比企谷八幡がいろんな女性Vとセックスする話 作:ぼっちプレイヤー
「ねぇ、もしかして一人?」
(うわ、めんどくさ)
待ち合わせ場所で待機していた葉加瀬冬雪はナンパの声に一瞥もくれず内心で悪態をついた。
折角今日は良い感じに化粧がのって上がったテンションに引きずられながらウキウキで早めについたのに、空気を読めないバカに水を刺されたせいで気分がだだ下がりだ。
(少し浮かれすぎたやろか……もっと大人しめの服でもよかったかもしれへん)
こういうのを最近見なくなって油断していたのもあるし、久しぶりのデートで着ているお気にの服が若干目を引くタイプであることも原因の一つではあるがそれはそれとして相手するもの果てしなく面倒だった。
時計を見ても約束までは少しばかり間がある。余裕を持つ彼は時間よりも早く到着するだろうけど、冬雪がいつもよりも早く着いてしまっているせいで援軍はあまり期待できそうにない。テンションのまま行動した結果が分かりやすく裏目でてしまっていて、さらに気分が下がる。
そう考えている間にもナンパの声は雑音まじりに耳に入ってうるさいことこの上ない。彼には悪いが待ち合わせ場所を変更してしまおう。なんなら、こっちから迎えに行ってもいい。
頭の中で出した代案に頷いて連絡をしようとした時、待ち望んでいた声が冬雪の鼓膜を叩いた。
「悪い冬雪、待たせたみたいだな」
普段よりも少し低く聞こえた声の方に顔を向ければ、待ち人である比企谷八幡が早足で近づいてきて冬雪から男を遮るように割り込んだ。
八幡は一度冬雪の方に目をやって何もされてないことを確認すると、次いで男の方をじろりと睨む。泥を煮詰めたような濁る眼差しに一緒たじろいで、すごすごと引き下がっていく後ろ姿を見てから軽く溜め息を吐き強ばった肩の力を抜いた。
「大丈夫だったか?」
「あ、うん。声かけてきたのもついさっきやったしガン無視してから何もされとらんよ」
慣れたようにナンパを退けた八幡に珍しいものを見た好奇心と単純にときめいた心で冬雪が感嘆していれば、心配の声にはっとして大丈夫だと告げる。
「そうか……なんか珍しいな、葉加瀬の方が早く着いてるの」
冬雪は八幡の知る限りでも珍しい時間を守ってくれるタイプではあるが、他のメンバーのようにやたら早く待機する性格でもないとの認識だった。実際、冬雪との待ち合わせは社会人ばりの五分前行動に合わせることが多いこともあって八幡としてはかなり気が楽だったりする。
そのことを踏まえての疑問は本人にも自覚があるため理由を口にしようとして、急に沸いた気恥ずかしさに舌が止まる。
同性ならともかく異性、それも好意をよせる相手に「今日めっちゃ可愛くできてん!」と己の顔を自慢できるほど冬雪の肝は大きくない。というかそんな高校生じみた純粋な感情が表に出そうになっただけでも少し恥ずかしかった。
「んー……理由があるっちゃあるけど、比企谷さんは何でやと思う?」
ただその感情に振り回されるほど年齢も精神性も幼くないため、からかう意味も含めてその場で冬雪は軽く両腕を広げると悪戯っぽく笑ってみせる。
敢えて答えずらい質問に八幡は口をへの字に曲げて目を泳がせながらも、冬雪の姿から材料を探すように視線を動かしている。たまに感じる胸や脚の視線に意識しているのが丸分かりで、弄りがいのある様相に唇がニマニマと弛むのが自分でもわかった。
口角の上がる笑みで答えを待っていると思案顔になった八幡がようやく口を開く。
「……化粧か?なんつーか、いつもより目の周りが綺麗だし……いやそれくらいしかわかんねえな」
「おー、やっぱ比企谷さんは分かるんや。今日はお化粧が良い感じにできて気分よくてな?そのまま家でたからいつもよりちょっと早かったんよ。そしたら結果があれや」
「あー……まぁ、葉加瀬みたいな可愛い奴が一人でいたら声かけられるのも当然か。今度の待ち合わせ場所は喫茶店とかにしとくか?向こうがしつこいタイプの場合もあるし」
