※この作品はR-18です。

雷夏先生とゆく、緑蜜高等学校ダンジョン部!!!   作:山下敬雄

4 / 192
4♡もっと強く…ダンジョンセカイ

「【婆沌永遠水車(バトントワリング)】」

 

グルグルと一瞬で風を切り速まる──。やがて宙に描いた円は水色の雷電を帯び、手元で鮮やかに長物を回転させたまま、敵の最終防衛ラインへと突っ込む。威勢のいい槍技が鼠たちを轢き殺していく。雷夏ちゃん先生が雷車輪をせっせと回し、豪快に作り出した道に生徒たちを導いた。

 

「よしっ新入部員、盛大にやれ! たらふくなっ! 遠慮したらビンタっだぞぉ!」

「はハイッ!!! うおおおおおおおお」

「叫んでんじゃん。うおぉ」

 

味方に当てない、ただそれだけ取り決められた陣を組み、激しく銃撃砲撃していく。緑蜜高校ダンジョン部のチップ惜しみない総攻撃に、イエローラット生産システムは壊滅。壊れたベルトコンベアに乗った黄鼠人形は、怨念のもう乗り移ることのないただの可愛らしい出荷停止になった人形と化した。

 

「よーーーーし撃ち方やめやめぇ!!! こらっ工場はスタボロに制圧。これ以上は鼠に逆恨みされるぞ♡」

「え! あっ! 終わってた……ふぅ」

「おぉ。おなじく脳汁でぶっとんでた……でぇす、ふぅ」

 

よく通る大声で撃ち方をやめさせる。モクモクと白く上がる煙に、熱と気合いの入っていたビギナーたち2人は徐々に冷静になる。

 

「ふふ、若いなぁーー! だがさすが若者うむそうでなくてはなッ。見てみろこれが緑蜜高校ダンジョン部の青春だ!」

 

壊れた、トリガーを引きまくり壊した成果を三人で並び眺める。

二丁持った銃を下げて緊張感を解き脱力する男子、女子が重く置いた…煙を天にあげるバズーカ筒、「コンコンっ」と地をリズム打ち、締めた先生の槍の石突。

黄ネズミ工場を制圧し、ダンジョン部はこの四角いエリアの勝利を手にした。

 

 

 

▼

▽

 

 

 

今日は唐揚げ。ドデカ唐揚げ。

 

「ほんじつの部活ディナーは餃子の猛将伝のドデカ唐揚げ弁当だ! 遠慮せず食えっ、ドデカ夏っちゃんだからな! イロイロと!」

 

胸をうち、自信あり気に目を閉じて少し上向く。青いジャージの内に潜むイロイロとドデカいものが自信ありげに揺れた。

 

少し早い夕食になったが既にあまり使ったことのない慣れていない力を発揮し、腹ペコに近い生徒たちは喜んでソレをいただくことになった。ニラ醤油酢ショウガのタレがかかっているのがうれしい。大きすぎる唐揚げにかぶり付き、白飯をかきこむ。

 

慣れたら可愛い黄鼠人形に見守られている工場内での食事行為。大きい2枚のチキンカツのような唐揚げの40パーセントほどを攻略した海都は、一緒に緑のマットの上で囲み食事をしていた先生に少し気になっている点を問いかけた。

 

「先生、あの……アレぇ? 思ったんですけど、出てきませんね、デカい赤帽の工場長……」

 

生徒は怪談でもするかのような不安気な顔で、口元に米粒をのせた可愛らしい夏ちゃん先生と目を合わせた。

 

「ん? あー、今日はアイツ休みだったんだろう」

「ええ? モンスターに休日が!?」

「どうぶつだって寝て休む、でぇす。きっとモンスターもじゃないらくてんかいと。あながちぃ」

「ということだ」

 

という事を納得できていなさそうな男子生徒は、先生に割り箸でかるく顔を指された。

 

「という……はぁ……ますます俺、ダンジョンが分かりません……。なんでこんなにチグハグな」

「なぁにあまり意味を考えるな。ただのランダム迷宮だはははは。ダンジョン初心者で童貞のくせにもう玄人彼氏面かこのこのぉー♡」

「玄人DTこのこのぉー」

 

