※この作品はR-18です。

雷夏先生とゆく、緑蜜高等学校ダンジョン部!!!   作:山下敬雄

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14♡回復そして再戦

「最後に誰かに話せて良かった、体調も良好だ。この痣は…私への罰だとしておく。感謝する海都」

 

「えっとハイ。え──最後?」

 

「私に憑いた刀を神牙流へと返し、この地を去ることにした。これ以上私情で道場にも世話になった栃木の人たちにも迷惑をかけれない」

 

まくり上げた左の袖を元に戻していく。七分袖の水色の生地では、さすっても消えない不格好な痣のすべては覆い隠れきれない。その痣をここで今日、剣にはっきり敗れた証として心にしまい込んだ。

海都の目をみながらそう言い腰を上げたムスイは、陽の射すスイカテントの入口の方へと目をやった。

 

目覚めて、出会って、色々と、話もして、ひとときではあったが。

回復オーラを分けてもらい身体を癒した赤髪はさっぱりと重い別れを告げる。突然のことであったので海都も驚くばかり。

 

「ちょ!? そんなのっ、ウワっええっと…あんまり気にしなくていいんじゃないすかね!」

 

ここを発とうと導かれる光の方へと向かっていた…道着を着た赤髪は振り返る。

投げかけられたのは想像していたのとはちがった潔い去り際をまどわす言葉であった。

そして、彼女はあわてた様子の青年の声にすこし笑った。

 

「どういうことだ? 気にしないのは無理だ。私は自分の剣を見失い、秘刀を手にしいつもより変にウズウズと…気が昂っていたとはいえ、古井戸神子ではなく雷夏という流浪の剣士ならば私の剣を受けてもらえるとどこか甘え算段をつけていた……結果、ヤツに真剣を向けて自ら斬りかかってしまった。──剣士として、どころか人として失格だ。また流れ着いたどこかでおにぎり屋でも」

 

罪を並べるかのように語るうちにずんと、また、青い瞳の色は深く沈んでいった。

さっき微笑んでみせたのがなかったことのように、躁鬱をいったりきたり。

 

赤髪はたいそう、抱え込み沈み込んでいるように見える。

それほどまでに重いことなのか、ムスイのいざこざや神牙流と流水流の剣士たちの秘刀の奪い合い…どこまでが真実であるのかただの高校生ですこしダンジョンという特別な環境と時間をかじっているだけの海都には分からないが。

自分にスベテを言い残してダンジョンはまだしも栃木という大きな舞台から出ていく決意をされるのは……居合わせた海都自身にもすこし責任の一端があるようで困るものであった。

 

このままではきっとしんみりとした雰囲気で赤髪の女剣士は栃木ではないどこかへ帰ってしまう。

他人事ではあるがもうじぶんにもふりかかっている……それに雷夏先生にもあとで聞かれるとこだろう。それと彼自身が余所者でもあったからだろうか。

 

彼は何かを言わないとと思い想像する。なんとなくムスイと雷夏先生が真剣で対峙するシチュエーションを脳内に思い浮かべてみると……海都は先生がいつものように笑って跳ねて相手をしている、そんな絵しか思いつかないのであったので……。

 

「えっと…えっと! あ、先生ならなんというか…常に相手を探しているというか…すぐ命がけでダンジョンのモンスターにも挑んでますし!」

 

「ダンジョンか……そのときはたしか私は8つだったからな……取り纏める剣術協会もバケモノ相手に刃を振るうことには乗り気ではなかったと噂にきいたが。何故こんなところにソレがあるのかはしらんが、そのモンスターとやらとの戦いではまたゲーム感覚で真剣で斬り結ぶこととは意味合いが違うんだろう」

 

「きょっ今日も月山さんにもシデン・レイラさんにも真剣というか、ダンジョンのチップで召喚した剣を使ってたような…」

「いや決めたことだ、やはり」

「それにダンジョンにはシールド値…安全装置のガード膜?みたいなシステムがありますから、万一斬られてもそんなに痛すぎるとか危険じゃないみたいっすよ? 俺も…というか今日、何回かかるく蹴られたり斬られたりしたような…」

「なにを…いやしかし決めたこ」

「あと俺も栃木に越してきたばかりっすけど、あ、そこの道の駅のクレープグれ」

「何をべらべらと言っているッッ!!!」

 

「…え?」

 

「はぁ…もういい。せっかくの決意の旅立ちを邪魔されるのはこんなに野暮なものか。…やはり雷夏は存在そのものがぽっと出の意味不明でふざけたヤツだ。──来い、ならその真剣勝負に付き合え海都」

