※この作品はR-18です。

シャニPと黛冬優子さんがなぁなぁでえっちしているお話   作:ふりーじ屋/家庭内禁書

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有償依頼78件目です。ご感想くださるとうれしい です。
ご依頼は http://skeb.jp/@freege_affected か、 http://twpf.jp/freege_affected からどうぞ。

ご依頼主から了解をとれたので言うのですが、リクエスト内容が「性癖もろ出しに」だったので、ありがたくもろ出しにしました。ふりーじ屋のしっとり全振りえっちです。

※ハーメルンへのマルチ投稿に関連して、他サイトへの転載情報を下記にご案内します。
pixiv(https://www.pixiv.net/users/3129576)、くるっぷ(https://crepu.net/user/xay35WDfHLBWk2s)に公開しています。


黛冬優子さん、シャニPとセフレになって朝から夕までセックスしてしまう

「ねーっ、これ使っていいかしら」

「これって?」

「このお口すすぐの」

 

 休日の朝、アイドル・黛冬優子は、担当プロデューサーの自宅の洗面所に立って、開け放しのドア1枚向こうの彼に呼びかけた。

 

「いいけど気をつけろ、それ適量がキャップ半分なんだ」

「そうよねぇ、めいっぱいじゃ多すぎと思ったのよ」

 

 洗面台脇の棚から、1.5リットルのボトルのリステリンを手に取った。冬優子にとってはヒジをいっぱい伸ばさないと取りにくい高さにあった。残量が3割ほどだった。ボトルサイズと、半透明の薄紫な色とで、安っぽいグレープジュースを思い浮かべた。

 開栓に二、三度手こずった。フタに液を半分入れて測り、お椀型にした左手に注いだ。アルコールらしき匂いと冷感とがほんのりしみた。コンビニで歯ブラシでも買っておけば、と思いながら、くちびるからそっとすすって、なるべく音を立てないようにしながらもぐもぐ口中をすすいで吐きだした。

 

「これでだいじょうぶかしら、お口のにおい」

「冬優子がだいじょうぶだと思えばだいじょうぶだろ」

「なんで」

「俺はいつも、起きてすぐと寝る前に歯磨く以外、それで済ませてる」

「なるほど、わかりました、朝から豚キムチとか食べちゃっててもだいじょうぶですね♥」

 

 2人は朝食をともにしていた。メニューは、プロデューサーが炊いて小分けして冷凍していた白米と、冷蔵庫に作り置きしていた豚コマとダイコンとキムチの炒め――「朝からこんなのよく食べられるな」「作り置きしてた当人が言う? おいしくいただくわよ」――と、細切りピーマンとシーチキンと塩コンブの和え物――「お酒が進みそうね」「混ぜてレンジで済むから、お手軽で、もう一品つまみがほしいとき助かる」「きのうはお互い飲みすぎたわね」――だった。

 朝食を用意している途中、朝食前に歯磨きするか、朝食前ならマウスウォッシュで済ませるかで意見が分かれた。お互い「どちらでもよいだろう」と思っているのを察していたが、儀礼のように利点・欠点を並べて議論した。

 

 洗面所からダイニングに戻って、冬優子はスマートフォンで交通ニュースをチェックした。冬優子が通学・通勤に使っている在来線の復旧は昼過ぎの見込みだった。全国ニュースで地元の地名を見るなんて、とつぶやきかけ「田舎臭いわね」ともみ消した。

 

「ねぇ見てよこれ、都心のラッシュみたい」

「なんだそれ……代替輸送か」

「ということで、電車がどうにかなるまでお世話になります♥ 夕方くらいかしら」

「クルマ出そうか」

「あんただって休みでしょ、休め。それに電車がこれならたぶん道路も」

 

 窓の向こうに、台風一過の青空ときつい日差しがうかがえた。

 

 冬優子は昨日、横浜や鎌倉でアイドルとしての仕事をこなした。そちらの悪天候は多少の雨風で済んだいっぽう、冬優子の実家である茨城周辺は台風が直撃し交通網に被害が出た。特に鉄道は電力関係がダメージを受け広範囲で運休となった。

 ようすを見にきたプロデューサーを酒に付きあわせ――「パパとママからだいじょうぶ、って連絡きたけどうちが心配で神経使って疲れちゃったわよ。あんたがしっかり見てないと、ふゆが飲んだくれちゃうかもよ~? 二十歳になったばっかりだし~」――酔った勢いと、珍しくも翌日そろって休みという弾みで、彼の部屋に泊まり、セックスして寝た。

 

 プロデューサーがキッチンからダイニングにのろのろと移動してきて、冬優子の斜向いにクッションを敷いてぼすんと座った。

 

「都内で動けそうなら服でも見にいくか、良ければ付きあうぞ」

「ふふ、誰かさんのおかげで、お着替えなしにお泊りしちゃったもんね」

「そういう意味で言ったんじゃ」

「遠慮しとくわ、きょう選んでもらった服はそうそう着れない」

「そりゃまたどうして」

「あんたと初めてシた気分を思いだしちゃいそうじゃない?」

 

 お互い昨夜のセックスをずっと考えていて、でも今朝になるとそれに触れるのが無神経な気がして、その他の話題に触れているうちに話題が尽きてしまって、ついに冬優子が口に出した。

 

「それを言い出したらよ、俺この部屋に住んでてそのベッドで寝起きしてるんだぞ」

「なんかテンション低いわねー。ふゆとえっちできる男なんて果報者なのよー?」

「それは認める」

「……それで? なんでご機嫌斜め?」

「冬優子に、さ……」

「もったいぶるわねー」

「童貞じゃないってバレちまったな」

「……そうねぇ、あんだけバッチリやればねぇ」

 

 冬優子は、プロデューサーのぼやきが本音だとわかったが、意味がわからなかった。

 

「言葉を返すようだけど、ふゆだって処女じゃなかったし」

「……冬優子が処女じゃなかった……! って、ショックを受ける男のほうがよかったか?」

「あんたがもしかしてそうかも……? ぐらいは思ってた。違ったようだけど」

 

 プロデューサーの反実仮想の問いを、一瞬だけ考えた。黛冬優子の初めての男になれなかったことを惜しんでくれていたほうがよかっただろうか。すぐに昨夜のセックスそのものの記憶が蘇って考えられなくなった。

 

「俺も、冬優子ほどじゃないけど“営業”のポーズがあってさ……むぐぐっ」

「こらー! そんなこと言うお口は、チャックしちゃいますっ♥」

「もが、んぐっ……まじめに、仕事の話でさ」

「え、それ……ふゆ、気になります♥」

「この仕事、清潔感が肝心だろう」

「そうね」

「垢抜けてない、童貞臭いぐらいがちょうどいいんだよ」

「……んー……?」

 

