴女が他の男の人を嫌がるから彼にしたのに』
この話を続けたら負けそうなので続きを促す。
『……妊娠したのは貴女達姉弟が王族とか生きるのも難しい時代でもないのに近親相姦なんてしてたから。そのお仕置き』
「うっ……確かに悪いことだけど。でもむしろご褒美かも……」
『……それで妊娠検査薬が反応しないのは……説明書はこれね……多分、この薬が反応する物質がまだ尿に含まれてないせいね。私が子供の成長をゆっくりにしてるから』
「はぁ!? そんなことできるの!? ていうかなんでそんなことしてるのよ!」
『……貴女が弱くて心配だから、子供に十分な栄養を与えられるようにしたいの』
余計なお世話だ。アウロラからすればクレアのレベルは低いのかもしれないけど、学園でも国内でも有数の魔剣士なのだ。
「アウロラの体調が悪そうなのもそれが原因?」
『……そうね。貴女にかかる負担を全部引き受けてる……でも、これはお詫びだから気にしないで』
「気にするわよ……あれ、お詫びって何の?」
『貴女のお腹にいるのは貴方と弟さんの子供だけじゃなくて、私と彼の子供もだから』
「……はぁああああああああああああっ!?」
耳を押さえるアウロラの襟首に掴みかかるも相手は幽霊なので当然すり抜ける。つんのめりそうになるのを堪えてクレアは振り返った。
「私の身体を使ってるのになんでアンタの子供ができるの!? あっ、もしかして私とシドの子供じゃなくてアンタとの子供でもあるって言いたいの? 残念だけど私とシドの愛の結晶だから!」
『……言葉通りよ? クレアの遺伝子は毛ほども混ざってない、私と彼の愛の結晶。受精してもすぐに着床するわけじゃないから私と貴女の身体を切り替えていたの』
「何勝手に私の弟と子作りしてるのよ!」
『……結婚して、子供を授かって、幸せな家庭を築くのが夢だったから』
それを聞いて思わず黙り込む。『災厄の魔女』と呼ばれていた誰からも恐れられていた強い女性に、寂しそうな顔でそんなことを言われたら何か言える訳がない。
『それに私が生きてきた中で理想のタイプなの、彼しかいなかったのよ』
「アンタはもう死んでるでしょ……シドが好みなんていい趣味してるじゃない」
――クレアは弟のようなかわいい系が好みと勘違いしているが、『災厄の魔女』アウロラの理想の男性は自分より強い男である。
「まぁデキちゃったものは仕方ない。私のお腹でちゃんと育ててあげるわよ……初産が双子って大丈夫かしら?」
『……双子?』
「だってそうでしょ、私とアウロラで一人ずつ――」
『妊娠してるのは八人よ』
「は?」
今こいつなんて言った?
『私は一人っ子で寂しかったから男の子と女の子が一人ずつ欲しいと思ってたし、貴女達を見てたら兄弟姉妹もいいと思ったから全部で四人。私と貴女で差が出ないように同じように受精させたから合計八人ね。ちなみに性別は膣内をアルカリ性にしたり酸性にして生き残る染色体を調整することで決められるわ』
「それよりも八人って……私のお腹はどうなるのよ!? 母さんは一人の時でも大変そうだったのにっ」
『だから気付かなければよかった』
「あっ、だから私の身体じゃ心配って言ったのね! 私じゃなくても八つ子なんて危ないに決まってるし、そんな数妊娠してたら気付かない訳ないでしょうが!」
『……光を屈折させて見えなくすれば、お腹の筋肉の密度だけ凄いことになったって誤解しないかなって』
「馬鹿にしてんの!?」
『……出産の時は私が変わってあげる。そこまで成長すれば流産の心配もせず身体を変えられるから。私の方が安産型のお尻だし、痛みには慣れてるし、何より出産に憧れがあるのよねー。おっぱいが大きい方が赤ちゃんも喜ぶんじゃない?』
「ふざけんな! シドの子供を産むのは私の役目よ、痛くても譲るもんか!」
「シド!」
「うわっ、急にどうしたの?」
ずっと気まずくて顔を合わせるのを避けていた弟の部屋に飛び込みしっかり扉を閉めて、弟の手を握りしめ目を合わせながら宣言する。
「シドの子供、産むから!」
「へ?」
「お姉ちゃん、元気な子を産むからね!」
♦♦♦
姉さんが妊娠した。僕は血の繋がった姉の子宮に種付けを行ってしまったのだ。
妊娠が発覚してからというもの、処女喪失以来僕を避けていた姉さんはそれまでの我慢が限界を迎えたようにはっちゃけた。断ろうとしても、
「私の処女を奪っておいて、それどころか孕ませておいてアンタに拒否権があると思う?」
その言葉で僕は逆らえなくなった。