 

「ええ!??」

 

話の風向きが唐突に変わる。

よく驚く青年の腕を取りテントの外へと向かった。

 

砂を歩いていきやがてその掴む手は勝手に離れる、彼女に強く引っ張られていた青年は砂に溺れコケた。

 

熱い砂の絨毯から青年が顔を見上げると──

 

ムスイは自身の内から黄色い鞘を呼び出し顕現させた。

息を乱しつつも、刀を一本、魔法のように生み出してみせた。

 

「ッ ッッはぁはぁ…────実はさっきからどうしてもこの剣を捨てるのは惜しいと思っていた。まさに今更、私もヤツのよく言う…伸び盛りなのかもしれないな。私がこの剣で神牙流を…イヤ、雷夏、あの馬鹿を“ダンジョン(ここ)”で倒すのに協力しろ海都」

 

「ぷぱっ────…え……? イヤイヤそんな無茶苦茶!?? むすいさん!?? え刀はどこかに返すんじゃ!?」

 

「──しるかッあんなご隠居の爺さんッッ、コレを私に渡してぐぅぐぅー寝ていた娘を斬るように急かして笑っていたんだぞ? 気色悪い」

 

「ええ!? むすめを斬る!?? どういうどわっ!?」

 

黄色い鞘からすべらせ──前と背に、二度風音を置き去るほど速く斬った。

刃を剥き出し振り向いた赤髪に、起き上がろうとしていた海都は浴びせられた剣風にあわてて尻餅をつく。

 

「フッ、せっかくこちらが役に随分と酔っていたというのに──黙ってしんみりと見送ればいいものを歯切れの悪い、お前がべらべらと引き留めたのが悪い! ナ! これはぁ? 私をただ剣だけの馬鹿と勘違いしたか? それともッ! あわよくば…? そういう魂胆か、ふふ。流水の美剣士は安売りはしないぞ!」

 

「なにが…なな…なんでぇ!」

 

脚を前に砂地をずりさがり海都はそのまま動けない。

剣は人に向けてはいけないそんなことはよく考えると学校で習ったことはない…。

なんでその先生を倒すための刀が自分にも向けられているのか……。

 

太陽に照らされて笑っている。

刀も、彼女も、

 

へっぴり腰で見上げてよぉく見た…赤髪は何故か青く湖の瞳は赤く見えている。得物を片手に不敵にワラうその雰囲気がものすごくだれかに似ている…。

 

(スベテ、語った気になっていた。それもこれもアレも、自己満足の果てか…答えはやはり────ふふ)

 

ぶち壊すべき活きのいい壁も、

ほしかった剣も、

傷付いた身を癒すゲームのような回復薬も、

痛く敗れて気付けば彼女のまわりにはスベテそろっていた。

剣であり剣でなくてもここから行きつく先が、同じ自己満足の果てならばせめていたく後悔しないよう、

遠慮知らずの青髪赤目の剣士に倣って────

 

流水の美剣士ムスイは打倒雷夏を誓う。

 

 

ダンジョン(ここ)で

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やぁっ、たぁっ、はぁあああっ!」

 

〝タタタタタ────〟

 

「はぁっ、はぁっ、はぁあああっっ!」

 

〝タタタタタ────〟

 

「ちょっとっ、コレいったぁいっ、何をっ、やってっ、るぅうううう!」

 

月山雨楽楽は赤髪が出かけ際に言い残したメニューを25セット消化したところで叫んだ。

素振り10回と雑巾掛け1レーンの往復で1セット。

残り75セット。

 

足裏に刺さらないように砕け折れた木片を先ず掃き掃除しお片付け。赤髪に手渡された木剣を振り汗水散らしながら腰落とし雑巾掛けの前進運動。

 

〝タタタタタ────〟

 

また素振りへと移行する道場を清掃しながらも全身を鍛える修行になるムスイオリジナルのシャトルランである。

 

「ふざけてるとおもってたけどッ…これけっこう…足腰きてるううううってなんでわたしだけぇはぁああああ」

 

日も暮れ始めた、ひとっこひとりいない道場での女子高生の修行はつづく。

ちなみにサボっていたかどうかは貸した木剣を握ればすぐムスイには分かるのだという。

 

 

 

▽

▽

 

 

 

狭いスイカテントから出た2人はまた話し込んでいた。

刀はまた元の黄鞘へと──彼女のナカへとぐっと逃げないように仕舞われ────

 