突然の「このこの」攻勢。食事中に行儀の悪い青ジャージの脚が伸び、からかいおちょくるように男子生徒の腿や膝にふれる。なぜか合わせてダルメシアンの足にもやられている。

 

「え、ちょ!? か、かれ? どうっD!?」

 

和気あいあいとした雰囲気の工場エリアでドデカ唐揚げ弁当を完食、ボリューム満点のそれを残さずに。雷夏先生の早食いを見習いみな完食した。

牛柄ツナギの腹がぽんぽんと腹太鼓を打ち、次の行動へと移っていく。

 

 

 

▼

▽

 

 

 

工場内に散らばるチップの戦利品は回収し終えた、Dウォッチで識別し種類分けも終えた。次への出立までに未だやり残した事といえば────────

 

「やはりダンジョンでの補給は大事だ、セイシに関る! ふふ先ずは先生がチュートリアルを」

「ちょちょマってセンセイ! 回復スキルがっ巻くま」

「そんな訳のわからんワザよりこっちの方がDオーラ量を無駄に消費しないアタマの熱量もあがらん♡ 却下だ♡」

 

どうしてか先生のパワープレイにより、緑のマットの上に男子生徒は手早く押し倒された。そして、今にも……。下半身のジャージを脱ぎ黒いパンツを脱いで露出した先生の秘部が────

 

「ワケノワカ!? ちょ! ええ、え──あっ♡ あああぁああ♡」

 

ズプリと一気に挿っていく。恍惚の入り口に浸かりやがて生徒のちんぽを根元まで迎え入れ、「ふぅー」と笑いながら軽く息を整えた。

青髪のオンナが腰を落とし男子は一瞬で悶えさせられた。そして彼の意思などよそに……はじまる、はじまっている。

 

「さぁてではさっそく新入女子部員牛頭梢ちゃんに捧ぐダンジョン内でのDSシールド値の補給行為のチュートリアル開始だ! い・く・ぞ♡」

「おぉ。雷なつ神チュートリアル……ようするにダンジョンに法はないんだねぇ、でぇす」

 

先ずは腰をくねり躍らせて、膣とペニスを奥まで互い馴染ませていく雷夏先生。

「あぁあああ♡」

それだけでもう激しい刺激が彼を襲う。

 

次に前傾姿勢になり腰を激しく上下するピストン。「パンパン」っと尻を打ち付ける音がしっかりと響き聞こえてくるほどの。

「ああああああああああ♡」

先程の準備運動以上の刺激がおちんぽに膣蜜絡みしごきあげられる……。腰の浮くほどの快楽がこみ上げてくる。男が嬌声を上げてしまうほどの夏ちゃん先生の激しすぎる前傾ピストンが、景気良くお見舞いされていく。

 

「ほらっ、んっ♡童貞二日目のちんぽで良く感じろ。夏ちゃん先生のきもちいい補給行為♡」

「あああああ♡だっ♡あああ」

「おぉ。……おぉ。はやくももうこれ極限、でぇす?」

 

先生の本気ピストン開始から1分足らず、早くも極限まで男子生徒のペニスはみるみる内に追い込まれている。

牛頭梢は胡坐を組み横の間近で先生の補給行為チュートリアルを見学。楽天海都の悶える表情を両手を顔に当てたラフなポーズで、じーっと覗き込んでいる。そんな見学者の農業高校畜産科学科1年生女子の見立て通りに……。

 

「うん、そうだなもう射精ちゃいそうな顔だな♡いいぞチュートリアルザーメン先生のナカに堪えず甘えてぴゅーしろ♡」

「んんああああむり♡せんせもうでりゅうううう」

 

パンパンと腰をパワフルに打ち付け速まる、水音と心臓の音────────そしてあえなく大射精の瞬間を迎えた。

 

体重を乗せた激しいピストンで栓の壊れた生徒おちんぽは噴射するように、ザーメンを吐き出していく。

「──ク♡んっ♡」

膣壁子宮に吐き出され塗りかける熱いDオーラザーメンに、赤い左目をきゅっと絞り閉じ、雷夏先生はその長い補給行為の瞬間を感じ悦ぶ。

 

