〜side カラス〜
今日も幼女は怒ってる
「ねぇ! なんで言った通りに出来ないかな? \\\٩(๑`^´๑)۶////」
前回も今回も僕は言われた以上にイイ仕事したよぉ〜
「仕方がねえなぁ〜 ちょっとオレが見本を見せてやろう(・∀・)」
三本足カラスの兄さんがなんか自慢げに話しかけてきた
「ヨシ! 次は金髪娘の絶望を過去へ運ぶんだ!キラキラした子供の夢をぶち壊されてもアイドルを目指せるかな?」
仕事を受けて兄さんは飛び立った・・・僕も付いていくよ!他のカラスの仕事を見るのも大事♪
〜side end〜
〜side 原作より不幸な金髪娘さん〜
『お母さんはいつまでも女だったんだよね』
『母親になれなかったの』
『男が好きで女が嫌いで』
『だからかな』
『お母さんが私を迎えに来てくれないのは』
違う・・・何度繰り返してもしっくりこない・・・これはママの復讐のための役・・でも演技力が足りない
先輩にアドバイスを貰って私の中の感情を掘下げれば掘り下げるほどに私が築き上げてきたルビーが悲鳴をあげる
『苦しい』『憎い』『つらい』『馬鹿馬鹿しい』『ウザイ』『許せない』『妬ましい』『酷い』・・・
『どうしても・・・ママが死んだ日の事をまだ夢に見る』
『なんでセンセーまで死んじゃってるの!』
『私の好きになった人は皆んな死んじゃうのかな!』
『そう思うと人を好きになるのが怖い!』
駄目だコレだけじゃ!いつも笑顔で笑ってたママの演技が出来ない!
いつもはこんな時ってどうしてたっけ?・・・ああアクアが・・・
嫌だ!ママと私達の事をあんな形で利用したアイツは許さない!
もっともっと練習してママの復讐をしなきゃ・・・
『お母さんが私を迎えに・・・』
『お母さんが私を・・・』
演技に疲れきった私は産まれる前を思い出していた
お母さん・・・私が死んじゃって悲しんでるかなぁ
生まれかわったよ♪って訪ねていけば喜んでくれるかなぁ
小さなさりなの記憶から一生懸命にお家を探して・・・今は門の前でためらっている
「お前なんか知らない!」「死んだ娘を馬鹿にするな!」
一般常識から思い描くお母さんの言葉にチャイムを鳴らす勇気が出ない・・・
戸惑いの中でお家のドアが開いた・・・お母さんが朗らかな笑顔で出て来た
幼いさりなの記憶にしか無い忘れかけていたお母さんの表情
思わず声をかけようとしてドアの奥を振り返ったお母さんの視線の先が目に入った
そこにはルビーより少し年上な男の子と女の子・・・お母さんをママと呼びお母さんも嬉しそうに返事をする
そこからは何処をどう走ったのか覚えていない
『お母さんは私を愛していなかった』
『私はママに不幸を運んで来た』
関わった人を不幸にする疫病神!アクアだって行方不明になって事務所の皆んなが探してる
私にはもうこの映画しか残ってない!失敗出来ない!
1人になって演技の練習するんだ!!と人が見当たらない目立たない道を進む
そして高い長い階段を駆け降りていた私はバランスを崩し浮遊感の中でまた短い人生だったなと悟った
覚悟した衝撃は思ったより軽かった・・・ぽすんって感じで・・・
浮遊感の中ではナニカに運ばれてるような感覚と兄さんスゲェ!って賛辞が聴こえた気がする
周りを確かめると関係者以外の立ち入り禁止って表示されたビルの階段とエレベーター
私が転げ落ちたはずの高い階段は何処にも無かった・・・まさか怪談に変じるとか無いよぅー
「大丈夫ですか?ってまさかルビー?」「え!ウッソ!ルビー?」
そして階段から落ちた私を心配する声がかけられる・・・アイドルルビーの知名度に心の中でガッツポーズ!
それは年配の男性を思わせるトーンと何処か懐かしい若い女性の声・・・ママの声?・・・え?
起きあがって振り向いた先にはママの驚いた顔!・・・20歳ぐらい・・・死んだ日のママがそのまま居る!
