※この作品はR-18です。

雷夏先生とゆく、緑蜜高等学校ダンジョン部!!!   作:山下敬雄

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番外編 ダンおねちゃんねる0.98

クリスマスイブ、人々は今日という日の特別を分かち合う。それは様々な形で、媒体で。たとえ遠く離れていてもつながり分かち合えるのだ。

 

「はい、だんだんだだだだダンおねぇええ!!! だっだっだだっだダンおねえええ!!!」

 

「ゼハァゼハァ……はいっ。きょうもやります…ダンおねあるあるぱーと⑨──ダンおね実はぁ…リスっていきものぉ…いっかいもみたこと…なぁぁぁぁい!!! かっこ、この際イタチでも可。てことでダンおね隊長にお友達になってほしいげっ歯類ぜひぜひまだまだ募集中でぇーす↓↓↓」

 

「てわけでェ!!はい、はじまっておりますつづいております超絶売れっ子(になるよてい)ハイシンシャダンおねの生配信! 聖なる聖なるなっまはっいしーーーーんガシーーーーン!」

 

盛大にひとり盛り上がり始まったとある新人ハイシンシャの生配信。

視聴者にむけてカメラを回し、自分の顔すがたを笑顔いっぱいでさらけ出すてくてくチューブ配信者ダンおねの生配信がもう恒例になってきたOPネタをはさみ始まっているのである。

 

そして──このところなかなか勢いのある配信者の絶賛配信中のカメラの元に、

 

「今夜は特別ゲストの山田晶子(やまだあきこ)と」

「ふつうのゲストのしちょうしゃくんをお呼びして」

 

「山田晶子(やまだあきこ)って誰ヨ! 聖夜に他人様の本名さらっとさらしてんじゃないわよ」

 

「あはは…っすね…」

 

今日は2人のゲストが集った。映る後ろには視聴者の見慣れたいつものベッド、ホイップクリーム色とイチゴ色のおかしな枕、いつもの全体的になぜか小麦色の部屋、場の色調を引き締めるビターチョコ色のシックなテーブルに胡坐を組みみんなの大好きな配信者がお送りするいつもの撮影場所であった。

 

「そうそうっすね毛のやまだあきこじゃなくて、めんごめんごのチャンネル登録者数107人のますかっとまんぼーちゃんねるのンボおねをむかえてぇ!(がいようらんからぽちっと瞬殺登録してあげてね♡)」

 

「つまびらかァァ!? ソッ、そこは3日前はじめたばかりのでいいのよ!はずかしい!(あ、ぽちっと瞬殺でチャンネル登録よろしくね♡)」

 

「あ、でねでね! まぁまぁそんなことより今夜は」

 

「そんなことって何ヨ! ずっとしつれいねー」

 

「まぁまぁ今夜は失礼も質のある礼ってことでぇ! 無礼講!」

 

「シツレイもブレイコウもいいけどもうすこし脳(ブレイン)をつかって質のあるトークをたのむわ。はいはいそれで…〝ますかっとまんぼーちゃんねる〟今ぞくぞく増えたチャンネル登録者数142人よりすごいことなんでしょうねぇ??(んぼぉー?あれれぇ? いまみてくれてる画面の向こうの生視聴者数となぁんかポチってくれてる数が合ってないなぁ? ──瞬殺登録よろしくね?♡──ね?)」

 

「だーーーーーん!! もちろーん、期待してて。てかもうみんな期待してる?? そうそう! ここからよ! ここからが質! クオリティ! これ以前は並、凡」

 

「なんかディスられをかんじるわねぇ」

 

「そうそうでぃすいずクオリティ! ここからテンション! 爆上げ! じゃぁじゃぁみなさんしちょうしゃさんももうコメがてくてく渋滞して待ちきれないということでぇいっくよーーーーー」

 

 

「なんとなんと……てくてくチューブ、創設半年未満のダンおねちゃんねるにして……カイキョカイキョのチャンネル登録者数0.98万人達成おめでとおおおおおを祝してイブっていくぅーー!!!」

 

「「いぇいいぇいいぇえええいい!!! イブっていくううううう!!!」」

 

「ってなんなのよその歯切れの悪いちまちました数字!(あとイブっていくなんてワードはじめてきいたわよ)」

 

「あひはは、まぁまぁそこはしめしめ…イブにかこつけて、お互いお情け登録者数伸ばしていくううう!」

 

「はぁんなるほど姑息ねぇ。…って誰が姑息よ! お情け登録の192人よおおんぼおおお!!(あ、お情け登録は概要欄から♡まずは0.5千人目指してイブっていくぅ?)」

 

「「ってさっきからなにやってんのしちょうしゃくん」」

 

「へ……? あぁっと、ひょっとしてコレ…今じゃなかっ……っすね。あはは…」

 

そんなこんなで長ったらしい2人のトークから始まった、そしてもったいぶらず発表した快挙カイキョの1万人間近のチャンネル登録者数を盛り上げ祝っていく。アシスタントの海都は用意されたクラッカーを鳴らしたが──それはどうやら彼の早とちりだったらしい。ダンおねとンボおねに遅れてツッコミを入れられた海都がはなった失敗のクラッカーさえ、配信を盛り上げる名采配、コメントは加速しばか笑いにつつまれた。

 

 

散らばったクラッカーの残骸を片付けながら…

そしてのこり80人ほどでのチャンネル登録者数1万人達成の大台にのる素晴らしい瞬間を待つあいだに、ダンおねは生配信での視聴者からの質問タイムを設けた。

 

 

678てく:しのダンジョンってなんですか?

