比企谷八幡がいろんな女性Vとセックスする話 作:ぼっちプレイヤー
微睡んだ意識が浮上する感覚で八幡は重い瞼をゆったりと開いた。見慣れた天井を視界に収めて頭に残る睡魔に思考をふらつかせていると、身に覚えのある不思議な感触が身体から伝わってきていた。
妙に暖かく、それでいて心地良い。
覚束ない思考のまま視線を下にずらせば自身を包む毛布の下半身に当たる部分が不自然に山を作っていて、毛布を持ち上げてみれば綺麗な白髪をもつ端正な顔だちの女性が瞳を蕩けさせて男の逸物を舐めていた。
「ちろちろ、ちゅちゅぴ……ちゅう……れろれろ……」
その女性、リゼ・ヘルエスタは子犬が与えられたおやつを前足で押さえるように肉棒の根元に両手を添えてフェラチオを続けており、よほど夢中なのか白磁のような肌を紅潮させ八幡が起きたことにも気づかず舌を這わせている。
もはや見慣れた光景に八幡は甘い快感に浸りながらその卑猥な光景を見続けていると、リゼは視線に気づいたのか八幡に顔を向けてようやく起きていることに気づいた。
「あー……おはよう?」
「うぅ……おはよう、ございます……」
自分のしていたことを見られていた上に気がつかないほど熱が入っていた事実にリゼは違う種類の熱で顔を赤くしアメジストの瞳を揺らして羞恥に呻いた。
不誠実ながらこういった光景は八幡にとって見慣れたものになっていた。初めての時はそれはもう激しく動揺したものだが、急に動くと怪我をさせかねないしこれに限っては八幡の方は受け身の体勢でしかいられないのでもう諦めるしかなかった。
……まぁ開き直ってると言われればその通りなのだが。
(別に嫌とかではないんだがな。どう反応すればいいのか未だにわからん)
漫画の中でしかないような行為は八幡だって昂るものがある。現に男根は昨夜のことを忘れたように天を向いているが、しかしそれを声に出していえる関係ではないのだ。
覚醒し始める意識をリゼに向けるとちらちらと瞳を八幡の顔と肉棒に行ききさせている。
「……なんか意外だな。リゼはこういう直接的なのは苦手だと思ってたんだが」
「そう、だったんだけど……寝てる八幡さん見てたらなんか気になっちゃって、触ってみたらいつの間にか……」
ふにふにと肉棒を触りながらさらっと恥ずかしいことを言ってのけるリゼ。本人には自覚がないのかさらに言葉を続ける。
「それにとこちゃんが八幡さんはこういうの結構好きだって……」
「あいつ……」
二人の頭に浮かぶのは悪戯っ子のような笑みを作る地獄の住人。八幡と関係を持つ女性は各々の繋がりでこの男のことを共有しており、そういった営みにおける話しもしているようだった。ぶっちゃけていえば八幡の性癖は好意をもつ女性には周知の事実になっている。
相手の方から合わせてくれるのは今の立場も相まって非常に助かるのだが、知られたくない内面を共有されるのはそれはそれで気恥ずかしさが勝る。
「……あの、続き……いい?」
八幡が脳内で唸っているとリゼから躊躇いだちに、けれど確かな媚熱のこもった声色で問いかけてきた。
さすがにこのまま終わるのは昂った性感もあって八幡にとっても生殺し同然なので、手を伸ばして透明度高い白髪に指を差し込み梳く要領で撫でれば、リゼは肯定と受け取ったのか肉棒に唇を押しつけ舌で舐め上げる。
「ちゅ……れるるる、ちゅぷ、ちゅるる……」
唾液を纏わせるように舌の腹まで使って肉棒を舐め、亀頭に柔らかく小さな唇が吸い付くように何度も押しつけられる。
快楽の電流が八幡の背中を伝い、しかしながら極上かと錯覚しそうな快感が全身を脱力させる。リゼの頭を撫でながら八幡は与えられる快感に従って力を抜き、顔を天井に向けると感覚を下半身に集中することにした。
