僕は異世界に転生して最強クラスの敵と対峙していた。前世で培った実践的な戦闘技術、今世の幼少期から磨き上げた魔力関連の技術によって自慢じゃないけど世界で僕より強い奴は会ったことないけど片手で数えられるくらいだと思う。
何故その敵が最強なのかというと、こいつへの勝利条件が殺してはいけないからだ。なのにその敵はすぐに死ぬ。スペラ〇カーかってくらい死ぬ。
敵の名は僕の理性。敵より厄介な無能な味方を僕は必死に延命させていた。
「シド君……」
僕の心の中の戦いなんておかまいなしに一泊三十万ゼニ―の最高級の部屋でエンカウントしたローズが理性のライフゲージを削って来る。ふかふかのベッドの中で手を握り、頬を赤らめながら僕の瞳を見つめ、枕を胸に抱えるいじらしさを見せつける彼女はすごく可愛かった。
にっ、逃げられない。手を掴まれてたり一緒にベッドに入っていることも原因の一つだけど、この雰囲気をぶち壊して彼女を泣かせるような真似なんて僕にできない。
熱に浮かされたようなローズの蜂蜜色の瞳から目を逸らせないまま見つめ合うことしばらく。枕を離した彼女の手がベッドの中で動き、僕の股間にそっと触れた。それだけで終わらず、形を確かめるように優しく愛撫してくる。
「シド君のここ……おっきくなってます」
耳元で囁かれる甘ったるい声。もうやめて! 理性のライフはゼロよ! これ以上はただの死体蹴りだよ! ローズの顔は林檎みたいに真っ赤になっているけど、鏡を見なくても僕の顔も似たような色になっているとわかった。
ローズが身体を起こす。手を伸ばすのは壁に立てかけた護身用の細剣……ではなく、自身が着ている白いネグリジェ。前ボタンを一つずつ外していき、肩の布を上に引っ張るようにして脱げばそれだけで彼女は生まれたままの姿になる。
処女雪を思わせる汚れのない肌に、剣士として鍛えられた筋肉に支えられる収穫時期の果実のようにたわわな胸。ブラどころかパンツもないのは最初からヤル気満々だったからだろう。そのくせして恥ずかしそうに腕で胸や股間を隠す姿は芸術品のように美しかった。
そのままローズの裸体を眺めていても良かったが、彼女の方は違った。意を決したように僕の股の間に入り込み、ズボンとパンツを下ろして陰茎を露出させる。ぼろんっ、と音が聞こえそうなくらい揺れながら眼前に勃ったそれを目にしてもローズが怖気づくことはなかった。一度だけ覚悟を決めるように深呼吸をして腰を上げる。
あれ、何か忘れていることがあるような……気のせいか。
「……シド君はそのままで大丈夫です。私は王女として世継ぎを残さなければなりませんから、殿方と何をするのかは知っています……その、悦ばせ方も」
そう言いながら彼女は秘部に陰茎の先端を触れさせると、そのまま腰を下ろし――痛い痛い痛いぃ!?