 冬優子は、プロデューサーの隣に座りなおして、彼のほおをムニムニつまみながら考えた。ヒゲが剃られたばかりらしくざらざらとも感じとれない。体育会系学生より少しだけ洒落っ気のある黒い短髪。自分とほとんど同じリステリンの香り。昨夜に味わった肌いきれを嗅ぎとろうとするもはかどらない。シャワーかなにかで体臭が薄れているらしい。それでも鼻に意識を集中させる。嗅ぎとっているのか思いだしているのかといった具合。

 

「なにも童貞臭くするコトないんじゃない?」

「冬優子ならともかく……もっと年上のおじさんおばさんが相手だと、童貞臭いほうがかわいがられる」

「うん、お仕事だとそういう人に絡むこと多いもんね。ふゆのパパとママも、あんたのコト好青年ねーってほめてたわよー?」

「あと、冬優子にもそうしたけど……道端で女の子スカウトするとき警戒心を下げるように」

 

 ヒザ立ちで、彼の肩によりかかる。手を回すと、肩が広く首が太い。背丈が男性の平均身長より頭一つ高く、体型もごつごつしていて髪型相応にスポーツマンらしい。

 着替えもないのに、服にシワができるほど体を寄せてしまう。自分の体がどうしようもなく華奢に思えて、そのくせ安心する。

 

「うふふ、警戒心を下げられちゃったふゆは、ヒツジの顔にだまされて、実はオオカミだったプロデューサーさんに食べられちゃいました♥」

 

 アイドル・黛冬優子のプロフィールに、身長163センチ、体重55キロ、スリーサイズを78-59-81と記している。アイドルになる前はちょっと背が高いのがコンプレックスで、なったあとはバストやウエストに対してちょっとヒップや太もものボリュームが豊かなのがコンプレックスであるが、すべてひっくるめて「がんばってもっといい仕事して、もっとアイドルとして売れたいな」と彼女が自己評価できるルックス。特に、肩甲骨下まで伸ばした黒いストレートヘアと、白さと血色の良さを両立させる肌について、手入れと見せ方にこだわっている。これらを父親の次に心地よく撫でてみせた男は、いまのところ昨夜のプロデューサーである。

 

「あんたガタイいいから、そのぶん弱そうにしないといけないのかも」

「頼りなさそうに見えるぐらいがちょうどいいって気づいたんだ」

「顔も、漫画やアニメで言うなら敵役ね。序盤・中盤で主人公を苦戦させるけど、そのあと主人公の成長を演出するために負かされる枠。人気投票で7位とか8位とかに入ってる感じ」

「どうも」

「それでちょうどいいの?」

「俺が頼りなさそうに見えても、社長の威光でカバーできる」

「社長に言いつけてやろうかしら」

「もう察してるよ」

「そうね」

 

 低そうなテンションのくせに体温が熱い、と口元が勝手に緩む。彼の耳元に頬を近づけて笑みを隠す。

 

「ふゆの地元だと、男ってみんな虚勢張っててヤンキー臭いとか言われるぐらい。童貞っぽく見せるとかとんでもない。逆に東京の男ってみんな人畜無害そうに見せてない?」

「俺のそういう人畜無害っぽいのフリだってバレたわけだが」

「ふゆが、きのうまで知らなかったとでも?」

「うん」

「このーっ」

 

 プロデューサーの体のあちこちをぐりぐり指圧する。どっしりとした肉と骨をますます感じる。押し倒されたら為す術もなく身も世もなくさせられるだろう、と想像する。そうさせられた昨夜のように背筋が震える。

 幼いころ、家族旅行で初めて飛行機に乗った光景を思いだす――太陽の光を受けてひたすら白く輝く一面の雲を丸窓から見下ろして、それが永遠に続くと思っていたら、あとから雲間にがっしりと緑や茶色で横たわる山や平野が見えて――有頂天な恍惚の向こう側は、ずっとそれが続いていると思っていて、それを通り抜けて勘違いに気づいた。

 

「知らなかったわ正直」

「そうか」

「きのうもお酒と偶然に乗じて……やっと半々かなぁ、まぁ拒まれてもしょうがないかなぁ、ぐらい」

「半々か。コイントスだったら冬優子の勝ちだったわけだ」

「あんたとするの賭けだとか勝ち負けだとか……ましてうっかりしてダメなコトまで許しちゃったなんて、ふゆは思っちゃ……ぇ、あ……ダメだったわ。ふゆ、アイドル、あんた、プロデューサー」

「間違いなくダメだな」

 

 ダメだったわ、とつぶやきながら、冬優子はプロデューサーに絡めた腕へさらに力を込める。

 いちばん危ないのは昨夜と思っていた。お互いそれなりに信頼しあっていて、最初ゆえの魅力もあって、最後かもしれない緊張もあった。朝、少なくとも未知が薄れた。いま話している限り、最後でもなさそうだった。

 

「あと俺は、アイドルに恋愛禁止してる側なのに」

「あ、それホントにダメ、想像するだけで……ほかの子とあんたがヤってたら、割と、幻滅してたわ」

「だよなぁ」

「だから、ほかの子とか社長とか……あと、はづき! ぜったいバレちゃダメ」

「冬優子なら、いずれはわかるだろ。言っただろ。“冬優子に”童貞じゃないってバレた、って」

 

 朝食前に歯磨きするか、朝食前ならマウスウォッシュで済ませるか、そのぐらいの不一致に感じた。

 

「なによー。ふゆは、あんたとふゆがえっちシちゃったのバレちゃダメ、って言ったつもりだったんだけどー?」

「あ、その……そうだな、うん。困る」

「そんなコトより、ふゆに童貞のフリがバレちゃったのがショックだった? ふゆからは……こうやってチクチク言っても困ったように笑うだけで済ませてくれるでしょ童貞だから……って思われていたかった?」

 

 あまりに頬と頬が近くて、プロデューサーが声を詰まらせたのに、表情筋とアゴ骨の気配だけで言葉が聞こえる気がする。「ふゆがこの男に初めて怒りをあらわにしてしまった日こんな気分だったのか、もし自分がアイドルとしての責任を負っていなかったらあれきり疎遠になっていたか」と考え、口に出しそうになる。大げさにくちびるをつぐむ。

 どうにか代わりの言葉を引っ張り出す。

 

「あと……いずれはわかる、ってのも何よ。きのうだけで済ませないつもり、だったんでしょ?」

「それは言葉のあや……うぉっ!?」

「プロデューサーさんが童貞じゃなかったかどうか、ふゆ、再確認します♥」

 