 

「死のダンジョンはねぇ、死鳥舎(しちょうしゃ)とともに生配信しながら一階一階クリアしていく意味不明でおっかないダンジョンのことだよー。入り方は簡単。プロジェクターっていう専用機械のレンズから家の壁にあやしい光を投影してね準備をととのえたらそのまま壁に突撃ダーーーイブする!! ダイブした先、電境世界ってところのとある座標にあるのが死のダンジョンっていうんだべさ。えっへん博識ダンおね先生もみせつけていくううううそしてぇ! 固有スキルと道端で拾ったかダンジョン管理組織のDODO(ドッツ)で購入したバトルカードを駆使してモンスターをぎったんぎったんにしながらみんなと楽しくダンジョンを攻略していくうううってわけ。うん、そんな感じぃ」

 

「でねでねぇ! 聞いて聞いて! そんな死のダンジョン出身のエリート探索者なダンおねが迷い込んだこの世界! の! 訳の分からないダンジョンはねぇ。なぁんでか仕様がアッチとちがってて便利なAIカメラもないし、ダンジョンをすみずみ探索してもモンスターをぎったん倒してもダンおねの貴重な戦力であり戦闘方法であるバトルカードが手に入らないのー。だからだからダンおねもねー、今オーラってやつを月額5000円コースでコスプレイヤーのデレおねから習いながら、そうこの世界のダンジョンに…ダーーーーーーん!!!ジャストフィットした新スキルを絶賛開発してるところってわけよー。──え、さっぱりいみふめぃ? あひはははそれはしつれい」

 

 

681てく:ダンおね隊長がよくいってるおかなしえいこってなんですか?

 

「はいはいはいあい♡でたでた人類最強のデカ女、丘梨栄枯のはなしね」

 

「〝ええ、ひじょうに!〟 まずはこれが丘梨栄枯のくちぐせ、わかった? その人はねぇダンおねがいた世界のバグみたいな存在でねぇいっつも吐信ではやりたい放題わがまま平然と独裁してるのー! あとねー、隙あらばシルファンカレーをぐつぐつ煮込んでる自称料理上手な31歳なのー。あはははー。ダンおねはねぇそんなおもしろ吐信に観てあこがれて自分も死のダンジョンのおもしろ吐信者になっちまったのー、そしてぇ!もっともっとおもしろくなって丘梨栄枯といつか吐信でコラボするそれがまぁまぁ今のダンおねの目標なのー!! そうそうそうそう! 今ダンおねはね実力をよぅやく認められてね、丘梨栄枯とおなじキュプロっていうDODOランキング17位のパラソルガールがやってる吐信者事務所にいるんだけどねぇ──え、ここまでもさっぱりいみふめぃ? あひははは安心してください、ここからもサッパリ意味不明ぃ!! ダンおねが聖夜にサッパリイミフメイを垂れ流していくぅーーーハイっみんなの時間泥棒、ダンおねです! てことで今後ともこんなイミフメイなワタシだけどご視聴よろしくうううチャンネル登録はそのままにッッまだの人類はお早めにッッあひははははは」

 

 

697てく:ダンおねのスポーツ遍歴?

 

「えっとねぇ、空手、卓球、ピアノ、ヴァイオリン、ラクロス、ラグビー、じゃがビー、ぽんぽこりんのぽたぽたやき、あとシンシンシンシン新体操。その他いっぱーーい!ねぇねぇすごいぃ??お習い事お多彩なお嬢様だったのーおーっほっほっほ──え、そんなにずいぶん金かけたわりにこんなのが世に出てきてぇ? ────はい…?こんなの? どんなの? ねぇねぇ703てくくん、こんなのってどんなのぉ? んー……〝ダーーーーんじょんっ!!!〟 あ、こんなのか? こんなん出ましたぁヨモスエヨモスエあひははは」

 

 

727てく:きのこ企画はもうやらないんですか

 

「あぁーー、さむくなってきたしいまは時期じゃないねー。あははっ。てかしばらく茸類はダンおね的に見るのも触るのも煮込むのも食べるのもNGなのーごめんねごめんねー!」

 

 

 

 

「っし! できた! 【カリぷるコーヒーゼリークレープ】。ダンおねさんコーヒーゼリーが俺ん家の冷蔵庫を埋め尽くすぐらい好きみたいだから…まぁ…これで────うん! クリーミーでほろ苦くてカリぷる食感で美味い!(あれ?これ、なかなか?? あとで母さんにも食べてもらおう!)」

 

一方──しれっと配信カメラからフレームアウトしていた海都は別室、自宅のキッチンで祝いの巨大クレープ制作をしていた。

味と食感はバッチリ。さいごに〝ダンおねちゃんねる1.0万人達成!!〟のプレートチョコを慎重に映えるばしょに添えて……。

 

 

さっそく上出来の仕事を終えたエプロン姿の裏方はキッチンから〝かいとのへや&ダンおね撮影部屋〟のドアへと近付き、耳をすます。

ドア越しに聞こえてくるのは元気な大人女子の声。9995、9996……ふたりが大声でいっそうはしゃぎ数えるカウントに釣られ笑いながら、──タイミングはきっと今、海都は堂々と祝いの一品をひっさげて明るい声のする部屋の扉をあけた────────。

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