「────なるほど話は聞かせてもらった、要約すると…ヤツの独裁支配するダンジョン部とやらから抜け出たいんだろう? しかしそれだけの…即効性のある回復の才をもっていたら、たぶん邪悪な勇者であるヤツは都合良く利用するため地獄の果てまでお前を追いかけてくるぞ。絶対的伸び盛り…などとのたまい私に150敗しても自身の身勝手な成長のために懲りないヤツだからな」

 

「おれは独裁とまではいって……────え、ひゃくごじゅ…俺の聞かされてたのと…」

 

スベテを話したムスイは今度は海都の話を聞くと、聞くと言い出し頑なに聞かなかったので…海都は渋々入学式の日から今までの考え得るじぶんに起こったスベテを時系列に沿って語った。

 

だが、話し共有したからといってとうぜん即解決にはいたらず、ムスイに話を整理し足された。整理され補足されたものの、ところかまわずこれと決め狙った対象に異常な執着をみせる雷夏先生のデータが追加で海都の頭にインプットされただけであった。

 

「何を吹き込まれたか知らないがアッチではヤツにはあの一回以来負けてはいない。落ちぶれた身であっても、ただの道場破りの獣にそうそう負けるか」

 

「そ、そうだったんすか…」

 

海都が先生に聞かされていた回想話とは両者の勝敗の偏りがまったくちがうものであった。

雷夏とムスイ、どちらも印象的で意志の強い青と赤を比較して彼がどちらを信じるかは……

 

「それはそれとして99連…勝だったか。──嘘外連味(けれんみ)を好き勝手盛り込んだ創作話であれ……舐められたものだなッッ」

 

「──ウワッ!?? え? ええ??」

 

突然、襲われる。

突っ立っていた海都は瞬く間に距離を詰めたムスイに、砂浜のベッドに突き飛ばされた。

本日何度目かの尻餅をつき──

 

「いてて……──ふぐっ!? っちょちょちょ!?おおおうぐぐ」

 

やわいお腹のマウントポジションに流れるような体捌きで跨られ、

 

「なんだその手は力比べか、よし──」

 

砂上で抗う手を(強制的に)繋ぎ、

 

「なな、なんでっすかぁ! ふんぐううううう」

 

繋がった手がじわりじわり、押し込まれ抑えられていく。

また赤髪は無表情からだんだんと、すこし微笑い。

チカラを込めてもけっきょく撥ね退けられない。

徒労におわった息を乱して、間をおいて腕の力を溜めた海都はとりあえずもう一度地から天へと押し返そうと試みるが。

 

「ふんぬっ」

 

「……」

 

「ぬぬにゅにゅッっ! ──」

 

「はぁ…そんなことだからおそらくヤツに上から舐められたままなのだろう」

 

「くっはぁぁ……そんなはぁはぁ無茶っすぅ…よ…」

 

やはり途中から先はどれだけチカラを込めてもびくともせず、海都の顔が息の苦しい必死さで赤くなるだけであった。海都の両手はぱたんとむなしく砂地に落ち、ムスイはそんな地力の伴わない無駄な頑張りを見届け彼の顔を見下しながら感想を述べた。

 

「オマエ…ちゃんと鍛えていないな。そもそも筋力がなさすぎてびっくりしたぞ。お前はその辺のぷらっと道場にきた女子高生以下か? ほんとうにそのへなちょこで男か?」

 

「じょ、じょしこ…いやムスイさんが強すぎるだけでぇ…その女子高生も、きっと…」

 

「力は出ないくせに言い訳だけはよく出てくるな…わかった、お前はメンタルからしてひ弱だ。ならば負ければどうなるのか、勝負の世界に身を置いた先輩として教える必要があるな?」

 

「いや、え、ま」

 

赤髪の彼女は雷夏先生より分かりやすく元気には笑わない、だが確かに彼女もわらう。

うっすらと、砂地に沈んだままの青年は影に覆われていく。

 

 

 

▼

▽

 

 

 

「どうした跳ね除けないともうはいるぞ」

 

もう幾度かムスイとガッシリと繋がった手にチカラを込めて海都は抵抗するが、出来うるかぎり抵抗してみせるが──

 

「あああああ」

 

多少の抵抗むなしく鍛えた女の腕に抑え込まれ、ムスイの秘部に海都のペニスは容易く呑まれてしまった。その逃れようのない挿入の瞬間、ムスイの鍛えられた身体が与えたあまりの締まりに、みちみちと圧されたペニスの刺激に情けのない声が出てしまった。

 

「またすぐ間抜けな声を上げる、これでは仕置きになっていないな、さっきのは本当に跳ね除ける気はあったのか? 海都」

 

「はねのああああ」

 

「女に跨られわめくばかり。ッッ」

 

