比企谷八幡がいろんな女性Vとセックスする話 作:ぼっちプレイヤー
自分以外誰もいない部屋、それでいて自分以外の匂いが充満する一室でとこは手持ち無沙汰で家主が帰ってくるのを待っていた。すんと鼻をならせば鼻腔をくすぐるのはとこが大好きな彼の匂いと、複数のいり混じる女の残り香。
特別そこに違和感を覚えるほど彼を共有している時間は短くなく、水をさされたような気分になってもネガティブな感情は沸かずそういった行為が行われた事実だけを受け止める。
それでも犬科特有の嗅覚は不必要なほど匂いを感じ取り情事の有り様を脳に浮かび上がらせる。頭の中で少しずつ想い人の輪郭を描きはじめ、相手が匂いの持ち主ではなくとこに移り変わると次第に身体が発熱しているのかと思うぐらい熱くなってくる。
(あかんなぁ……はよう帰ってこんやろか)
本当はただ帰りを待って空いた時間の分いちゃつくだけだった。だからはじめはリビングにいたし帰ってきた八幡をもてなす準備を済ませたら適当に時間をつぶしていたが、時計の針進むにつれて寝室から香る隠しきれない卑猥な匂いがとこの鎌首をもたげさせる。
気づけばとこは甘い密に誘われる蝶のように惹き付けられ八幡のベッドの上に寝ころんでいた。
至るところから香る汗と仄かな香水といやらしい匂い。最初にあった相手の残り香をとこは無意識に脳から弾き、熱くきゅんと疼く下腹部と本能に従って妄想を加速させる。
呼吸が荒くなくても息づかいの間隔が短くなりとこの伸びた手が毛布を掴むと被るように全身を包み込んだ。
「ふぅーっ」
安心するような、落ち着くような匂いに包まれて肺に溜まった酸素を時間をかけて深く吐き出せば全身から力が抜けてひどく心地良く、しかし昂る熱は依然として子宮を疼かせて仕方なかった。
一旦落ち着いた思考がまた走りはじめ毛布から感じる八幡の存在がまるでとこを覆い被さっているように錯覚させ、頭の上から足の爪先まで八幡に触れられているような感覚にとこの天秤が傾き胸と秘部に手が伸びる。
眼さえも閉じて八幡の手をできる限り思い出し震える性感帯にとこが触れると、
「っっ」
自分でも驚くほど快感が昇った。
(これっ、あかんかもっ)
頭の中ではそう思いつつもとこの身体は正直に快楽を求め己を慰めていく。慰撫の手つきも八幡のそれを再現し妄想の彼が″気持ちいいか?″と問いかけてきて、その表情が時には意地悪い笑みだったり、はたまた優しく気にかける顔だったりするのはとこの気分次第。
くちくちと弄る秘部はとっくに洪水を起こしていて指が曲がる度に脚がぴんと張って快楽に浸り、固くなった乳頭は性感帯を伝播させ乳房が形を変えるとぞくりとした快感がとこの背筋をかけ昇った。
「ふぅーっ!ふぅーっ!……んぁぁっ……はちぃっ」
快楽に紛れた切なさと寂しさが無意識に名前を口にさせる。とこが名前を呼ぶ度に、或いは妄想の八幡がとこの名前を囁く度に秘部がきゅっと締まって快感を膨れ上がらせる。
そしてとこは競り上がる感覚に従って自分の身体に止めを差せば堪えるように唇を引き絞り、背中から爪先までに弧を描かせて達した。
絶頂の快楽に震えてながら密壺が激しく収縮して愛液を垂らし、一拍の間をおいてとこの全身が脱力する。しっとりと肌に浮かぶ汗と唇の端から垂れる唾液を無視して絶頂の余韻に浸っていた。
何も考えたくないくらいに充足していて、けれどすぐに″やってしまった″といういたたまられなさと充足が吹き飛ぶ寂しさがとこの胸を覆ってくる。
絶頂によって使い物にならなくなったシーツとショーツを変えるためにとこが毛布から顔を出すと、さっきまで妄想の中にしかなかった匂いを嗅覚が捉えた。その匂いは既に寝室の前まで来ていて、八幡が帰ってきていたことに気づいた時にはもう遅く無情にも扉が開かれる。
