城壁の外で待っていた炎蓮に、新しい着物を手渡す。始末屋一同からの祝いの品、というかたちだった。
ほとんど朱里たちに任せきりだったが、一刀も一応意見をだしている。手にした着物を広げて、炎蓮がにっと笑う。ひとまず気に入ってもらえたようで、渡した側からすればこれ以上のことはない。
「着替えを手伝え、思春。朱里と風は、そのぶっきらぼうをあっちにやってな」
「あ、ああ? しかし、炎蓮にも恥じらいというものがあったのだな。それで、一瞬天と地がひっくり返りそうになった」
「なんだ。オレ様にしごき倒されたいのか、クソガキ。ちょうど、身体を動かしたいと思っていたところだ」
「ク、クソガキ……。確かに、一度きっちりと勝ち負けを決めておくべきなのかもしれないな、貴様とは。私の方こそ、相手が手負いのけものだろうと、手加減なしでやらせてもらう」
元孫家当主の威風を放つ炎蓮に、子供扱いを受けた思春が懸命に噛みついている。
どちらも、自然体でいるのはいいことだった。剣気に近しい圧に朱里はちょっと顔を引きつらせているが、一刀はまったく気にせず連れられていく。
茂みの先で腰を落ち着けたところで、風が足の上に乗ってくる。なにか企んでいる表情だと、一刀は思った。
「くふふっ。ただ待っているのも退屈なので、三人で遊びませんか。たとえば、お兄さんのここを使ってみたりして」
ズボンの上から、風が男の部分に触れてくる。ぎこちない手つきだった。演技などではなく、扱い方を知らないせいなのだろう。普段挑発してくる割には、いささか経験が足りていない。試しに長い金髪に触れると、一瞬とはいえ風が身体を跳ねさせる。
なにも聞かされていなかったのだろう。その様子を朱里は呆然と眺めるばかりで、まるでついてくる気配がない。
「緊張しているのか、風。遊びでも、気持ちが昂ればこうしたことをするかもしれない。それを、わかって言っているのだろうな」
「はわっ、一刀さん? んっ、んくっ、んっ、れろっ、んっ……」
朱里の顔を掴まえ、唇を重ねる。最近、以前にも増して遠慮がなくなっていることは自覚している。
もし、朱里が嫌がる素振りを見せれば、すぐにやめるつもりだった。
「おおー。間近で見る大人の口吸い、迫力満点なのですよぉ。朱里ちゃん、気持ちいいんですか。よだれ、下まで垂れちゃってますけど」
「らっ、らっふぇ……♡ んぷっ、あっ、んむっ、むう……ぅぅ」
風に見られていることが刺激になるのか、朱里はいつもより興奮しているようだった。積極的に音を鳴らし、舌を絡める。唾液が服に垂れても、お構いなしである。
思春とは、一緒にすることが既に普通になっている。それはそれで、女同士快楽の引き出しを増やす愉しみがあるようだが。
「風も、お兄さん」
「朱里。しばらく、こちらの世話を頼めるか。私は、風の相手をする」
ゆっくりと顔を離しながら、朱里の手を腹の下あたりに導く。
普段通りのペースを維持しながらも、興奮しているのは一刀も同じだった。炎蓮の号令に従い、長沙を出立してから何日もそういうことをしていない。若く壮健な肉体が、精を吐き出したがっていることは自覚している。それも、他者に比べて遥かに強い欲求なのだ。
御せているから、精力は闘争心にも変わる。練り上げ、研ぎ澄ませば、すべてを断ち切る剣気を放つことにもなる。
熱っぽい瞳を潤ませながら、風がしがみついてくる。ぶつかってくる吐息が熱い。年格好の変わらない朱里の痴態が、風の背中をより押しているのだろう。
下の方では、蹲った朱里がズボンの中から取り出した男根と対面していた。挨拶代わりに行われる頬ずりの感触がたまらない。朱里の繊細な肌の表面から、我慢汁の糸がいやらしく伸びていた。
「んぅ、れふっ、あんっ、あっ……。こ、こんなにも、激しいものなんですね。お兄さん、ふあっ、そんな、舌にゅるって……ぇ♡」