雷夏ちゃん先生ののしかかる騎乗位快楽で与えられたアメに、先日と同じようにまたも全く彼のちんぽは耐え切れず……先生のナカに遠慮なく射精してしまった。

 

「ふぅ────とこんな風に一回でDSシールド値をそこそこ回復でき、肉体に掛かった疲労もどことなく回復スキルよりDオーラザーメンをおまんこからぴゅー♡した方が飛んでいくようだな♡? 夏ちゃん先生的にはそう思うぞふふ」

 

少し乱れた青髪で、牛頭梢生徒の方を見てにんまりと説明を語り、男子生徒に跨りながら頷いている。雷夏先生と楽天海都の交わりを傍目から見ていた梢もこくり、少し赤らむ顔で頷き返した。

 

「あっ、ああぁ」

 

セックスで荒れた海の余韻に浸かる……海都生徒のそんな補給行為に溺れた表情を────────繋がったままキスでさらにつながる。先生は舌を滑り込ませ味わう。快楽の浅瀬から叩き起こすようなディープなキスが、彼のペニスを硬くまた高めていく。

 

「ちゅべあぁ…………。──こら♡まだ先生はドデカ唐揚げ弁当だけで満足はしていないぞ♡──ちゅるじゅるうぢゅ♡」

 

射精後の余韻に深いキス、またディープに唇を重ねて貪る。盛り上がるキスに合わせてパンパンッと打ち付ける腰が勝手に速まっていく。

のぼりくる次の甘い射精感へ向けて、またゼロから乗り継いでいく連続の補給行為。きゅっと締まり離さないウォーミングアップをさっき終えた先生の膣圧に、まだまだ若い生徒ちんぽは硬くヤル気を促され、食べられている。

ドデカ唐揚げのニオイで濃く繋がるやらしいキスの味と、第2回目抜かずの補給行為、淫靡で巧な腰使いが海都の思考回路を雷夏色に染めていった。

 

「うおぅおっぱじまぁ……チュートリアル長め……眺め、でぇす」

 

 

 

 

 

 

 

男子生徒はまたあっという間に追い込まれた。1回目よりもなじんで盛り上がる。より密着しながらの激しい補給行為がとめどない快楽になり思考を痺れさせるように焼いていく。

 

「んっんっふっ♡ほら最後は夏ちゃん先生とまたキスしながらしてやろう、舌を出せ♡」

「あああ……えぁ♡」

 

生徒は言われるがままに舌を天へとべぇっと伸ばし、夏ちゃん先生はその可愛い思考停止のおねだりに──

 

「べぇあぁ──ちゅぶるちゅゅぢゅるぅるぢゅー」

 

舌を絡め合う先生はもぐもぐと咀嚼するような激しいキスで……。男女で合わせた下の腰の方はパンパンッと、キスを絡めながら盛り上がる密着ピストンを一気に速めた。

 

助走なしに一気に極限まで高まる快楽の蜜牢に、彼の未熟な器が耐えられるはずもなく、雷夏先生の本気の補給行為で────あえなく射精、白濁ザーメンを噴射。

びゅるびゅるびゅくびゅくと射精している間にも生徒の暴れる腰をしっかりと膣壁を狭めて逃さず。打ち付けるお尻、女体全身で覆い、ずっと舌を絡めて口内をよく蠢き吸い犯すキス行為をも。

先生に与えられたあまりの過剰快楽に……青いジャージに、生徒は両の手でしがみついていく────。

 

はげしい補給行為が終わり、唇がいやらしい透明唾液の線を引きながら離れていく。

 

「もう先生にぴゅーしながらしがみつくのがクセになってるな♡そんなに雷夏ちゃん先生との補給行為を全身で感じまくって可愛くてエッチな生徒だ♡」

 

「ああぁ……ぇぁ……♡」

 

にんまりとした赤い目に見下ろされ、根こそぎ搾り取られた補給行為の甘い余韻をさまよう。先生のジャージに可愛くつかまっていた手も脱力し離れ。

 

「さてさて先生のDSシールド値は────────ふふふ、やはり満腹ドデカMAXだ♡カイト生徒くんふふ♡」

 