(ここまで来てんのに気づかんとか夢中になりすぎやろ)
本能に従い過ぎている自分に呆れながらとこは入ってくる八幡と頬を紅潮させながら顔を合わせた。
「あー、おかえり?」
「なぜに疑問系?いや、ただいまだけど顔赤いぞとこ。熱でもあるのか?」
「んん?いや、そんなことあらへんよ。ちょっと毛布で暖まりすぎただけやから大丈夫や」
「ほーん?」
まさか本人の匂いに包まれて自分を慰めていたなどと言えるはずもないとこは羞恥と動揺で目や尻尾をそわそわと揺らしながら自然体を装って身体を起こす。
八幡はそんなとこを訝しみながら視線を外し上着を脱げば、目に入る男の肌と強く濃くなる匂いにとこは無意識にごくりと唾をのんだ。
「とこ?」
「っ」
普段とは様子の違うとこを不審に思った八幡が覗き見る形で顔を寄せて来るまで接近していることに気づかず、とこはハッとしてまばらになりそうな意識を取り戻した。しかし、八幡の澱んだ瞳にこちらを心配する色が含まれているのを見るとどうしようもなく本能が理性を喰らっていく。
「んっ……ハグして?」
頬の紅潮と潤むオッドアイを隠さずとこは甘えた声色で言った。両腕を広げて上目遣いで待つ、いつもよりか幾分幼げなとこに八幡は疑問符を浮かべながらも優しく抱き締めた。
屈んだ八幡の腕がとこの脇を通りお互いの身体が密着すると、首に腕を回したとこは双丘の形が変わるくらい身体を押しつけ首筋に顔を埋めてすんすんと鼻をならした。
(ハチの匂いやぁ……)
部屋やベッドに残るものとは比べものにならないくらい濃厚で強烈な八幡の匂いが鼻腔を通り抜け、思考か拐われるように脳が蕩けて脱力するような感覚と同時にさきほど発散したはずの媚熱がぶり返してくる。
まるで薪をくべられた暖炉のように高鳴る鼓動が全身に血が巡らせ、特に下腹部がじくじくと疼いて仕方なくなり、とこは唇や鼻を押しつけ肌を隠すシャツを顎でずらすと理性を忘れて舌を這わせていった。
「ちゅっ、れる、ちゅぴ……ちうちう、れろ……」
肌に吸い付いたら啄むようなキスを繰り返して八幡の耳元でリップ音を鳴らし、舌先でくすぐったりなぞるように舐めあげれば思わずといった様子で八幡が身を跳ねらせた。
それに気を良くしたとこはさらに舌の愛撫を加速させ耳を甘噛みして痕を残すように強く吸い付く。
八幡はとこの口吻を受け止めながら手に感じるしっとりとした水分を含む肌着と耳元で聴こえる荒い息づかいにとこが何をしていたのかを察して、片方の手を頭に添えると抱き締める力を強くした。
強くなる密着にとこの中で多幸感が溢れて、お返しと言わんばかりに尻尾を激しく揺らしながら頬を擦り付け何度も口づけを送り、ベッドに乗り上げてきた八幡を押し倒す。
仰向けに寝ころぶ八幡に跨がったとこは上気した頬を隠さずに金色と深紅のオッドアイを妖しく輝かせ、荒い呼吸のまま蠱惑的な笑みを浮かべると後ろに手を伸ばして自身の臀部を押し上げるテントに触れた。
ズボン越しにも熱を感じるそれは触った瞬間ぴくりと跳ねて八幡の口から呻くような声が漏れでる。さわさわと撫でれば八幡が堪えるように唇を引いて、もっとしてあげたくなったとこはくるりと反転して背を向けるとズボンをずり降ろして肉棒を引きずりだした。
いきなり柔らかくも張りのある肉々しい尻が目の前に突きだされたと思ったら、下腹部が解放される感覚に八幡は驚きの連続で思考が定まらなくなってくる。
そんな八幡の様子を後ろから感じ取りながらもとこは構わず天を向く亀頭に吸い付いた。
「うぐっ、とこっ、いきなりはっ」
「むふうぅっ……ちゅる、ちゅぴっ、ちゅるるる……」
