※この作品はR-18です。

バイト先の後輩ちゃんを巡るお話   作:大仁 裕

6 / 14
高瀬さやかの心の中にて

高瀬さやかは、最近悩んでいる、大場とのことだ。

 

「好きなんだ、付き合ってくれ...」

 

「...はい....」

 

あの晩の行為のあと、ぼんやりとそんなやり取りをした記憶はあるものの、正直、今、大場のことが好きかと問われると自分でもよく分からない。とりあえず、以前のような苦手意識はなくなった気がする、という程度だ。

それでも、何度も好意を重ねることで体のほうが快感を覚えてしまっていること、彼氏と呼べる存在があることの充足感、「女は好きな男よりも、自分を好きになってくれる男と一緒になる方が幸せ」という子供の頃に聞いた言葉、そんなことを考えて自分自身を納得させている。

あの晩、告白されて成り行き上それを受入れ、彼氏彼女の関係になったはずだが、その後あったことといえば、時々大場がアパートに現れては一晩中セックスをするだけだ。

 

(付き合ってる、って...こういうことなの?)

 

大場に対する好意の有無は分からない、とは言うものの、大場からの連絡があれば嬉しい気持ちもあるし、彼がアパートに現れれば、その先のことを想像して体が疼くのも事実だ。

しかし、大場とは、自分のアパートとバイト先で会うだけ。バイト先でも特に親密に話をするわけではない。二人で外食、デート、そういった恋人同士らしいイベントは皆無。

折角だから、バイトからは一緒に帰ろうと思い、勇気を出して誘ってみたが、用事があるとかで空振りに終わった。それ以降は、断られるのが怖くて自分からは誘っていない。

 

(付き合ってる、って...なんか聞いていたのと違う、思っていたのと違う。)

(付き合うって、話をして、共通の話題で盛り上がって、時々一緒に食事をしたり映画を見に行ったり旅行に行ったり...そういう楽しいものだと思っていた。時々エッチなことをしたりはあるけれど...それはそれで気持ちいいってのは分かったけど、でもそれだけじゃなくて...)

 

今の大場との関係は、付き合ってるというのとは違う気がしている。気持ちいいけど、楽しいとは違う。「付き合ってる」のイメージを思い浮かべた大場さやかが思い描いたのは、先日木村と喫茶店で話をしたときのことだった。

 

(大場さんの方から「付き合ってくれ」って言っていたのに、これじゃあ....)

 

体だけの関係...そのような考えが時々頭をよぎるが、そうは思いたくない。その一方で、高瀬さやか自身、大場が好き、と断定できない気持ちでいることも自覚している。それでも、大場とのセックスの快感を忘れることができず、きっぱりと別れを切り出すこともできないまま一月の間ズルズルと関係を続けている。

 

(...でも...)

 

誰かに相談したい、相談して、これからどうすればいいかの助言がほしい。それが叶わないまでも、話だけでも聞いて欲しい。

 

(でも誰に...)

 

こういう話は友達に...そう思ったが、友達にそんな話を聞かれたくない。

結局考えはまとまらず、堂々巡りを繰り返していた。

 

ある日、高瀬さやかは、いつもどおり大学の学食で同じ学部の友達と一緒に食事をしていた。彼女の学部は建築系で、他の工学系ほどではないにせよ女子の数が少ない。そのため、同じ学部の女子全員の仲が良く、全員が顔見知りで、濃淡はあるにせよ全員が友達関係にあると言っても良い。自然と、学内では一緒に行動することが多くなる。

 

「さやかって、彼氏とかいるの?」

 

いつの間にか、話の流れが恋愛関係に移り、彼氏がいるとかいないとかって話題になると必ずこういう質問が飛び交う。

 

「私は...」

 

大場とのことを話そうか一瞬悩んだ後

 

「私は...特に...」「でも、こないだ同じ高校の友達と電話していて相談を受けたんだけど、私そういうの分からなくて、いい答えが思いつかなかったんだけど...」

 

「えー、それってよくある友達の話ってことにして...ってことじゃないの?」

 

冗談めいたその一言は、見事に図星をついていたが、それには触れず話を続けた。バイト先の先輩に家まで送ってもらい、そのまま一晩過ごしてしまったこと。事の流れで付き合うってことになったが、恋人らしいイベントは皆無のまま、彼が家に押しかけてきては行為をするだけの関係であること...