そして姉さんが学園からいなくなるまでの間、僕は散々搾り取られることになる。
「お姉ちゃんを妊娠させるような悪い弟ちんちん、躾けてあげる」
朝っぱらから僕の顔に姉さんがのしかかってくる。視界に映るのは絹のような黒髪とその隙間から覗くほっそりした背筋、ほどよい大きさの臀部だけ。鼻や口にはずっしりとしたお尻の重みとともに秘部が擦りつけられる。
タイツ越しに擦り付けられる蜜壺の芳香が吸った空気の逃げ場を失った鼻腔を満たしていき、既に剝ぎ取られていたズボンから露出していた陰茎が硬くなっていく。
それを姉さんは両足で挟んだ。靴の中で蒸れていた足裏がじっとりとした湿りと熱を感じさせ、手では決して味わえない脚独特の触感と硬さ、容赦のない圧迫感がどうしようもない快感を与えてくる。
「シドの鼻息がくすぐったい……そんなに気持ちいい? でもこれは躾けだから、さっさとイかせてあげる」
陰茎を挟んだまま姉さんが足をすり合わせる。指が亀頭を甘くひっかけ、カリ首の滑らかな布の摩擦に嬲られる刺激、竿への容赦のない圧力で腰の奥から湧き上がってくるものをこらえきれず、そのまま解き放ってしまう。
びくびくと震えながら精液が吐き出される。射精が始まっても姉さんは足による扱きを止めようとせず、むしろ邪魔をするように圧力を強めてきた。射精で敏感になった陰茎への暴挙に悲鳴を上げそうになった僕の口は秘部で閉ざされ、脈動を止められた陰茎は圧力が消えた瞬間に残りの白濁液を放出する。その苦しさを伴う快感で僕の頭は真っ白になった。
姉さんは一度扱くのをやめると、僕の頭を太腿で挟み込むような形の膝枕をしてきた。広がった視界に映るのは僕の精液で白く汚れたタイツに包まれる姉さんの足。
「これぜーんぶシドの精子。お姉ちゃんを孕ませたい弟ちんちんが頑張って出したけど、お姉ちゃんの子宮どころか
「そ、そんなぁ……」
「そんな顔してもダーメッ。最後まで頑張りなさい」
それから全部を絞り出されることはなかったが、姉さんの用事がある時間までは搾り取られてしまった――。
♦♦♦
「ひどかったわねぇ、貴方のお姉さん。その分甘やかしてあげるから……おいで」
「ヴァ、ヴァイオレットさん……」
その日の夜。僕は生まれたままの姿のヴァイオレットさんに甘やかされていた。
「ほーら、おっぱいでちゅよー」
柔らかな身体で抱きしめながら僕の口元に豊満な胸を近付けてくる。僕はそれに逆らうことなく胸の先端にある桃色の突起に吸い付いた。それと同時に双丘の片割れにも手を伸ばして柔らかな果実を揉みしだき、指で突起をつまんでこねくり回す。
ヴァイオレットさんは微笑みながら僕の頭を抱え、もう片方の手で彼女の身体の触感で大きくなっていた陰茎をやんわりと握りしめる。そしてゆっくりと揉むように手を上下に動かした。
すぐに絶頂させるような刺激を与えないままお互いの性的象徴を愛撫していると、
「……んっ」
小さな喘ぎ声を零したヴァイオレットさん。彼女の大きめの乳輪の中心にある乳首から乳白色の汁が飛び出る。
「私の身体が早くお母さんになりたいって言ってるみたい。貴方みたいな大きな赤ちゃんがいるからかしら?」
あの日の宣言通り、ヴァイオレットさんは本当に妊娠していた。おまけに体質なのかすぐに母乳が出るようになったらしい。胸の張りの解消と練習も兼ねて彼女とする時は大抵このプレイをしている。
「ふふ、いい子いい子。お母さんのおっぱいを飲むのも大事だけど、貴方もそろそろミルクを出しましょうか」
恥ずかしそうに微笑むヴァイオレットさんの陰茎を握る手の動きが甘やかすものから射精へ導くものに変わる。亀頭を優しく撫でながら輪っかにした指でカリ首を刺激し、腰の奥にあるとわかっている白濁液を汲み上げるかのように竿を上下に扱き続ける。
温かな掌で感度を高められていた陰茎がその手捌きに我慢できるはずがない。一分も保たずに精液を吐き出すが、その直前にヴァイオレットさんの手が亀頭を覆うように被せられる。凄まじい勢いの濁流は全て、彼女の手の内にぶちまけられた。
「凄く濃いわね。調整もせずに一日中子作りしてたら何人できちゃうのかしら?」
くすくすと笑うヴァイオレットさんは精液に塗れた手で再び陰茎を握りこむ。
「ちょっと気になってたの。私の
「……!?」
「それじゃあ、よーい、どんっ」
――こうして僕は昼間は厳しく搾り取られ、夜は甘く(時々激しく)搾り取られるのであった。
ヴァイオレットさんが出てるのは光の屈折で見た目だけ変えてるとかです、多分。