八幡の制止の声を聴いた上でとこは先端を口に含み、唇を波打たせながら舌先で舐めたり吸い上げたりして快楽を送り込み、八幡の顔の前にある柔肉をふりふりと左右に揺らす。
「れろ……ハチもあたしのこと気持ちよくして?……ちゅっちゅっ、ちゅぷぷ、れる……」
亀頭を舐めながら誘うように揺らして言えば、甘える声色と実際に行われている卑猥な動きのギャップに八幡も我慢する理由が無くなりいやらしく誘う桃尻に手を伸ばした。
確かめさせるように指を一つずつ着地させ両手の五指が柔肌に触れたら目一杯力を入れて沈み込ませれば、珠汗の浮かぶ桃尻は指に吸い付いて離れず瞬く間に肉の中に埋もれていった。
「んふぅぅっっ!?……んふっ、れろれろ、ちゅぷ、れるる、じゅる、ちゅぴ、ちゅーっ……あーむっ、はむっ、ちゅる、あむはむっ……」
臀部に感じる八幡の大きな手とそこから昇る快感にとこは一瞬だけ目を瞬かせ、しかし次にはさらに快楽を求めるように桃尻を突きだしたら、とこ自身は肉棒の口淫を続け快感をお返ししていく。
肉棒の根元を両手で大事そうに押さえ唾液の纏う舌でぺろぺろと舐める様は与えらたおやつをしゃぶる犬のようで、時折鈴口にキスをすると溢れそうになっている白濁液を搾り取って飲み込めば、くぱっと口を開いて亀頭を頬張り何度も甘噛みを繰り返した。そうしていればとこは知らぬまに身体に快楽が燻っていることに気がつく。
(なんでやろぉ……舐めるのが気持ちいいって、感じはじめとる)
八幡に対して行っているはずの口淫がとこの方にも快感を生み出しはじめていて、桃尻に沈む八幡の手とは別に目の前の男根を舐めたり唇で挟むだけで子宮に熱が走り溢れる愛液が肉壺からこぼれ落ちていく。
顔に降り注ぐ愛液に八幡はショーツを降ろして桃尻を左右に押し広げるといやらしい光沢を纏う秘部を露にし、ぐっと引き寄せて遠慮もせず唇で吸い付いた。
「ふわっ!?んんっ!ちゅく、じゅるる……」
敏感なところに触れる湿った感触にとこは驚きの声をあげるも、すぐに愛撫を再開しお互いに快感を送りあっていく。
唇を押しつけて溢れる愛液と唾液混じり合わせた八幡はぬらぬらと滑る割れ目に舌を這わせ、舌先でなぞりつぷっと音をたてながら挿入していくと熱く滑る肉襞はきゅうきゅう締めつけながら受け入れていった。
ぷりっとした柔肉を両手いっぱいで揉みし抱き、舌を上下左右に動かしながら抜き差しを繰り返してたまに舌先を固くして、とんとんと肉襞をノックすれば収縮が強まり溢れる愛液が増していく。
とこの方も八幡から与えられる快楽に悦びを隠そうとせずに息を荒げながら肉棒を舐めしゃぶり、舌と唇を使って先端を責め立てこぼれる白濁液を搾り取る。
「むふうぅぅっっ!!じゅりゅりゅ、じゅぷっじゅぷっ、んふぅっっ!んんっ!れろれろ、れる、じゅるるるるっ」
お互いに送りあう快楽によって沸き出る淫液が二人の顔と身体を汚していくのがとこには分かって、それがまるで八幡に自分の匂いを擦りつけているような、或いは八幡の匂いを擦りつけられている感覚を覚えて仄暗い独占欲が満たされていく。
自分の身体にマーキングをしてほしかった。八幡の身体にとこのものだというマーキングをつけたかった。
生み出される快感がとこの身体を断続的に震え上がらせて快楽の頂点へと向かいはじめ、八幡も徐々に下腹部から昇ってくる奔流によって愛撫に余裕がなくなっていく。
そして二人の動きが一瞬止まると、同時に快感が爆ぜた。
「んふぅぅっっっ!!」
全身に痺れるような快楽が駆け巡りとこの視界がぱちぱち弾け、絶頂を上塗りするように肉棒から白濁液が口の中をあっという間に満たしていく。
「んぐぅっっ!!、ごきゅっごきゅっ、んふぅぅぅ!じゅるるる、ごきゅっ、ごくんっ、むふうぅぅぅっ……じゅぷぷっ、ごくっごくっ、んくっ」