 抱きしめかえしてくるプロデューサーの腕がぎこちなく感じる。冬優子の中でもどかしさと愉快さが手をつないでぐるぐる回る。

 

 

 

 

「まだ明るいわねぇ」

「ん、ぐっ……さっき朝メシ済ませたばかりだからな……う、ぁっ」

「これじゃ……電気消してください、恥ずかしいからっ……って言ってもハダカ見られちゃう、なんで遮光カーテンないのよ」

「……昼は外にいるから」

「どおりで」

「どういう意味だ……あ、ぅっ」

 

 

 冬優子はベッドにプロデューサーを座らせると、あっさりと着衣を脱いで彼の左隣に腰掛ける。腰と腰がくっつくかくっつかないかという近くで、彼から秘所を隠すように足を組む。右手をもたげさせて、彼のペニスを服越しに撫でる。すぐにスウェットパンツを降ろさせる。

 

「生活臭が、薄い。薄すぎるのよ」

「そんなの……う、ぐ……っ!?」

「冷蔵庫見てやっと、ああここにあんたが住んでるんだ、って実感したわ」

 

 冬優子がペニスを撫でながら、わざとらしくくちびるをとがらせる。まるで秘密の隠れ家か、その人畜無害なフリで女の子を油断させて連れ込んでセックスするだけに借りている部屋か、と言いかける。住人の痕跡が薄すぎて、冬優子のかばん一つ置いただけで色が変わってしまったように思う。

 

「きのう、ふゆをがんがんいじめてくれたおちんちんも……いまは、ふわっとして、かわいいっ♥」

「そりゃ、どうも……はぁっ、ぁ……う……!」

「ちんぽいじられてるときの反応、やらしすぎ。ちょっと自重して」

「そこ自重しろって言われるとは」

「童貞さんかもしれない男の人ですから、ふゆがリードしてあげたいんです♥」

 

 プロデューサーが童貞なわけないだろう、と思っていたはずが、受け身になっている彼を前にしていると、童貞に相対している気分になってしまう。下着越しにペニスをいじられながら、彼がヒザ頭に乗せた手をぎゅ、ぎゅっと力ませるのを見る。力んで浮き沈みする指関節も、ペニスと同じく一つひとつ指先で撫でてやりたくなる。冬優子の左手を伸ばしてもやりにくい。プロデューサーに正対して、床にヒザ突くなら座布団でも敷いて……少し甲斐甲斐しすぎるだろうか、と考える。

 下着越しのペニスをいじり続けるうちにどうでもよくなる。

 

「足、開いて。ヒザのあいだ開けて」

 

 プロデューサーのヒザのあいだに移る。座布団にプロデューサーが座っていたほとぼりを認める。スウェットパンツをヒザ下まで下ろさせる。正面から見ると、彼の下着がもうテントを張っているようにこんもり膨らんでいる。冬優子が親指、人差し指、中指で押す。まだ柔らかい。彼の手を片方ずつ撫でてから、下着越しのペニスを両手で包む。大きさが、彼の体躯相応にある。冬優子にとっていささかたくましすぎる。

 

「……直に触れてないのに、濡れちゃう?」

「冬優子にいじられて、興奮して、な……っ、ぁ……」

「いいわね男って。もし、ふゆが……プロデューサーさんにいじられて、興奮しちゃって……♥ なんて言ったらエロ漫画じゃない」

 

 引き続き下着越しにペニスをいじる。両手の指、手のひら、手の甲、手首まで使って、撫でたりもんだりを繰り返す。肩や首を起こして、プロデューサーの顔に上目遣いをぶつける。興奮をこらえているのが丸わかりの表情を味わう。何が不満だったのかも定かでないモヤモヤが消えて溜飲が下がる。つい顔を近づけすぎて、彼の鼻息が髪にかするのを感じる。髪の匂いが届いてしまっただろう、と照れる。

 

「直に触りたいです、プロデューサーさんのおちんちん……♥」

「……きのうヤッてるときぜんぜん“ふゆ”じゃなかったくせに」

「悪いー?」

「ぜんぜん」

「でしょ」

 

 プロデューサーが腰を引くのを、手と視線とで抑えつける。ペニスをもう一さすりして、両手で下着のウエストゴムを引っぱる。彼が腰を浮かせてくれる。ペニスがぼろんと落ちるように姿を見せる。ペニスに顔を寄せて、頬で亀頭に触れる。しっとりこもった男性器の熱と匂いを感じる。ちぢれた陰毛がかすかにくすぐったい。

 

「あんたが、ふゆで興奮しても……いまは許してあげる」

 

 ほとんど力を入れずに軽く握って、小指で裏筋――冬優子から見ると正面だが――をなぞる。彼の太ももの筋肉や竿が緊張する。亀頭のシルエットが、子供のほっぺたのようにふくらんでしぼむ。触れるのをさらに繰りかえす。尿道口から涙ほど小さいしずくがぷくりと浮き上がってくる。

 

「ふぅ、は、ぁ、あっ……!」

「おちんちんって、思ってたより繊細なのね……あんただけかもしれないけど」

「……ほめ言葉として、受け取っておくよ……ぉ、ぁ……ちょ、しゃべってるときは、加減してくれないか……?」

「いやです♥ いまのプロデューサーさん、すっごくかわいいから♥」

 

 構わずペニスをいじる。カリ首に収まっている皮をつねって引っぱる。漏れたての先走りのしずくにそっと触れて、水滴で表面張力がぱちんと弾けてぬるぬるになる。ぬるぬるを亀頭に塗りつけ広げる。けさ洗面台で化粧水で自分の顔を手入れしたときと同じぐらい丹念に扱う。

 

「手だけでこんなにおっきくしてくれて……ふゆの手、気持ちいいですか……?」

「興奮する……けど、続けられたら、じれったくて、おかしくなるかも」

「……ちゃんと、もっと、おかしくなって」

「それ、どういう……あ……ふぁ、く、んんっ!」

 

 くに、くに、くに、と加減した手つきで竿から亀頭までしごく。彼の脚がびくびくして陰嚢がゆさゆさ揺れるのが目に入ってしまう。彼女の左手がそちらに挑みかかる。彼の太ももに浮く筋がますますはっきりする。

 

「こっちは、お好みじゃありませんか……♥ びっくりしちゃう感じで」

「……自分でも、洗うときぐらいしか触らないから……」

「好みじゃないんなら、触りたくなっちゃうコト聞かせないで」

 

 左手をペニスの根本に戻す。右の親指と人差し指で輪を作って彼の亀頭を包む。動かす前から、彼が息を呑んだ気配が聞こえる。どうしてそんなに苦しそうにうれしそうにするのか、とぼやきたくなる。輪をゆっくり締めていく。と、絞りだされては圧迫され潰れてぬるぬるになる先走りがにちにち鳴く。2人とも呼吸が荒くなる。それを静めようとゆっくり深く息を吸って、吐いた息が混じりあう。