Dウォッチで確認した値はMAX。2度の補給行為で濃い良質なDオーラザーメンを先生のナカに、たくさん、注入することに成功した。

行為終わりのカイト生徒の視界はぼんやりと……その青と赤の明るい笑みに見つめられながら────────。

 

 

 

▼

▽

 

 

 

「────おぉ。目覚めたら童貞卒業しまくりおめでとう」

 

「────へ? ナンひああああ♡」

 

目覚めたら視界は急に────グレーのショート髪の女子に跨られて既に挿入され繋がっていた。

ツナギの股間のチャックを下ろし、そこから服を脱がずともおちんぽを挿入出来るような穴に────挿っている。

 

そして誰かさん直伝の前がかりの姿勢で、男子を責め立てるピストンを続けていく。あまりの突然の目覚めのド派手な快楽に、寝惚けた脳の処理は追いつかず。ただ、快感が叩き込まれていく。

 

「ああああああごずしゃんやめ」

「らくてんちんぽやめてほしくはなさそう、でぇす、んっ、フゥ♡」

「にゃああああああああ♡」

 

ビクビクと跳ねてナカで悦ぶちんぽがある。彼の言葉とは裏腹だ。牛頭梢のおおきなお尻でナカに咥え込まれ、すこしおぼつかない初騎乗位ピストンが体重を押し込まれつづく。

 

「ふふ先生と同じように同級生1年女子にしてもらえてよろこんでいるようだな♡」

 

ひょこっと現れ、海都の視界に入り込む元気な赤目と垂れ下がる長い青がある。頭の上手のポジションに、そっと座り現れた。そんな雷夏先生がじーっと、男子生徒が女子生徒に絶賛喘がされている情けない顔を見つめている。

 

「そうだその調子で腰を打ち下ろしつづければ男子のちんぽはよろこぶからな♡」

「んっフゥん♡、りょー、でぇす♡ンッはっ」

「あっああああああ♡」

「はははふふさらによろこばせるにはココも触ってあげると────ほら効果覿面だ♡」

 

頭上から伸びた先生の手指が海都の両乳首をいじりだした。補給行為にはげむ牛頭梢生徒の補助を始めた。

すりすりやがてくりくりと先生の指がうごめき勃起した胸の突起にちょっかいを出す。そして男子生徒のちんぽと上半身、全身にもう溢れんばかりに増幅していく甘い快感。

 

「おぉ。んっカタクんはねた♡」

「ああああああひゃめ♡」

「ひゃめー♡じゃないぞ♡そのまま腰にチカラ込めて三度目のDオーラザーメン腹ペコの牛頭梢ちゃんのナカにぐつぐつぴゅーしろ♡」

「おぉ。ひゃめ♡これぇ勝手にぐつぴゅーされちゃうのかもぉ、でぇす♡」

「ひゃあああああもうむりむりでりゅううう」

 

「「ぐつぐつぴゅーー♡」」

 

最後はぐつぐつぴゅーの雷夏先生と牛頭梢生徒のあわせて口にした淫語のトリガーで、射精。

補助する先生に乳首を弄られ、がむしゃらに腰を打ち付ける牛頭梢の騎乗位ピストンの混ざり合った複合的な激しい快楽に……まったく耐えられず本日三度目のナカ出しをしてしまった。

ガクガクと快楽の逃げ場を求めて噴射するザーメンとともに突き上げる海都の腰。そして灰色の瞳を閉じ、楽天海都の体に両手を強く押し当て白シャツを鷲掴む……。彼と同時絶頂しながら体を強張らせ、その並ではないDオーラザーメンの補給行為、そのセックス以上の煮えたぎる甘い快楽に打ち震える……牛頭梢。

 

「はぁはぁはぁはぁっ……ンっ、フゥ……ふぅっはぁっ────」

「ハァハァあっあぁ……」

 

異なる互い荒い息遣いは────やがて重なるような息遣いへと……。

 

1年生どうし出会ったばかりでの補給行為、だけと気持ちいい。繋がったままでもごっぽりと、彼と彼女の結合部から漏れ出る白濁がそこにある。

先生の補助もあり盛大にザーメンを吐き出し、さっき目覚めたばかりでもう眠くなるような甘いあまい脱力感が、快楽の大波の後のしずかな揺らぎとなり……寝っ転がる海都に押し寄せてくる。