 

「それは、セフレだね。」

 

「そうそう、そんな男はやめといたほうがいいよ。」

 

「私もそう思って、友達には一応そう伝えたけど...中々納得してもらえなくて...」

 

やっぱり...そう思いながらも他に意見を聞いてみたくて、「友達」に心にもない反論をさせていた。

 

「それにしても、好きでもない相手にアレされて訴えないだけでも信じられないのに、『付き合ってくれ』って言われて、なんで受け入れちゃうのかなぁ?」

 

「やっぱり、アレが気持ちよかったんじゃないの?」

 

「私はわかるなぁ、アレの後って何も考えられないくらいボーッとしちゃって、多分もうどうでもいいやって感じで『はい』って言っちゃったんじゃないのかな?」

 

「何それ? 実体験?」

 

「そんなんじゃないって...」

 

みんな他人事だと思って好き勝手言っている、そう思いながらも、話の端々に思い当たる節がある。それだけに、彼女らの指摘はかなり的を射ているように思える。

 

「多分さぁ...」

 

ずっと黙っていた女子が口を開いた。彼女だけは今でも「高瀬さん」と呼ぶ、他の女子に対しても「さん」付けだ。

 

「その彼、最初から計算づくで高瀬さんの家に押しかけたんだと思うよ。終電とか乗り過ごしたとか、全部わざと...なんとなくだけど、最初から狙っていたんだと思う。」

 

そう言って、メガネのフレームに指を当てて話を続けた、

 

「それと、あともう一つ。多分だけど、その男には本命の彼女がいるよ...本命がいない男は、遊ぶにしても女をそんな粗末に扱わないはずだよ。」

 

本命がいる、その指摘に驚いていると、その表情の変化に気づいてか、彼女は、一瞬笑みを浮かべながらこう続けた。

 

「だから高瀬さん、そいつはやめといた方がいい、今後連絡を取らないほうがいいよ...」

 

盛り上がっていた場が一気にシーンとなる。学食の、他のテーブルからの男子の声だけが聞こえてくる。

 

「いや、これは私じゃなくて友達の...うん、友達にそう伝えておくよ...」「みんな、ありがとうね、色々と参考になったよ、はは。」

 

「そうだよ、その友達には悪いけど、その男はクズだからやめといた方がいいって伝えときなよ。」

 

「それでさー...は、彼氏いるの?」

 

話題が別の娘に向かったことで、少しホッとしていると。さっき、大場が計算づくだったと話した女子が、全てを洞察したかのような目でこちらを見ていた。

 

(あの娘...どこの出身だったっけ?)

 

なんとなく彼女は自分のような田舎育ちではない、そう感じていた。そして、彼女の物言いはぶっきらぼうだけど、信用できる、そう思った。

 

その日は大学の授業が終わるとそのまま帰宅、バイトのシフトも入っていないので今日の授業で出された課題について検討を始めることにした。

 

ブーッブッブッ

 

課題の検討のために、大学の図書館で借りた本から関係のありそうな所を拾い出しているとき、スマホの振動音が聞こえた、この振動パターンは誰かからのメッセージだ。

 

(...大場さん?...)

 

メッセージには簡単に「今から行く」とだけあった。

 

(えっ! 今から?)

 

大場の来訪はいつもこんな感じだ、直前に簡単なメッセージが入るだけ。ただ、メッセージが入ってから実際に来るまでの時間は割とまちまちで、メッセージから30分くらいで来るときもあれば2時間近く遅くなる場合もある。

 

(課題があるのに...困ったなぁ...)

 

そう思いながらも、嬉しいという気持ちがないわけではない。そして、困惑する心とは別に、体は勝手に疼き始めている。

 

(困ったなぁ...)

 

大場が来ると知って、熱くなっていく体を両腕で抱きしめる。パジャマ越しに体に当たる手の感触で、両方の腿がキュッと内側に締まる。おそらくあそこも少し湿っていることだろう。

 

(...私...すっかりいやらしい体になってしまった...)

 

「男はこうなると射精するまで静まらない」と大場は以前言っていた、今ではそれが嘘だということを高瀬さやかは知っている。ところが、女がこうなるとどうにもならない、ことを今は実感している。これをなんとか鎮める方法を、高瀬さやかはまだ知らない。

 

そこでふと、先日木村との会話を思い出した。人の心は脳の中だけでなく体とも密接に関係している、だから、化学物質の摂取や体への刺激で心は変わる、心なんてそんなものなのだ。

 

(私の体が変わってしまったとして...私の心も変わってしまったのかな?)

