雷夏先生とゆく、緑蜜高等学校ダンジョン部!!! 作:山下敬雄
厳かな黒ローブはしゅるしゅると静かに脱がれ、腐ることのない美しい褐色の肌は露わになる。
もたれかかる冷えた肉のベッドが温まっていく。えもしれぬ感触に抱かれながら逃れられない。
不死の者にとってそれはぬくもる肉にすぎない。しかし冷えたカラダに恋しく思うときもある。──必要な食事肉なのだ。
上になっても雄が腰を動かすことも必要なく、骨の女王のナカは蠢ききつく咀嚼するように。
カタチを変えていく────
挿入した肉棒をもみくちゃにされる甘い暴力にただの人間、ただの高校生の青年では耐えることはできない。
「痴れ者めさっさと献上しろ♡♡」
「あああああひゃめひゃ、ああああ♡♡♡♡」
ボーンクイーンにきつく強く抱かれながら海都は射精した。
びゅくびゅくと脈動を止められない、もみくちゃに喉を鳴らすように蠢く冷や肉の迷宮に、肉棒は抱かれて1度入るともう自分の意思では抜けられない……破滅的な甘い刺激快楽に精が漏れ出てボーンクイーンのナカに献上されていく。
「そうだその調子で美味い肉でありつづけろハッハッハ──その限り我が抱いてやろう童」
「あ…あ……ひもひ……」
冷えた肉はその胸に熱を捧げる肉を抱く。若き雄の髪を撫でながら妖しいダークガーネットの瞳は…それは人と人の対等ではない、歪んだ愛を向けワラっている。
▼
▽
肉欲の食事は終わらない。
さらに、
あーー……
興奮のおさまらない雄の象徴へと吹きかけられたさむい吐息の風とともに、
肉棒へと冷えた蛇舌がとぐろを巻くように隙間なく巻きつき、締め上げていく。
よくうごき蠢く…常人では経験不可能な巻きつくフェラで唾液を分泌しながら舐めしゃぶられていく。
「あっああでちゃ♡♡」
「ふっふっふ泣けっ漏らせ♡♡」
ペニス全体を包み込む舌フェラで海都の腰が大きく突き上がる、許容量オーバーの快楽にあえなくザーメンは漏れていく。
背徳の射精をした証である白濁が巻き付く蛇舌の間から漏れ出て淫靡な光景が広がっている。
やがてしゅるると獲物を絡めて縛っていた蛇舌が解かれていく──
精を吐き切った、甘くていけない恍惚に溺れていると──すぐさま白く汚れた肉棒は咥え込まれた。
赤黒目は情けなく快楽に負け続ける雄を睨み上げながら頬を狭める。うねうねと口内で舌を踊らせながら亀頭や裏筋を這い雄を悦ばせ、バキュームし啜り上げられていく。
「あっああああ♡♡♡」
不意を突かれつづく連続フェラに海都はまた耐えられない。
間髪入れずの連続射精。
口内に放たれた回復オーラザーメンはごきゅごきゅと喉を鳴らし飲み干されていく。
吸い付く口元がやっと離れ──女王の手の甲に拭われた。
「あいもかわらず濃厚な
とろけた海都の右の頬をゆっくりとゆっくりと添い撫であげていく女王の細指。
与えられる骨の女王の快楽に気持ちよくなってはいけないなどと理性で思うも……常人には女王の与えるものに堪えられない。
とても心地よく、その手つきに寝かしつけられ海都はまたネムリについた────。
▼▼▼
▽▽▽
気持ちよければそれを悪夢とは言えないのかもしれない……快楽の断片を反芻してまう。夢という名のバグから目覚めると──
冷たい床にいた。
冷たい床に張り付いていた頬を剥がし、起き上がる。
目覚めるとまた未知の絵の中にいる。
幾度目かの寝ぼけ眼で辺りをざっと見渡すと白い骨が阻み囲うように、組まれている。
眼下には食事、テイクアウト用の容器に詰めた餃子の猛将伝のレバニラ炒めがある。
どういうことだろうと辺りを見渡す、そこには見慣れたリュックがひとつある。今回のダンジョン探索でもってきたものと同じものだった。
この扱い…ここがなんであるのか…海都のアタマが理解するのにそれほど時間はかからなかった。