そこからの私はママに縋り付き自分でも分かってない脈絡の無い訴えを喚く厄介な駄々っ子になっていた
〜side end〜
〜side パパ活ちゃん(ストーカー被害者さん消化済み)〜
20歳の誕生日に初飲酒記念のたっかいお酒を家族で探しに出掛ける予定でエレベーターを降りた
その先には階段から落ちて来た女の子・・・17歳ぐらいの金髪美少女・・・ルビーが成長したらこうなるかも?って想像してた姿に近い容姿の娘・・・まぁパンツ丸出しで転ぶのはお勧めしない
パパが助け起こそうと声をかけて吃驚のセリフが聴こえたのでワタシも反応しちゃった
「大丈夫ですか?ってまさかルビー?」「え!ウッソ!ルビー?」
起きあがってワタシと目を合わせたルビーが信じられないモノを見たって表情で固まり暫く睨めっこ
たっぷりと体感時間で1時間ほど走馬灯が見えるぐらいに見つめ合うとルビーが再起動を果たして襲い掛かって来た汗
ママ!ママ!ママ!とワタシに縋り付き泣き叫ぶので買出しを中止してお部屋で宥める事にした
「大丈夫だよルビー・・・ママはココにいるよ・・・生きてるよ」
散々とワタシに甘えて落ち着きを取り戻したルビーが恥ずかしさを抑えながら土下座謝罪をしているのが可愛くて遠慮なくパシャリと記念に撮った
さりなの辞めたげてよーって視線は無視する
「それで此処は何処で私はどうなったのでしょう?」
「ルビーから見て12〜13年前に飛ばされたのじゃ無いかな?・・・自分の過去とは限らないからね」
パパが時間逆行の先輩として説明してくれる・・・任せた!
「戻れるのでしょうか?・・・大事な映画の撮影がありまして・・・」
「さぁ?自分以外の逆行者の話は初めてだし戻れるって話も知らないなぁ・・・役に立てず済まない」
「はぁ・・・どうしよう・・・」
「取り敢えずはウチに居て良いから自分がナニをしたいか考えてね?・・・学校へ入学する?」
うん!学歴は大事だね!ルビーにはちゃんとした教育受けさせないと!
そうして過ごすうちにワタシの誕生会の時間となり急遽お酒と料理の調達を頼んだスカウトさんこと斉藤社長夫妻がやって来た
事務所止めにしてる我が家宛の郵便物も持って来てくれたよ
その中にウェディングレターを発見♪
「へぇ〜!ゴローセンセが結婚したんだ!ねばったねぇ♪」
ルビーとさりなの耳がダンボと見まごうばかりに一瞬大きく見えたけど気のせいよね
「「ママ!見せて!」」
ナニカすっごい重圧と共に奪ってった汗
「「この娘は誰?」」
「えっとね・・・天童寺さりなちゃん!・・・ゴローセンセはママが出産した間医院で働いてた産科の先生でね・・・間医院の前から仲の良い患者さんだったんだって・・・難病だったさりなちゃんを救うために間院長に多額の借金したみたいで奴隷の如く働いてたけどいいお医者さんだったよ♪」
さりなもルビーもすっごく複雑そうな表情で渋々納得していた・・・何故?
後ろではパパと斉藤社長が話してる
「そんであのお嬢ちゃんは誰なんすか?」
「行方知れずだったアイの叔母の子でね・・・天涯孤独になっちまったから引取ろうと相談してた処」
「ふむ・・・そこらのアイドルに負けんぐらい美形っすね・・・興味が有ればウチで仕事させても良いですか?」
「本人にやる気が有れば止めないよ」
早くもルビーも売り先が決まってた・・・まぁ苺プロなら干渉出来るし酷い事にはならないか♪
そしてお祝いの言葉を皆んなから貰い1杯目の森伊蔵を飲んでから記憶が無いんだけど何コレ?
〜side end〜
〜side B小町初期メン最後の1人〜
昨日はパパ活ちゃんの20歳の誕生日だった
皆んなからのプレゼントを受け取り家族でホームパーティーで祝ったようだが社長からパパ活ちゃんの飲酒禁止令が出て事務所全員に見張るように指示が出たのが印象的だった
16歳で結婚報告して社長に「既婚のアイドルなんかねぇ!」とパパ活ちゃんがB小町を卒業してソロミュージシャンになってからB小町の躍進は今一歩・・・メンバー全員が20歳を超えて全国区の知名度を持っているもののココからの成長要素が見当たらない
社長もB小町への梃入れを行うか次世代を育てるか迷ってる節がある
現存のB小町メンバーだけじゃ大規模会場を満杯にするには難しい事は身を染みて分かってる
「歌って踊れて楽曲提供してるのにワタシだけアイドルライブに出演出来ないのは不公平!」って
パパ活ちゃんが新曲発表ライブに強制ゲスト参加して来る時だけ会場が大きい・・・
他の作曲家の曲ではもうパパ活ちゃんが参加しないからオリコンの順位もまるで違う
私達はスポットライトに照らされた煌びやかなステージに居る・・・でも居続けるのも厳しいと判らされて心が折れそうだ
ステージにも立てなかった人達から見たら贅沢な悩みなんだろう・・・でも才能の違いを突き付けられるのは苦しい
8年前のあの日からやり直したい!今ならもっともっと上に行けるはず!