 

そして、木村はこうも言っていた。体への刺激で心は変わってしまう、だが、それでも心のなかに変わらない部分というのもある、それって...

 

(私にも変わらない何かがあったとして、最後まで残る何かがあったとして...それはどんなものなんだろう?)

 

自分の体を抱きしめる両手を、もう一度力を込めて自分の体を抱きしめたそのとき。偶然、手が布越しに胸の敏感な所をかすめた。

 

「んあぁっ!」

 

咄嗟のことに思わず声を上げてしまった。

 

(気持ちいい...)

 

今度は自分で、胸の先端をかすめるようわざと手を動かしてみる。

 

「んっ! ...」

 

自分の意志で触っても、同じように気持ちいい、高瀬さやかにとってこれは大きな発見だった。

 

「んっ んっ んっ んんっ...」

 

両手の指を、わざと胸の敏感な所に当てて動かしては、無意識に上がる声は抑える。誰かに触ってもらわなくても、偶然に当たったとかでなくても快感が得られる、それじゃあ今度はパジャマ越しじゃなく、直に...そう思った時、ドアホンが鳴る。

 

ピンポーン ピンポーン

 

せっかちに二回ボタンを押すのは大場の特徴だ。

 

(よりによってこんなタイミングで...)

 

そう思いながら玄関へと走る。

 

「よぉ、来たぜ。」

 

「今日は課題があるのに....」

 

困った顔をしてみせるが、イヤなわけでもない。だが、昼間に友人達に指摘されたことを思い出す。

 

(...体目当ての関係なのかな?)

 

「そんなこと言うなって...」

 

高瀬さやかの心の声に関係なく、大場はそう言って、上がってくるなり大場は高瀬さやかを抱きしめる。全身の筋肉がキュッと締まる感覚の中、大場の両手にグッと掴まれた腰と背中に快感が走り思わず溜息に似た息が漏れる。

 

「お前だって楽しみにしてたんじゃないのか? ホラ...」

 

「そ、そんなこと...」

 

「さぁ、どうだろうな」

 

そう言って、大場は高瀬さやかのパジャマの下にある股間に手を伸ばした。高瀬さやかの股間は、下着越しでもはっきり分かるほどの湿り気を帯びていた。

 

「ほーら、ここなんか...」

 

大場は、高瀬さやかの下着をずらし、あそこに指を入れる。今なら、大場の指2本くらいなら軽く受け入れられる。

 

「ん゙んっ!」

 

「随分と準備できてるんじゃない? これは...」

 

あそこに入れて濡れた指を高瀬さやかの眼の前に持ってきて、2本の指を開いて見せる。指の間には粘性の高い液体特有の糸が見えた。

高瀬さやかは、明らかな物証を示され、顔を赤くするばかりで反論することを諦めた。

 

「じゃ、ちょっとシャワー借りるぜ。」

 

そう言って大場は浴室へと消えていった。高瀬さやかはそれを確認すると、先程の続きを始めた。最初はパジャマ越しに、そして直接...高瀬さやかの胸の突起は、指からの刺激で徐々に隆起し、その間絶え間ない快感が高瀬さやかの体を走った。

 

(...気持ち...いい... これ...いい...)

 

刺激は指で触るだけよりも、摘んだり引っ張ったりしたほうが強く快感が得られることも分かってきた。

 

(...これは...少し痛い...けど 凄く気持ち...いい.....)

 

体からの刺激で心が変わる、木村との会話を思い出しながら触り方やつまみ方を変えてみる。自分を実験台にしての考察、気持ちいいだけじゃなく、なんだか楽しくなってくる。

 

風呂場の扉が開く音を聞いて、高瀬さやかはハッと我に返り、現在実施中の実験を打ち切った。

まもなく、全裸の大場が現れると、高瀬さやかを抱きしめ、顔を彼女の髪に近づける。

 

「高瀬、風呂上がりか。いい匂いだぜ。」

 

そう言って、高瀬さやかをベッドに押し倒した。

 

(会話らしい会話もなく、家に来るなりシャワー浴びてそのまま...って、やっぱり私はセフレとしか見られてないのかな?)