見も知らぬが…それはきっと骨の牢屋。つまりボーンクイーンの住まう根城らしきどこかに自分が投獄されたということ。そう推測される。
さらに左に目をやると、────人がいる。
壁の十字架に見立てた骨に張り付けられた、項垂れた人がひとり。
何か冒険家がよく着るようなベージュのサファリジャケットのような衣を纏い、ブラウン髪がひどく重力にやられて垂れ下がっている。
拷問でも受けたかのようなとても並じゃない有様がすぐ彼の隣合わせの牢にあったのだ。
状況を飲み込むほどに、いっそうの緊張感がはしる。
(先生でもムスイさんでもなく……いや先生とムスイさんが捕まってるはずはないと…じゃなくて今は、ど、どういう……)
もっと様子を確認しようと狭い牢の目一杯をおそるおそるの足音でうろつき────
『だれかいるの……?』
「え! えっと…はい…」
その女性らしき弱々しい声はどこから響いたのかは瞭然。
海都は戸惑いおどろきながらも簡潔に答えた。
「そこの…カードを取って……おちて…」
「か、カード? あ…はいっ」
カード……海都は言われたままに探した。
そして冷えた床に伏せた姿勢で、隣の骨の牢の隙間にぐぐっと目一杯腕を押し込み手を伸ばし────散らばるイチマイをなんとか掴み手にした。
「よし…いいこ、えっほえっふ……! ──…ンン、なんて…書いてる…?」
「え? かいて……」
海都は赤い一枚のカードを裏返してみて何か書かれていないかを訝しむ目で確認した。
「【UR】パーティー…シルド?」
「パーティーシルド? おっけおっけおっけおっけさいこーーー!!!えっほえっふえっぼ……!?」
「え…あのぉ…なにがなんだか…」
「うぅひさびさのおしゃべりで喉の調子が……あぁ裏のコンテンツだから知らなくても無理ない? あっそんなのいいから!みせてみせてそれお姉さんに見えるようにしっかり持ってて、──いい絶対おとさないで! 落としちゃうとマジで真面目にみんなのお姉さんが餓死するよー、うぅ腹減りやばぁ……」
「わ、わかりました…(わからないけど…なんか妙に元気になった?)」
骨腕に両腕両脚カラダを掴まれ張り付けのとなり牢のお姉さんに見えるように、海都はその謎のカードを手持ち腕を伸ばして提示した。
「【UR】パーティーシルド、対象していとなりの男の子!!!」
となりの男の子が持っていたカードは発光し、張り付けの女に使用された。
対象を指定したカードの効果は即座に発揮される。
『おっけええええええナァァァァイス!!! ないすないすのはぐはぐきゅんきゅん♡♡』
海都が見ていた骨の十字架に張り付けの女はぶわりとそこから姿が消え、
むにゅっむぎゅっと──ぎゅっと──背後から女体らしきメリハリ主張するモノに現在抱きつかれている。
「な、な、なにがちょっなんでぇ!?? え、え、どゆ──」
「ふふーん、危機一髪URダンジョンお姉さんってことよ! あぁー、まじ一生あのままかと焦ったぁぁ…腰いてぇ足いてぇくるぶしいてぇ、関節ふしぶしぐるこさミンッってだぁーれがっ通販やってそうな39!」
背後からの不意の抱きつき拘束はやがて離れ解かれ、振り返った海都の目の前の茶髪の冒険家服はよくしゃべりよく動きよく一人芝居をしだした。
海都は急に瞬間移動のマジックを果たして押し寄せてきた意味不明な情報量の多さに、呆気に取られすぎて身動きが出来ない。
「あ、あの、ちょっと…さっきから意味が分からないんですけど……」
はしゃいでいた女性は我に返ったのか困ったかんじの青年の顔を見て、首元にまいた紅白柄のスカーフをよこに美しいように正した。
「だからダンジョンお姉さん、ダーーーーんじょんっ★! ほらっ、これっ★きいたことあるでしょ?」