簡単に正解を引いた八幡に感心しつつ一通り話して嘆息をこぼす冬雪に八幡は慰めにもならない言葉をかけて、次回の対策を口にする。さっきの男はすぐに引き下がってくれたが毎回そうとは限らないだろうし、貴重な時間をそこに割かれるもの気分が悪い。
店舗内なら声をかける側のハードルも上がるだろうしそこら辺が安牌だろうか。
「でもあたしがいつも早く着いてる訳ちゃうしな。今度似たようなことあったら家でる前に連絡しとくわ。したら比企谷さんも合わせられるやろ?」
本人がそれでいいならと八幡が首肯するすると、冬雪の表情がまた悪戯をする子供のように弛められた。
「次もあるって言質取ったからね?」
「…………あんま期待はするなよ」
先ほどの提案を思い返して見れば″そういう意味にもなるか″と八幡は後頭部を雑に掻きながらたっぷりと悩んで、不承不承の色あいを隠さずに頷いた。
照れくささを隠せずに顔を背ける八幡の様子が落ち着いた年齢にしては可愛いらしくて、冬雪は雪を転がすように喉を鳴らす。言い様に揶揄われているのに不思議と不快感は無くて、美人は便利なものだと八幡は諦めたように肩を落とすのだった。
「ほな行こか、ここで時間食いすぎてもしゃあないし」
「はいよ」
からかうことに満足してすっかり上機嫌になった冬雪が計画していた目的地に脚を向けると八幡も横に並んで歩き始める。自然に繋がれた小さな手の柔らかさを気にしないようにしていると紅い瞳がじっと見つめているのに気づいた。
「どうした?」
「んや、ちゃんと慣れたもんやな~って思って。わたしこういうスキンシップとかせんと思っとったから、普通に自分からしてるの何か変な感じするわ」
「男としては喜んでいいんだろうが素直に喜べない状況なんだよな……ちなみに俺はまだ普通に緊張してる」
「相変わらず小心者やなー。そのくせ言わんといかんことは当たり前に言うんやから質悪いわ」
「言ったあとに家でのた打ち回ってることも全然あるぞ。社会人になってもベッドの上で叫ぶことがあるとは思わんかったが」
繋がった手をにぎにぎして弄ぶする冬雪はそれが当たり前かのように照れくささや煩わしさを感じていないが、自然に身体が動くまで慣れた自分自身の変化に新鮮さを感じているようだった。
冬雪は相方といってもいい同期でかつ意中の男を同じにする夜見れなとは違い、八幡に向ける情念はフラットなものである。
自覚するほどの恋心はあれど毎日顔を見たいだとか連絡を取りたいだとかそういう普遍的な熱い想いはなく、手を繋いでも身体を重ねても日常に彩りが増えることがなければ減ることもなかった。
(いや流石に嘘。デートも初めてした時も普通に……ううん、結構幸せやったもんな)
荒い呼吸音と火照る身体と悪くない倦怠感を初めて共有した日のことを思い出して、冬雪は内心でありながら強がる自分を諫める。彼との将来を明確に想像し始めたのはその日に、隣にある温もりを手放すことに寂しさを覚えたからだ。
気安く話せて寂しくなったら構ってくれて、けれど構い過ぎない気遣いを持っている。それを独りじめしたい独占欲があるわけでも、他者に渡ることに対する嫉妬心が有るわけでもない。
ただ、手を伸ばせば届く範囲ある暖かさが無くなるのを想像すると肌寒い寂しさをどうしようもなく感じたから、こうして一時の時間を共にしている。れな達に比べたら枯れた恋愛観だとは自分でも思うが、自発的に連絡を取り合ったり不慣れながらも肌を重ねたりしている時点で昔の冬雪が見たら驚くだろう進歩なのだ。
そしてなによりも、
(好きって言葉にすることに抵抗ないのが不思議な感覚やもんなぁ)
昔の経験からそこに至るまでの熱量も継続力もないものだと思っていたのだが、思いのほか自分はちゃんと女の子だったらしい。ふとした時に彼のことを考えてしまうようになった自分に違和感を覚えつつも悪くない気分なのだから恋心とは摩訶不思議なものだと、大きな手の暖かさを確かめながら冬雪は歩を進めていくのだった。