絶頂の快感にさいなまれながらもとこは唇を離すことなく鈴口から噴き出した白濁液を受け止め飲み干していった。嫌がる素振りを見せず、むしろ率先して精液を嚥下し喉を通す度に肉壺から愛液をこぼれさせていた。
八幡も競り上がる熱量を吐き出すと共に目の前の秘部からおびただしい量の愛液が顔に降り注ぎ、卑猥な光沢を纏う割れ目が数回収縮すると最後に一際強く開いてこぽっと愛液の塊を落とした。
眼前で行われたとこの無意識な淫行に八幡は目を見開き、射精したばかりの肉棒が固さを取り戻しいく。
「あはーっ。すごい、元気やね?……あーむっ……ちゅる、ちゅるる……んん、ちゅ、ごくんっ……んはぁぁっっ」
吐き出した精力を忘れて反り立つ男根にとこは満足気な笑みを浮かべると、もう一度口を開いて根元まで咥えこみ唇を緩く搾って残った白濁液を吸いとった。ごくんっと喉をならせばそれだけで軽く達して、八幡にも分かるほど全身をぶるりと震えさせる。
最後の一滴まで飲み干したとこは振り返ってギラギラと獣欲を滾らせた目を八幡に向ける。身体を反転させて四つん這いになると八幡の顔を両手で包み込み、軽くキスをしてから自分のせいで汚れた顔をぺろぺろと舐めはじめた。
それは犬や猫が家族にする毛繕いと同じで、ギラつくオッドアイには八幡を気遣う優しさが伺える。獣欲で荒くなる息を抑えながら一生懸命綺麗にしようとするとこはどこか幼い健気さを感じさせて、八幡は衝動的に手を腰に回し優しく頭を撫でた。
とこの毛繕いが次第に啄むようなキスに変わり、ふりふりと揺れる尻尾が桃尻を肉棒に擦りつかせとこの息づかいが抑えられないほど強くなっていく。
ふっふっと荒い呼吸で堪えるような視線を向けるとこに八幡は強く抱き締めると、撫でていた手でとこの顔を寄せ唇を重ねた。
八幡からのキスにとこは幸せそうに目を蕩けさせ首に両手を絡みつかせて密着すると、ずりずりと八幡の腰に秘部に擦りつける。舌を絡みつけながら行うとこの下品ともいえる動物的な動きに八幡も我慢が効かなくなっていく。
八幡が桃尻に手を伸ばすのと同時にとこは上体を起こして妖しい笑みのまま八幡の手を自分のと恋人繋ぎで絡めとった。
「んふっ……今はあたしが気持ち良くする番やからね?ハチの番は後でな?」
「別にずっととこからでもいいんだぞ。そっちの方が好きだろ?……俺もまだ慣れてないしな」
「ハチになら、するのもされるのも好きやで?でも今日はそういう気分やから……最後まで相手してな?」
「勿論だ……ちょっとは加減してほしいが」
「それは……んっ、無理なはなしやっ……」
頬を上気させたまま悪戯っぽい笑みを見せるとこはゆっくりと腰を浮かせぬちぬちと肉棒を秘部に擦りつけると、亀頭が秘裂に沈む感触を楽しむように上下に揺らす。
じんわりと下腹部から伝わる甘い快感を堪能すれば、繋がった手を支えにして緩慢な動きで肉棒を迎えいれた。
「んぁ……んぁんっ、はぁぁぁ……はちのっ、すごっ、きもちいいっっ」
八幡に上半身を倒すように重心を預け快楽によって蕩ける表情と嬌声を見せつけながらとこはくむくむと男根を食べていく。肉襞を擦る快感に背中を曲げたり伸ばしたりを繰り返し、自分から求めるように腰を左右に揺らして貪欲に快楽を貪っている。
甘く強い快楽と八幡を受け入れている多幸感に思考が溶けていき、犬のように吐き出す荒く短い呼吸が余裕のなさを表していた。時折跳ねる身体と一緒に手を握りしめ、少しずつ落ちていく腰がついに子宮口を肉棒に押しつけた。
「~~~~っっ!!!!」