さわさわと頭を擽る心地良さにリゼは唇を離すと口元をもごもごと動かし、
「んぁ……」
舌を垂らして溜めた唾液をローションのようにし垂らせる。ぬらぬらと唾液を纏った肉棒をリゼは恍惚と表情で見据えると、
「あ──ん」
唇をぱっくりと開いてゆっくり根元まで呑み込んだ。
「んふぅ……んくっ、じゅる、じゅるる、れる、じゅくっ、んっ、ふうぅっ、んくんくっ、じゅるるるっ、ぐぽ」
人肌よりもほんのりと高い生暖かな温度で肉棒が包まれ、舌が別の生き物のように這って扱き上げる。鈴口から溢れる白濁液をリゼは吸い上げて喉を通し、唇を緩めに引き絞ると頭を上下させることでさらに刺激を与えていく。
あんまり激しく動くと息苦しくなるものの、その息苦しさが鼓動を加速させてリゼをもっと興奮させる材料だった。
「じゅるるる、ぐぽ、ぐぽ……んぐっ、おぐっ、んぐぅっ」
リゼの口淫はさらに加速し自ら喉奥に亀頭を押しつけ快楽を増長させれば、呼吸のしずらさで苦し気な声が漏れでるがそれに構わず肉棒を扱き続ける。
気遣うように八幡が撫でる手の親指でリゼの額をくしくしと擦るが、その気遣いはリゼとって逆効果でさらなる快楽を与えようと愛撫が強くなるのだ。
起きてから昂っていた性欲が限界に近いことに気づいて八幡は思わず両手をリゼの頭に置いた。頭を強く押さえているわけでもない意味のないその行動がリゼには″逃がさない″という意味に錯覚させて、被独占欲と被虐心を痛いくらいに刺激する。
暖かい粘膜が擦れる感覚と柔らかくも肉厚な舌に、一定の間隔で亀頭の先端が喉に当たる気持ち良さで、快楽が絶頂を迎えるのはあっという間だった。
八幡の全身が強張ると同時に鈴口から白濁液が吹き出てリゼの口腔を犯していく。
「おごっ、んぐぅっ!!ごきゅっ、ごきゅんっ……んふうぅぅっっ……」
口内でびくりと大きく跳ねる肉棒と喉に殺到する白濁液にリゼは苦し気に呻いて、口腔を満たす白濁液を喉を鳴らせて飲みこんだ。そして顔を引けばそれによって空いた空間を脈動を続ける肉棒が白濁液で埋め尽くしていく。
口で白濁液を受けとめながらリゼは小さい指で肉棒を包むんで優しく扱けばびくりと跳ねて、鈴口から残さず吐き出させた。
口腔に白濁液を溜めたまま搾るようにゆっくり顔を引き、ちゅぽっと卑猥な音を立てて唇を離す。
極上の快楽から意識を戻した八幡が絶頂の余韻で脱力したまま顔だけリゼに向けると、白濁液によって頬を膨らませる牝がそこにいた。リゼはそのまま顎の下に両手でお椀を作り、
「────んぇ」
唇を開いて精液で満たされた口を見せつけた。
卑しい光を映すアメジストの瞳は恐ろしいほどの色香を纏い、幸せそうに蕩けていて、開いて見える美しい口腔を穢す白濁液が男の本能を引っ掻き回す。
閉じていたおかげで溢れていなかった白濁液が唇の端から伝い、白い糸を顎の間に作ってリゼの手のひらにぽたりと落ちていく光景に痛いくらいに肉棒が反応した。
獣欲に燃える八幡の眼にリゼはひどく満たされた気持ちになって、白濁液を呑み込んでいく。
「んくっ、ごくっごくんっ、ん……ちゅう、ちゅ、ちろちろ……んっ」
これ以上溢さないように顔を上に向けて綺麗な喉を動かし、今度は両手に溢れ落ちた白濁液を舌を使って掬いとる。あますことなく飲み干したリゼは思い出したかのように顎に伝う白い糸を親指で掬い、最後に舌でぺろりと掬って口に収めた。
一連の動作を見ていた八幡の男根はとっくに硬さを取り戻していて、なんならリゼにはさっきよりも大きくなっているように見えた。
「なんか……死ぬほど悪いことしてる気がしてきた」