マイペースで逢瀬を楽しんでいればあっという間に時間がすぎて、真上にいた太陽はオレンジ色に染まり夕暮れに沈む姿を映していた。
そして男女二人がデートの最後に訪れる場所と言えば言うまでもなく硬質で小さく区切られたお城しかない。後ろ手で閉めた扉ががちゃりときつく閉じられた音を耳にしながら二人はダブルベッドに腰掛け、次いで冬雪が上半身を投げ出しシーツにシワを広げた。
「つかれたー、いつもより歩いたかも」
「歌って踊るのが職業の体力かそれ」
「ダンスとか終わったあとはいつもひーひーいうてるんやで?わたしは体力っていうか筋肉が少なすぎるからやけど」
デートの最中に冬雪の趣味で買ったグッズ系の袋をベッドの脇に整理しつつ八幡が手を伸ばせば、それを支えにして彼女が起き上がる。
「いや上着。おてとかじゃないんだからよ」
「あぁそっち……はい、ありがと」
可愛いらしい小さな手のひらを置いてくりくりとした紅い瞳を向けてくる冬雪に要件まじりに八幡が突っ込むと、勘違いに気付いた彼女から羽織っていた薄手のカーディガンを受け取った。
ハンガーにかけて自身も軽装になる八幡を視界に映しながら冬雪は部屋の内装を見渡す。
値段を見せてくれなかったので詳しくは分からないがラブホにしては良いところらしいく豪華な装飾で彩られている。フィクションで見るようなピンク色のルームライトもないし、浴室の壁がガラス張りで中身が見えるようなものでもない少し広めの浴槽があるだけでスイートルームの寝室を切り取ったような感じだ。
八幡とする時は決まってどちらかの自宅だったため経験の浅さも相まって新鮮さを感じるけども、落ち着いた内装のお掛けで変な緊張もなく自然体でいられることに彼からの気配りを察して仄かに熱が高まった。
頬の朱みを誤魔化すように冬雪は衝動的に買ったぬいぐるみを手に持つ。マングースをモデルにしたそのキャラクターを買ったのは、白と赤の体表の中で一際目立つ目付きの悪さが気になったからだ。
その極悪ともいえる目付きを見て八幡の腐った目と比べてみると、思ったよりも似てるようでそこまで似てない。
「比企谷さんはこんな強そうやあらへんしな」
「なんで急にディスられたの?」
目付きは悪いけどこんなに鋭く力強くないし姿勢も自信ありげに背筋を伸ばしてないし、見れば見るほど違いがしっかりと分かってしまう。
でも一目見るとなんとなく八幡のことを連想したから買ったのだが、似てないのになぜこんなにも一人と一匹に親近感を覚えるのか冬雪自身も謎であった。
理不尽な罵倒に困惑しながら八幡が冬雪の隣に座ればその分だけベッドが深く沈む。肩が触れ合うには遠く、しかしお互いを意識するには充分な距離。
近くに置かれた骨張った手に冬雪はごく自然に自分のを重ねた。
「あんま買いすぎると置く場所がなくなるのが問題なんよねー。ぬいぐるみ系とか特に」
「手入れとか保存の仕方とか考えると金もかかるしな。俺も棚の奥に何冊か眠らせたままの本あるけど、引っ張りだすのは面倒でそのまんまだ」
「でも比企谷さんって整理整頓してそうやから探すのは簡単やろ?わたし的にはどんくらい本棚が埋まってるのか気になるわ」
雑談を続けながら冬雪がさわさわと弛く撫でていて、八幡が手のひらを上にするようにひっくり返すとするすると絡まり優しく繋がれる。
片手で愛でていたぬいぐるみを膝の上に置くとそれにあわせて会話が途切れて、冬雪が横を向けば二人の間にはまだ隙間があった。けれど、その距離は冬雪が望めば無くなる、ほとんどないに等しい距離だ。
その空間を埋めるのはいつだって冬雪の方で、今日もそうしようと思っていたから彼の動きに驚いた。驚いて呆けているとかさついた唇がゆっくり重ねられて、じんわりと暖かい温度が身体に溶けていく。
