魔剣士学園の授業は剣だけではない。大半が貴族だから貴族のマナーやしきたりを学ぶ授業もあるし、家を継げない次男や三男坊のために商人や芸術家の基礎を教えるようなものもある。
算術や歴史のように日本と似た授業はちょこちょこあったが、その中に異世界で見聞きすることはないだろうと勝手に思い込んでいた科目があった。
「これより保健体育の授業を始めます」
……すっごい違和感を感じる。いや、魔剣士みたいな身体が資本の職業があるから身体にいい食べ物とかトレーニング方法の善し悪しは知らないといけないし、貴族制度があって一夫多妻もありなら性知識はしっかり学んでおくべきなんだろうけども! 異世界に馴染まなさすぎるぞ保健体育……。
この授業では真面目な生徒ほど気がそぞろになり、不真面目な生徒ほど集中するといういつもと逆の光景が見られる。ジャガもヒョロも目を血走るくらいかっぴらいて板書を写している……主に女性関連のものを。
「いやー、今日もいい勉強になりましたよ」
「そうだよな。次の授業が待ち遠しいぜ」
キメ顔をしながら勉学に励む学生の鑑のような発言をするジャガとヒョロ。いつも寝ているか下着の見えそうな女子生徒を探してきょろきょろしてまともに勉強をしていない二人を近くのクリスティーナさんがゴミを見るような目で見ている。
「これで実技試験もあれば文句なしなんですが」
「本当にな。保健体育の実技なら満点取れる自信があるぜ」
気持ち悪さが滲む笑みを浮かべる思春期男子コンビ。クリスティーナさんのように汚物を見る目を向ける女の子達が彼等の相手をすることはないだろうし、よしんばそんな物好きが現れても声をかけられただけできょどるこいつらにゼッ……実技が上手くできるとは思えない。お先真っ暗なジャガとヒョロの冥福を僕は祈っておいた。
「ねぇ、少しいいかしら、シド・カゲノー君」
野グソよりも近付きたくない野郎二人に囲まれている僕にかけられる愛想があるようで実はない女の声。
「ア、アアアレクシア王にょ!」
「どどどどうぞっ! こんな保健体育の成績も良くない奴でよければ!」
「そう、ありがとう」
何故か僕よりも先に返事をする糞野郎共。人を貶めることに余念がないノッポの友人を後で絞めることを誓う僕の首を掴んで引き摺るのは声をかけてきたアレクシアである。僕はこれから始まる昼休憩が短くなることを悟った。
「シド君はお付き合いしてる時にちゅーの一つもしないヘタレですからねぇ。保健体育の成績が悪くても仕方ありませんよ」
「俺だったら何回も実技の予習をするぜ、絶対にな!」
「――な~んてっ、んあっ、言われてたわよ、はぁんっ、ポチぃ♡」
主も利用者もいない無人の医務室。アレクシアはベッドの上で押し倒されていた。足が頭の横に来るような形でひっくり返り、秘裂どころかお尻の穴もさらけ出すような体勢で犯されて喘がされていても彼女は恥ずかしがるどころか上機嫌であった。
いつも減らず口を叩く男が自分の
「よく出せたわね~、えらいえらい」
自分に中出しした男が胸から顔を上げるとアレクシアはその唇を強引に奪う。性器が繋がったままの腰を細い両足でホールドし、後頭部にも手を回して逃げられないように。
「じゅっぽ、じゅぱ、じゅるるるるるるるっ♡ ぐちゅ、にゅる、じゅるぅっ♡」
ぬるぬるの舌を絡ませ合い、満足いくまでお互いの唾液を交換するようなねっとりしたキス。離れた唇を結ぶ透明な糸をアレクシアはペロリと赤い舌で舐め取る。
「貴方がキスどころか私で童貞も捨てて、あまつさえ孕ませた妊婦に欲情する変態なんて知ったら……貴方の愉快なお友達はどうなるのかしら?」
にやにやと笑いながらアレクシアはめくれた制服から覗く丸みを帯びた白いお腹を撫でる。膨らみのラインをなぞるように手を這わせればまだ膣を貫く剛直が硬さを取り戻していくのが感じられた。出す量も増えるから彼女はセックスする時、お腹は見せるようにしている。
とはいえまた中出しをされたら後始末が大変だ。既に膣に入りきらなかった分が結合部から溢れ、お尻や菊座に伝っている。膣内に精液を残して午後の授業を受けるようなリスクを取るつもりはアレクシアにはない。