 

最後の光景は寝ころび見上げる天の上下から、ニヤリとした赤い瞳と、半開きに細めてとろんとした灰色の瞳、ふたりそれぞれに見つめられて……。

雷夏は補給行為に精一杯はげんだ男女生徒それぞれの頭を撫でて、身体に眠る精という精を吐き出し尽きた楽天海都は心地よく目を閉じていく────────

 

 

 

『ドゴーーーーーーーーンン』

 

 

 

眠気も覚めるような轟音が鳴り響いた。

あまりにも突拍子がない脳を打つイチゲキの音に、

補給行為をしていた一同、

音の発生源へと──一斉にその首を向けた。

 

「おぉ? ナニアレ……ちょっこし? ……おこし?」

 

「フフ…………帽子と武器を買いに行っていたんだろう、最寄りのホームセンター……フフ」

 

黄色いオーバーオールに緑の肌、ずんぐりむっくりとした全高10m以上の巨体がそこにあり。頭頂にはイカした黄色い帽、右手には大刀という名の柄の長いポールウェポンを持てば────────それが【工場長イエローキャップ】。

 

「ああぁぁ……♡」

 

工場の壁を大胆に壊しナニかがしゃしゃり出てきた、そんなことはあり得ない。これは補給行為後の見せる……やはりへんな夢であると、楽天海都はふたたび目を閉じ心地の良いネムリに────────

 

「こらっ!!! ナニ気持ちよく寝ようとしている、正気か正夢だッ回復系男子生徒カイト生徒!!!」

 

大声で叱責されてギャグ漫画のような鼻提灯を割り、パッと海都は目を見開く──。見ていた光景は夢ではない正夢でもない現実なのだという。彼の寝ぼけ目に重なりデジャブするのは、赤帽と黄帽、そのずんぐりむっくり巨人。

 

「ぬええええええ!? え、え、え、レッドキャップ!?」

「馬鹿、よく見なくても親戚のイエローキャップだきてるぞおおおおおお」

「おぉ。らくてんザーメンめっちゃでとるぅ、ちょっこしちょコシ……」

 

先生の喝に飛び起きて未だギンギンのチンポを仕舞えずもたつく……戦闘に入る前に己の消えたパンツを慌て探す楽天海都。

慣れない激しい運動で腰をちょっこし痛めた気がし腰をトントンと労わる牛頭梢、秘部に多量に受け取った白濁がごっぽり時間差で垂れ下がってきた。

 

寝ている場合じゃない、迫るおおきな危機に立ち上がっていくダンジョン部の先生、生徒、冒険者たち。もうすでに重音を立ててにじり寄って来ている巨体の影に、雷夏先生は赤い槍をぐるり回して勇み、いの一番に前に躍り出た。

 

 

 

 

 

 

工場にオーラの刃が飛び交い、おおきな刀傷が重なり刻まれる、ものものしい戦場アートを形成していく。対して槍1本、槍技【婆沌永遠水車(バトントワリング)】でエネルギー斬波を防御しつつしのぎ、巨人に立ち向かう雷夏、およびその後ろの生徒たち。

 

前衛で戦い、傷付きながらも練った雷夏先生の作戦の下に、ダンジョン部は既にその大きな得物へと集中砲火し、厄介な技【斬斬薙薙挫斬波(ざんざんなぎなぎざざんぱ)】を放つ大刀の破壊に成功した。

 

「きた夏ちゃんピース……【巻く膜クレープグレープ弾】!」

「【牛頭ーカ】もっちょ【牛頭ーカ】」

 

戦いも時間が過ぎ中盤に差し掛かり、海都がハンドガンから放った緑の回復保護膜が、ピースを堂々と掲げる雷夏先生のシールドを補修補強する。

大柄な女子生徒は後衛からスキルチップを発動し援護。担いだバズーカから間をおいて2連射された2頭の灰色の牛頭のオーラ弾は敵の胴体に噛みつき起爆し、指示通りに先生を援護していく。

 