「ちょっと待って折れる!」
「あっ……」
腹筋を使って上半身を跳ね上げながらローズを抱きしめて挿入をやめさせる。そうだよ、彼女の秘部が全然濡れてないじゃん。今まで相手してきた女の子達は最初から濡れてたり前戯で慣らしたりしてたからすっかり忘れてた。
ローズの秘部を見てみるとぴっちり閉じてる。割と俗っぽいオリアナの第二王女と違って真面目なローズは自慰行為とかしたことないのだろう。そりゃ濡れたりしないわ。こんな状態で挿入しようとしたら痛いだけで気持ち良くないだろうに……。
今の痛みで僕の息子は萎れていた。そんな息子の様子を見てしまったローズは真っ青だ。目尻から涙が盛り上がり零れ落ちそうになっている。このままだとセックスがトラウマになって今後に影響が出そうなくらい自分を責めているな。
冷静になって考えたらこのままなかったことにした方がいいだろう。普段から僕は面倒事は避けるタイプだ。一国の王女とお付き合いをするだけでも多数の嫌がらせを受けるのに、肉体関係まで持ってしまえばどうなるのか。ただでさえ他の女の子とも関係を持っている上に子供までいるのに……。
だけど、勇気を出してここまでしてくれた女の子を見捨てるのはもっと駄目だろう。
「ごめんなさいっ。ごめんなさいシドく――」
だから僕は、震えながら謝罪の言葉を繰り返すローズの唇を奪った。
舌を絡ませたり唾液を交換したりはしない、唇を触れ合わせるだけのキス。短時間の粘膜接触を何度も繰り返す。その合間に鼻を擦り合わせたり、髪を梳きながら頭を撫でてあげる。
アルファが産後鬱で弱った時もこれで落ち着いた。他の女の子を宥めたテクニックを使うのはどうかと思うけど許してほしい。
「ふ……ふ、ふっ……ちゅっ、んん……ふはぁっ……」
「落ち着いた?」
「はい……とっても幸せな気分です」
軽いキスだけで人はこんなに幸せいっぱいな顔になるのか。これで最後までやっちゃったらどうなるんだ。怖いけど見てみたい。
「ならいいけど。でも濡れてもないのにすぐ挿れようとしたら駄目だよ。僕も君も痛いでしょ。剣と一緒で一から順番にやっていかないと」
「はい……ごめんなさい」
「いいよ。じゃあちょっと体勢変えよっか」
あぐらをかいた僕の脚の隙間にローズが背を向ける形で座らせる。これからやらせることを考えたら顔を見られるのは恥ずかしいだろうと思って提案したら、ローズも全裸で対面していたのが恥ずかしくなったのかすぐに背を向けて座った。
夏が近づいて夜も蒸し暑い。汗ばんでしっとりしたローズの背中に自分の上半身を密着させながら、僕は彼女の口元に指を持っていく。人差し指と中指だ。
「しゃぶって」
「……!! あー……はむっ。んじゅる、んぇっ、じゅるる……っ」
僕の命令通り、ローズは二本の指を口に含んだ。歯を立てないよう唇を窄めて慎重に舐めたり吸い付いている彼女の顔はひょっとこのようになっているだろう。おまけに完全に口を閉じれないから溢れた唾液が顎を伝ってシーツに零れ落ちている。どちらも初めての時に見られたくないかもしれないという配慮だ。
指をしゃぶらせている間、空いている方の手で胸を揉む。瑞々しい乳肉は鷲掴みにしようとしても手に収まる大きさではなく、指を沈み込ませれば隙間から逃げようとするかの如く溢れ出す。胸の突起を挟んで擦るとローズはくぐもった艶声を漏らし、口内に溜まった涎を零した。
「口開けて」
「む……ふぇ……」
しゃぶらせるのをやめさせながら舌を摘む。ローズの舌は肉厚でふにふにすると楽しい。少しだけざらつきがあったが唾液のぬめりの方が強く、彼女の口から出てきた僕の指はぬるぬるの涎まみれだった。
これだけぬめり気があるなら
「あっ、そこは……」
まだ閉じている男の性器を受け入れる為の入口。まだ一本の線にしか見えないそこを上から下になぞり、線の端に到達したらその逆になぞる。辛うじて触れている程度に撫でたら、次は線の中に入り込まない程度に強く這わせる。それを何度も繰り返した。
「はぁ、あぁっ、んふっ……ぁ、んん……!」
やがてローズの口から洩れる息は激しさを増していき、腰も僕の指に擦りつけるために無意識にへこへこと動き始めた。そろそろ膣内の方もほぐすべく使わない指で秘部を広げ、蜜を滲ませ始めた入口につぷぷ……と指を入れる。
「ふっ、ぅううう――!?」
初めて膣内に侵入してくる異物の感覚にローズが戸惑いの声を上げようとしても音にはならない。さっきまで僕が揉みしだいていた胸を口元まで持って行って彼女自身に吸わせているからである。恥ずかしくて嫌がる素振りを見せるけど結局はやるんだよね……マゾなのかな?