「えへへっ♡ 嬉しいです、一刀さん。私との口づけで、おちんちんこんなに大きくしてくれて。すぐに、楽にして差し上げますから。わらひのお口でぇ、うぷっ、んっ……♡」
上下ともに、洪水状態になりかかっている。
想像していた以上に、風の唾液は甘かった。夢中になって吸い上げる。無垢な唇。快楽の味を擦りつけていくと、苦しそうに風が服の襟元を掴んできた。
呼吸をしていいタイミングが、いまいちわからない。はっ、はっ、と犬のように息をする風の口を、再び塞ぎにかかった。
「お、お兄さん。んくっ、んむむむぅ……♡ ふはあっ、あっ、それぇ、んぷっ……♡ ちゅぅ、んっ……♡」
「苦しさが、快楽に変わることもある。もっとも、そちら側の世界はあまり積極的に知るべきではないと思うが」
いじめられて悦ぶ傾の姿を、一刀は思い出していた。
縁の糸が切れていなければ、あの姉妹ともそろそろ再会できる頃合いなのではないか。始末屋が言えた話ではないが、またどこかで碌でもない商売に手を出しているのかもしれない。いつもなら、思春が手厳しく嗜めて終わりになる。それが、今度は悪乗りしそうな炎蓮が一緒だから、ひと悶着起きそうな感じもする。
「一刀さん。私たちのお口、気持ちいいんですね。ふわぅ、んっ、ちゅるうぅう。んっ、こくっ……。おちんちんの先から、お汁こんなに。味も匂いも、精液くらい濃厚になっているみたいです♡」
「おおぅ、んっ……♡ そんなことまでやれてしまうだなんて、朱里ちゃんは大人なんですね。それとも、お兄さん中毒に、やられてしまってるだけ?」
「んう……。きっと、どっちもなんだと思います。独りよがりじゃないって、一刀さんの反応を観察していればわかりますから。それが、嬉しくて」
言いながら、朱里が熱い口内に男根を迎え入れる。根本に向けて皮を引っ張られているから、嫌でも鋭敏な先端に意識がいく。
まずは、ねっとりと。裏筋。もっとも汚れのたまりやすいところを、舌先が何度も通過していく。朱里の頭に手を置き、満足できていることを伝える。少し汗ばんだ髪を指で梳いてやると、モノを咥えた状態の朱里が年相応の笑みを浮かべた。
「お兄さん。風も、朱里ちゃんみたいにやってみてもいいですか。見ているだけで、なんだかすごくどきどきしてしまって。あとは、実体験あるのみだと思うのですよ。この、いやらしい口づけみたいに。ねっ……?」
風の思考は、すっかり情欲に染まりきっているようだった。甘ったるい声の響き。顔にかかる吐息の熱さ。高まる期待に、朱里の口に包まれている男根を、さらに硬くしてしまう。
唾液で満たした口内でたっぷりと転がしてから、朱里が見せつけるように男根を解放する。いつも口にしている飴とは、真逆の方向性の味をしているのではないか。鼻を近づけ、風が匂いを確認している。その間も朱里の手による愛撫は続いていて、搾り出された先走りが異臭を放っていた。
「頭、くらくらしちゃいそうなのですよ。これも、一種の媚薬なのでしょうか。んむっ、れろぉ……。れるっ、れるっ。んはあっ、むっ、んふぅ……」
「どうですか、風さん。初めて口にした、一刀さんのお味は」
「んふぅ、んくっ……♡ そうですねぇ、とんでもなく個性的といいますか。鼻に抜ける刺激もすごくてぇ。はふぅ、あっ……」
風の赤い舌が、味を確かめるように亀頭の表面をなぞっていく。茫洋とした双眸。上目遣いに見上げられると、ちょっとたまらない気持ちになってくる。
負けじと、朱里の唇と舌が幹に絡みついてくる。懸命であり、献身的な動きだった。口に含んだ陰嚢を、朱里が飴玉のように転がす。それで興味が湧いたのか、風も見様見真似で片方を咥えた。
「ふぁう、れろっ、むにゅ……。んあっ、んっ、もごっ……。さすがに、甘くはありませんね。ですが、なんでしょう。お腹の奥の方が熱くなってくるといいますか。ふむっ、れちょ、んっ、はあっ……」