頬に添えられた大きな手の存在感に安堵を覚えながら重なる温度に身を委ねて、離れる際に名残惜しさが隠せず冬雪の小さな口から舌先がちろりと覗いていた。
「比企谷さんからしてくれたの、初めてやない?どしたの」
「ん、まぁ特に理由はねえけど、した方いいっていうか……いやこれも違うな。俺の方からしたいって思ったから、だな。がっつき過ぎだったか?」
「んーん、むしろやっと来てくれたかって感じ。
もっかいして?」
絡まった手を弛く何度も握り、頬を支える手に自分の手を合わせてすりすり撫でる冬雪の表情には淡い微笑みが浮かんでいて、幼い童顔には程遠い包容力のある母性が宿っている。
頑張って本音を伝えようとする八幡の可愛いらしさとギャップにくすりと柔らかい笑みが浮かんで、眼を閉じればもう一度と幼い声色でねだった。
添えた手の親指で頬を優しく擦りながら八幡は再度唇を重ねる。
「んっ、んふ、ちゅ、ちろ、んふぅ……」
柔らかな唇は容易く形を変え隙間から艶やかな吐息がとぎれとぎれにこぼれた。握りられた手や肌がすりすりと擦れて熱を確かめ合い、温い酸素を交換しながら時折舌先が触れて唾液が跳ねる。
弛くもなく激しくもなく、手を繋ぐような初心な舌先の逢引を冬雪は楽しんでいた。
「ぷはぁ……」
肺の酸素が薄くなって仕方なく唇を離すと未練がましさを表すように唾液が糸を引いていて、冬雪は無意識に指で掬うとぱくりと口に含んだ。
ほんのりと冬雪の息づかいが速まり頬が朱く染まるのは酸素が薄いからではないと、八幡に向けられるルビー色の瞳が物語っている。
今度は冬雪の方から手を伸ばして頬を包み唇の距離をゼロにすると、先ほどと同じ粘膜の接触を時間をかけて堪能していく。
身体の火照りと速まる鼓動に加速しそうな感情を八幡の手が落ち着かせてくれて、充分ながらも余計に粘膜の逢引を長引かせていた。
唾液が垂れないように吸い付いてから冬雪は離れると、唇に残る唾液を無意識にぺろりと掬いとる。幼さと真逆の色香を漂わせる仕草に八幡の視線が縫いつけられるように魅入らていて、それに気付いた冬雪は熱のこもる瞳に羞恥心で朱みを濃くしていた。
気恥ずかしさで高まる体温と早鐘を打つ鼓動が不思議と心地よく、抵抗もなく受け入れている自分が冬雪は嫌いじゃなかった。
魅入っていた八幡が腰に手を添えてくるとお返しの口づけが降ってくる。唇や頬、首に肌と吸い付いては離れる水気が擽ったくて心地よくて、触れられた所が一つずつ違う熱を与えられたような感覚が無性に冬雪の心を満たしていた。
口づけを受け入れながら抱き寄せられるのに合わせて冬雪からも距離を詰めようとして、はたと何かに気付いたように静止する。
八幡が疑問に思って冬雪を見やれば、視線を斜め下にむけながら引き絞った唇をもにょもにょと波打たせていた。
「さき、シャワー浴びてええか……?ちょっと匂うかも……」
「そうか?……いつも通り柔らかくていい匂いだけど、あた」
「正解やけど不正解や」
「どっちなんだ……?」
無遠慮に匂いを嗅いだデリカシーのない仕草なのに、発言自体はこちらを喜ばせるという器用ことをしてきた八幡を冬雪は照れながらはたく。
一瞬このままでもいいと思ってしまったが女の子は気になったらずっと気にしてしまう生き物なのだ。まだ夜がふけるには時間があるし、少しくらい化粧直しをしてもいいだろう。好きな男には可愛く綺麗でありたい。
しかし、未だに繋がれた手の温もりを手放しがたいと思っている感情もあった。昂った心で肌が薄れると寂しさも余計に増える。そんな複雑で純情過ぎる乙女心の願いを叶える方法を冬雪は一つしか知らない。
「いっしょに入らん?」
表情には出さず、けれど声は何処か甘えた色を持っていて羞恥心で跳ねる鼓動をバレないように冬雪は押さえ込んだ。珍しい冬雪の提案に一瞬面食らった八幡だったが断る理由があるはずもなく一つ返事で了承すると、冬雪の方から先導するように脱衣場へ向かった。