「いまさらなに言ってんの?」
「それはそうなんだが、改めてっていうか……うん」
文字通り一国を傾かせる美女が自分の目の前で行った扇情的で淫靡な動きはあまりに非現実的で、八幡がもつ罪悪感や後ろめたさをぶり返させるには充分だった。もちろん現実逃避も含まれているけれど。
リゼは八幡のその様子を呆れたように眺め、ついっと視線を下に移した。
「……こっちは凄く正直だけど」
「そりゃあ今ので反応しなかったら不能かゲイだろ」
「でも八幡さん外じゃそういうのに全然反応しなかったから、私的にはしてる時の八幡さんあんまり想像できなかったよ?」
「これでも数年とは言え先を生きてるわけだしな。学生ならまだしも今でも胸とかに眼がいってたりしたら人としてアウトだろ」
「まぁ今は別でがっつりライン超えてるけどね」
「……それはいうな」
リゼは軽くいったつもりが思ったより深く刺したらしく″ず~ん″と効果音が聞こえそうなくらい八幡は項垂れた。
折角二回戦に入る雰囲気だったのに水を刺されてしまった。しかも八幡からだというのが頂けない。リゼの下腹部はさっきので準備できてしまっている。このまま終わる気はさらさらなかった。
リゼは八幡の腰に股がると自分も腰を降ろして、両手で頬を包むと唇を重ねた。
しっとりと柔らかい唇が少しかさつく唇によって形を変え、唾液を伝って互いに温度が伝播する。
リゼはこの暖かさが好きだ。氷を溶かすほど熱くなく、けれど冬場で冷えた身体ならのぼせるくらいの熱がある。だから冷えた身体で暖をとっていると知らず知らずの内に前後不覚に陥ってしまうのだ。その前後不覚の感覚が不思議と心地良く、気がつくとどうしても手離せなくなっている。
(貴方にのぼせている。なんてさすがにポエミー過ぎるな。中二病じゃないんだから)
恥ずかし過ぎて口には出せないけれど、その熱をリゼは与えてくれる本人と共有したい。共有して分かり合いたい。他でもない八幡と。
「んっ……」
名残惜しさを覚えながら唇を離すと、それを現すように未練がましく銀の糸がぷつりと切れた。
瞳に媚熱を纒いなおしたリゼが腰を揺らせば硬い感触が臀部に擦れて、時折にちゃりと音がひびいた。八幡がほっそりとした腰に手を添えればリゼの身体がぴくりと震えて今度は桃尻をふりふりと左右に揺らした。
「んむっ、んっ、んんっ、ちゅ、ちゅぴっ……んぁ、んふ……んむぅっ、んっんっ」
唇を落として再度重ねるとリゼは舌と唾液を交ぜながら腰を踊らせる。揺れれば揺れるほど卑猥な音は大きくなって、押しつけられる八幡の腰が淫液で濡れていった。
腰に添えていた手を八幡が滑らせ桃尻を撫でながら、とろとろと愛液が溢れる秘部に指を差し込んだ。
「んぁんぅっ!」
少し力を入れただけで秘部はちゅるんと指を呑み込んでゼリー状の感覚で包み込んできて、快感で身を跳ねらせたリゼの様子でどれだけ身体を昂らせているのかが伺える。
秘部に呑み込まれた指を八幡は緩く抜き差ししたり、曲げたりを繰り返して肉襞を愛撫していく。
「んあっ、ひんっ、あっあっ……あぁぁぁぁっっ」
指の動きに肉襞は敏感に反応して無数の舌が群がってきて、進んでいくとこつりと一番奥に到達した。子宮をぐりぐりと押し上げればリゼは与えられる快感に嬌声を押さえるようなことはせず、八幡の目の前で快楽に顔を歪ませる。
はじめから充分に濡れていたためほどよく解したらゆっくりと指を引き抜いた。
秘部からものが無くなるとリゼは荒い呼吸で八幡を見据える。そして膝たちになると着ているシャツのボタンに手をかけた。全て外し終えるとリゼは脱ぐのは面倒なのか着たままで、シャツが豊満な乳房に引っかかっており残った肌を隠している。