武器を失くした工場長は帽から取り出したネイルガンのようなサブ武器を既に左腕にセットし、惜しげもなく釘を乱れ撃つ。バズーカで視界を灰色に汚されながらも雷夏先生に執心し、シールド値を釘の雨で削り取っていく。

 

「避けるのが易くない釘バルカンは受けながら走ればいい! 荒れた視界は何が起こるかわからんぞッだがこちらはよぉくわかる! 攻撃夏ちゃんだいくぞ【伸槍】」

 

灰色の煙の中、左手のシルエットに狙いすました赤い槍がまるでレーザービームのように伸び、装着していた大きなネイルガンを貫き木っ端微塵に破壊した。Dオーラを丹念に込めた狙いの一突が見事に命中、巨体と小人の差を上手く活かした。

 

「おーー先生また破壊すごかぁ~」

「うおおおやったァこれでアイツ今度こそ武器がないっすね!」

「ははは、あぁ、どうやら品切れのようだな。あとはごり押しで片付けるッ、さぁ絶対的先生をひきつづき援護だダンジョン部!」

 

ダンジョン部で最も危険人物と目される雷夏ちゃん先生が、武器を失いもうステゴロしか方法がないターゲットに噛みつき引き付ける。こちらが優勢になり士気・テンションが上がった生徒やちは、遠距離からいつも通り間合いを保ち援護射撃を続行する。

 

だがやはり巨人工場長イエローキャップ、雑魚モンスターの鼠とは違いかなりのタフネスを誇り、まだその膝をつく気はないようだ。工場長は元気に生徒たちを追いかけ走り回るが、その隙に雷夏先生の入れ放題な横槍は到底無視できるダメージではない。やはりこの女をミンチにしてからでないとすぐ逃げる小物を追ってもドツボにハマってしまいどうしようもない……そうとでも考えたのか、イエローキャップは今までの鬱憤晴らすべく、しつこい青髪青服の槍使いにドシドシと大きな足音を立てて怒り迫った。

 

工場長イエローキャップは我を忘れ、命よりも大事な帽子が脱げそうなほどに両手をいまかいまかと広げ、前のめりに襲い走る。

 

「ずんぐりむっくりが幼児のようにお茶目に突っ込んでくるとはなッ、今だ【槍玉】【伸槍】、ヘッドショットもあるぞさらに掃除機ノズルのように多種多様だぞ私のヤリは! よく見ておけ新入部員たちDスキルチップの授業だ!」

 

〝ごーーーーーんっ〟

 

鈍い音とともに前のめりの顎下を砕かれたイエローキャップは思わず眩暈を起こし、何が起こったのかわからない……。そんな脚が止まるほどの「一突き一打」をもろに受け取ってしまう。

 

そして穂先がいつの間にやら鉄球になっていた伸びる槍は自在に縮み、さらに、しっかりと掴まる槍の柄は彼女を空へと、勢いよく縮みながら鉄球の浮かぶポイントへと運んでいく。

 

テクニカルに舞い上がってみせた夏ちゃんは容赦しない。浮かぶ鉄球を足場にし蹴り上げ、その勢いを反転される。またありえない軌道で重そうな特別な槍を振りかぶり、今、振り下ろした。

 

「壊れろ【夏ちゃんofダ~ンジョン髑髏(どくろ)砕き】!!!」

 

振り下ろされた大きくなった鉄球は、背後上空から黄帽を被った頭蓋を砕いた。そしてインパクトの瞬間、鈍い音を立てた鉄球から「ビリビリ」と雷電のオーラがあちこち暴れ迸(ほとばし)っていく。

 

やがて、ぼこっと砕かれ焼かれた頭頂から……三角片は散り散りと弾け、巨体を構成していたモノは分解された。

 

へこんだ黄色い帽子がひらひらと舞い落ち、槍はそれをひょいと突き先端へとひっかかった。先生の口元はものすごくニンマリと、真剣な赤目は今見開いて輝かせて、生徒たちの方を見た。

 

激闘を物語る足元注意な傷だらけのステージで、〝絶対的先生〟雷夏は三角片のカラフルシャワーを浴びながら……なんとも心地よさげに────。

 

 

 

▼

▽

 

 

 