既につながる男女ふたり組まれた騎乗位のカタチで、跨った女は尻肉をおろすピストンのスピードを上げた。

 

「あっあああはやっ──あああッ♡♡」

 

「……」

 

「ちょとまあああ♡♡♡」

 

「……」

 

無言で彼女はつづけた、しっかりと締まる膣圧は海都のペニスを逃さず。乱暴な程に速い騎乗位のピストンで擦れ高まる止まらない快楽に海都は耐えきれず我慢汁と声をだだ漏らすばかり。

ムスイは一度彼をいじめぬいた腰を上めて、繋がったまま身体を前のめりにし眼下の彼を近く覗く。

 

「今どういう顔をしているか、これしきで快楽に負けてばかりッッはぁ、情けないぞ海都…」

 

跳ね返す突き返す気概をみせるどころか、いいようにヤラれ受けるばかりであっただらしのない彼の表情を見てムスイは呆れつつそう言い、

 

「む、なんだまたこの手は──」

 

道着を掴んでいた無我夢中で。

海都はいつもの癖で雷夏の青いジャージを許されつかむように、着崩れ垂れ下がった水色の布端をにぎっていた。

それは気概や抵抗の意味というよりは……

 

「……」

 

彼のその行動が一体なんであるのかムスイは分からない。

だがその瞬間にきゅっと胸がうずくような…彼女の人体に未知の異変が起きる。

そのまま無言…ムスイはまた腰を上げ──尻をおとし──騎乗位ピストンを開始した。

ゆっくりと始動したそれはみるみると速まり、硬く聳り立つ肉棒を肉襞でしごきあげるように尻肉を打ち落としていく。

水音は先程よりも混ざり合い、分泌してできた滑りがぬるぬるとよくなり、膣壁と亀頭から根本まで擦れて刺激し合う。

やがてウエとシタ、互いのカラダが密着する程に近い。

海都は湖を彷彿とする魅惑的なアクア色の瞳を見つめ、そのナカに吸い込まれながら。

 

騎乗位ピストンの速まる刺激に耐え切れるわけもなく──射精。

 

だれかと同じぐらいの背丈であり、大きさであるムスイの道着にぎゅっと掴まりながら海都は射精する。回復オーラは注入され彼女の膣内からゼンブをあたためていく。またあのじんわりと染みゆく多幸感にムスイもまた声を押し殺すように喘いだ。

 

荒げるお互いの息はおなじ左耳に近く──はなれていく────

 

相変わらず情けない表情をした海都をしばし見つめたムスイは、彼のぽっかりと空いた口元にじりじりと寄り、顔を寄せ。

キスをしてみた。しだい舌を差し入れていき長々と……

海都が布をにぎる両の手のチカラが抜けるほどの大人のキスを味わわされた。

やがて口もはなれ──繋がったやらしい唾液線をムスイは拭う。

 

「癪だな────」

 

だれに仕込まれたのか、

だれに甘えているのか、

なんとなく想像はつき、特に海都に恋心があるわけではないが彼女はそれが何故かアレに負けたようで癪なのである。

 

悶々とする思考に、もう一度キスをし、もう一度青年の口を塞いだ。

 

「ふにゃぁあぁ…………むぐぅぐ!? ンンーーーーっ♡♡」

 

場所は風通りの良いスイカテント外、

2人とヤドカリしかいない砂浜での勝負?はつづく────────♡

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「しゃーーっすッッ」」」

 

 

「東京ふぁこしあん…はむっ──あむっ──……!? な、なに????」

 

消費したカロリーを補給、中央ひとりアンパンを片手に食しながら器用に素振りしていると──現れた。

 

威勢のいい挨拶をしぞろぞろと明かりのついた道場に入場していく大小─大大大大大、の人影。

ぞろぞろと現れる男衆に口元をあんこ色によごし唖然……。

 

「てぇーーいっっ」

 

そんなひとり呆気に突っ立つ──白シャツと灰スカート姿の学生に、いきなり無邪気に殺気が斬りかかってきた。

 

月山は手にしていた木剣で思わず反応する、かん、と無遠慮な木の音が響く。

しかし目の先にお相手はいない。

探すように見下げると──ちいさな子供がいる。

 

「ちょ!? 、ちょっとなに?」

 

「ぜったいちぇきぃぃ」

 

「ちょぅ、ちょっ、ちょと、ちょっとおおお────」

 

〝かん、かん、かんっ〟

 

げんきな木の音が月山に向けて滅多打ち、どこぞで聞いたような台詞を放ち出会って幾秒なのにちいさな女の子は一切遠慮という概念がない。訳もわからないまま始まってしまってトマラナイ木剣を受けつづける。