 

薄々気づいてはいたものの、それを受け入れたくないという思いがあった。大学の友人達との会話がなければ、そこで自分を納得させることができたかも知れない。だが、誰の口からにせよ、一度発せられた言葉はそれなりに力を持つ。高瀬さやかの中に、大場に対する疑い、自分に対する扱いへの不満が少しずつ蓄積する。

 

しかし、行為が始まってしまえばそれらの疑いや不満などは、全て快感の沼に吸い込まれてしまう。高瀬さやかは、全てを忘れたように嬌声を上げながら腰を振っていた。

 

「高瀬、最初はお固いタイプだったのにすっかり変わったよな。今じゃすっかり雌の本能全開って感じだよ。」

 

大場の声に直接反応せず腰を振り続ける

 

「今のお前、木村さんが見たらどう思うだろうな...」

 

一瞬、高瀬さやかの顔色が変わり、腰の動きが鈍る。そして、大場のペニスを握っていた彼女のあそこが一瞬だが収縮した。それを自分のモノ越しに感じ取った大場は、ニヤリとする。

 

(狙い通りだ)

 

そして、今度は自分のターンだとばかりに、大場は体を捻って馬乗りになっている高瀬さやかをふるい落とした。そして、彼女を仰向けにひっくり返し車に引かれたカエルのような体勢にしたあと、彼のイチモツを高瀬さやかに突き立てた。

 

「なぁ高瀬、いつもバイトで木村さんといつも楽しそうに話をしているよね。」

 

「...んんっ あンっ! ...」

 

(やはり、木村さんの名前が出ると高瀬さやかのあそこが締まる。これは...)

 

使える、そう判断した大場は、高瀬さやかのあそこに挿入したイチモツを往復運動させながら、彼女に声をかけ続けた、必ず木村の名前を入れるようにして。

 

「...んっ えのっ..にっ...ンあっ..たドラマ...の...んんっ...」

 

大場の問に答えようとする高瀬さやかだったが、当の大場はただ、木村の名前を聞いた高瀬さやかの体の反応を楽しんでいた。

 

一方、高瀬さやかは木村の名を聞く度に、快感に押しつぶされつつある意識が徐々に戻ってきていた。そして、快感に浸りながらも、現在大場とセックスしている自分、木村と話をしたときの楽しさ、そのときの話の内容、大学の友達の言葉、それらが脳内を巡っていた。 

その中で、木村との会話から、人の心は肉体に紐づいているので、体への刺激による心変わりもあり得る、人の心なんてその程度のものだ、という諦めに似た開き直りの心境へと変化していた。つまり、自分が人間の雌である以上、肉体的な刺激で快感の沼に堕ちるのは仕方ない、と。皮肉なことに、大場が木村の名を繰り返すことで、高瀬さやかの中にまだ少し残っていた罪悪感が開き直りに転じてしまったのである。

 

「あ゙ぁっ! んっ! ンあぁっ! あ゙あ゙あぁっ! あンッ! あぁン!」

 

「今日はいつもよりもペースが早いな。高瀬もすっかり淫乱になったよな、それとも元々そういう質なのかな?」

 

(...そう、私の体は変わってしまった...大場さんのせいで。そして心も...)

 

高瀬さやかは、セックスを楽しむことができるようになりつつあったが、自分の変化が単なる外からの刺激によるものであることも自覚していた。これによって、高瀬さやかにおける大場のポジションが『自分を好きだと言ってくれた人』『自分に快感を与えてくれる唯一の人』から『自分に性的な刺激を与える人』へと変化した。それによって、大場への好感度の上昇は現状の「苦手でない」以上に上がることはなくなった。大場がそうであったように、高瀬さやかの中でも大場との関係は「体だけの関係」になったのだ。

 

「あ゙あ゙あぁンっ! ンあああ゙あ゙ぁっ! ンンッ! あ゙ッ あ゙あ゙あ゙ああぁぁぁーっンッ!」

 

「おっ、うぉぉぉっ!」「ハァ、ハァ、ハァ、高瀬、今日はいつも以上に良かったよ。」

 

そう言った大場だったが、実は少しあてが外れたと感じていた。本当は、高瀬さやかには木村に対する罪悪感めいたものを持ちながら徐々に快楽に溺れていく、そんな姿を見たかったのだが。

 

(高瀬のやつ、始めて木村さんの名前を出したときにはアソコが締まって気持ちよかったんだが、途中から自分から乱れていったようにも見えた。何があったんだ? あいつの中で...)