 手とペニスと、お互いの体のほんの一部しか触れあっていないのに、お互い息を合わせなければ大切な何かが台無しになるように張りつめている。

 もっと触れあったらどうなってしまうのだろう、と飛躍する。

 

「プロデューサー……あんた、おっぱいでしてもらったコト、ある?」

「パイズリか……? ないよ」

「ふゆも、してあげたコト、ないわ」

「嫌がりそうだもんな……」

「そうね、嫌よ、嫌だけど……そう思ってたけど、ちょっと、ね」

 

 少しずつ前のめりになって、ごつん、とプロデューサーの胸板に額を押しつける。さっき洗面所でくしけずった前髪が彼のスウェットシャツでわずかに乱れる。両ヒジを使って谷間を深くして、だんだん上向きになってきたペニスをとらえる。ぬるぬるが足りなくて、ずる、ずると引っかかりを感じる。根本から亀頭までを収めようとする。ペニスの全長が大きくて、亀頭がぴょこんと顔を出してしまう。

 

「はぁ、あ、ぅ……あっ、あ、冬優子が、おっぱい、で……!」

「う、ふは、ぁ……これ、ふゆも……いやらしい、感じ、しちゃい、ます……♥」

 

 ペニスと乳房が押しあいへしあいのまま、しばらく2人が顔を見あわせたり手足をもぞもぞさせたりするだけになる。パイズリと呼べるほど摩擦すると、やはり何かが壊れてしまう気がする。おそるおそる、むにゅりと乳肉を押しつけたり、ふっと圧をゆるめたりする。何度もしないうちに、乳首がじんわり熱くなる。このまま続けてぷっくりと勃起してしまったら彼に気づかれるだろうか、と心配する。

 プロデューサーの手のどちらかが額に伸びてくるのに気づく。目を閉じてそれを迎えてやる。前髪を手ぐしでなでられる。そんなに乱れているだろうか、どうせもっと乱れてしまうのに……と心中でうそぶく。

 

「んふ……濡らしたほうが、いいですね……ちょっと、失礼して……」

 

 滑りやすくしてあげるわという顔で、こぼれそうにたまっていたよだれをとろとろと亀頭に垂らす。ペニスがびくり、びくりと震える。セックス以上にいやらしい行為をした気にさせられる。羞恥で意識がぼんやりにじむ。羞恥紛れに、たぷ、たぷ、と乳房をこすりつける。むにゅり、むにゅりとペニスを押す。彼がうめいてますます愉快になる。乳首が冬優子自身で気づくほどしこっている。乳圧を少し緩め、笑いながらこりこりした乳首で彼の亀頭をつつく。彼に気づかれる心配を無理やり引っぱがして意識が痛くて気持ちよくなる。

 

「は、ぉ、ァ、冬優子、ぉ……ッ!」

「んっ、ふぁぁっ……ふゆも、どきどき、しちゃってます……♥」

 

 よだれですっかりぬるぬるになった乳房で、ペニスをぎゅうぎゅう包む。アンダーバスト側の肋骨までこすれて、下腹部へも響いてしまう。けさ目覚めたあと触れられていない秘所まで疼く。いよいよセックスしたくてたまらなくなる。それに釣り合うように、なにか台無しになってしまいそうな恐れが頭のどこかで突っぱる。

 パイズリを止めて、乳房でペニスを包みながら彼を見上げる。口で笑いかけながら目ですがる。うっかり吹き出してしまうおかしなセリフを漏らしてほしい。それを聞けば、昨夜と同じくらいはしゃいでセックスになだれこめる。

 彼がもごもごと口を開ける。ひゅっ、と冬優子の呼吸が止まる。乳房を強く押しつける。拍動がペニスと彼の下腹まで伝わっているかもしれない。

 

「……出そう」

「精液?」

「うん、続けられたら」

「それは、よくないわね」

「うん」

「精液かけられるの、ダメよ、すごく。男からしたら、うっかりもらしちゃった、ぐらいの感覚だろうけど」

 

 ほんの少しおかしく、さっぱり笑えないセリフ。期待外れなのに、ますますまじめに傾聴する。セックスしてはいけない関係や状況を一つひとつ確かめながらセックスしたい。

 

「なんだか、冬優子が……お姉さんに思える、すごく」

「あんたこそ、きのうやふだんよりよっぽど童貞らしいわ」

 

 冬優子はパイズリを止めていたが、ペニスがさらに勃起して彼の腹筋に迫る。こうまで血でぱんぱんに膨れると、ペニスも脈拍のようなリズムで動くのだと気づく。自分の鼓動と重なったらどうしよう、と失笑する。顔をうつむける。

 これ以上は一夜の過ちで済まない。

 

「あんたプロデューサーのくせに、担当アイドルにオトコとして入れ込んでるの?」

「……そうだよ」

「そうかしらねぇ」

「聞いておいてそう返してくるとは、思わなかったよ」

「あんた、このわびしい一人住まいで、彼女もいなくて、ワーカホリックで、ちょっとおかしくなりかけてるのよ」

「……おかしいかなぁ」

「彼女もいなくて、にツッコミもしないし」

「図星だから……」

「あんたにとってのアイドルはふゆだけじゃなくて……ふゆ以外の誰かでも、よかったんじゃないの? そう聞いたわ、前に」

「……いや、それ逆だ。冬優子が俺に言ったんだろ」

「なによ、よく覚えてたわね」

 

 この男とセックスを続けてはならないのに、続けたくてたまらなくなる。ぎこちないパイズリを中止できない。この勃起ペニスを解放したら確実に膣肉に挿入してもらわなければならない。その保証がなければきょうで終わってしまう。

 

「休みの日に、友達と遊びに行ったりできてる?」

「あー……」

「前に行ったの何月だった? それは覚えてないの」

「とにかく、しばらく前だ」

「でしょうね。芸能界って休み合わないし、バックオフィスならともかく、あんた、ふゆたちと同じようなもんだし。ふゆは学業だなんだとかあるけど」

 

 あらためてセックスしようと切り出そうとすると、歯噛みするほど苦労する。

 こんどは彼に何か言ってもらいたいわけではない。きのうは彼から誘ってもらった。いつもまとっていた殻を失くして境なく溶けあった。快楽と後悔と、束縛を振り捨てた解放と寂しさも溶けあっていた。

 こんどは自分から言いたい。

 