なかば赤髪に科せられた罰のように掃除と修行メニューに没頭していた女子高生月山雨楽楽は、腕組みわらい見届ける男衆と元気な子供たちの押し寄せた夜の道場に迷い込む……。

 

 

 

▽

▽

 

 

 

2度目の補給行為を終えてチクチクとしていた嫌な痛みは完全に引き、身体も軽くなった。

摩訶不思議にも癒えていく回復という便利魔法をまた実感しつつ、眠る青年の顔を見てムスイは笑った。

 

「こんな少年にも才とは…ふざけているなこの環境は、──ふふ。ばからしい」

 

ふざけたスイカテント内のクーラーボックスからサイダーを拝借。緑蜜サイダーとやらはやけに炭酸が強くいいものだ。バチバチと爽快に喉を潤し、備えはバッチリ。

天を仰ぎ飲み、くるくると舞った透明瓶は役目を終えて砂浜に重くささる。

最後にもう一度髪を解き、青いヘアゴムをしばし見つめ……忘れていたものやまつわる顔ぶれをその青を見てはおもいだし、また──後ろに纏め上げる。

 

そして──予想通りにヤツが来ていた。

 

視界に入った赤目は笑いながら足音は近く、ずけずけ、ずけずけと、軽い砂音を立てる。

 

「んや──起きてたか? さすがりゅうすいの美剣士タフだな! ほぉらこれ、夏ちゃん見舞いスペシャ」

 

左に手にする小さなチップから召喚。

ダンジョンのルールに則り出てきた刃で風を切り、立てていた黄色くまがった余計な世話を左から右へ水平に真っ二つ。

 

「余計な世話などいらぬっ、特に貴様のはなッッ」

 

バナナは斬られた。

斬られたバナナは落ちない、切れ味鋭く……青髪の女は動じず皮を剥きフタツになったバナナのヒトツを平らげていき、

 

余ったヒトツは病み上がりに手渡そうとする。短く黄色いソレもまた水平に斬られ、二等分にされていた。披露されたその精度はとても病み上がりの剣にあらず。

 

「そんなバナナ…とはよく言ったものだなぁ、──はは」

 

おどけた挑発に対し上をいくのは真剣な挑発。偶然にも試し終えた雷夏は十分と──躊躇いなくおなじようにチップから剣を召喚し構える。

 

今度はいきなり赤髪のあちらさんから襲っては来ない。それどころか感じるのは、感じるどころではなく目に見えるのは、いつものムスイの誘い受ける…足裏を冷やすほどに張られたオーラ陣。

 

ダンジョンにてムスイの剣の本領が戻ってきていた。

 

それは今の雷夏にとってもとてつもなく────

雷夏はやはり笑い、ならばと、遠慮なく向かっていった。

 

「ッッ────もうそのインチキは通用しない、貴様の言うオーラ、今の私にもハッキリ見えるぞ!!!」

「寝ている間にすくすくと何をインストールしたか知らないが、フフ!」

 

互いのオーラとオーラ、今度は木剣ごしに感じるだけではなく、鉄の剣が到達しなくてもハッキリと解る。ムスイは自身のモノと、雷夏のモノを今完全に見て……よりオーラという自身にもそなわる魔法のような事象を理解した。

 

あわせて二合、味わうように長々と打ち合った青と青のオーラ色は離れていく。

 

「貴様その色は私の真似か! また知らずうちに私の剣の色を盗んだか!」

 

「それを言うならダンジョン初心者のムゥちゃんがパクったとしか思えないが? ははは私はパクられてもむしろ嬉しいが」

 

「やはり減らず口は癪ッッ──今後一切私に対してそのおどけた口を聞けなくしてやるッッ伊達者ッッ」

 

「伊達でも伊達巻きでも政宗はクレープにして巻いても、夏ちゃんは夏ちゃんだからナァっ! ようこそっっ!!!」

 

まだ陽の照らす時間知らずのビーチで、戦いはじめたムスイと雷夏。騒がしい風と降る砂粒に目覚めた海都は、いたい寝ぼけ眼をこすり目の当たりにする。

 

「な、な、なんでむすいさんと先生が…たたか…ええ??」

 

渇いた喉でぼーっと迫真の殺陣を見届けていく。

凄まじい剣撃をお構いなしに互いぶつけ合っている。

夢であってもこんな種類の夢はそうそう見ないので、夢ではない…。

 

しだいシールド膜がひび割れる程にオーラをノセた刃をただただぶつけ合う。

 