 

いつもであれば、このまま一晩中...という展開だが、大場はこの日、妙な違和感を覚え終電を待たずに高瀬さやかの家を後にした。

 

そして、高瀬さやかは、大場が帰った後、課題の検討はそこそこに、自分の体を使った実験を再開した。

 

「んっ んっ はぁっ! ああっ! んんっ! んっ んっ」

 

胸の敏感な所を指で触ったり、転がしたり弾いたり、摘んだり...

 

(流石に舐めたり吸ったり噛んだりは無理ね...)

 

それでも、刺激の強さや、予め指を舐めて湿らせておくなど、欲しい刺激に応じて工夫のしがいがあることは理解できた。そして、胸をいじっていると、やはりあそこが疼いてくる...

高瀬さやかは、おもむろに右手を下着の下に滑り込ませる。既に多湿を感じさせる下着の中を、雨上がりのジャングルのような陰毛を超えてたどりついた底は、既にヌルヌルとした生暖かい液が溢れている。

 

(大場さんが「お前のここ、もうとろけてる」、っていうのはこのことね。本当にトロトロだわ...)

 

大場が触り大場が舐めた場所を思い出しながら、あそこの周囲をトロトロの液体を塗り拡げるかのように散策する、

 

「ひゃあうンっ!」

 

ほんの一瞬、しかも軽く振れただけなのに思わず声がでてしまった。

 

(ここ...ちょっと触れただけなのに、本当に敏感なのね...)

 

恐る恐るもう一度触ってみる、今度は触られることが予め分かっているから....

 

「あっンああっ!」

 

(ダメッ 触られるのが分かっていてもここは感じ過ぎちゃう...)

 

「んっ ん゙ーっ んんっ んはぁあンっ! んんっ んっ 」

 

触れる強さを変えながら、高瀬さやかはそのポイントを攻めつづける。

 

(気持ちいい...少しでも強いと感じ過ぎちゃうけど...ここ、気持ちいい...)

 

そうするうちに、大場にあそこの中に指を突っ込まれて、そこにも気持ちいいポイントがあったことを思い出した。そして、高瀬さやかは恐る恐るあそこに指を突っ込んで見る。

 

「んーっ」

 

生暖かいトロトロの液体をかき分けながらあそこの中に指を挿入する。中は敏感で、指で中をかき回すだけで快感が溢れる。

 

(確か、もう少し奥だったような、もう少し、この辺かな? あの時指を曲げていたような気もする...)

 

そんなことを思い出しながら指を曲げた時、強烈な快感が突き抜ける

 

「んんああぁっ!」

 

(こ、ここね。多分... 場所が分かったから指の数を増やしてみよう・・・)

 

高瀬さやかは、秘境探検の要員を増強、つまり2本の指をあそこに投入し、先程の見つけたばかりのポイントを刺激した。

 

「んはぁっ! はンッ! ああンッ! んっ! んんっ! んっ! はっ! あンっ!」

 

(これは...ダメっ 手が止まらない...ここと、さっきのところを同時に...)

 

窪の外で暇そうにしていた親指が先に見つけた敏感なポイントに軽く触れる

 

「ンあ゙ああっ! ああンッ! んんっ! んっ んっ んっ 」

 

(気持ちいい...これ...気持ちいい もう止められない、ずっと、このまま...)

 

いつの間にか、高瀬さやかの左手は彼女の胸の先端を転がしている。

 

「んっ んっ んっ んっ んあっ! んっ んんっ んっ んあぁぁっ! んっ!」

 

大場によってかつて感じた上り詰めていく感覚がそこにあった

 

(このまま続けると、イっ、イク、イッちゃう)

 

「んっ んっ んんっ んっああああぁぁぁっ!」

 

(イッちゃった、気持ちいい。 自分で...イッちゃった...自分でも...イケるんだ...)

 

絶頂の余韻に浸りながら、高瀬さやかは考えていた。

 

(木村さんが言っていた通り、こんなの知っちゃったらそれまでと同じ心ではいられない...かもしれない...そして...私は、変わってしまった...)