「あんた、少しがんばりすぎだから。ふゆが、ちょっとゆるくしてあげる」

「……俺は、冬優子とこうしてるだけで」

「うっさい、してあげるって言ったでしょ、最後まで聞いて」

「“冬優子”って呼んでもいい、って言ってくれたときみたいだな」

 

 ついさっきその言葉を聞けていたら調子外れっぷりに笑えたのに、と嘆息する。

 

「避妊しっかりするのと、したいなら前もって言うの。守ってくれるんなら」

「なら?」

「セフレとして付きあってもいいわ」

「セックスフレンドか」

「そーよ。“恋愛禁止”なんでしょ?」

 

 これが本当に言いたかった言葉なのか。そのままではない、遠くもない。心底をそっくりそのまま言おうとしたら、もうまぶしすぎる。心底をみなまで言わず見通したりされたりするには、光が足りない。

 

「止めておこうって言ったら?」

「きのうときょうの、ふゆとあんたとのコト、ぜんぶ言いふらす」

「……冬優子も、じゅうぶんおかしくなりかけてるよ」

「節度をもってお付きあいしましょうね、お友達なんですから♥」

「よろしく冬優子。末永きご交誼を賜りたいもんだ」

 

 むにゅむにゅと自身の乳房を軽く揺らして、ペニスに押しつけたり離したりする。これで、セックスしてもしなくてもそれなりに仲良くできるはずだ、しくじってすべて台無しになるのも避けられる、と言い聞かせる。

 

「ねぇ、プロデューサー」

 

 ペニスを胸から離すと、ねっとりとした体液がいくらか糸を引いて落ちてプロデューサーのスラックスにしみつく。先走りがあまりついていない指の手甲側を使って、黒髪を耳の後ろに引っ掛けて流す。

 

「ちょっと、激しくしちゃう」

「髪……結ぶか」

「なら結んで♥」

「教えてくれないか。自分のすら結んだことないし」

 

 彼が腕をもたげて、腋窩にこもっていたらしき汗をうかがえるようになる。そのまま髪を結ばせる。甘く危うく心地よいしびれに襲われて、思わず目を細める。

 

「まぁ、ぱさぁって広がらなきゃいいわ」

 

 またペニスを谷間に飲みこむ。とろとろとした唾液を垂らして上塗りする。

 

「とりあえず、ふゆのおっぱいでたくさん気持ちよくしてあげても、だいじょうぶなぐらいに、ね」

 

 胸で押さえつけると、あまのじゃくのようにペニスが反り返る。舌先を伸ばして鈴口をぺろりとくすぐる。苦くてしょっぱい味にますますあおられる。ぬるぬるの肌と粘膜とを擦りあわせ、にちゃあ、ねちゃあと音を立てる。

 

「うぁわっ、気持ち良すぎて、出そう、もう、ぅ……!」

「じゃあ……まぁ、アゴより下でね」

 

 パイズリのたびにしとしと垂れ落ちて、プロデューサーどころか冬優子の下腹部までつたっていく。唾液や先走りや汗やら継ぎ足して、ますますぬるぬるにする。

 

「ねぇ、どう? ご感想は」

「感想……? ぉ、うぉぁっ」

「気が紛れて、出しちゃうの先延ばしできるかもよ」

「や、やわらかくて、すべすべして……吸いついて、ねっとりしてるの、エロい……ぃいぅっ!?」

「ふゆ、えっちな女の子じゃないもんっ、プロデューサーさんがえっちだから、えっちになっちゃうんだもんっ♥」

「ぁぅわわっ、お前煽るつもりで……!」

 

 パイズリをエスカレートさせる。上下に浮かせたり沈ませたり、あいまに前後へ押したり引いたり。責められても、プロデューサーがきっとぎりぎりまで射精をがまんすると見込む。射精させてしまいたいし延々がまんしてほしい。乳首だけでなく乳房までぱんぱんに腫れてしまっていると錯覚する。

 

「んっ、く、ふっ……! 出しても、いいわ……がまんしてるのが気持ちいいなら、満足するまでがまんすればいいわ」

「く、ぐぅ、あ、あっ……も、う、あっ……!」

 

 彼が根をあげる瞬間を待ち望む。気持ちよくさせてギブアップさせるなんて許されるのだろうか、と疑う。愉快すぎる。

 パイズリしながらアゴの下からノドにかけてを亀頭へ押しつける。これなら顔にかけずに済むわね――言いかけたとどめのセリフに、びゅっ、どくっ、どくっと激しい射精をぶつけられる。ペニスが胸から跳ねて飛び出さないよう、乳房でしっかりと押さえる。射精がまだ続いて、谷間に熱が広がる。二度、三度と彼の腰が浮く。

 

「……ここまで景気よく出してくれると、変な達成感わいてきちゃうわね」

 

 ゆっくりペニスを解放する。まだ亀頭が上を向いていて、鈴口から裏筋に白濁液がとろとろと伝っていくのを見る。冬優子の胸ではもっとずっとたくさんの精液が這って下りている。鎖骨や谷間がくすぐったく思えるほどどろどろしている。

 

「冬優子……」

「なぁに? ひゃ……ふあ、ぁんっ……ふふ、おっぱいに、お礼してくれるんですか……♥」

 

 パイズリしていたままバストを抱いていた冬優子の両手と、プロデューサーが伸ばした両手が触れて、探るように指を絡めあう。それから彼が冬優子を腕で抱きあげてベッドに引きずりこんでくる。こんな腰の入っていない抱き方であっさり運んでもらえるんだ、と感心する。

 押し倒される。冬優子の太ももあたりを彼がヒザ立ちでまたいで、ぎゅうと押さえつける。まだスウェット上下を脱いでいないしゴムを着けていないのに、きのう裸で押し倒されセックスしたうち正常位のシーンを思いだす。次の休みに、彼がそのスウェットを部屋着として使えるのだろうか、と心配する。

 

「ふぁ、ぁは……♥ そ、そぇ、だめ、えっちすぎ……おっぱい、どろどろのままで……」

「乳首びんびんにさせてるぞ」

「なってる、けど、ぉ……はぅ、ほぁっ、はぁっ……あああっ♥」

 

 冬優子のぷっくりとふくれた乳首も乳輪も、プロデューサーが指先でとらえる。勢いよく押し倒して手を伸ばしたものの、彼自身の射精を浴びたままぬるぬるべたべたして、指先が慎重に執拗になる。手のひらでアンダーバストを抱え、逃げられないようにしてから突起をさらに責める。

 冬優子は精液を刷りこまれながら興奮する。

 

「んぉ、いや、ぁ……ぉお、っくっ♥ こんなの、きのうだったら、めちゃくちゃ怒ってるんだから……♥ 精液の、匂いとか、つきっぱなしに、なっちゃったら……ぃ、んっ……♥」