肉棒を指で挟み腰の位置を調整すると、リゼは緩慢な動きで腰を落とした。
「うぅんっ……はぁっ、あぅぁぁっっ」
快楽をあじあうためか、それとも快楽に堪えられないためかリゼは途中で動きを止め腰を前後左右に揺らす。焦れったい快感が八幡にも与えられて肉棒がぴくぴくと反応すれば、リゼは嬉しいそうにへらりと笑った。
もう少しで全部挿入るところでリゼは八幡の腹に手を置き、ゆっくりと腰を進めていく。そしてこつりと下腹部の内側をノックする感触にリゼはゆっくりと力を抜いていった。
「ふーっ、ふーっ、んっ」
肉棒をすべて収めたリゼは深い呼吸を何度も繰り返し、けれどその荒い息づかいはおさまる気配を感じさせない。むしろ、確かめるかのように自分からぐりぐりと腰を八幡に押しつけている。
荒い呼吸のままリゼは我慢ならないと、八幡の上で踊りはじめた。
「んっ、あっ、あんっ、はぅっ、ひんっ、ひっ、ひんっんぁっ、あんっ」
腕で身体を支えたリゼが小刻みに何度も揺れる。肉棒に子宮口が突き上げられる度に唇から嬌声がこぼれ、肉壺がきゅんきゅんと締まって気持ち良い快楽を背中を昇った。
下腹部の内側を小突く音と肌がぶつかり弾けて粘度ある水音が同時に幾度なく響き渡る。
「んんっ!はっ、はひっ、ひいぃんっ!」
リゼの動きが徐々に激しくなり、美しい嬌声も大きくなっていく。うねりが加わった肉壺の締めつけは獣欲を刺激して今すぐにでも吐き出してしまいたい衝動に駆られる。
それを示すように八幡はリゼに合わせて腰を突き上げた。
「んはあぁぁっっ!!はへぁぁっっっ」
強烈な快楽にリゼが一際大きい嬌声を上げ、肉壺をさらに締め付ける。八幡が肉棒を突き上げたまま子宮口を押し上げれば、舌を垂らして力のない吐息を吐き出した。
リゼの着ていたシャツが揺れる反動ではだけ形のいいお椀型の果実が姿を見せていて、その中央には鮮やかなさくらんぼがこれでもかと自己主張をしていた。
腰を突き上げながら八幡が双丘に手を添えればリゼは快感に震えながら幸せそうにほほを緩めた。
「はちっ、まんさんっ、きもちっ、いいのっ?もっと、んっ!きもちよくっ、なってっ?わたしもっ、ひんっ、きもちよくっ、してっ?」
リゼは拙い言葉づかいで無骨な手を乳肉に押しつけ、遠慮なく指を沈めさせると双丘はいとも簡単に形を変化させ、手には収まらない柔肌が指を包み込んだ。
「はうぅっ!!」
新たな快感にリゼはおとがいを上げ真っ白な喉を見せつけながら打ち震えた。先ほどよりも強くなった肉壺の収縮は軽く達したことを八幡に教えてくれる。同じく八幡もそろそろ本能が鎌首をもたげていた。
互いにタイミングを合わせて動き、さらに八幡は柔肉を揉みしだいて桃色の乳頭を摘まんで指の腹で頂点を擦り付ければ、快楽に溺れる肉壺は熱烈に肉棒を扱いて精液を寄越せと急かしてくる。
そしてリゼが腰を落とすと同時に八幡が突き上げて突起をきゅっと摘まむと、リゼの視界がぱちりと弾けた。
「ひあああああっっ!!」
絶頂を迎えたリゼが悲鳴に似た嬌声をあげ、それに呼応する肉壺が惜しみなく肉棒を締め付けて八幡に快楽を送りつけていく。
我慢の限界だった八幡も一泊遅れて達し、子宮口にぴったりとくっついた亀頭の先端から白濁液を吐き出した。
「いひぃん!?あつ!?、あっ、すごっ……ああぁぁぁっっ」
夥しい量の白濁液はあっという間に子宮と膣内を満たして収まらず、溢れた分が結合部からこぼれ落ちていく。大量の白濁液を子宮に受けとめたリゼは火傷するかのような熱と快楽にもう一度達して、自身の内側の終わらない脈動に身を跳ねらせ続けた。
