※この作品はR-18です。

雷夏先生とゆく、緑蜜高等学校ダンジョン部!!!   作:山下敬雄

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みっつの設計図①②③

〝みっつ〟今すぐにそれができなければ楽天海都は死ぬ。

死の宣告を受けた高校生は、また巡って来たモンスターとの戦いの機会に一層の覚悟を持って臨んだ。

 

□

六角獣:

六角形のおおきな頭を持ち前方に身を守るオーラシールドを展開する。

主にそのおおきさとオーラシールドを活かした突進をしかけて獲物を蹴散らす。

硬質の体を持つが最硬質の頭以外は比較的に柔い。

巨鳥に食べられ絶滅したモンスターである。

□

 

突進をかわしハンドガンで狙えど、その六角顔は素早く可動し常に正面にある。

銃弾はぶんぶんと音鳴らし唸る六角からエリマキトカゲのように展開する広範囲のオーラシールドにはじかれて効きはしない。

やはりここのモンスターは特異で強い──改めて目の当たりにする楽天海都は惜しむことなく【設計図その①】を練り上げて仕掛けた。

 

彼の立つ既に敷かれたクレープフィールドから、ぽこぽこと可愛らし気な形を成し現れた白兎の群れが跳ねてゆく。

 

 

設計図その①【ホイップホッパー】:

【策咲CG弾】から純派生した技。

従来のトラップより能動的に攻撃することができる、生クリームのように軽やかな白兎たちを敵に賑やかに向かわせる技。

 

 

兎の群れが、六角獣に群がる。

群がったそれは激しい小爆発の連続を生み出した。突然ぶち当たり爆発した兎型に形成されたオーラに、六角獣は盾の内側に潜り込んだ数匹の爆発に驚き怯んだ。

 

 

『②──』

 

 

設計図その②【ブレードタートル】:

2本の鰭を生やした白盾を海亀に見立てた技。

投げつけることでオーラ感知した敵へと飛んでゆく。またこの宙を舞う海亀は進入させたクレープエリアから別の敷いたエリアへのワープ移動が可能である。

 

 

激しく爆発した兎たちは海都の敷いたクレープエリアの移動も兼ねるものであった。気づけば六角獣の四足で立つ足元は白く染まり。

海都は耳に合図を聞き、自身の立つ足元へと完成させた海亀を投げつけた。すると摩訶不思議にも離れた六角獣の足元から海亀が出現する。

ターゲットの無防備な腹へと地のマンホールが跳ね飛ぶように吹き出し体当たりした。

オーラシールド外、視覚外からの突然の攻撃によろめく六角獣にさらに追撃腹をココア色の鰭で三度斬り裂きながら舞い、オーラシールドを減らしながら転用したバルカンの弾幕を掻い潜りまた海都の元へと賢くも舞い戻った。

 

 

賑やかな奇襲に次ぐ奇襲にあいながらも勢いが削がれていた六角獣は足で土を掻き、なおもスピードを上げ猛進してきた。

 

『仕上げだ、③──』

 

 

設計図その③【トータルアップ】:

【巻膜CG弾】のスキルチップとレア盾をクレープエリアの中にともに沈め、攻撃を与えた相手のオーラと能力を分析し状況に即したビルドを盾へと施す回復強化術。【巻膜CG弾】とはちがい回復よりは能力強化の方に重点を置いた【巻膜CG弾】と【策咲CG弾】を合わせたまったく新しい派生技だ。

 

 

ビルドを終え盾を前ではなくその背に装着して、二丁銃を構えた海都は打って変わっていつもの守勢ではなくアグレッシブにたたかう意志を見せる。

盾は盾の役割ではなくその背にオーラジェットを吹かす海中闘技場のときのような機動力をあげる機能を持たせ。海都は六角獣のぶちかましを素早く横にオーラを噴射しながら避けた。

そしてすかさず二丁銃でモンスターの側面に弾丸を撃ち込んでいく。

 

急に動きがスピードが変わった海都に、六角獣は頭をあっちこっちに忙しく翻弄されてゆく。これが新たな派生技トータルアップの恩恵、自由な泳力を手に入れたように海都はひらりひらり機動しながら側面に攻撃を与えつづけてゆく。

 

そして──たまりかねた当たらないバルカンを撒き散らす六角獣は切り札をきった。

展開していたオーラシールドをさらに大きく広げて、そのまま前方へと放った。六角のオーラ膜が地を抉りながらターゲットへと向かう。そんな逃れようのない広範囲シールド攻撃に────亀は翔ぶ。

 

オーラジェットを一気に吹かして舞い上がった亀は、その背をみせながら、獣の頭上に現れる。

 

白い太陽をその重い六角の頭では見上げることはできない、そのように作られてはいない。

 

優雅に宙返りしながら白い太陽はピンクに熱帯び染まってゆく。やがて放たれた閃光は、天から降り頻るピンクの雨。

 

次々と突き刺さっていく熱いオーラの矢はガラ空きのガードを展開する六角獣の身を蜂の巣にした。

 

やがて爆発四散する敗れたモンスターと、地にすっ転び落ちながらも勝利を手にした若干高校一年生と。

 

「ハァハァっ……すっ、すごい。俺がこんなに! 今までと技から技の流れが…パワーが……段違い? こんなにっっ!!」

 

「それが本来の力だ。技と技の組み合わせ。技と技の流れが上手くいけば戦闘におけるオーラの循環はよくなる。オーラの循環がよくなれば動きは変わり、敵を討つための最適な行動を自ずと呼び起こす。ただし注意しろ技の優劣すなわちさっきのあちこちに敷いたトラップを起点にしたように優の技に劣の技を合わせより優れた技をツギハギ繰り出すには、慣れぬうちはオーラの消耗が多くなるということに。そして当然中にはマッチしないよくない組み合わせもある。だが成功したときのその威力はそのひとつひとつで完結したときよりも────敵を倒せる技となる」

 

転んだ高校生の手を取りながら、青髪は不意に手銃を天へと向けて雷の弾を放つ。

やがて弾から展開した青い膜は、天高くから煌めき覗き見ていた鏡鳥を捕らえて銀色に溶かし燃やし尽くした。

 

青髪の男の手渡した痺れる技の設計図は、命懸けの格上モンスターとの実戦にて、楽天海都のもつ4つの技を組み合わせ、彼の戦闘力と戦術の幅を飛躍的に伸ばすことに成功した。

 

彼は何者なのか何が目的なのかは分からない。だが楽天海都はおもむろに伸ばされた彼の手をまた握る。青と赤、やはり誰かと重ね合わさるその特別な色には逆らえないのであった。

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