自称ダンジョンお姉さんは両脚をかるくクロスし、ダーーーーんで、うしろにためた右手を、じょんっで、前方の彼に突き付けた。
前触れもなく披露されたそれは海都にとって聞いたことどころか動きのディテールはちがえど、見たことがある気がする既視感のあるものであった。
「きいたこと………あります」
「でしょーーってあるんかいぃぃ!!! まさかの死のダンジョンの
「あのぉ……」
「はい?ダンジョンお姉さんです。あそっかー正面からはまだだった。ないすないすのはぐはぐきゅんきゅん♡♡いやぁ謎の骨に張り付けられてーバトルカードは使えないわスキルは使えないわであぁーなんか…お姉さんの胸凝ってるわぁーコリコリぃぃ♡♡」
「ちょナニやってぇ!?? え、えぇちょちょちょおおあああ♡!?」
むにゅりむりゅり…正面から抱き着き、目の前に困りたつ青年の胸板を借りダンおねはベージュの衣ごしのたわわな乳房を押し付けて、凝りをほぐしていく。
訳の分からない行動を感謝のハグからのコンボで押し付けられ、思わず声を漏らすほどのメリハリのついた女体の暴力を味わわされてしまった。
「え、まさかハグだけでかたくぅ…興奮? いやぁやっちまったかダンおねっ、んん…おんなは黙ってぇえ……乳プレス!!!」
「ちょそんなっンンーーーーぶ!?」
一瞬ハグが解かれて、青天のようにからっと元気な色合いの瞳とちかく見合わせたと思えば、──今度は乳プレス。
豊かなたしかなボリュームのある感じれる女の武器をいかんなく……発揮。
またまた呆気にとられていた海都は強引に抱き寄せられた顔からダイブさせ、そのご自慢のふかふかを味わわされた。
捕まった先で巡り合ってしまったとなりの牢のダンジョンお姉さん。
そしてまた絶賛おしつける複雑なぼうけんのにおいのするおおきな両乳につかまってしまった海都には、
────もはやわからない。
「はむくちゅ、ひもじいダンおねにこのあじィィィ餃子の
「…………」
楽天海都とダンジョンお姉さんの2人は牢内で餃子の猛将伝の餃子1パック、レバニラ炒めとライス大、ドデカ唐揚げを分け合い食べた。
▼
▽
腹が減ってはなんとやら、腹ごしらえを手早く済ませた2人は話し合いダンジョンお姉さん主導でさっそく脱獄の計画は実行されていく。
「うぎぎだめだぁーー。この骨かってぇーー。普通牢屋ってのは脱獄できるようにしとくんでしょうがあえあああ……むりっ!」
「っすね……」
アニメでよく見かけるシーンのように、
骨の牢を2本左右に引っ張り曲げひしゃげさせようとしたり、
壁端まで下がり助走をつけたショルダータックルで破壊突破を試みたりしたが、
──ならず。
ダンジョンお姉さんと名乗る女性が海都に見守られながら、息を乱し疲れただけであった。
「んーー、しかし本気だしゃいけそうかなぁ? この感じダンおねの経験だとたぶんちまちまな一定以下の威力じゃいくらやってもひびも入らないんよねぇー」
「なるほど…」
「っすね…なるほど…って君さっきからそれしか言ってないいいいい! ナニソレ、めちゃくちゃ省エネな生き方! なにっ!?相槌星からやってきたッスネナルホド星人!?」
「えぇ!? っとあの…」
「わかる、わかるよ。イチ
「し、しちょう…はいしん? あの言ってることが──」
「やってみよおおおおおお! お姉さんはもうさっきから1人でんぎぎぎ頑張って関節節々ぐるこさミンッて誰が通販のにぎやかしのピキペディアが3行の女よぉ! ──ってな感じで」
「は、はい……」
共に囚われのはずの、未知の生物ダンジョンお姉さんのテンションについていく事はなかなか難しい。
海都は言われた通りに、ラッキーにも奪われずにいたチップを緑ブレザーのポッケから手にした。
▼
▽
そして──
(えっと…イチバン突破できそうなスキルチップはやっぱり…これか!)