どちらが上か、この場で決着が着くのかもしれない。

そんな勢い、2人のぶつけ合いに耐えきれず砕けた刃を更なるチップで次々手馴れたように取り替える。

赤と青が同じような青のオーラを纏わせた剣と剣で交わり絡み合う、目まぐるしく目が離せない瞬きは厳禁──その様を固唾を飲み青年は見守る。

 

「(オーラとやら、掴みかけてはいるがまだ慣れないチカラ任せだ…ここはヤツの庭いわば私の方が今度は素人、そうそう簡単にはいかん…予想はしていた…だがッッここでただで雷夏に負けるのは癪)なれば…今だ海都お前の言っていた技で私を強化回復しろ、今こそ【一世一代】だ! このままこのダンジョン馬鹿を協力してぶち壊す!」

 

「え、いっせいち…あ! ハイ!」

 

【一世一代】:

それは海都とムスイとその他流水流の3人のみに分かる、仲間内だけで通じるとくに意味のない古びた合言葉であった。

しかしその忘れ去っていた合言葉に意味を持たせて何かあれば助けるとムスイは此度の礼として海都を信頼して教えていたのだ。

つまりこの場合は逆であり……ムスイに【巻く膜クレープグレープ弾】を撃ち込み強化回復することであり、海都はムスイのために雷夏を倒すために一世一代の協力をする、そしてそれが海都が雷夏の支配するダンジョン部を抜け出す勝利の一歩へと繋がる…というものであった。

 

 

「ナニィ!!? か、カイト生徒ナニをやっている!?? 回復するのは大好きな夏ちゃんと夏ちゃんピースだけだっ!!!」

 

「いいや一世一代ポーズだけだ」

 

イチと、ニ。

同じく掲げた指のポーズで困惑する海都生徒の方を向き必死にアピールする。そのポーズで固まった2人は、ふたたび睨み合う。

 

「なんだそれは! 頭がぱーになっちゃったかムゥちゃん!」

「フンっ、元からぱーの貴様はぱっぱらのぱーか?」

「ほぉ、ダンジョンがぱーっと分かりつつあるか」

「散々受ければこうもなる。ここでの戦い方も海都に聞かせてもらった、チップとやらもまだある。貴様のよく言う伸び盛りは貴様だけじゃないぞ、レベル上げに私を利用したつもりのようだが…自分を本物の勇者か何かと勘違いでもしていたか? 邪悪?」

「ははは勇者でRPGだなんてお堅い剣士が案外おもしろい考え方をするんだな、んやー夏ちゃんは絶対的に勇者タイプだが、ならムゥちゃんは犬がダンジョンに化けて出た、お姫様といったところか」

「また訳の分からんッッ、貴様は朝起きて一度よぉく鏡でも磨いて見ていろ! ここで砕けて貴様もしばらくネムレ伊達者ッッ」

 

また剣と剣で語り絡まり合った青と赤の女剣士。

喧嘩なのか、真剣なのか、なんなのか…剣をしらない海都には到底分からない。

 

「なんか…抜け出すどころか…先生が増えただけなような……」

 

髪にかかった砂をなんとなく払いながら、一世一代の合言葉で手にしたハンドガンを下ろし冷静に…海都はまた見届ける。せめてこの勝負に水をささないよう……

 

 

「「はやく回復しろッッ」」

 

 

「ええ!?? な、なな、ど、どっちすか!?」

 

「「私だ!」」

 

「ええ…」

 

ふたたび天に掲げられた夏ちゃんピースと一世一代ポーズ。

 

どちらに撃つべきか。そのどちらも激しくて青いオーラ。板挟みの海都はやわくトリガーを握り…握り込めない。赤髪か、青髪か、どちらか決めることは一介の男子高校生である彼には不可能。

 

必死な美女ふたりに威圧されては大いに困惑するしかない。

 

のんきにピースを掲げている隙を見てムスイは雷夏に斬りかかった。

雷夏は槍に得物を持ち替えて戦い方とリーチを変えてムスイに仕返しをする。

もはや不意打ち槍撃ち誘惑回復騙し合いなんでもあり、出会って再び勃発した雷夏とムスイの戦いはつづいていく────。

 

 

 

 

 

 

卵型の膜にはひび割れが目立つ。

激しい切り結びの際に口頭で結ばれた勝利条件は相手をシールドブレイク状態にすること。

間を取り、乱す両者の呼吸音は静寂にながれ──ついに、オーラとダンジョンの武器チップを用いた戦いの決着はつかず。

 