冬雪に脱がせ合うつもりは無かったようでお互いに背を向けて服を脱いでいく。しゅるり、ぱさと布の擦れる音がいやに大きく響いて、八幡は不可抗力にも視界の端に入った冬雪の下着姿に眼を奪われた。
背中まで伸びた銀色の髪がふわりと揺れて白磁の肌に溶けるように弛く広がり、童顔に重なる小柄な体躯には不釣り合いな大きい巨峰が下着をこれでもかと押し上げていて、丸みと大きさが見るだけでも柔らかさを夢想させる。
色素の薄い髪と肌とは対照的に大事なところを覆う下着は墨を落としたように黒いものの、散りばめられた凹凸が明かりに反射して可愛いらしい花柄を浮かばせていた。
トランジスタグラマーという子供の幼さと成熟した女性の魅力を両立させている冬雪の姿に、八幡は無意識に生唾を呑み込む。
「……見すぎや。初めてやないんやから」
「これに慣れたら色々とだめだろ……。それに身体だけじゃなくて葉加瀬に見惚れてるんだ。仮に慣れたとしても多分そう見えてるだけだろうな」
素直な物言いには依然として抵抗がある。けれど、その抵抗に身を任せたままだと目の前の女の子を傷つけてしまうことがあるのを知ってしまった。だから八幡は少しずつ言葉を探り選んで、時間をかけても口にするように努めている。
直球に投げられた言葉は冬雪を動揺させるには充分の威力を持っていて、嬉しさと恥ずかしいさが綯交ぜになった喜びが顔だけでなく全身を火照らせる。ただえさえ、彼に女として意識されるのが解るだけでも口元が弛むほど喜ぶのに、自分だからと言われると胸の奥がきゅんと高鳴って顔を隠したくなるくらい熱が集中してしまう。
冬雪の脚は考えるよりも早く動いていて八幡の前まで来ると筋肉の浮き出る男らしい腕を取った。
「なら脱がしてや?慣れたように見えるくらい、いっぱい見てよ」
身長差ゆえに自然と上目遣いになる朱い瞳は眩しいくらいに輝いていて、ふっくらとした唇からこぼれた声は甘く溶けている。
艶やかでいて可愛いらしい冬雪の表情に庇護欲がそそられた八幡はほっそりとした腰に手を添えると、反対の手で華奢な腕を撫でながら登っていき肩を撫で、首筋を擽り鎖骨をなぞって下着の上から巨峰を撫でた。
「ん、んふっ、ふぁっ、あふ……んむ」
肌を滑る手が擽ったくて冬雪から微かな吐息が溢れて、唇からこぼれそうになる小さな嬌声を我慢する姿が可愛いらしくて八幡は唇で優しく塞ぐ。
手の動きを追っていた瞳は唇に重なる感触に幸せそうに蕩けた。
黒く扇情的な下着は思いほか布が薄く生地の上からでも柔らかさが伝わってきて、ほんの少し力を入れるといとも簡単に指が沈む。
急かないように気を払いつつ下乳を掬い弛く撫でていき、反対の手は背中と腰をゆったりと滑らせていく。繋がる唇の中では舌先が当たっては離れて猫のようにじゃれあっていた。
「むふっ、ふむぅ、ちろちろ、んふふ、……ちゅ、ちゅ、んんっ、ちろろ、ちゅぴ」
快感には届かない擽られるむず痒さに冬雪が目尻を弛めて安心感のある大きな手に身を委ねながら、舌同士のスキンシップを楽しんでいく。
暖かくて優しい温もりが気持ちよく、心地よくて肌に触れられるのが堪らなく嬉しい。冬雪自身でも無自覚なほど心は八幡の温度を求めていて、それを受け入れることになんの抵抗力も抱かなかった。
(好きやなぁ……。ほんとに大好きなんや)
口にするのは恥ずかしいけれど、重なる唇の感触もお互いに交わる湿度も肌から伝わる指や手の大きさも。そしてこちらを常に気遣う心持ちをもった暗く濁る瞳も、冬雪は全部好きなのだ。
彼に抱くフラットな愛情もこの時ばかりは昂る情念に引っ張られていて、肌の触れる面積が大きくなればそれに比例して求める心も大きくなっていく。
「ちうちう、ちゅ、ちゅぴ、んむぅ、んふっ……んむっ、ちろ、ちろちろ、ちゅく、ちゅくくく、ちゅうぅ、ちゅぱ……まだしよ?ん、むふぅ、んふ」
