※この作品はR-18です。

雷夏先生とゆく、緑蜜高等学校ダンジョン部!!!   作:山下敬雄

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最強vs最恐❶

ケイオス満ちるその黒いおおきな胃袋を満足させるのはどちらか……。

 

重くぶつかり合った一太刀同士──やがて地を砕いた大剣と、素早く後ろを取った秘刀。

容赦なく浴びせ斬る雷剣が新獣エスカのガラ空きの背を吹き飛ばした。

 

体勢を崩した白い獣は、それでも振り返ると同時に素早く再び青髪の剣士へと仕掛けた。

しかしまたも刃と刃がかち合ったと思えば背後や側面から斬られている。

気迫の鳴き声を上げ性懲りなく剣を振り回し挑む度に、痺れる刃が何度も何度も生まれたばかりの未熟な新獣のその白いカラダへと刻み込まれていく。

 

まだまだ赤子、いくら立派に形だけを真似ようが武を剣を理解できないか。そう思われるほど青髪の剣士が優勢に闘いを進めていたように見えた、がしかし幾度目か合わせた刃に反響する違和感は段々と鋭くなる。剣士の手に返るその威力その感覚は鋭さを増していた。

 

「! 自分で削り出したか……!」

 

剣と剣を重ねるうちに火花を打ち鳴らし、それは削られ鍛えられ洗練されたフォルムになりゆく。

今白い獣が手にする右の腕一体型の剣は、男の雷剣のスピードに対応できるほどに美しい反りを描いた刀に似た構造を鍛造していた。

 

赤熱の色が褪せて光を放つ…その新たな琥珀色に透き通る刃に受けとめられたのは速い雷剣。

新獣エスカはその手応えが喜ばしいのか、またうるさい鳴き声を上げると同時に刀身に込めるオーラを昂らせる。そしてしっかりと受け止めていた男の刃をついに自らの剣で弾き返した。

 

しかし装備する剣を急造で鍛えたとて……青髪の剣士は竦むことなくもったいぶらずに体内のスイッチを入れ仕掛けた。

己の内側にオーラを駆け巡らせ、外側の己のレスポンスを上げて仕掛けるその技【雷牙獣連撃】。

目にも止まらぬ素早い刃の連撃が白獣の体に噛みつきつづけていく。

せっかく鍛えた琥珀の刃も男の技の全てを受け止めるには至らない。

遅れ咲く雷撃に痺れ縛られ翻弄されつづける白獣に、またその鋭い牙が背後から襲い掛からんとしたそのとき──

 

急に現れ飛び出た琥珀の結晶は、その獣の背にめり込み……また戦闘記憶を呼び覚ましビルドする──ドリルのように尖った先の大きな尻尾が男の刻まんとした雷剣を受け止めた。

そしてその機能は背後からの攻撃をかばい受け止めるにとどまらず回転し始めた尻尾のいかついドリル部は、身に溜め込まされ帯びていた痺れるオーラを外に逃がすように放出し始めた。

 

「──!!」

 

なんと【雷牙獣連撃】その技を途中にも打ち破る。青い剣士の強さを対策するように新たな武装を得た新獣エスカは、散々刻み込まれた男のオーラを逆に利用した乱れる雷を宙に放出し驚かし、さらに高速回転したドリルでその纏わりつく剣ごとを削るように吹き飛ばす。

 

次々と琥珀に眠る記憶に更なるアップデートを加えながら白いその体に宿し、物真似にとどまらない独自の急成長を遂げていく新獣エスカ。

ご機嫌に掲げたドリルの尾を天に唸らせながら、帯電した痺れるエネルギーを循環させ琥珀の右剣に纏わせた。

 

両の赤い眼は睨み合い灯る。モンスターどもの屍を築き上げたこの黒い異界…どちらがこの場の最強の生物に相応しいのかを……新鮮なパワーアップを遂げた新獣エスカはもう一時も待ちきれない。男と同じ色を身に眼に剣に宿し、意気揚々と喰いかかるように襲いかかった。







決着は❷へとつづく
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