 

 プロデューサーの指先のうち、2本ぶんが冬優子の乳首をつまむ。つまもうとしてぬるぬる滑ってのがしてしまう。瞬き2度もしないうちに立て直して、こんどはしっかりとつまむ。

 冬優子は最初、奥歯を噛みしめながらにやにや笑って乳首をしごかれてやる。それから下腹部や腰や尻まで力ませる。

 

「ふ、ふふっ……乳首、シたいの……? できるの、ねぇ……♥ んんんっ……っっうぅー……ぅ……!」

 

 そのうち、はっきりと背筋をのけぞらせてしまう。

 

「ん、ぅ、あっ……ふゆ、やっぱりえっちな子ですね……プロデューサーさんに、精液ぬりぬりされて、乳首こちょこちょされて……どきどき、しちゃってます……♥」

「それも俺のせいにしてくれたら、もっと興奮してしまいそうだが」

「……やぁだ♥」

 

 また乳首に指先をあてがわれる。はぅ、と息がもれ、もう早くなりようがない鼓動がもう少し強く大きくなる。両胸がはっきり性感帯となってじくじく燃えている。そのまま乳首を撫でさすられる。プロデューサーの手つきで乳首が恥ずかしい形にさせられる。彼の指先を見るたび思いだす女になってしまったらどうしよう、と危ぶんでみる。こんどグラビアの仕事が来たら、もっとぺったり隠せるニプレスがいるわ、と彼をからかってやる。

 

「んひゅ、かは、ぁ、あッ……やだ、やぁだ、こちょこちょ……は、ぅ、ぁあぅ……っ♥」

「紛らわしいこと言わないでくれよ。何を言われても止められなくなりそう」

「それは、困る……けど、ね……ん、ん……」

 

 彼の危惧はぞっとしない。どこまでなら冬優子が心地よくなってしまうか、許してしまうか、ほかの人ならわからない境目を察してほしい。探り探りして、ちょっとだけなら踏み越えてしまってもいい。

 

「ふぉ……♥ おっ、んむぅぅ……♥ は、ふーっ……!」

 

 胸愛撫がこちょこちょからこりこりぐらいにまで強くなる。彼の腹づもりを推しはかる。「ちょっとだけなら踏み越えてしまってもいい」なんて口に出していないのに彼にバレたのか。こそばゆくてどうしても笑ってしまう。

 乳首をしごかれながら、顔まで寄せられてくちびるを甘く噛まれる。キスに応じる。垂れてきたよだれをのみきれなくてアゴや頬に垂れてしまう。キスが終わったら「顔、精液で汚すのはダメでもよだれなら、思った?」と文句を言わなければならない、と何度も心中でぼやきつつ彼の舌やくちびるをごしごしこする。セックスをこれからこうして覚えていくのだろうと思う。自分まで処女の気分か、とおめでたくなる。

 

「れぅ、はむ……んくっ、ちゅ、ちゅっ……んぷ、はぁ……っ」

 

 顔を離す。くちびるを緩めるとよだれが切れる。ベッドに両ヒジを立てて上体を軽く起こす。プロデューサーにもてあそばれるがままだった乳房も、起きて半ば押しかえす形勢になる。彼の鼻先へキスする。まぶたやまつ毛に頬、くちびる、あごのラインまで舌を這わせる。胸愛撫をこちょこちょに戻される。こちょこちょでも弾けそうなほど乳首が張りつめている。

 下腹や内ももをもじもじさせると、自分で秘所の状態を確かめてしまえる。ぐしょぐしょに濡れている。

 セックスしたくてたまらない。

 プロデューサーが冬優子にくちびるを任せたまま、ときどきちゅっと吸いかえしたり、くちびるをこすったりするだけになる。いつまでもやらせてくれるつもりか。

 自分からはキスをやめたくない。

 これからもお互い合意すればセックスしてもいい、という関係で合意したはずなのに、こうしていると「これから」の範囲が未来どころか現在や過去まで伸びていくようで、欲情とともに身震いする。

 

「ちゅう……んっ、ちゅぶ……ぷふ、あは……っ……」

「冬優子」

「んー……?」

「シたい、セックスが」

「ゴム残ってた?」

「ある……はずだが」

 

 朝におかずの作り置きを食べ尽くしたが、ゴムはまだ残っている。プロデューサーの手が包み紙をどこからか引っ張り出してぴりぴりと開封しようとしている。指先がぬるぬるのままで少し苦戦する。もっと爪が伸びたときに一度抱いてつねってもらおう、と思う。

 

「ちょっと貸してみなさいよ」

「冬優子……ふぉっ……!? そ、そっちかよ」

 

 おあずけされているペニスの竿をつかんで、またたまってしまった唾液を亀頭に塗りつける。くちびるをすぼめて、ぷちゅ、と鳴らす。亀頭をくわえこむ。呼吸するたびに先走りの味が広がる。さらに唾液を上塗りする。まぎらわせるどころか、むしろ精液をたくさん飲みこんだ後のようにますます広がる。

 

「わ、ぁっ、冬優子、待っ……!」

「おっきくなってないと、着けにくいらしいじゃない? ほらほらぁ」

 

 ぢゅぷ、ぢゅぷと濁った音を立てて、粘膜で裸の亀頭やカリ首を擦りたてる。あんなに精液を飲ませておいて、今さら恥ずかしがるなんて――本当に一瞬だけ冬優子は本心から呆れて、それから「飲んだつもりになってただけ」と気づく――プロデューサーの手が冬優子の頭におかれる。乱暴を押さえつけられるか、と期待する。ペニスに歯を立ててしまわないようくちびるを丸める。

 

「できたよ。いま着けるから」

「ちゃんと着けられますか、ふゆ、着けてあげましょうか♥」

「こんどな。これ以上じらされたら」

 

 あらためてベッドに押し倒される。さっき身震いさせられた「これから」がいきなり気楽に思えてくる。ゴムを着け終えたプロデューサーが冬優子の太ももを開かせる。

 

「んもー、気にしてるのに……」

「じゃあ、この触り心地が味わえるのはいまだけかな」

「どうだか」

 

 プロデューサーの手首や前腕をもっと味わいたくなって、わざと太ももで邪魔してしまう。強く太ももを開かされ、内ももに彼の指先が食いこむ。これから2人でセックスしかできない人間になるんだ、と思う。ケガもしないとわかっていながら手をつないで崖から飛び降りる気分になる。笑いながら力を抜いて、ゴム付きペニスの亀頭を膣口に当てさせてやる。愛液をあふれさせ肉穴に彼を詰めこまれていく。

 