舌先でちょんちょんと触れ合い唇をなぞったり吸い付いたりしたら、ぬめる粘液を控えめに欲しがって口腔で絡め取る。逢瀬を区切るために強めに吸い付いてから唇を離したのに、間をおかず冬雪の喉は可愛いらしくおかわりをねだっていて戻ってきた温もりに眼をうっすらと細めた。
時間を忘れてキスに耽り唇の端から唾液が垂れているのに気付いて冬雪がようやく唇を離すと、それに合わせて八幡がブラのホックを外す。
支えるための力がなくなったブラが緩むと巨峰に押し出されるように僅かに跳ねて、冬雪が肩を少し狭めれば紐が滑り落ち何にも隠されていない果実が姿を現した。
深い谷間で触れ合うほど豊満に実る果実は火照る体温で薄く朱に染まっていて、冬雪が少し動くだけでもゆさりと揺れた。白磁の肌に咲く桃色の蕾はふっくらと膨らんでいて、今すぐにでも触って口に含んでしまいたいほどに牡の本能を煽ってくる。
なのに朱く潤ませる瞳と小さく開いた唇が持ち主に対する庇護欲を刺激して、逸る欲望を自然と抑えてくるのだ。
「無理だろ……どうやって慣れろってんだ」
「……それってどっちなん?わたし?それともおっぱいの方?」
「全部に決まってるし、ここで胸とか口が裂けても言えるかよ。そんな正直になれてたらとっくに押し倒してるわ」
「比企谷さんが押し倒すのは想像できひんけどなぁ。でも、ちゃんと口にしたくれたのは嬉しいで……せやからほら、ええよ?」
ぎらぎらとした獣欲の圧力を眼に宿しながらも理性を保っている八幡に冬雪は呆れたように笑い、喜びに咲く純情に従って大きな両手を胸の前に持ってくると″好きにしていいぞ″と差し出した。
包容力のある声色と表情に当てられて八幡はゆっくり指を柔肌に着地させていく。
下から掬うように指が触れて手のひらまで柔肉に触れると徐々に指を沈めていった。大きな乳毬はどこまでも指を沈ませていき、五本の指が全て包まれてもなお奥行きを感じさせる柔らかさは着地点を見失うほどだった。
「んぅっ、んぁ、あふっ、はふあぁぁ……」
指が見えなくなるくらい乳毬に沈むと冬雪が甘く喘いだ。我慢するようでいて八幡に聴かせるようにこぼれる嬌声は桃色の湿度を孕んでおり、庇護欲と加虐心を同時に刺激してくる。
心臓に近く敏感な乳房は冬雪に手のひらと指の輪郭をはっきりと伝えていて、彼の存在をより取り入れようとさらに敏感になっていく。
「あぅ、ひん、はあうぅ、はぁ、ひう……比企谷さん、キスしよ?しながらがいい……
んむっ、んふ、んふうぅぅ……」
優しく形を変えて小さな快感を与えてくる手を愛おしそうに撫でながら冬雪は顔を上向かせてきて、八幡が唇を重ねて舌を差し出すと瞳を蕩けさせてちろちろと緩く交わらせた。
自分以外触れることのない果実が好意を寄せる男に優しくも自在に形を変えられているのに、羞恥心はほとんどなくてむしろずっと触らせてあげたいと思えるほどに温度と快感が心地よい。
(一人でしてる時よりも、すごい気持ちいい……)
特別に胸が性感帯というわけではないのに彼に愛撫されると、それだけで達してしまうくらいに敏感になって快感が増し甘い吐息があふれる。なのに、八幡の手はいつまでも優しく暖かくてぴりぴりとした快楽が何度も全身に走っていた。
「んむふぅ、ひぅ、んうぅ、んあっ、はあぁっ、ひんっ……んっ、んんっ、はむ、んうっ、んむむ、ちゅ、ちゅるるる、んく」
自分で慰めるときにはない身勝手な快感はどこまでも愛情に満ちていて、手放すどころかもっと与えてくれと冬雪の触覚が鋭敏化していき身体を震わせる快楽も増長していく。小さな嬌声をこぼす唇が不意に離れると寂しそうに潤む瞳がすぐに重ならせてきて、甘く挟み唾液を啜れば白く細い喉がこくりと動いた。
冬雪の快感と幸福感に蕩ける表情を見ながら八幡は力加減を間違えることなく愛撫を続けて、人差し指を中心に咲く蕾へと近づけていく。
