雷夏先生とゆく、緑蜜高等学校ダンジョン部!!! 作:山下敬雄
聖夜は終わらない。
今夜はいつもの配信よりも特別な1年に一度のクリスマスイブブーストを得て、登録者数1.00万人達成のためになりふりはかまわない。
配信者は生配信をいつものように明るく垂れ流しじわじわその数字をひとつひとつ刻み伸ばしていくが、しかし途中なかなか思うようには数字が伸びない。
そこでふとかかげた──【1.00万バニー】という目標。もしも仮に1.00万人を達成すれば麗しの大人女子2人が今の冴えない服装から皆の大好きであろうバニー姿に生着替えするという配信者と視聴者との約束が、テンションの上がる生配信途中にとりつけられた。
そんな言葉約束ひとつで釣り上げたチャンネル登録者数は、約束を履行された今もなお増え続けている。
職業配信者はその体を張ることでいくらでも元手なしで、ただしあらわに露出するありありの覚悟その熱量次第で、風を読み機をつかみチャンネル登録者数を自在に伸ばすことが可能なのである。
そんな堂々たるプロ根性をみせた2人のバニー姿は無事みなの期待通りに披露されコメント欄も大いに賑わった。まさに今日という祝い尽くしの日をある種サンタやトナカイよりも生で会いたい……祝いに相応しい艶やかな兎を模した格好でぴょんぴょんと飛び跳ねながら祝った。
そして夜分に暴れにあばれ、宴もたけなわなところで大盛況の生配信は、眩しいバニー姿の2人がいい汗をかきベッドの上から手をふりながら終わっていった。
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(えっと、この後片付け…だれがやるんだろう…あはは)
完食したクレープ皿を片付け苦笑いを浮かべながら、海都はまだクラッカーの残骸がめでたく散乱する自室を見渡した。
ここまで派手に散らかされると逆にさっぱり気持ちいいものだと、海都は盛り上がった生配信を振り返り、またひとり笑った。
そんな彼がひとり思い出し惨状をみながら笑っていると──
二匹の兎がまたドアから現れた。
配信終わりの休憩から戻ってきたのか、いやちがう。
入ってくるやいなや何故か構えられるのはカラフルな銃口、
青い目の兎、緑の目の兎、立ち並ぶ2人獲物を見つめにやり…構えるクラッカーバズーカが海都に向けて発射された────。
突然の悪意ある祝祭終わりの祝砲に、海都は後ろのベッドにぼふり……転げ落ちた。びっくりした思いもよらぬ発砲に瞑っていた目を開け、彼が倒れたそこから起きあがろうとすると────突き飛ばされた。
「はいだーーーーーん!!! あひははは!! 何ぼーっとすね毛をぼーぼーやってるのしちょうしゃくん! 聖夜はこれから宴もたけなわレッツラゴー!!!」
「はぁやっとお仕事が終わったわねー! てことでここからはプライベート♡そしてぇ今夜の獲物はしちょうしゃくんだぴょん♡──んぼーぉ? はぁなにそのびみょうな反応? あのねー言っとくけど!こっちはいきなり静かに暮らしてたウロボロシーから豪華ディナーショー(嘘)に招待されるわ、招待されたとおもったらその城が謎キノコで跡形もなく崩れるわ、もうほっんと散々な目にあってストレスたまりっぱなのよーーー!! て・こ・と・で」
「「史上最強超有名(になるよてい)吐信者即興コンビ【1.00万バニー】、兎にも角にもこれからこれからはじまる腰が抜けても終わらなぁ〜〜〜いっ♡聖夜に♡たったひとりのメタクソ運の良いしちょうしゃくんをぼこぼこぴょんぴょんいちゃいちゃ♡にしていくううううう♡♡!!!!」」
「は!? ハィぃ!?? ぼ、ぼこぼ!?な、なんす…おわぁッッ!??────」
するともう発情スイッチの入った兎女たちが、配信のままの高テンションでのたまいながら。
ぴょんと無邪気に突き飛ばした驚き顔をした若い獲物へと……両手をわきわき蠢き疼かせ今か今かと、したたる涎をも舌を出しゆっくりと舐めずり。
バニー姿で勝手自由に昂る吐信者が、そのない角ではなくさっきまでおどけ隠していた牙を剥き、
ふたりがかりで今襲いかかった────────。