膣に入れた指は激しく動かすのではなく、中をほぐすためにゆっくりと肉壁に這わしていく。柔らかくなるように何度も押した。やがて膣道が広がって二本目が入るようになると膣口を拡張するように入り口付近で指の開閉運動を繰り返す。
そろそろかな……そう思いながら慣らし作業を終え、指を抜くのに合わせて膨れていた陰核を指の腹で潰すと、
「――だめっ、それ、んぁあああぁあん!」
がくがくと全身を震わせながらローズが絶頂を迎えた。指で秘部を弄っている間も時折達して震えていたが、一番大きな快楽の波が来たようだ。浮きそうになる腰を押さえ込み、白い喉を晒すように限界までのけ反りながら嬌声を零した口を唇で塞ぐ。ちらっと彼女の胸を見ると歯形があった。達するのを噛んで我慢していたのかな?
舌を吸い出して絡めるキスを交わしていると、彼女の身体から力が抜けた。太腿で固定されていた手を引っこ抜くと淫蜜以外のさらさらした液体でも濡れていた。どうやら潮吹きもしたらしい。
本当なら休ませた方がいいのだろうけど……指で慣らし始めた頃から元気を取り戻していた息子が我慢の限界だ。ローズを鳴らしている間、彼女の臀部に挟まれていたせいでローズが身じろぎする度に扱かれてより硬くなってしまっている。正直今すぐにでも挿入したいくらい張り詰めてる。
「シドくん……」
はぁはぁと乱れていた息を整えていたはずのローズが肩越しにこちらを見ながら口を開く。
「……ハジメテは、顔をみながらしたいです」
どこまでもこちらを気遣った言葉。いじらしい姿にとっくの昔に死んでいた僕の理性が粉微塵に弾け飛んだ。
ベッドに押し倒されたローズに重なるようにシドが覆い被さっている。収縮を繰り返す鮮やかなピンク色の膣口には陰茎の先端があてがわれ、ゆっくりと挿入されていた。
「あぐっ、ぅ……んふっ!?」
途中でやめないでください。処女を失う時には痛みを伴うと知っていたローズはあらかじめそう伝えていたが、痛みは処女膜が切り裂かれる一瞬のみ。入口の肉壁をかき分けて陰茎が入って来る時やヒダにまとわりつかれながら膣道を貫き子宮口に亀頭がぶつかった時も痛みはなかった。
そんな僅かに感じた破瓜の痛みや流れた血もすぐに始まった抽挿によって全てかき消されることになる。
最初は初めての男性器に慣らさせるべくゆったりと腰を動かしていたシド。しかし、そんな彼の耳元でローズは、
「もう大丈夫ですから……私をシドくんのものにしてください」
そして始まった激しく腰を打ち付けるようなセックス。抽挿だけで小さくイッているローズの膣内は細かく震え、亀頭が子宮口をノックする度に近くの淫肉が子種を搾り取るべくまとわりつき、引き抜こうとすれば膣壁が押し寄せて陰茎を逃がさないように締め上げる。
「ぢゅるっ、ちゅっ、あんっ……れろ、えろぉ、んぁあ、ふあぁん……!」
更にローズがシドに悦んでもらおうと積極的に奉仕していた。シドの首に腕を回して彼女の豊満な胸が潰されて隙間がなくなるほど抱き着きながら、彼の首や鎖骨を流れる汗を舌で絡めとりながら男の肌に愛を伝えようと唇を落とす。下肢の方もシドが腰を打ち付けやすいように股を大きく開き、全てを受け入れるような恰好が男の腰の奥の熱をより煮えたぎらせていく。
子宮口に膨れ上がった亀頭が押し当てられ、白く濁った男の欲望が噴出するのに時間はかからなかった。
「あひっ、ひぁああああ――!?」
自分の指すら入れたことのない秘部の最奥にある子宮。女として、王族として最も神聖で大切な場所にどっぷりと濃厚な精液が注ぎ込まれる狂おしい感覚にローズは嬌声を上げた。シドを胸に抱きかかえながら足先をピンと伸ばして快楽の波を耐え凌ぐ。