 

自分が変わってしまったという自覚をかみしめつつ、しかし経緯はともかくそれ自体をそれほど悲観的に考えなくても良いと思える、自分はどう飾っても人間の雌でしかないのだ。

そして、そう居直ることで別のものも見えてくる。

 

(所詮は人間の体、似たような刺激で似たような快感は得られるようにできてる。だから、大場さんでしか気持ちよくなれないなんてことはないんだ...)

 

高瀬さやかは、大場と付き合う、あるいは「付き合っていることにする」意味を改めて考え直していた。自分は大場と「付き合っている」と言えるのかどうか? 今まで高瀬さやかを悩ませてきたこの問題は、些末な問題に過ぎず、大事なのは、この関係を維持したいと思えるかどうかだ、と。そして、高瀬さやかは自分でも驚くほど簡単に答えを出した、勿論Noだ。

 

(大場さんは家に来てエッチをするだけ、話をしても楽しくない、というより一緒に何かを語り合うことなんてなかった。体が気持ちいいってだけじゃ、この先ずっと一緒に過ごすのは無理かな。)

 

(それだったら、一緒にいて楽しい人と過ごしたい。エッチは...その次でいい...自分でも気持ちよくなれるって分かったから。)

 

そんな事を考えながら、自分のあそこに入れた指で自分の敏感ポイントをいじっていた。その晩、もう一度自分の手でイッた後、そのまま眠ってしまった。

 

...

 

次の日、大学の授業が終わった後にバイトのシフトが入っている。理系学部は忙しくて毎日講義や演習、事件がある上に生活費を稼ぐためにバイトをしなければならないので大変だ。

 

(今日は大場さんとはシフト被ってない...良かった。)

 

最近、大場との関係で悩んでいたが、昨晩の一件で自分の中では既に結論を出している。だが、すぐに別れ話を切り出せるほどの勇気も出ない。できればこのまま一方的に連絡を絶って何もなかったことにしたいが、それも人としてどうかという思いがある。

職場では、いつも通りバイトの仕事を無難にこなし、疲れたので少し休憩に入った。

休憩のため更衣室に向かおうとした所、バイト仲間の三木朱梨に腕を引っ張られた。

 

「ちょっと、朱梨ちゃん、どうしたの?」

 

「一応確認だけど、さやかって大場さんと付き合ってたりしないよね。」

 

「えっ?」

 

「こないだ、さやかの方から大場さんに『一緒に帰りませんか?』って言っていたのが気になって。」「あれ、どういうことなの?」

 

「あ、あれはたまたま上がりの時刻が同じで...その...こないだの飲み会で送ってもらったときに少しだけ話をしたっていうか...」

 

「じゃあ、大場さんとは付き合ってないのね、良かった。」

 

「良かった?...」

 

「あ、うん、ちょっと私の大学の友達に『大場さんと付き合ってる』って娘がいたんだけど」「話を聞いてみるとほとんど体目当てだったみたいで...」「それに、大場さんには本命の彼女がいるらしくて、街中で偶然大場さんとその彼女が楽しそうに歩いているのを見た、って。」

 

「えっ?」

 

「自分のときは、デートとか全然なくていつも自分のアパートでヤるだけなのに、って泣いてた。」「その上、最近ではメッセージを送っても既読にすらならないらしく...完全に捨てられたんじゃないか、って。」

 

「えっ?!」

 

「ホラ、私、こないだの飲み会にさやかを無理やり誘っちゃって、あの時、大場さんがさやかを送るっていうから少し心配してたんだよね。もしさやかに何かあったら、それって私のせいかなって。」

 

「そ、そんなことないよ。全然、朱梨ちゃんのせいじゃないよ...」

 

「あー、やっぱり何かあったんだね。本当に、さやかは嘘つくの下手だよね。」「バイト終わったら一緒に夕食食べよ、今日は私が奢るから。だから話を聞かせて。」

 

「う、うん...分かった...ありがと。」

 

こうして、高瀬さやかは三木朱梨と夕食をともにすることになった。バイト仲間に遭遇するリスクを避け、高瀬さやかのアパートの最寄り駅近くの喫茶店、以前木村と話をしたあの喫茶店で食事をしながら話をすることになった。同じ店になったのは偶然ではなく、この駅の近くにはじっくり話ができる店が少ないからである。

 