「ふふっ、いいお顔。風さん、今度はこっちを二人でいじめちゃいましょう」
腫れ上がった亀頭を、二枚の舌で挟まれる。れちょ、れちょっ。淫靡で、粘っこい音が木々に吸い込まれていく。朱里と風の頭に手を添え、一刀は快楽に身を任せた。
口の周りを汁まみれにした二人が、早く射精してほしいと言わんばかりに、息の合った攻めを繰り出してくるのだ。風の初々しさと、朱里の幼いながらも慣れた動き。時折、少女同士の唇が触れ合い、切なさを残して離れていく。
「はあっ、んっ……。気持ちいいですね、風さん。一刀さんにご奉仕しているだけなのに、とっても気持ちいい」
「とっても素敵なのですよ、朱里ちゃん。お股のところが熱くて、頭もぼーっとして。もう、お兄さんのことしか考えられない」
舌での念入りな愛撫に加えて、朱里が竿全体を擦るように射精をアシストする。こと行為に関しては、自分がお姉さんだと言いたいのか。
汗ばんだ髪を優しく撫でてやると、朱里が嬉しそうに眼を細める。
「らひて。らひてくらふぁい、とぷっ、とぷって♡ じゅぅう、ちゅっ、ふあっ♡ 私と風さんとで、全部受け止めますから。ねっ、風さん」
「ふぁい? よくわからないけど、それでいいんじゃないでしょうか。射精、するんですよね。男の方が、一刀さんが気持ちよくなった証。どんな感じになるのか、興味が尽きません」
快楽の波が重なり合う。熱い唾液を、鈴口から流し込まれているようだった。限界が近い。びくんと跳ね上がった竿先に、風が驚きの声を洩らしている。
全身に拡散していた精気が、一点に集中していく。頭に置いた手を使って、二人の顔をさらに寄せる。朱里が強く吸いついた瞬間、決壊が訪れた。
「お兄さん? ひゃっ♡ 白いの、びゅるって。んぐっ、んっ、ひゃうっ……♡」
「たくさん汚してください、一刀さん。思春さんと炎蓮さんが、嫉妬しちゃうくらいに♡」
至近距離で精液をぶっかけられた二人が、それぞれ感想を呟いていた。
跳ねるたびに噴水のように巻き上がる白濁が、顔や服を容赦なく汚す。
「熱くて、とろとろで、それにしょっぱ苦い。これが、お兄さんのせーえき。はあっ、全然収まらない。これ、大丈夫なんでしょうか」
「うふふっ。私たちに浴びせるために、とっておいてくれたんですか? ああっ……♡ 一刀さんの濃い匂いで、おまんこいっちゃう。いやっ、んっ、あーっ、あっ……♡」
小さな尻をふるわせて、朱里が絶頂を甘受しているようだった。風はわけもわからず、吐き出される精液を舌と喉で味わっている。
「ふあぁっ……、んくっ、ごくん……っ♡ はぁ、はぁ……っ♡ お口の中、すごいことになっているのですよぉ。溺れる。これ以上は、溺れてしまいますからぁ♡」
「あっ、ああっ。いくの、止まらない。ずっと、欲しかったんです。一刀さん♡ 私がいやらしくいくところ、もっと見てください……♡」
とめどなく降り注ぐ精液に、二人の意識がぼんやりとしていく。
背にした茂みの向こう側。気配を感じた一刀が、声を投げかける。
「着替えはもういいのか、炎蓮。ははっ、それとも」
「余裕ぶりやがって、始末屋め。しばらく見物させてもらったが、よく仕込んでいるみたいじゃねえか」
「そういう関係だと思われるのは、心外だな。思春も、なにか言ってやってくれないか」
「はっ、んんっ、ああっ……♡ そ、そこで私に振るな、この痴れ者、めぇ……っ♡ お、おい、炎蓮。そこはだめだと、んっ、言っているだろうが、あぁっ……♡」
思春の声には、男を昂らせる響きがあった。こちらとは別に、二人も対決を愉しんでいたのだろう。なにかねちっこい音がするが、始末屋同士、それも親交を結んだ証だと一刀は捉えていた。血を見るような決闘に発展することを思えば、よほど健全な交流なのである。
半裸の思春を羽交い締めにした炎蓮が、がさりと音を立てて茂みを抜けてくる。二回戦まで、休んでいる暇はなさそうだった。