世継ぎを残さんとする反応で子宮口は脈動する亀頭に吸い付いている。おまけにローズは使えるようになった脚でシドの腰に抱き着き、残り汁も出してと奥の方に誘い込んでいた。
未だ衰えない男根が刺さったままの結合部。そこから滲み出したドロドロの白濁液がお尻の方に垂れていくのを感じながらローズは腕と脚を開いて男の欲望を受け止める。
「どうぞ……シド君が満足するまで、私を食べてくだしゃい……」
「幸せ……私、幸せです……」
爆発四散した理性が賢者タイムに突入したことで蘇り終わったセックス。「シド君から頂いた子供の種が漏れちゃったらもったいないです」というローズの要望によって横になりながら繋がったままの僕は、彼女の陶器のように滑らかな背中を撫でていた。
ローズは顔を綻ばせながら下腹部を撫でている。愛おしそうに撫でるそこにもう愛する者がいるというように。
「子供は何人がいいでしょう? 私は一人っ子で少し寂しかったですし、シド君とクレアさんを見ていると姉弟というのもいいと思いました。兄と姉と弟に妹、四人は欲しいかもです」
「そうだね」
「あっ、もしシド君がもっと欲しいなら言ってくださいね。私、頑張りますから!」
「うん、わかった」
放っておいたら永遠に喋り続けていそうなくらい浮かれているローズの背中の窪みをなぞり、「あっ」と甘い声を漏らした唇にキスをして「おやすみ」と目を閉じる。「また明日ですね」という彼女の言葉は聞こえないふりをして僕は眠りについた。
♦♦♦
先日、ローズの元に一通の手紙が届いた。その内容は彼女の父であるオリアナ国王が『ブシン祭』を観戦に来るというもの。剣にあまりいい顔をしない国王が来るという内容に対してローズは額面通りに受け取りはしなかった。
(父上はきっと、私を連れ戻すつもりね)
それだけであればローズの心はここまでざわつくことはなかった。ミドガル王国の留学に周りがいい顔をせず反対し続けた中、最後には了承してくれた人だ。きちんと話せばわかってくれる人だとローズは知っている。
しかし、問題はオリアナ国王が来るという情報に付随して飛び交った噂の一つである。
――ローズの婚約者が内定しているらしい。
論外にも程がある噂だった。仮に手紙にこのことが書かれていたらローズは衝動に身を任せて手紙を破り捨てていただろう。
彼女には心に決めた人がいる。幼い頃から誰かの為に戦い続け、力がなくても死を厭わず誰かを助けようとする心の持ち主。ローズは彼に身も心も捧げると誓ったのだ。というか既に貞操は捧げている。
ついさっきだってフェラチオというプレイに挑戦したのだ。今している剣の練習の休憩中、気分転換と軽食を食べに寮に戻っている時に心に決めた相手であるシドに出会い、ローズの胸の谷間に汗が流れる光景に恥ずかしそうに目を逸らした彼にお腹の奥がキュンとしてやった。
初めて口にした精液は青臭くて苦くて喉に絡みついて飲み込むのにも苦労したけど、シドのものだと考えたら何故かすごくおいしく感じた。睾丸も「ここに弟妹になるかもしれない子達が……」と愛おしく思ったし、全員は産んであげられないことに申し訳なさを覚えた。
「っ、いけない、集中よ」
先程の情事を思い出して発情しかけていた自分を律しようと頬を叩いて気合を入れる。
もう彼女のお腹には彼との子が宿っている。初めてを迎えた夜からずっと月のものが来ていないし、安全な日なんて考えずに身体が疼けば抱いてもらっていた。だからこそ、『ブシン祭』で父に認めさせなければならないし、『ブシン祭』で攻撃を喰らわないように立ち回らなければならない。
「シド君……スタイリッシュ盗賊スレイヤーさん……私は、決して諦めません」
憧れであり愛しい人の名を呟きながら、ローズは今日も剣を振るう。