「さやか、今日は私のおごりだから、遠慮せずに...いや、ちょっとは遠慮してほしいけど、好きなもの頼んで。」

 

「ダメだよ、朱梨ちゃん。自分の分は自分で出すから。」

 

今日は高瀬さやかが折れないことを悟った三木朱梨はおごるのを諦めた。

二人が軽食メニューと飲み物を注文すると、三木朱梨は早速本題へと入った

 

「で、大場さんと付き合うきっかけは?」

 

高瀬さやかは、あの飲み会の晩、大場が終電を逃して彼女の家に泊めて欲しいと言い出したこと、それを断りきれず彼を家に上げたこと、そして、始めての行為をした挙げ句、その後3日間ずっと彼女の部屋で行為にふけっていたことなどを話した。

 

「それって、大場さんがさやかを騙してアレしちゃったってこと?」

 

「まあ、あの時気づかなかった私も私なんだけどね...」

 

「以前からチャラい男だとは思っていたけど、ホント最低ね。」「それにしても、そんなことになってたなんて...私があの飲み会に誘わなければ...本当にごめん。」

 

「そんな、朱梨ちゃんは悪くないよ、全然。」「私が世間知らずだったってだけだよ...」

 

「さやかは優しいね、でも、本当にごめん。」「何でさやかはそんなに冷静なの?」

 

「うーん、最初は酷いって思ったけど、そのうちなんだか気持ち良くなっちゃって...恥ずかしながら。」「それで、まあお互い様だなって...」

 

「さやかはお人好しすぎるよ。」

 

「さっき朱梨ちゃんが言ってた朱梨ちゃんの友達と一緒だよ。時々アパートに来てはするだけで、全然恋人みたいな感じじゃないんだ。何か変だな、とは思っていたんだけどね。」「本命の彼女がいる、ってのは始めて聞いた話だけど。」

 

「で、どう思った? その、本命がいることについて。」

 

「あー、やっぱり、って。やっぱり騙されてたんだな私、って思ったよ。」

 

「なんでそこで冷静なのよ!」

 

「全然冷静じゃなくてね、結構悩んでたんだよ、でも、大学の友達からも色々とアドバイスもらってね。」

 

「大学の友達にこのこと話したの?」

 

「恋人関係ってこんなもんなのかなって、変だなって思っていたので、友達の話ってことにして話した...」「大学の友達には、体だけの関係だねって言われてたし、そのうちの一人からは多分本命の彼女がいるって話も聞いたから。」「だから、朱梨ちゃんから本命の彼女がいるって話を聞いたときも、あーやっぱり、って感じだったんだ。」

 

「あー、事前に心の準備があったというわけね。」「で、大場さんのことはどうするの? これからもセフレ続けるの?」

 

「昨日ね、大場さんが家に来て、そのとき色々考えてね。大場さんからは離れようと思うんだ。大場さんにはどうやって話を切り出すのがいいかわからないけど。」

 

「そうだね、あんな男からは離れたほうがいいよ。」「それにしてもあの男腹立つ、結局私がきっかけ作ったみたいになったってのも腹立たしい...。」

 

「私も、大場さんの参加する飲み会には参加したくないし、できれば会わずにすませたいから、シフトも被らないようにしたくて。バイト、別の所にしようかな...でもそうすると...」

 

「木村さんに会えなくなるよね。」

 

「そうなの...えっ?」

 

「あははは、ほんとさやかって嘘つけないのね。好きなの?」

 

「好き...かどうかは分からないけど、話をすると楽しいからついつい色々話しかけちゃうんだよね。」

 

「怖くないの? どうしても院生の先輩って怖い人達って感じがして中々近づけないんだけど。」

 

「そんなことないよ、話しかけたら普通に接してくれるし、会話してても斜め上で返してくれるからすっごく面白い。」

 

「へぇ、今度話しかけてみようかな...いや、やっぱり怖いから、今度さやかが話しかけるときについてこう。」

 

「だから怖くないって。」

 

「それで、このこと木村さんに話した?」

 

「そんなの話せるわけないよ...」

 

「....そうだよね...」

 

「あ、でも、こないだ木村さんに話し聞いてくれって言われて、ちょうどこの店で話をしたよ。」

 

「何の話をしたの? タイミング的に木村さんはさやかのことを知っていたんじゃ?」

 

「それはないと思うよ、そういうのとはあんまり関係ない話だったし。」

 