そしてまばたき少なく観戦していた海都の方をゆっくりと振り向き見ているのは、ふたり。

 

「え? な、なな? …先生? …むすいさん?」

 

海都は砂に疲れたが力強い足跡を置きゆらゆらとこちらに近付く赤と青に、イヤな風を感じ取ってしまった……。

 

 

 

▽

▽

 

 

 

赤髪は砂浜に押し倒した青年をまた腕力に物言わせねじ伏せ跨る、後ろに纏めた髪は解かれ……。

男の喘ぐ声とともに杭打つような騎乗位ピストンが既に始まっていた。

 

本日3度目になる。赤髪にヤラれている海都の視界に青髪のカーテンがさらにかかった。

ムスイは海都に騎乗位をつづけ、雷夏は頭側へと回り海都を拘束──包囲。

息を荒げた海都の表情を逆さに上から見下ろす、あのワラういつもの赤い瞳がパッと2つ元気に見開き咲いている。

 

「浮気かカイト生徒。あんなに大好きだいすきとしがみついていた雷夏ちゃん先生がいながら♡」

 

「ええ!??そんなことっあああああ♡♡♡」

 

ピストンを止めたムスイのおまんこは急に締まりが強くなり、ペニスを伝う不意打ちの甘くはげしい肉襞の拘束技に、思わず海都は情けない声を漏らしてしまった。

 

「ナニをこそこそやっている海都、こっちがおろそかだッッ──」

 

「あっ♡まっ♡あ、あああああ♡♡♡♡」

 

そして再び始まったのはさっきよりもいっそう速いムスイの本気騎乗位ピストン。ぱんぱんと尻肉を打ちつけ、鍛えた足腰、膣の締まりで海都のまだまだ低レベルのペニスを一気呵成に責め立てる。

 

また、何かにしがみつこうとやり場なく伸ばした海都の手は────

 

「おっ──ムゥちゃんに手まで繋いでもらってぇ、意外なラブを見せつけてくれるなぁまったくぅ♡」

 

ムスイの手に押し倒され精一杯の抵抗をした時と同じようにがっしりと組み合わされてしまう。

 

これがラブであるかは海都には分からない。

ただ、抗うスベがない。

抗えず押し寄せ続ける快楽にぎゅっと、手にチカラがこもる。

 

そしてあっさりと迎えた射精の瞬間。

 

より一層恋人繋ぎで繋がる手に力がこもり射精していく。

そのタイミングにはげしく一度打ち下ろされた騎乗位ピストンで──びゅーびゅーびゅるるびゅーーっ…

 

ムスイの膣内へと勢いよく白濁を漏らしていく。

さらに収縮する膣壁に締め上げられ、絵の具のチューブのように絞り出される……。

両目を閉じ天を仰ぎ、味わう────女に至福を与える回復オーラの効能がまた染み渡っていく。

海都の視界には変わらずワラい彼のナキ顔を見守る赤目と、

遠く見つめてすこしワラう、汗ばむ赤い乱れ髪とアクア色の綺麗な瞳がある。

 

ムスイと雷夏、この2人に一緒にされるとは海都は思ってもみなかった。そのまま綺麗な宝石のような瞳たちに見守られ……とても深く陥った恍惚のままに……疲れた身は心地よく眠りにつこうと……

 

▼

▽

 

「やっぱり夏ちゃんが大好きなんだな」

 

「ああああああ♡」

 

つけるはずもなく──赤髪の次は青髪。

 

おなじく騎乗位ピストンで競い合うようにノリノリで海都の射精後のペニスを共有し責め立てていく。

 

「夏ちゃんはやさしく、い♡く♡ぞぉ♡」

 

そんな言葉と裏腹に激しさを増す。ムスイとの補給行為で色々と混じり合ったぬめりをそのまま利用してやらしい水音を結合部に尻を打ち付ける度に立てていく。

ムスイ同様のアクセル全開の騎乗位を乗りこなし披露。

 

「どこがやさしくだ、ヤルことは貴様も同じじゃないか雷夏」

「カイト生徒はこれが1番好きだからなぁ! そらっ」

「せんせひゃめああああ」

「ひゃめひゃめぇ♡ほらムゥちゃんと夏ちゃんどっちが好きだ♡まったくぅ、いってみろほらほらぁ♡」

「そ、ひょんなのあぁ…♡」

「フンっ、無論私だな。おそらく海都は私に惚れている、それに私は気付かない程鈍感ではない。前にいた道場でもよくあったからな」

「ははは自信家だなぁ、さすがりゅうすいの美剣士その美しさに違わないってかぁ♡」

「そのふざけた名であまり呼ぶな、あとるすいだ。──む、海都またそんな負け顔をしているな──」

 