「ん、ぅ、あっ……は、あっ……ふ、うふ、あはっ……♥」

「まだ触ってもないのに、こんなに濡れて……っ!」

「へぇ? さんざん、触ってくれたでしょ」

「きのう、な」

「えいっ、えいっ♥」

「あっぅううっ! いきなり、締ま、ぁ……!」

「敏感なんですねぇ……♥」

 

 気持ちよすぎて膣肉をぐしょぐしょに濡らしながらきゅうきゅう痙攣させてしまう。もう無理という奥までペニスを押しこまれて、さらにぐりぐりもまれる。

 

「あひぃっ、んぐぅっ……いいっ♥ これいいっ、これすきぃ……♥」

「う、ぐ……く……ぅッ……そ、そうか……」

「プロデューサーさんは、気持ちよくないですか……?」

「き、気持ちよくて……息が止まりそう……」

「あんただって……紛らわしい反応してるじゃん、ねー」

 

 プロデューサーをもだえさせていると、キスよりとろけて、ステージより熱くなる。膣奥が敏感になって、亀頭がわずかにふくらんだりしぼんだりする程度のわずかな反応も想像できる。突き上げられると内臓全体が揺れるのに、避妊具ごしの竿に浮く血管まで理解できてしまう。

 

「あ、ぉ……おまんこ、おくまで、ひらいちゃ……♥ おく、おくって、され、ちゃったら、ぁ……♥」

 

 ぐちゅ、じゅぶ、と粘っこい水音が腹の下から響く。冬優子は仰向けで彼の腰に両足を巻きつける。彼に覆い被さられる。あえぐようにくちびるをすりつけ、唾液を押しつけあって混ぜあわせ、舌先で撫であう。ずるずる腰を上下させる。フェラチオのあいだにすでに火照っていたのに、それより何倍も深いところまで膣奥が潤む。切っ先が浅いところまで退くと、陰核がむずかるように快楽をちりちりばらまく。かわいく笑っていられなくなる。

 

「あぃっ、ひ、ぁ、おぉぉ……っ♥ あっ……はぁっ……ふ、ふゆ、は、ぁ……!」

「うぁ、くあ、んぁぉ……! ごめん、また、出て……」

 

 口で言うよりプロデューサーに余裕が残っているだろう、と思う。その余白まで肉欲で埋め尽くしてしまいたいし、その余白でごろごろくつろいでいたくもある。射精されそうになって膣が波打ってひくつく。まんぐり返しの体勢で、もっと奥まで責めてほしくて、両かかとで彼の尻を叩く。射精しそう、と気づく。つま先から脳天までぴょんぴょんはしゃぐ。ペニス絶頂が来て、痙攣が膣奥にいやらしく響いて、これまで愛撫してもらったいつともどことも違う幸福感に焼かれる。ぶじゅっ、ぐじゅ、と膣口から愛液が漏れてしまう。

 

「プロデューサーさん……ふふっ、ひとつになっちゃいましたね……♥」

「セフレで済まないこと言うなよ……」

「知らないです♥ セフレいたことありませんもんっ」

「じゃあ、舌を噛まないようにな」

「んー? そんなに、ふゆを……お゙ッふっ!? ん゙ふぅっ……!」

 

 奥底にしっかりと亀頭が居座る体勢で、まだ硬くなろうとしているペニスをぐりぐりとねじこまれる。プロデューサーが容赦なく体重を乗せてくる。彼を射精まで駆り立てているぶんの快楽まで錯覚してしまう。

 

「ん、んぎゅっ♥ きゅぅ……こっ、こぇ、でちゃい、ます、ぅ……お゙ゅッ♥  んむゔっ、ゔっ……っ!」

 

 ぷしっ、ぶしゃっ、と断続的に潮を噴く。そんな自分がいやらしくてたまらなくて、わざと下腹部に力を込める。膣口がきゅうっとすぼまって、彼の竿に肉穴のあちこちがすっかり吸いつく。彼がゴムに射精したぶんだけ膣が精液を受け止め損ねたと認識する。きょうが最後じゃあるまいし、と自分をどうにかなだめる。

 

「お、ぁ、んぁあ゙……ッ……冬優子、ぉ……」

「出しちゃいましたねぇ……ふふ、ぁはっ……まだ、おっきぃ……」

「……ぅん、冬優子に、すっかりやられちまってる」

「おっきぃのはいいけど、ゴム替えなきゃだめですよ♥ 使いまわすと破れちゃって、そしたら、ふゆのおなかに、プロデューサーの赤ちゃん、が……♥」

 

 言葉の最後は彼のくちびるに吸われてしまった。ペニスが退いてぐしょ濡れで震える膣奥が、まだセックスしていないかのようにじれる。

 

 

 

「いやっ、いやぁ♥ こんなの、恥ずかしいのに、ぃ、や゙ぉ゙っ……お゙っお゙、ぉお゙ッ……♥」

 

 ゴムを着け直した彼に向かって、四つん這いになってヒップと太ももをふりふりとアピールする。プロデューサーの片手が脇腹から恥丘にのびてぐっと来たかと思うと、背筋の溝から尻の割れ目までをそうっとなぞられる。のたうち回ろうとしても、ヒザ下を彼の足かどこかで押えられているらしく逃れられない。自分の羞恥をすべてくれてやって、彼の征服欲を満足させてやりたくなる。

 

「イったばっか…ふひゃっ♥ あ゙っ、だめです♥ だめでって♥ ん゙……お゙ッ♥ ぉ゙……っ……♥」

 

 挿入され、腰を撫でまわされ、乳首をつままれ、うなじにキスされる。また潮を噴いてしまう。頭をぶんぶん振ると、彼がぎこちなくまとめてくれた後ろ髪がよたよた着いてくる。

 

「……ぁっは……だめって、いった、のに……ぃ……」

「ごめんな……」

「ふ、ふふっ……もっと、許してあげたくなるように、謝りなさいよー」

 

 冬優子は凱歌を口ずさんでいる。プロデューサーの肉欲を引きずり出す誘惑者として、肉欲を取り締まる支配者として、二重に勝ち誇っている。

 

「お゙っ……く、ふ……ん゙ぁ゙っ♥ あんた、こんなコトまでシちゃうのに、紳士ぶってて、笑っちゃうわよ、自分でおかしくならない……?」

「……そうだな、下手なウソだったな……」

「ひどーい♥ そんな下手なウソにすっかりだまされちゃってた子もいるのにー……っひ♥ ぁ、や、また、ぁ……ッ♥」

 

 腰骨を手のひらで包まれながら、ぐちゅっ、とぬかるみをかき混ぜられる。ヒザから力が抜けて、腰が落ちたのと同時に彼が突きあげてくる。愛液を噴き散らしながらまた達してしまう。抵抗もできないほど身体が彼を求めつづける。