びくりと最後の一滴まで肉棒が吐き出し終えればリゼがふらりと八幡の胸の上に倒れこみ、それを八幡は優しく受け止め抱き締めながら肩に顎を乗せてやった。
心地良い絶頂の余韻と子宮を満たす確かな熱はリゼの今欲してやまないものだ。これは自分一人では決して得られず、彼と自分が一緒にいるから得られるものだ。
これを手離したくないと思うと同時に、それ以上にこの感情を共有したい。例え彼が得たものと差があったとしてもそれは対した問題ではなかった。大事なのはリゼが誰と、何を共有したいのかなのだから。
リゼはゆったり身体を起こして八幡と眼を合わせる。じっと見つめて、八幡がさっと目を泳がせたのをみるとくすりと笑って唇を重ねた。
「八幡さんがいるあいだにたくさん、色んなことしようね。そばにいる間は離れないんだから」
額を押しつけてくるリゼに、八幡は優しく口づけを返した。
~おまけ~
「八幡さんはドラゴンボールがあったらどんな願いごとする?」
「藪から棒だな」
「最近ゲームで本編知ったんだよね。それで八幡さんはどんなことお願いするのかなーって思って」
ソファーの上で八幡の膝の上に座ったリゼが口に出したのは国民的アニメに登場する、使用者の願いを叶える七つ玉のことだった。
片腕をリゼのお腹に回していた八幡は適当にスマホを弄くっていた手を止め、視線を斜め上に飛ばして軽く考えてみた。
「願いごとねぇ……昔なら俺を養ってくれる女の人を頼んでただろうな。いや、仮にそれが叶っても信じない気もする」
「あー。なんとなく想像できるなぁ」
「後悔なんてしてない方が少ない学生時代だったしな。ま、ドラゴンボールなんてなくても小町がいるだけでお釣りが出る人生ではあったぞ」
「シスコン過ぎるよ。って言いたいところだけど私もあまり人の言えないかも。
それはそれで叶えたい願望いっぱいあるけどね」
「例えば?」
「歌を上手くなりたいし、もっとトーク回せるようになりたいし、ダンスも踊れるようになりたいし、配信で色んなゲームしたいし、絵も描けるようになりたいし……」
口に出すのはただといった様子でリゼは指を折り曲げていき、両手が閉じたところでうーんと唸って思い出したように顔を上げる。
「陰キャは絶対直したい」
「……陰キャじゃない自分を想像できんのかよ」
「うぇ!?あ、うーん…………何でそんなひどいこと言うの?ちょっとは夢くらい見てもいいじゃん」
「想像できなかったんだな」
「態々口に出さないでよ!絶対わざとじゃん!」
二人とも自他ともに認める日陰者タイプの人間である。対人関係以外特に不満のない八幡とは反対にリゼは依然として陽の当たる人間に羨望の眼を向けていて、人の前に立つようになってから幾分かマシになったものの、己と比較して自己嫌悪に陥ることも少なくない。
機嫌を悪くして拗ねたように顔を背けるリゼに八幡は抱く力を強くし、謝意を含めて頭を撫でれば擽ったそうに身を捩り、ほどなくしてリゼが自分の方から身体を押しつけてくる。
「む~。なんかいいように流されてる気がするなぁ」
「他にやり方しか知らねぇから仕方ない」
「暗にチョロいっていってない?別にいいけど。こういうのが許せるの、八幡さんだけだしね」
「……参考までに聞きたいんだが、他で機嫌が直る方法とかあんのか?」
「う~ん……八幡さんが私のこと想ってくれるなら大抵どうでもよくなっちゃうかも。それが一番かな」
「それは……一段と難しい方法だな」
「ふふふっ、期待してるけど、全然裏切っていいよ。そのくらいあ、愛してるから」
振り返ってどもりながらもしっかりと好意を告げるリゼの顔は、頬を朱を散らしつつも幸せそうに微笑んでいる。その綺麗な表情に八幡は口づけしか返せなかった。