こつっと音が内側で響いた瞬間とこは頭が真っ白になるほどの快楽で絶頂を迎えた。力が抜けたように女の子座りで腰のうえにへたりこむと、八幡の手に爪が食い込むほど強く握っては快感で全身をかくかくと震えさせており、八幡の腹に飛び散る愛液が絶頂の激しさを物語っている。
肉壺は肉棒に小さな肉の群れを隙間なく絡みつかせきゅむきゅむと締まっては快楽を生み出していく。
「かはっ、うぁぁっ、あっ、あぁ~~っ」
とこはもはや言葉さえも喋れず視線を虚空に飛ばして半分ほと開いた口から舌を垂らし間の抜けた嬌声を漏らし続けている。その間にも肉襞は強烈な収縮を繰り返して肉棒を扱きあげ、とこ自身に追い打ちをかけていた。
とこの思考が幸福感と快感でまともに働かなくても心と身体は正直に、愚直までに八幡という雄を求め絶頂に震えるまま腰をかくかくと揺らして精液を搾り取ろうと肉棒を扱きあげていた。
唾液の糸を引く唇とそこから垂れる真っ赤な舌に唾液をしたらせ、焦点の合わない瞳を八幡に向けたままとこはずりずりと押しつけたり卑しい音を鳴らしながら腰を振る。
「んっ、あっ、はっ、はちっ、はちっ、んぁぁっ、ひっ、はひっ、ひぃんっ、あっ、あふぁあぁぁっ、あっあっあっ……」
名前を呼べばそれだけで子宮がきゅんと鳴って収縮し肉棒を締めつけると、それに反応して肉襞に包まれる男根がぴくりと跳ね、それによって肉壺にまた新たな快感が生み出される。
自分の名前を呼ぶ甘えた嬌声と目の前で快楽に乱れるとこに八幡も我慢ができなくなってきて、腰の動きに合わせるように肉棒を優しく打ち付けはじめる。
「あふぁあぁっ!?ひっ、ひんっ!んあぁぁぁっっ!!はっ、はへあぁっっ……ぁぁっ、んぁっ、あぁああぁぁぁっっ」
とんっと緩く小突くだけでとこは強烈に収縮させ軽く達した。こぽこぽと秘部から密を溢れさせ著しい快楽に瞳に涙を溜めながらも、喜悦に歪む顔は唇に弧を描かせている。
許容を越える快楽と重なる小さな絶頂に少しずつとこが身体を傾けはじめ、ゆったりと八幡の上に崩れ落ちる。胸板で双丘がぐにゅぐにゅと形を変えながら身体を快感によって小刻みに震えさせていた。
とこは不意に手をほどくと首にしがみつくように回して八幡の肩に頭を乗せる。八幡の耳元で断続的な嬌声をあげながら、無意識といっていいほど自然な動きで全身を使って身体を擦りつける様は、声だけでは足りない感情を文字通り身体で伝えようとしているようだった。
こうでもしないとこの男には伝わらない。いやこれでもきっと十二分には伝わらないだろう。それだけ学生時代に根付いた価値観は人格や性格に影響を与えてしまう。
(ええもん。あたしがしたいだけなんやから)
とこにとっては理由なんてそれだけで充分すぎた。ただひたすらに、比企谷八幡という人間を愛したい。貪欲で愚直なまでに、愛を囁きたかった。
おびただしい快楽と極上の多幸感に思考がふらついて視界がちかちかと明滅を繰り返し、重なる絶頂の渦に口から漏れる嬌声は何を吐き出しているかもわからない。幾度なく小刻みに震える身体は触れる肌の境界線を曖昧にして本当にお互いが一つになったような錯覚さえ覚えている。
八幡の方も強烈でいて心地良く締めつけてくる肉襞に内側から沸き上がる二度目の奔流を感じとると、腕を回して目一杯強くとこの身体を抱き締め自分の体へ押しつけた。
片方の手が弾む桃尻に触れ鷲掴みにするととこの肢体が一際大きく跳ね、さらに肉棒を子宮にぐりくりと擦りつけると脱力したまま呻くように喘ぐ。
「はちぃっ、らひてっ、らひてよぉっ、あらひをっはひのものにひてぇっ」
呂律の回らないとこの懇願が止めとなり、八幡が全身を強張らせると下腹部の爆ぜるような感覚と共に吐精した。
「かはっ、ぁぁぁっ、ぅぁぁぁっっ」