 

「や、やだぁ、まだ許してあげないっ♥」

「ごめんな、冬優子……」

「あ、ははっ、ぁ……ん゙ぉっ♥ また、おく、しすぎ……お゙っ、ほっ、ん゙ぁ゙ ッ♥」

 

 指をしっかり絡めてシーツをつかむ。閉じようとしたひざがじわじわと開いて、また何度も何度も腰の奥を打たれていく。こんなにびくびく痙攣する膣肉に、何度も何度も執拗な往来が続く。どうにか形を残してやろう、という執念さえ感じる。

 

「ほっ、ほぉっ、お゙っ……乳首、も、まら、ぁ……こしょこしょって、だ、ぁ……」

「でも、冬優子、好きだろ……?」

「すきっ、すきっ♥ ぉ……ぁ、あ、い、イク、ぅ、ぁ、ああぁあっ……!」

 

 腕を腋からがっしり回されて、上体を引き起こされ、背面座位にされたと気づく。彼のモノに座ってしまう。ポルチオを亀頭がずりゅ、ぬちゅっ、ととらえているのをはっきりと意識する。ぷっくり勃ちっぱなしの乳首が彼のくすぐりにさらされる。彼の腕をとらえるように腋をしめる。

 

「あっ、ふ、ぅふふっっ……! わぁ……もう、だめ、です、だめ、ぇ……♥」

 

 どれだけ腕や首や胴をくねらせても快楽から逃れるどころか上塗りされるばかりになる。足をじたばたさせてシーツを叩いて、そこを汗か潮で何度も濡らす。彼が何度も腰を前後させ、突き上げてくれる。切なくてたまらないのに、やっぱりじらされることも望んでいる。これもダメ、あれもダメと、自分で撞着するたびに快楽の天井が押し上げられてしまう。

 

「お゙ぅ゙ぅ……あ゙ぅ゙ぅぅ……♥ はっ、はっ、あっ、あっ、はっ、あ゙ぉッ……♥」

 

 彼を許さなければいつまでもこうしていられるかも、と冬優子がすっかり勘違いする前に、彼に本当の限界が来たらしい。射精に気づく。しょうがないな、と理由なく許してしまう。

 

「あ、は、ッ……こ、こら、ぁ……ふゆを、腰砕けに、するんなら、ちゃんと支えろぉ……♥」

「う、ぅ……冬優子、まだ、余裕そうだな……」

 

 すべてを無造作に許してしまいそうだった。幸せ、と口にしそうになった冬優子に決まってそっと湧き上がってくる、危ういような、怖いような、後ろめたいような、自分のそんなところまですっかり受け入れてしまえた。

 

「いつもデスクワークのあんたと、レッスンにいそしむふゆじゃ……体力の差が、ねー」

 

 息も絶え絶えのプロデューサーからずるずる下りて、精液だまりをぼってりふくらませたゴムを引っぱがした。しばらく復活しそうもない彼のペニスをぺちゃぺちゃなめながら、あいまあいまに「おちんちんおつかれさま♥ すっごくがんばってくれてうれしかった♥」とねぎらったり「オオカミさんは徹底的にしつけて、ふゆの好みになってもらうわよ」とからかった。亀頭がしわしわにふやけるころ、彼が尿意の限界を訴えたのでしかたなく解放してやった。

 

「よだれ、かれちゃうかと思ってたところよ」

「おいおい、本気に聞こえるぞ」

 

 プロデューサーがコップの水を2つ持ってきた。「うわぁ、キンキンに冷えてる」と笑いつつ、くちびるで温くしながら時間をかけて飲んだ。冬優子がコップを置くと、すでに水分補給を済ませてしばらくたっていた彼に組み伏せられ、舌と指とで強姦“のように”犯された。ペニスを使い切った男がどこまでセックスを続けられるのだろう、と気になって「ふふ……ナニがへたってからが男っぷりの見せどころよ、たぶん……♥」などとあおった。しばらくして、うっかりプロデューサーの鼻先に向けて潮か尿かなにかをふっかけてしまった。「ごめんね……♥ あんたにアゴより下、って言ったのに、ねぇ……♥」と謝った。それから、太ももを閉じられなくなるぐらい痙攣させられ、膣口に一生ぶんかと思うほどキスを浴びせられた。まるでがまん比べのようにイッたりイカされたりした。あまりにイキすぎて秘所が鈍くじんわりとしか感じられなくなったあとも、恥丘や陰毛をそよがせる彼の鼻息が愉快だった。

 そうしてまたノドがカラカラになった。

 

 

 

「……あんた、動ける……?」

「近くにメシ買ってくるぐらいなら……」

 

 冬優子が気がつくと、夏の長い日差しが傾いていた。

 

「やだ、行かないで。ごはんならちょっと残ってたわ」

「……おかずがない」

「じゃあおかゆ……ふふ、ノドこんなにしちゃったからちょうどいいの」

「おかゆ……に使えるもの、あったかな」

「なきゃ湯漬けよ」

 

 塩コンブの残りとレンジから出したご飯を鍋に煮立て、溶き卵を流し入れた。

 

「お好みは」

「半熟。人間も、このぐらい簡単に熱を加減できたら楽そうね」

「そしたら、たぶん俺らの商売あがったり」

「ふゆたちがこうしてるコトもなかったわけね」

 

 溶き卵が固まる前に2人で分けて食べた。

 

「ふゆが、こんなわびしぃ……じゃない、おとなしい味をおいしいと思うなんてね」

「わびしくて悪うございましたね」

「ぜんぜん悪くない。青ネギがあればよかったけど」

 

 ひと心地ついて、シャワーを浴びて身支度できそうな気になった。

 

「あんたの好きなお菓子ってなに? こんど作って事務所に持ってきてあげる。きょういっぱいごちそうになったし」

「……またスコーンが食べたい。甘さ控えめで」

「甘さ控えめのお味ね。見た目は甘くしてもいいわよね」

「あんまりかわいらしいのだと照れてしまう」

「あとシャワー、こんどはあんたが先に入って」

「俺は、冬優子が出てから入るよ」

「着替えて、駅まで送って」

 

 冬優子は、プロデューサーが洗濯機に入れたぐしゃぐしゃのスウェット上下を引っ張り出して、生臭さをがまんしつつサイズと材質を確かめてメモした。後日、新しい部屋着をこっそり“お友達”になった記念です♥」と彼にやったときの反応を想像した。頬の表情筋がきゅっと縮んで、生臭さをますますじんじんと感じた。

 頬を戻そうとしてなかなか戻らず四苦八苦し、彼から心配された。

 

(おしまい)

 

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