「【カチコチココアアイスクレープ斬り】! ────」
骨の牢はハンドガンの銃口から伸びた高出力のココア色のビームソードにスパッと切断された。
「うお!? やったやったあああああ!! よし脱獄だああああ! 急ぐよおお」
「え!?はっ、はい!」
骨の牢に四角く人間一人分が通れる穴をつくった。
ぽっかりと差し込んだ四角い光明に
ダンジョンお姉さんと海都はぱちぱちばちばちと両の手のひらを踊らすように鳴らし合わせ、見開く目も合わせ喜んだ。
とおもえば、すぐに脱獄だっしゅつへと。
何かの拍子で脱出口が閉じる前にダンジョンお姉さんは抜け目なく海都を引き連れ急いだ。
そしてついでに牢にあっただいじな荷物も回収を果たし。
「っしゃーーー完璧! いぇいいぇい死鳥舎くんナイスナイスまたもやナイスだよーーちみぃはぐはぐきゅんきゅん♡」
「いやあの、──あはは……って来てます!?」
「ん、なにが? ──ってあるく骨ええええ!!」
「まぁどこのドイツが派手に騒いでたからねぇえええ!」
見回りにきた骨にんげんの看守が駆けつけてきた。
よくしゃべり騒ぐ肉どもに気付いたのであろう。
カタカタと廊下を走り迫る三つの骨の足音に、
「このダンジョンお姉さん、ダンジョンで骨になってたまるかあああ! でりゃああああ」
ダンジョンお姉さんは臆せず突貫した。
そして勢いよくドロップキック。
剣を手にした骨看守のボディを体重と勢いをのせた足裏は砕き、吹き飛ばした。
ご挨拶の大技ドロップキック後の隙を晒し寝転がるダンおねの無防備な女体に、サーベルが左右から振り下ろされた。
「サーベルはさーーけるっ、けろっと!!」
倒れたまま両手のチカラだけで後ろへぴょんと跳ねた。
意外にも身軽で運動神経のいいダンおねは振り下ろされたサーベルをうまく避けることに成功。
さらに映画などで見たことある冒険家衣装であるサファリジャケットの腰部に巻き付けていたロープは既に使われており、
予想通りの良いサーベルさばきをお見舞いした骨看守コンビの乙女よりほそい足首をまとめてぐいと引っ掛けた。
足を取られて倒れてしまった骨は
「そういや忘れてたァァ【餃子の帝国流ジャンピングごちそうさまあああああ】!!」
その技──大跳躍しそのまま一気に両拳を各々の骨腹に叩き込み大地までを粉砕する追撃技。
見事決まり一気に三体の骨看守を片付けた。
ダンジョンお姉さんはダンジョンお姉さんの名に違いない…伊達じゃない武芸達者であった。
イカしたポーズで膝をつき、垂れ下がる茶髪はその美しいオモテをあげる──
「どうよダンっ骨えええええ弓いいいい!??」
骨の看守は三体だけではない。ぞろぞろと骨が映える暗色の通路前方に現れた、骨でできた弓を携え、弦をひく武芸集団。
瞬きしながら見つめるお茶目なソライロの目に、今つぎつぎと容赦なく放たれる。
脱獄囚に突き刺さらんとする白く尖った矢は、──その青目はおろか命までは届かず。
かんからカンカンかんっ────
その辺の骨よりも濁りなく白い盾に今防がれた。
「【熱熱──】!」
ダンおねに迫った矢を割って入りはじき、
すぐさま前方にカウンターで放たれたぶどう弾丸は途中展開されひろがり、展開した赤い魔法の膜は骨のモンスター集団を丸ごと包み熱量を上げ焼き尽くした。
「うおおおおよーーしナイスナイスナイスバディ死鳥舎くん! このままこの調子で一気に逃げるよおおお!!! いっまのうちいいいい」
「は、はい!!」
焼けてもヨロヨロと立ち上がった骨は元気な拳に走りながらパキッと砕かれた。
また元気になったダンジョンお姉さんの尻についていき、楽天海都は見知らぬ骨屋敷からの脱出へとスピードを上げていった。
▼▼
▽▽
その後もエンカウントした骨を2人で協力して砕きながら、迷い迷い……それでも勢いをつけてなんとか骨屋敷の外へと逃げ出したはいいものの。
現在鳥に追われている。
「やっべえええええプテラノドン定食きたああああなんでえええクソでっかい唐揚げ食った恨ミッ…恨みなのかあああああれデカかったもんねドデカかったもんねぇきっと同胞の良い部位だったんだよねぇ!!! やわらかじゅーーーしーーーーイヤ死なないッッツおおおおおお」
「や、やばいっ!? このままじゃ…」
空を飛び滑空しながら、荒野を走る子鼠二匹を追う、大きな鳥の骨に。