マグマのような熱を帯びた白濁液が子宮を瞬く間に満たしていき、とこは短く息を吐き出すとか細い声で何度も鳴いては肉壺を締めつけ、収まりきらなかったものがごぽっと卑猥な音を立てて秘部から溢れだす。しかし、長い間快楽に浸かされていた八幡の男根は二度三度跳ねるだけでは収まらず、ごぶっごぶっと果てしない量の精液をとこの中に注ぎ続けていく。
「はへあぁっ、んぁぁぁっ、あっあっあっ……んぁ……はちぃ」
子宮に注がれる度にとこは幸せそうに喘いで達した。
数十秒たってようやく射精が収まった八幡は強張った体から力を抜いて深く息を吐き出し、弛緩した筋肉と疲労による反動でぐったりと脱力する。
八幡が長く息を吐いて呼吸を整えている間もとこは身体に残る快楽で身を震わせ、たまに思い出したように腰をくねらせ精液を搾り尽くそうと肉襞を締めつけていた。
しばらくしてようやくとこが絶頂から立ち直ると疲労で気怠げな身体を起こし、虚ろで未だに焦点が合ってあるかわからないオッドアイを八幡に向けると唇を重ねた。
「んっ、んちゅっ、ちゅっちゅっ、ちゅる、んむっ、はむっ、んっ」
これ以上ない幸福感を噛み締めるように目を蕩けさせて送る触れるだけのキスをとこは何度も繰り返す。尻尾が心地良さそうにふりふりと揺れ、八幡が抱き締めていた手であやすように撫でればとこが目をより細めて近くにある手にしゅるりと尻尾を巻きつけた。
一人でした時の寂しさも虚しさもない、ただ自分を満たしてくれる男がいて何物にも代えがたいほど多幸感に溢れて、意識がゆらゆらと心地良く揺れながら全身がぬるま湯に浸かっているかのようにひどい安心感に包まれている。
これを我慢しようだなんて考えられず、何もかもを忘れてこの暖かさに溺れていたい。この身勝手な温度を手放したくなかった。
「んっ、はちっ、すきっ、ちゅる、ちゅぴ、すきっ、だいすきっ、んんっ、ちゅっ」
とこは睡魔に意識が拐われるまで、キスの中に子供のような愛の言葉を紡ぎ続けていた。
~おまけ~
情事の処理を済ませた二人はベタつく身体を洗うために浴室に向かって、八幡はとこに二回ほど搾られた。勿論言葉通りにである。
一緒にシャワーを浴びようと提案してきた時点でなんとなしには察していたが、キスをしながら洗いっこというのは八幡にも中々くるものがあった。何よりも至極幸せと言わんばかりに目を蕩けさせ、正面から全身を擦りつけてくるとこはいやらしさや性的欲求よりも庇護欲をそそる幼い可愛いらしさがあった。
まぁ、そのあと搾り取られたわけだが。
あれだけ激しく致しておきながら迫ってくるとこもだが、ちゃっかり相手になれている自分の体力にも八幡は呆れるしかなかった。
それからさらに上機嫌で鼻唄さえも歌っているとこの髪を乾かしたあと、
「はい。あ~ん」
「ん……」
ゆったりとした空間の中、とこが焼いたマカロンを頬張っていた。
ぱりっとした表面としっとりとした中身に八幡好みの甘味が口の中に広がり、一つでもそれなりの満足感を感じられる。特に控えめながらもコーヒーのような甘さが自分のために作られていることを察して、むず痒いような感覚を覚える。
「どや?」
「いつもどおりだな。金取れるぐらいうめぇ」
「あはーっ。そかそか、いっぱいあるから好きなだけ食べてな」
にこにこと感想を求めるとこに素直な称賛を口にすればさらに綻ぶ笑みを浮かばせると、指に挟んだマカロンを再度差し出してくる。それを口に含みながら八幡は″なんだか餌付けされてるみたいだ″という感想を抱いた。
うむ、わるくない。
人としてどうなんだとも思わなくはないが、過去専業主夫を目指していた八幡である、特段悪い気はしない。なんならウェルカムであった。
