跳躍から繰り出される縦斬りを、体捌きだけで回避する。
相手は小柄だったが、身体の使い方をよく知っている。キレ。勢い。どれをとっても、大男でも一撃で斬り斃せるだけの鋭さを備えているのだ。
「決して油断するなと注意されていたのに、ああもう、私としたことが……ッ!」
「よく喋る口だな。それだけ、体力にも自信があるということか」
横薙ぎ。脛を狙われていると思った。後方に飛び退き、またしても小石を拾う。二つ。三つ。今度は、複数を一度に投げつける。
目眩ましだった。踏み込んだのと同時に、側面から身体をぶつける。やはりというか、胸の部分がやわらかい。息を詰まらせたように咳き込み、追跡者が態勢を崩した。
「けほっ、ごほっ……! あ、あなた、本当に何者なんですか」
得物がなくても、闘う術はある。そちらの技も磨いてきたつもりだし、なによりいまは壮健な肉体があることが心強い。
特徴的な装束に、手脚の防具。ほとんど忍者にしか見えない少女が、文字通り消えてみせる。
素早さだけでいえば、おそらく思春を凌いでいる。気迫にやや物足りなさを感じるが、これは本人の資質なのだろう。
「私は、どこにも逃げはしない。いつでも、来るといい」
両眼を閉じてから、一刀は語りかけるように宣言した。
消えた相手を視界で捉えようとしても、無駄な力を使うだけだ。濃霧の中で闘っていると想定すれば、思考もシンプルになる。
来る。そう感じたときには、自然と身体が反応していた。背後からの袈裟斬り。冷たい刃。感じているのは、両手のひらだった。掴まえたからには、放さない。
少女の乱れた息遣いが、聞こえてくるようだった。
「こんなの、まともじゃありません。このっ、この……」
発する声が弱々しい。
もう、相手の心は折れかかっている。丸腰の自分に襲いかかってしくじったのだから、それも当然だ。
あとは無事に和解できればいいのだが、一番の難関はそこだった。
「もうやめておけ、周泰。程普の命で動いているのだろうが、その男の相手は貴様では手に余る。わかったら、武器から手を離せ」
「はへっ、孫堅さま……!? は、はい、なのです」
よく響く声だった。完全に戦意を失った少女が、刀から手を離す。もう危害を加えられることはないと思い、一刀は武器を地面に置いた。
夕陽を浴びた孫家の当主、炎蓮が歩み寄ってくる。あの時以来の再会であり、今回も穏やかな出会い方ではなかった。
「面を貸してもらうぞ、始末屋。ハハハッ。ついでに、貴様のチンポの具合もみてやるとするか?」
「えっ、えっ? あ、あの、お二人はいったいどのようなご関係で?」
「おう。金を払って、ちぃとばかし粗大ごみの掃除を頼んだことがある。まあ、その程度の関係よ」
「は、はあ……? なるほど、ごみ掃除を生業とされているから、始末屋さんなのですね」
「ン……。依頼さえあれば、子守りから犬の散歩までなんでもやる。飛び回る猫の相手だけは、しばらく遠慮したいものだがな」
「えっ……! でしたら、そのときは是非この周泰にお声がけを! お猫さまのためでしたら、たとえ火の中水の中。能力のすべてを駆使して、お仕事に励みますので!」
「周泰。いいから貴様は、さっさと帰って糞して寝てろ。それから程普のやつにも、余計な手出しをするなと伝えておくのだな」
「あの、そちらに関しましては、直接お声がけなさった方がお早いと思うのですが」
「うるせぇ。今夜は忙しくなるんだよ、このオレはな。おう、とっとと行きやがれってんだ」
食い下がる周泰のことを、炎蓮が君主権限で追い払った。
家中の関係性が段々と見えてくるようで、ちょっと可笑しくなってくる。
†
黙って炎蓮についていくと、途中無人の厩舎に連れ込まれた。
かすかに残る動物特有の匂いと、藁の香り。表情こそよく見えないが、炎蓮は強い闘気を放っているようだった。
「孫家の長として、貴様を問い質す義務がオレにはある。回りくどいことをして、誰を狙っている、始末屋。ウチの将軍、それとも部隊長の誰かか。返事によっては、そうだな」
炎蓮が、剣の柄に手をかける気配があった。突き刺すような殺気は、紛れもなく本物である。
「あのときの斬り合いの続きを、ここでやってやろうじゃねえか。もっとも、貴様は丸腰のようだがな、ハハハッ」
低く、狂気を孕んだような声が、厩舎内に反響する。
一歩近づきながら、一刀は言った。
「そうだな。本気で剣を交わしたことのあるおまえだから、話そう。殺気を納めてもらえるか、炎蓮」
「チッ……。ンだよ、クソつまらねえ男め」
壁に背中からもたれかかる。すぐ隣に来た炎蓮の肩が、ぶつかった。
「始末屋の狙いは、劉表軍の黄祖ただひとりだ。あの女は、錦帆賊のあるべき姿を歪ませただけでなく、間接的に多くの人々を苦しめている」
