雷夏先生とゆく、緑蜜高等学校ダンジョン部!!! 作:山下敬雄
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「あの轢かれてはしゃれですまないオーラ・威力……しかし並の戦士ではなく女神に披露するには今のところ丁度良かったといったところかい……?」
「オーラでかみなり蛇の傘回し? 傘一本も神がやると華麗で縁起がよさそうにみえるけど、あんなにもあわてず冷静にできるものなのかしら」
「……っすね…」
「ちょっと…どうみてもあの威力とかオーラとか曲芸どころの話とスケールじゃないと思うんだけど…」
「あぁー、──スイッチ入った、」
「(今までではないモノ…ひねり…いや)……!」
青い雨が降る。バチバチと響く心地いい音色が傘の上ではじけている。
「傘があってよかったわ。今日は雷も降るものね」
ガライヤ・ガラシャとダンジョン部のだれもが特別な1人と1人の戦いの模様を遠目真剣に見つめる中、はげしく焦げ付いた草地にえがく轍の先には……黒い番傘を天に向けさし平然とたたずむ黒セーラーがいる。
オーラをたらふく叩きつけた白矛とタイミングを合わせ満開にひらいた黒盾が激しくぶつかりあった後……静寂を真っ青に支配し天からなおも降り頻るのは雷、冗談ではなく雷の雨のようだ。
さきほどの場面……もったいぶらずに披露された技【
「ははは、まさか夏ちゃんの雷をこじゃれた小雨にされるとはな。かんじた全力の期待通り、ヤルなビィちゃん。いや早乙女雅」
「あなたこそ素晴らしい技。雷が回るなんて想像もつかなかったわ。ところで今の惜しみない大技であなたの勝ちにしてあげたいところなのだけど」
「あぁ、ソコに踏み入るにはもひとつ踏み込みが足りなかったな──だが今はこれが限界、お試しは70点」
「そうね」
雷夏の手元で唸り続ける竹輪丸は歪み割れたような汚い高音を奏でる。それ以上のエネルギーには耐え切れないようだ、白煙を吹きちらしながら、いま粉々に散った。
もう一太刀踏み込むにはまだまだ実力以上に放ったオーラを制御しきれていない。そんなことを先程の技を放った雷夏自身、技を受けた早乙女雅も経験を得て悟っていた。
結局早乙女雅の足元にぴったりと広がるちいさな円影を踏むことはできず、愛用する槍のレアチップをダンジョンのルールに則り一時的にも失ってしまった。それ以上新技のボロスを試すことは他の得物ではできないだろう。
しかし、失うもののない怖いもの知らずは間髪を入れない。ギラつくその赤目はまだヤル気に満ちている、いやむしろ俄然と言った方がただしい……神の目に映る彼女の姿は……今迂闊に歩み寄り、健闘を称えるノーサイドの握手を求めれるような隙や雰囲気などこれひとつない。察する他はない。
なにやらぴりつく空気は、実際にぴりついている。まるで白肌を電流でしっぺされているようだ。それは紛れもなく今目の前にいる青髪赤目かのじょが場の空気を発する自身のオーラ気迫で塗り替え支配しているからだ。
それを仰々しくはないプレッシャーというのだろう……今相対するひとりの
ただの遊びではない、目の前たたずむ女神にさえ警鐘をバチバチと鳴らし……余裕でいることを許さないのか。低く見ることを認めはしないというのか。
しずかに渦巻く雷のオーラが、
逆立ち靡くその青髪が、
真っ赤に輝く剣士の瞳が、見据えた目の前のお相手に、覚悟させる、覚悟する、その全力の遊びとは────