そうしてにっこにこのとこから運ばれてくるマカロンをまぐまぐと消化しながら、これまたとこに淹れてもらった紅茶で口を潤す。うーむ、ここだけ見れば完全にヒモである。
さすがにここまで至れり尽くせりだとやはり良心が痛むとはいかないまでも、居心地の悪さを覚えるのが比企谷八幡という男である。勿論彼女らを待たせているのは八幡のため今さらだろと思わなくもないが、吹けば飛ぶ塵芥のようななけなしのプライドがどうも許してくれない。
「なぁ、何か欲しいものとかあったりしないか?」
「どしたん藪から棒に……あぁ、やっぱり気にしてまうんやね?気にせんでええって言ってるのに律儀やねー」
八幡の直球な質問に疑問符を浮かべたとこはしかし、すぐに当たりをつけ″仕方あらへんなー″というような表情をする。聞き分けの悪い子供を見るような視線に八幡はふいっと目を反らすと言い訳のように弁を述べはじめた。
「別にとこが思ってるような、義務とか罪悪感とかじゃねえよ。ただ……あー、もらったものは返したいって思ったからから聞いたんだよ。その、色々な」
「……」
「とこ?」
「んえ?あっ、うんっ、そか…………そか」
気恥ずかしそうに顔を赤くした時点で″捻デレか?″と八幡のデレの到来を予期したとこだったが、想定していた以上の破壊力に思わずフリーズしてしまう。
自分でいっている通り八幡は理由がないと動けない性格だ。それは本人の歪んでしまった価値観のせいだしそれを悪いことだとは言わないが、なんとも不器用な性格をしているなととこは当初思っていた。
だからこそ特に理由もなく″自分がそうしたい″ことを自身にしたいと言ったことに、とこは一瞬理解が追いつかず脳が再起動して理解していくにつれて急激に顔が熱くなって、幸福感の沸き立つ胸の鼓動がうるさいぐらいに早鐘を打つ。
熱でもあるのかと思うくらい顔が火照っていて抑えるようにとこは自分の手で頬を包むと、火傷するような熱さにもっと体温が上昇して、尻尾がうるさいくらいに荒れ狂う。
恥ずかしいことを言ったのを自覚している八幡はそんな挙動不審な様子のとこを見て、かける言葉が見つからなかったのかただ眺めていた。
頬に手を当てたまま、依然として嬉しそうな表情を隠しきれていないとこは喜色に彩られている金と紅の瞳を八幡に向ける。
「なに……買うてくれるん?」
「特に考えてないな。まぁ、服辺りが無難じゃないか。とこに欲しいのがあればそれがいいし」
──あたしが欲しいものなんてわかっとるくせに。
口から出そうになった言葉をとこは急いで喉の奥に追いやった。今は必要のない言葉だ。いけない、さっきの破壊力が大きいせいで感情がどうしようもなく昂っている。抑えようとしても心の大部分が抑えたくないと遠吠えをあげている。
高鳴る鼓動が落ち着けようとする度にむしろ早鐘を打って、沸き上がる多幸感を共有したくて仕方ない。
そうして自身の抱く好意を改めて自覚したとこは、開き治って自分の感情に身を任せることにした。我慢したってしょうがない、別に悪い方向に進む訳でもないのだからここまでして抑える必要もないはずだ。
そう結論づけたとこはふらりと八幡に近づいて膝の上に乗ると正面から顔を見合わせ、捉えられた澱んだ瞳がさっと横に泳ぐのをくすっと笑ったとこはこつりと額を擦りつける。
「お買い物はまた今度にしよか。それまでにハチがあたしに買ってあげたいやつ考えてといてや」
「俺が考えんのかよ……死ぬほど自信ないんだが」
「だからええんやろ?あたしのためにいーっぱい考えて、いーっぱい悩んでな。そしたら何でも嬉しいわ」
「……難しい注文だな。ちなみにアドバイスを求めるのは?」
「だ~めっ」
尻尾を激しく揺らし、大型犬がじゃれつくようにとこは唇をおしつけながら押し倒した。