とにかく並走しながら彼方にあるそれっぽい…紫の渦を目指していた2人であったが、まともにやり合うには並ではないであろう最後のおおきな障壁が飛び迫ってきている。
このままでは──
海都は振り返った。ダンおねは振り返り止まった海都に振り返りながらも体は前へと走る。
「ちょ!? 死鳥舎くん!? ダンおねのために死んでくれてうれしいけどいきなりそれは無茶だってもん!??」
「た、たぶん無茶ではないっす! ッ──今回もチカラ貸してくれえええ千葉県!!!」
その魂の呼びかけに純白の盾は呼応する。震えながらも奮え──勇ましく構えられた盾からピンクの拡散ビームは前方へと乱れ咲き斉射された。
まさかの反撃対空砲火にぴくりと本能で驚いた白の鳥の骨格は、だが既に遅し。
突き刺さるピンク色の拡散ビームを避けられず──翼の砕けたプテラノドンは目の前へとものものしい音を立て墜落した。
危機を撃ち抜く一世一代の叫びに見合った目の前に降りて来た成果に、
真剣な表情をしていた青年が強張る筋肉をゆるめ…安堵の笑みをカタチづくろうとしたそのとき──
生きた骨はその恐ろしさを油断した獲物へと見せる──
そのまま壊れたカラダから独立し突っ込んできた鳥頭に、
「【UR】金平糖手榴弾ッッ」
投げつけられたカラフル金平糖粒は、
あーーんと……大口に飲まれて嘴は閉じられた。
そして鳥頭は飲み込んだあまりの旨さと甘さにカラフル爆破。
今、弾けて砕けた。
目の前に迫ったキョウフ驚きのあまり尻餅をついた海都が振り返ると、見事なオーバースローのフォロースルー。
計算できる威力を誇る、ダンおねの秘蔵のバトルカードは切られ、大型骨獣プテラノドンは完膚なきの飛行不能食事不能戦闘不能にまで粉砕された。
「あひはははやっるうううう!! そのノリのいい勇姿に免じてのちょーーーーとくべつ扱いだからねぇ!! あひはははよーし〝ダンジョンお姉さん〟と変態骨屋敷を脱出だよ死鳥舎くん! アレに飛び込めえええ!!!」
「は、ハイ…っす!!!」
明るく笑う吐信者と尻餅つき彼女の笑顔を見上げる死鳥舎は今手を繋ぎ、立ち上がった。
これ以上の追手障壁へんてこ鳥獣はご勘弁。
2人は暗雲の荒野を慌ただしく駆けて行く──
やがて、ゴールと信じて疑わない、光る紫の渦の元へと飛び込んだ。
失態を犯した者は現在蚊帳の外──賑やかに去っていく者たちを赤と青のセットは砂浜に突っ立ち遠目に見つめる。
「…………おい、アレ、大丈夫だと思うか」
「んや…………それより」
「あぁ、これだな……」
先程から2人が気になる、気に留めていざるをえなかったのは神牙流道場の当主代行である古井戸神子から握手され突然受け取った、この燻る半端な感覚。
「当主代行ずるいことを……こんな半端なものを預けられては下手にここから動けないぞ」
「んん」
「お前…さっきからぼーっとしているな?」
「んん…んや────わかった」
「なんだと…?」
「絶対的……とてつもないことがわかった────夏ちゃんはホンモノの天才なのかもしれない」
とても神妙な顔で、とても真剣におふざけがない。
天才雷夏は古井戸神子から受け取ったモノの先をこの短い時間で完全に〝わかった〟らしい。
ムスイは驚き目を細めて問いただす。
「何を言っている、おい」
「んや? 試す? 天才夏ちゃんはこれから早く腹をすかしたカイト生徒を迎えに行かねばならないんだけど」
ムスイから見た雷夏のその表情はよくわからない。錯綜する感情に赤い瞳はギラつきながら震えている。
「……来い! その天才とやらが焦燥の産物でないか試してやる」
ムスイは武器チップから剣をひとつ手に取った。
言を交わす時間よりも剣を交わす方が速い、お互いの事がよく分かる。
雷夏は天才であるのか、
それともいつもと違う焦った感情が見せた幻なのか。
顕現させた緑の鞘から今抜き出した刃は──バチバチと青く、手に入れた古き設計図にそい、なぞられていく。
▼▼
▽▽
生きた化石プテラノドンにど迫力眼前までに迫られながらもなんとか逃げ仰せ。
見つけたゴール…紫の渦を飛び越えた先は、またダンジョンであった。
その後も傷付きながらも骨の領域に棲まうモンスター達を退けながら、楽天海都とダンジョンお姉さんはチカラを合わせてほどほど順調に逃避行を続けていた。
戦力は男女合わせて2人のみだが、ボーンクイーンの居る謎の骨屋敷から脱獄を図ったときのような大きな脅威とはラッキーにも出くわさなかった。