今度は天に青い瞳がフタツある──選手代わって頭側はムスイが見下ろす、そしてもう雷夏が与えつづける騎乗位の快楽に負けそうな堪え性のない雄の顔を見たムスイは、

 

──キスして塞ぐ。

 

暇を持て余すのも癪、遠慮なくムスイは海都のだらしなく空いていた唇を奪った。

 

「あぁっ! カイト生徒の大好きな夏ちゃんキスをしてやるつもりが、──アーア♡」

 

「しかたない、まったくぅ♡こんな美剣士ふたりがそろう、のは滅多にないぞぅ?もてもての贅沢だなカイト生徒はそらっ、そらそらッ、もうひゃめぇ♡なんだろ?♡」

 

「あああせんせっひゃめぇあああむぶっ!? ンンーーーー♡♡♡♡♡♡」

 

唇が離れたと思ったらまた息も喘ぐこともできないほどのキスの急襲で塞がれる。

繋がったまま速まる雷夏ちゃん先生の激しく全力で貪るような腰使いに……彼が耐えられるわけもなく……

 

海都はあえなく射精した。

 

「ンっ♡♡──」

 

雷夏の中に注入されていく、いつも以上のザーメン量。

回復オーラを用いての全身を満たすセックスに雷夏もまた目を閉じ、生徒との行為をたのしむように恍惚多幸感に入り浸る。

 

やがて膣から抜かれ……ごっぽりと、逆さに垂れ流れていくオーラを吸い尽くされた白いザーメン。

 

「フフフフ、2回目でも濃厚なオーラザーメンだ♡美剣士2人相手はカイト生徒にはすこし刺激的すぎたか? このこのぉ♡フフフフ」

 

「ジュルルル、ちゅぷ…────美剣士は1人りゃ、もうひとりはどこにいる?」

 

補給行為を終えた2人はおもむろにその場を立ち上がった。

青髪は背を猫のようにお日様にめいっぱい伸ばし、

赤髪は青髪に並び歩きながらほどけたままだった髪を結び直していく。

 

「おやぁまた自信家か? はははなら今度の夜の道場の人気投票で真のヒロイン勝負だ!」

「馬鹿か? 剣士がそんなことをすすんでするなっ、気色悪い」

「んや? どっちつかずでキャラが読めないぞりゅうすいの美剣士? てっきりそういう人気投票ものが好きなのかと(夏ちゃんもゴッチャンには隙あらばお便り送ってるからなぁーっ)」

「美しさは捨てるほどでも遠慮するほどでもないだろう、女ならばまた別のことだ(ゴッチャン? なんだそれはイカれたか)」

「おぉっフフフフそれは持つものの余裕だなぁ。やはり夏ちゃんと同じっ! そういえば背もおなじぐらいか? 何センチだ? そだせんせいと抜き打ち背ぇ比べしよう! すいすいー」

「貴様と同じにするな。顔格好だけの伊達者──その手はやめろ、測るな」

「そか、ところでダンジョンいくぞ! ムゥちゃんも夏ちゃんもシールド値もMAXに戻ったみたいだ♡」

「はぁ…お前は自由すぎるな」

「夏ちゃんだからな! 絶対的!」

「夏ちゃんとやらはもう許容するが、絶対的とかいう伊達台詞だけはヤメロ! そもそもそれはなんだ? ワケの分からん幼児語か?」

「夏ちゃんは夏ちゃんで絶対的だからなー、──ちなみに絶対的の果て私はそれを目指しているぞ! そしてそれはダ~んじょん★にある!」

「お前といると頭が痛くなりそうだな…」

「一世一代よりは──」

「雷夏…あとでもうひと勝負だ、今度は技とやらを舐めずに使え」

「はははは、あぁいいぞのっぞむところー! ならダ~んじょんの後だな!」

「チッ、──仕方のないッッ」

 

静寂と海音の中で互い好きなように会話する。

雷夏とムスイ、海都の回復オーラザーメンでシールドの補給を終えた2人の勇者は意見をすり合わせこれからダンジョンへとレベル上げに向かう。

 

「ああぁ…せんせ…むすいしゃん…♡…」

 

唾液でよごされた情けない表情にやらしいニオイがひろがる。ペニスはまださっきの行為を反芻妄想しびんびんと硬くおさまることをしらない。

海都は砂のベッドにぽかぽかとあたためられ、赤と青、美剣士2人との残した夢のようなセックスの余韻を味わいながら……また大変心地良いネムリへと誘われていった────────。

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