8年前・・・パパ活ちゃんの加入前は色々と足りなかった
スキルが無い!知名度は無い!事務所に力も金も無い!でも夢と情熱は溢れていた
ナニもカモ無くて路上ライブで顔を知って貰おうと活動してた頃は楽しかった
地下とも言えないなんちゃって自称アイドルだったけど・・・
そんな3人が頑張ってる処へ社長が連れて来たパパ活ちゃんは、抜群に良い顔と歌唱力を見せ付けた
でもダンスは私達より劣っていて振り付けを意識して歌うのが精一杯で必死な表情が顔の良さを台無しにしてた
才能のバランスにちょっと安心してこの4人でアイドルデビューを目指すんだと考えていた頃は今から思えば幸せだったんだ
事務所の資金も私達のモチベーションも底が見えそうになった頃
限界を迎える前にと社長がライブハウスデビューの計画をぶちまけた
社長のモチベーション回復の目論み通りに遂に本格デビューと私達は舞い上がり
知り合いに見てもらえよーと社長から言い渡されたチケット販売ノルマにゲンナリした
チケットの販売方法に悩んでた翌日にパパ活ちゃんがまた突拍子もないことを言い出した
「動画チャンネルで宣伝したら収容人数以上の応募が来たからあるだけチケット回してくれ!」である
私達のノルマ分も奪われて社長を通じてライブハウス運営に手に入るだけのチケットを回すように直訴
パパ活ちゃんだけのソロタイムまで勝ち取って波乱のファーストライブだった
超満員のライブハウスで披露するのは私達を含めて3組
前座にベテランバンドで次がB小町になる・・・B小町の最後にパパ活ちゃんのソロタイムを演奏してライブハウス運営が本命としているアイドルバンドでフィナーレ
始まりはベテランだけあって順当な盛り上がりだった
今思えば次の新人のために気を遣ってくれていたんだろう
緊張しっぱなしで練習の力も出せてなかったB小町が場を持たせられたぐらいに恵まれていた
そこで終わりだったならB小町がメジャーになるためには数年かかったと思う
チケットを完売させたパパ活ちゃんの本領発揮はソロパートになってからだったのである
ステージに運び込まれたキーボードから奏でられるのはネット動画だけで有名になった私も知ってるあの人の旋律
誰もが知ってる印象に残る旋律と素晴らしい歌声が響きダンスを省いた事で美しい顔に観客の目を惹きつける笑顔を浮かべさせた
大人気曲と新曲を披露してパパ活ちゃんは最後にB小町と物販の宣伝までしてしまった
コレが本当にラストなら許されただろう・・・まだライブハウス運営一押しのアイドルバンドが控えてるのに観客が物販に流れて行く・・・
後日知った事だが観客全員がB小町の物販に流れてしまいフィナーレは閑古鳥が鳴いていたそうだ
カンカンに怒った運営とアイドルバンドが周辺のライブハウスへB小町を出禁にするように圧力をかけたらしいけど
社長がパパ活ちゃんの曲をB小町に提供する約束を取り付けてCDとMVを作り始めたのでB小町は大忙し
その後に別のライブハウスで行ったライブの物販でサクッと完売させた後は一般流通に乗せ
それの初版も早々に完売したので重版を繰り返してウハウハだったそうだ
デビュー曲がオリコン1位まで駆け上がって行くのを最初は無邪気に喜んでた
TVへの露出も始まり出禁に気が付かないまま人気になり、適当なライブハウスを探すのがめんどくさくなって来た頃に起こったゴタゴタの後に私達はパパ活ちゃんビルへ引越した・・・大きな事務所と苺プロ専用のライブハウスは収容人数と交通の便でまさに拠点となる
地盤となるモノを得てB小町はトップアイドルの立場へ足を踏み入れていった
ライブハウスデビューからドームライブまでたった4年・・・何処の大手かな?って躍進である
でも私達をそこまで引っ張って行ったのもパパ活ちゃんなら奈落へ落としたのもパパ活ちゃん!
16歳から20歳ってのはアイドルの黄金期なの!結婚引退するなーーー!
なんで私がこんな愚痴みたいなこと考えてるかって?
社長が今日連れてきた顔がいい金髪娘にパパ活ちゃんと同じヤバさを感じたからだよ!
〜fin〜
三本足「案内ご苦労!よく考えたらオレは運ぶ先を知らなかったな ガハハ!」
カラス「兄さんの役に立てて光栄っすよ♪」
ふう修正終わりw