「ほう。あの陰湿ババアをやってくれるってんなら、孫家からしてみても願ったり叶ったりだぜ。それならどうだ。以前のように、またオレからも始末料を出してやろうか」
「不要だな、それは。私は、孫家の戦の手助けをしたくて、仕事をするのではない。もっと個人的な願いからきているのだよ、この始末は」
「そうか。いらぬ口出しをしたことを許せよ、北郷」
始末屋ではなく、炎蓮が名前で呼んでくる。それからすぐ、声と一緒に影が覆いかぶさってきた。
唇。舌。次々に重なり、粘膜が音を立てる。
「なあ、いいだろう。オレを抱け、北郷。孫家もなにも関係なしだ。貴様のチンポを使ってオレを……。ンッ、んお゙っ、ンッ……♡」
炎蓮の舌を吸い上げながら、乾いた状態の牝穴を強引に指で開く。
「はあっ、ハハハッ……。オレたちにはちょうどいいだろう、この馬小屋が。来い、北郷。好きなだけ射精して、好きなだけ種を付けるんだ。お゙っ、お゙おっ、お゙っ……♡ くる、んああっ! 濡れてないマンコに、ぶっといチンポ、はいって、くる……ぅ♡」
勃起した男根を突き入れると、動物のような声で炎蓮が激しく鳴いた。
馬用の柵を炎蓮に掴ませ、後背から腰を尻肉に打ちつける。パンッ、パンッという音が小気味よかった。
乾いていようが餓えた牝穴は貪欲で、全体をむっちりと締め上げてくる。
「んお゙っ、んっ、んんぅ、んっ……♡ はあっ、はあ、ああぁ……。ケダモノチンポに犯される感覚、格別すぎるぜぇ、ったくよぉ……♡ このオレを本気でぶっ壊してくれる男と、まさかこの歳になって出会えるとはなぁ、んひっ、あっ、あ゙っ……♡」
「結ばれているのかもな、私とおまえは。それも、奇縁と呼ぶに相応しい結びつきだ」
腰で打つ度に、やわらかな肉がかたちを変える。炎蓮は早くも絶頂を味わっているらしく、愛液がはしたなく床に染みをつくっていた。
「チンポ、奥にくるっ♡ ハッ、はっ、はぁっ……♡ マンコから流れてくる快楽が、オレの頭を直にぶっ壊しにきやがるんだ。お゙おっ、お゙ーっ、お゙ーっ……♡ フフッ……。これだけのチンポを所持しながら、貴様は王になる気が毛ほどもないときた。まったく、馬鹿な男だぜ、ハッ、ハハハッ……♡」
特に宣言することもなく、炎蓮の子宮を精液で満たしていく。ほとんど、玩具を扱っているような感覚だった。
衰え知らずの男根を、締まりのいい穴で自由にしごく。そのくらい雑な交わりをしてやった方が、炎蓮が悦ぶことを理解しているからだ。
「お゙っ、すごっ♡ 子種ぶち撒けてるチンポで、子宮の入り口乱暴に叩かれるの、いいっ、うあ゙っ」
いつまでも、種牡馬のように後ろから突いているだけではつまらない。痙攣している炎蓮の身体を抱き寄せ、繋がった状態で尻を持ち上げる。
ぐらついたのは一瞬で、抱きつく炎蓮に思いきり舌を吸われた。規格外の大きさを誇る乳房が、二人の間で下品に揺れ動く。床には愛液だけでなく、収まりきらない白濁が、抽送を行うごとに垂れ落ちていた。
「ふーっ、んふっ、ふっ……♡ こ、こうして、オレの自由を奪ってくれるのは貴様だけだ、北郷。チンポでも、剣でも、お゙っ、貴様は想像の上をいく。それが嬉しくて、え゙っ……♡ 生娘のように、マンコをぐっしょりと濡らしてしまうのだろうなぁ、オレは♡」
体幹の力を総動員し、抱えた炎蓮の身体を幾度となく使う。
静かだった厩舎内を、性行の音が支配している。異質な昂揚に包まれて、男根がまたしても爆ぜる。
「またイクっ♡ 北郷のチンポに、屈服させられる♡ チンポ、チンポチンポぉ……♡ あっ、ああ゙っ♡ どうせなら、昼間もこうしてこの孫堅を持ち歩いてみるか、ハハハッ♡ 貴様だけの、専用孕み袋の出来上がりだ。どうだ、嬉しいか北郷」
顔を紅潮させながら、炎蓮が卑猥な提案を吐き続ける。
そうやって、溜め込んだ快楽を解放しているとしか思えなかった。だとしても、素直に男根を反応させてしまう。これだけの女傑を、自分の玩具として持ち歩く。そんなこと、普通だったら考えることすら憚られる。
「なあ、おいっ。嬉しかったら、いますぐチンポで返事してみやがれぇ、あへっ……♡ 射精、射精するんだ、北郷。でなければ、ここで殺す♡ チンポを撥ね飛ばして、オレだけの自慰道具に仕立て上げてやる♡」
それだけは、絶対に御免だ。
繋がった状態でいまの内容を囁かれても、男根は少しも萎える気配がない。このある種狂気に包まれた空間に、自分もすっかり染まってきているのか。
「あ゙っ、あ゙ーっ、あ゙っ、んっ……♡ 腹いっぱいなのに、精液無理矢理ねじ込まれて、お゙うっ……♡」
はっきりしていることが、ひとつだけある。
炎蓮は、孕み袋であることをやめられない。少なくとも、この時間が終わるまでは。