だが2人の実力ではこの付近でエンカウントする一戦一戦が油断ならない骨のある敵であることには違いない。
人間スイスイと先を急ぎたくなるものだ、だが経験者は言うダンジョンで焦りは禁物。『焦りの汗は死する血よりもかるいものだ』彼女は分かりそうでわからないダンジョンでの格言を彼に教えてくれた。
ダンジョンに詳しいダンジョンお姉さんに楽天海都は終始指示リードされながら、一旦みつけたちょうどいい安置で休憩を取っていた。
迷路構造の通路通路骨骨を行き当たりばったり砕き、命を保護するシールド値を削りながらもたどり着いた小部屋で。
海都は休憩用に敷いた緑のマットに仰向けに寝そべりぼーっとしていた。
ダンジョンで休むのも仕事のうち、体と精神と脳を休めないといかなる強者も弱者もずっとは戦えないのだ。
ダンおねに言われ、海都はしっかりとその通りに身を休めていた。
(そういえばアレってダンジョン部の部室と同じような渦? なんとか逃げられたのはいいけど……先生とムスイさんは今どこに? …いや、とにかく俺がぜったい…下手打ったみたいだから…このまま自力で…いやじゃなくて今はダンおねさんと)
状況を整理しながら、それでも不安の募る…冷たい石色の天を眺めていると────不意にベージュ色が迫り、視界一面に沈み込んだ。
「んぶっ!?」
「おはよー死鳥舎くん、じかんだよダンジョンお姉さんです」
「んぶ! ──ってナニを…!?」
のしかかっていた柔らかく沈んだ重しがひょいと持ち上がり、塞がれていた海都の口からようやく驚いた言葉を発した。
「いやなぁーんかみょーに神妙な顔しているから尻プレスしてほしいのかとおもってー」
尻と両脚、股のあいだからひょいと顔を逆さに出し、ダンジョンお姉さんはわからないことを陽気に語る。
「えぇ? な、な、なんでぇ…意味が──ンンぐ!??」
「ってなにそんなにダンおねのお尻とおしゃべりしてぇもうー変態♡ うりうりー」
ふたたび尻プレス。
ダンおねの尻プレス。
レディに対して失礼にも彼女の尻の間で喋っていた海都は、また冒険家服を着たダンおねのハーフパンツのベージュ生地の下敷きにされてしまった。
柔らかくて重い感触が顔の上で、『うりうりー』と上下左右にその豊かな尻肉をおどり押し付けるように揺れ動く。
どっしりと塞がれて荒くなる自分の呼吸とダンおねの尻肉の体温に熱帯びていく。
海都は抵抗しようと夢中にダンおねのお尻に両手を触れ、これをぐいと持ち上げた。
「はぁはぁ……な、な、なちょっとやめ──」
「いやーめんごめんご! あひははは死鳥舎くんの元気がなさそうだったからね、吐信者ダンジョンお姉さんのこのお尻に免じて許してぇ? ん──? 許す? あんがとあんがとー、じゃあよっこら────あれれぇ~? ちょっと待ってちょっと待ってね死鳥舎くん! どうやらダンおねのお尻で勃起しちゃったいけないこがいるみたい」
灰のズボンを押し上げている…失礼な尻をやっと上げたダンおねが見つめる一点。
主張し、脱獄しようと、布地を張り裂けんばかりに押し上げている。
茶髪を垂れ下げ股の間から見つめるニヤつく逆さの青目は、ソレがなんであるのか海都に問うている。
海都はその見つめてくる瞳にこたえを急かされ────
「えぇ!? いやっ! これは…」
「はいダーーーーーーン!!!!!」
「んべッッ!??」
有無を言わせぬ尻プレス。
再再度のおおきな尻が天から降ってきた。
またもやその沈み込む柔らかな肉に、顔の全面を覆われてしまう。
「じっかんぎれーー! あっ♡やっぱりダンおねにだーーんされたら今ぴくっぴくっぅ♡♡って跳ねた跳ねた! んん? でもおかしいなぁ? ちょっやめぇ…ってさっき言っていたわるい子がいたような気がするなぁ?」
「んばっ!! ハァハ……ちょっちが」
「はいダだーーーーーーン♡♡♡!!! 逮捕逮捕おおお現行犯ッダンおねのお尻で欲情したむっつりどすけべ死鳥舎くんの無限ボッキが終わるまで尻プレスの刑! 証拠はここにおっ勃ってるぅぅぅですな、ですなぁ~♡ うりうり~」
「ンンーー♡!??」
再々再度の尻プレス。
触れてもいないのにびくびくとペニスで頷き反応する、ダンおねのお尻に欲情してしまった海都は今逮捕された。
言い逃れはできない、証拠を制服のズボンごしにおっ勃てていては。
彼の欲情したペニスが鎮まるまで、ダンおねの尻プレスはつづく?