「そっか...で、何の話をしたの?」

 

「うーん、木村さんが最近考えていることについて聞いて欲しい、って。」「...あれ、相手が私なんかで良かったのかなぁ?」

 

「そんな難しい話だったの?」

 

「難しい...っていうか...そうね、朱梨ちゃんは心と体についてどう思ってる?」

 

「へっ?」

 

「心は体の一部として考えるのか、心は心、体は体として別物として考えていいのか、みたいな話。」

 

「ちょっと固い話だね。それでさやかはどう答えたの?」

 

「うん、最初はね、心って言っても脳の中で色々考えたり感じたりするものだと思うから、体とは切り離せないんじゃないかって言ったんだけど...そしたら、」

 

「そしたら?」

 

「そしたらね、人から脳みそを取り出して別の人に移植したら、その脳みそにある心は、移植先の人の体の影響を受けたりしないのか?って話になって、どう思う?」

 

「どう思う...って。そんな事できるの?」

 

「今はできないって木村さんは言ってた。だから、もしそれができたとしての話だよ。もしできたとしたら、例えば朱梨ちゃんと私の脳みそを入れ替えたとしたら...朱梨ちゃんはピーマン嫌いだったよね、私はピーマン平気。脳みそ交換したら、私の体になった朱梨ちゃんはピーマン食べられるようになると思う?」

 

「えー、やっぱりピーマンは嫌いなんじゃないかな? だって、私の脳みそはそう感じてるんでしょ?」

 

「でも、私の舌が感じるピーマンの味は朱梨ちゃんの舌が感じるピーマンとは別の味かもしれないよ。」

 

「うーん、そう言われちゃうと。」

 

「ね、だから人の心って体、体全部じゃないかも知れないけど、体の影響を受けんだ、って。」「それから、心が体の影響を受けるんだったら、体への刺激で心が変わっちゃうこともあるんじゃないか、って。」

 

「どういうこと?」

 

「お酒飲んで性格が変わったり、あと薬とか。心の病気に効く薬なんかもそうだよね。それから、アレなんかも心に影響があるとか...」

 

「ふーん、なんだか難しい話してるんだね。でも、こういう話もたまには面白いかもね。」

 

「そうなんだ、それで、そこから話が脱線しまくって...楽しかったなぁ。」

 

高瀬さやかはそう言って、ふと大事なものを思い出したような気がしていた。変わらないもの、今まで好きで、色々あったけどそれでも楽しいと思えて好きなこと。

 

「ちょっとさやか、どうしたの?」

 

「え? あっ、あれっ? なんで?」

 

高瀬さやかの思いが溢れたのか、急に涙を流し始めたのだ。向かい合っていた三木朱梨と、そして涙を流した高瀬さやか自身も驚いている。

しばらくして、涙の流出は一段落し、二人は会話を再開させた。

 

「ごめん、ごめんね、急にこんな...」

 

「うん、それより大丈夫、さやか? 変なこと聞いちゃったかな?」

 

「そんなことないよ、話を聞いてくれて嬉しい。ありがとう。」

 

「私も、大場さんの参加する飲み会には参加しないことにするよ。」「それから、やっぱりさやかには今のとこ辞めないで欲しいから、大場さんのシフトに変更が出たらさやかに連絡する。」

 

「うん、朱梨ちゃんとお別れになるのも辛いし、今のとこ居心地もいいから辞めたくないし。だから頑張る。」

 

「そうだよ。」「それから...少し前になるけど、さやか木村さんを映画に誘ってたよね。」

 

「あっ すっかり忘れてた。あー、あの映画もうやってないだろうなぁ。」

 

「別の映画見つけて誘ってみたら?」

 

「あれからずっとそのままになってたから、木村さんもう忘れちゃってるよなぁ。」

 

「忘れててもいいじゃない、これから誘うってことで。」

 

「それもそうだね、何か面白そうなの探してみよう。」

 

その後しばらく話をした後、喫茶店を後にした二人は、そのまま駅で解散した。

 

「朱梨ちゃん、今日はありがとう。大分スッキリしたよ。」

 

「こちらこそありがとう。さやかの家この近くなんでしょ? 今度遊びに行っていいかな?」

 

「うん、そのときは歓迎するよ。」

 

「じゃあね、またバイトで。」

 

「それじゃあ、またね。」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。