いきなり触るようなことはせず桃色の乳輪を指先で撫でて円を描くように擽り、感度を確かめるように優しく引っ掻く。
「うぅんっ、ひんっ、あぁぅんっ、あっ、はっ、ひうっ、ひんっ」
敏感な性感帯を焦らすようでいながらも既に自己主張が激しくなっている蕾には触れない愛撫に、冬雪から悩ましげな吐息がこぼれ嬌声も耐えるような短く小さいものに変化していった。
キスを続けるほどの余裕がなくなった冬雪は嬌声を抑えながら僅かに身体を跳ねらせ、ぴりぴりとした甘い快楽を享受している。
冬雪の反応から充分に慣れたと判断した八幡は指を動かし、ぷっくりと実った桃色の蕾を優しく挟んだ。
「んんぅっ!?」
想像以上の快感に冬雪が反射的に口を抑えて喘ぐ。親指と人差し指で挟むというかは触れるくらいの強さでありながら、華奢な体躯は内股になりふるふると震えて快楽に堪えている。
男の劣情を煽る冬雪の艶かしい様相に八幡は理性を総動員しながら乳頭をすりすりと撫でて、柔肉をじっくり揉んでいった。
「んあっ、はっ、はひっ、ひんっ、あうっ、はあぁっ、ひうぅっっ、ひぃんっ、あうぅうっっ」
全身に走る快感は鋭くも弱く絶妙なもので、指の背を唇に当てて甘く喘ぐ冬雪の声色は先の快楽の期待に濡れながらも肌を擦る太腿が愛撫の心地よさを語っている。
胸を鷲掴みにされて揉みくちゃにされているわけでもなく、乳頭を摘ままれたり引っ張られたりされているわけでもない、子供を撫でるような手つきとマッサージのような指圧の愛撫で冬雪の身体は快楽に包まれておりそれを悦んでいる心まであった。
手慰みをしている時は決してこうならない。目の前の男と肌を重ねる時だけ敏感になり発情する肢体はとっくに彼によって開発されてしまっている。いや、行為をする度に無意識ながらも冬雪の方から彼を喜ばせるために開発されていったのだ。
ただ、比企谷八幡という男の温度と存在を実感するために。
「あっ、あっ、あんっ、ひんっ、ひっ、ひうぅんああぁぁっ、はっ、はひっ、んひぃんっ……。
ひきがや、さんっ、あたひっ、いきそうっ、もうっ、いくかもっ、いくっ、いくっ、いっいっ……んむっ、むふぅっ」
小刻みに身体を震わせて小さく喘ぐ冬雪が蓄積された快感が頂点に達しそうになるのを告げると、八幡は物欲しそうな瞳に応えて唇を重ねた。
重なる唇に冬雪は表情を幸せそうに蕩けさせて快楽へ導く愛撫に身を委ねる。
愛撫の強さが変わらずとも冬雪の肢体は震える間隔が小さくなっていき、八幡は自然に差し出された可愛いらしい舌に吸い付いて柔肉に沈む指にきゅっと力を込めた。
「──んふうぅぅぅぅっっ……」
冬雪の身体がぶるりと震えて繋がった唇から温い吐息がこぼれる。達したことによってショーツの下から愛液を垂らし、甘酸っぱく卑猥な匂いを立ち上らせた。
気持ちよくて身体が軽くて、何度だってして欲しいと思ってしまうほどに冬雪の頭が多幸感でいっぱいになる。
「んふあぁっ、はあぁぁぁっ、ひひはや、さん……んむぅっ」
達したあとも愛撫をやめず余韻を長引かせていると、絶頂による強張りが失くなった冬雪が恋しそうに呼んできたため唇を送れば満足そうに吐息をこぼした。
しばらく重心を預けてキスに耽る冬雪を支えていれば、満足したのかゆっくりと離れた。
絶頂により肌を朱く染めしっとりと汗を浮かばせる冬雪は熱に浮かされたように八幡を上目遣いで見ていて、その瞳を下へと向ければトランクスがはち切れんばかりに布を引っ張られている。
それを自身の内側に受け入れることに下腹部を熱く疼かせながら、冬雪が手を伸ばして布越しに触れた。
トランクスの上からでも熱くて両手にも収まらないほどに大きく膨張する逸物をしゅるしゅると指と手のひらで慰撫すると、八幡の太い喉から低い唸るような声が響いて冬雪の鼓膜だけでなく牝の本能までも震わせた。
「シャワー、いこか?」
思い出したかのような冬雪の声はどこまでも情欲に濡れていた。