「代わりにこっちで抜いてあげるわ。優しい恋人に感謝するのね」
秘部から抜かれたばかりの陰茎をアレクシアは口を大きく開いて咥えこむ。
精液や愛液などのお互いの体液で汚れ、赤黒く血管の浮き出た剛直は顎が外れてしまいそうなくらい大きい。口の中に広がる独特の味や喉に亀頭がぶつかる度に何度えずいたかわからない。
「ずずじゅっ、れるれる、ちゅっちゅっ、ちゅうううううぅ♡」
そんな口淫も今のアレクシアには苦にならない。吸い付くように陰茎を頬張りながら竿周りを綺麗にし、カリ首や亀頭を舐めまわし、舌先で鈴口をほじくりながら残り汁をまだ残っている子種ごと搾り取るように吸い出していく。
射精したばかりで敏感な陰茎をいじめてやればシドのみっともない姿が見れる。上目遣いで彼の顔を見つめるアレクシアの口の中で限界に達した陰茎が白濁液を吐き出していく。直接喉を伝って胃の中に流し込まれるドロドロの熱い粘液。飲み込むのも苦労するそれを全ては飲み干さずに口を開き、上顎や頬肉にへばりついている様やくちゅくちゅと舌で弄んでいる所を見せつける。
「苦いし生臭い……そのくせ味は濃いのよねぇ。もしかして、飲ませた子種が私とお腹の子の栄養になるってことに興奮しちゃった?」
歪んだシドの顔を見て愉悦を感じながらアレクシアはベッドから下りて着替えを始めた。秘部の中やそこから溢れた粘液を綺麗に処理し、乱れた制服を整え、脱ぎ捨てていた下着を履き直した――というところで彼女は思い出したかのように口を開く。
「そうそう、もう一つしたいことがあったのよ」
再びベッドに腰かけながら彼女は己の膝をぽんぽんと叩く。既に着替えて医務室を出ようと扉に手をかけていたシドは悩む素振りを見せるが、すぐに逆らった方が面倒なことになると諦め、大人しくアレクシアの膝に招かれる。膝枕が柔らかくて微妙にいい匂いもすることに謎の悔しさを感じていると、
「よいしょっと」
脱いだ。
王族の膝枕を堪能するシドの目の前でアレクシアは着直した制服の前側をフルオープン。黒いブラジャーに包まれて揺れる並み以上に実った乳房に何事かとシドが考えていると、
「吸いなさい」
そう言いながら胸の突起をシドの唇にあてがう。外したブラジャーはシドの頭に被せながら。
「……何のつもり」
「ほら、ポチが私を妊娠させて結構経つでしょう。最近胸が張ってきたから何かと思ったら私、母乳が出るようになったのよ。ポチが散々揉んだり吸ったりしてくれたせいかもしれないけど」
「それがどうしてこの状況に繋がるんだ」
「まだわからないの? そのままにしてると痛いし勝手に滲み出して服が濡れるの。だから搾って処理しないといけないのだけど、私の母乳を捨てるなんてもったいないでしょ。だから貴方に授乳の練習がてら飲ませてあげようかなって」
今の会話の間にシドは乳輪ごと乳首を咥えさせられている。それでも吸おうとしないシドにアレクシアはボソッと呟いた。
「やらなくても別にいいわ。汚れた下着は弁償してもらって新しいのを貴方同伴で買いに行くだけだから」
そこまで言われてシドはようやく彼女の胸を吸い始めた。乳首に歯を立てないように吸い付き、ほんのり甘さを味わえる乳輪に舌を這わせる。それに合わせて胸を優しく、それでも指が沈み込む程度に強く揉みしだいていると、次第に口の中に温かくて酸味のあるさらさらしたものが流れ込んでくる。シドはそれが溢れ出る限り延々と飲み干していった。
対するアレクシアはシドが自分の胸から滲み出る赤子のための乳を飲み干す様子をぼーっと眺めていた。胸に吸い付く様をまるで赤ちゃんみたいだとからかおうとしていたのに、自分の中から湧き出てくるのは優しさや愛しさに近い感情。
「……これが母性ってやつなのかしら」
誰に聞かせる訳でもない独り言を呟くアレクシアは、普段の彼女からは考えられないくらい穏やかで優しい笑顔を浮かべていた。
――そのことに搾乳が終わって「おいしかったでちゅか~」とからかうアレクシアとからかわれるシドは気付くことはなかった。