緑蜜ダンジョン部は激戦の果てに工場長イエローキャップを倒した。今回も1人前衛で大活躍の先生の元に……駆けよって来た生徒たちから労いのスポーツドリンクが手渡される。肩で息をしながら雷夏先生は興奮気味にそれを受け取った。

 

しばし息を整え、興奮冷めやらぬ戦闘後の雑談を交えていた途中、雷夏は急に青ジャージのジッパーを豪快に下ろした。汗ばむ白いシャツの胸元が全開になった、そのドデカく艶めかしい光景に男子生徒は慌てた様子で目を背けながら問いかけた。

 

「け、けけ結局なんなんすかこの巨人ッ……毎回こいつ出て来るんすか先生……」

「さぁな。こいつは私たちより弱かったそれだけだ!」

「は、はぁ、それは先生は滅茶苦茶強いからそうなんすけど……(けっこうヤバかった気が……この前ほどではないすけど?)」

「おぅ先生おとこまえーっ」

「あぁ絶対的先生だからなキャップの色を少々黄色く変えようが負けるわけがないッ、牛頭梢も回復系男子もいい援護バズーカと援護回復だったぞ! おかげで夏ちゃんの槍技コンボもびゅーーーんターーンぼこーーーっと決まって、今日は最高のダ~ンジョン日だ!」

「だから俺らくて……そそれはあざっす……」

「おぅ牛頭梢ナイス援護バズーカでぇす」

 

先生は生徒を褒めることを忘れない、そして自分を褒めることも忘れない、雷夏はそんな先生だ。人間は褒められて悪い気はしない。海都も牛頭梢も先生の笑顔にそれぞれに返事をした。

 

その後も先ほどの戦闘のことや雑談と質問はつづき──

 

「うむうむふむふむ。まぁ先生が思うに世界は地球よりも広いぞってことだ」

「セカイ……地球よりも広い……?」

「うぅんここ栃木ぃ? おぅじゃなくてトチギダンジョン?」

「あぁだからさダンジョンセカイッ、もっと強くなればきっともっとおもしろいだろう? はははははダ~~~~んじょんっ」

 

この宇宙星々の中の青いひとつ。地球日亜(にちあ)国、栃木県緑蜜市緑蜜高等学校ダンジョン部。世界の綻びである第イチ体育倉庫に隠された跳び箱の中にあるゲートを飛び越えたどり着く未知の亜空間、それは【ダンジョン】。

 

雷夏とその生徒たちの挑むダンジョンセカイその果てには、まだまだ想像を超えうる興奮だらけの未知が満ちている……。

 

少女よりも少女のように輝く赤目が、海都と梢の目に映った。

 

 

 

(雷夏先生……この人はもっと強くなればきっともっとおもしろい、そう言う。俺がこれからもダンジョン部でダンジョンに挑みつづけるかは正直分からない。俺が何かを思い切り決めるとしたらそれはきっと誰かが喜ぶか悲しむかの2択であり……。だけど、この人は俺なんかがどうであれ何がなんでも挑みつづける……目の前にした底無しに気持ちのいい、熱のある笑い方をみて──絶対的にそう思った)

 

 

 

 

 

 

★ちょいみせ雷夏ちゃん先生のDスキルチップ技★

 

剣刀

【電伝電柱雷酎斬】

デカブツ程効果が高まる。ブッ刺し地に雷電を伝わせついでに雑魚を散らす効率のいい範囲技。

【投雷】

射撃技兼移動技。投げた刀の刺さったところへ瞬間移動できる。ただしオーラの消耗が激しいうえに攻撃性能はないに等しいのでメインで使うことは滅多にない。

【架電斬り】

発動1回につき武器を1個消耗するコスパの悪い下ごしらえだ。

【切電】

名刀緑蜜のみがその放出されるチカラに耐えうる……。架電斬りで蓄積増幅させた絶対的雷電で敵を終わらせる雷夏最高の技。屠った敵は数知れず、切り抜けたピンチは数知れず、絶対的の果てを目指す。

【爆雷斬】

はじめて覚えたおもいでのDスキルチップ技。今もなおその雷剣は成長をつづける。

 

槍ハルバード

【伸槍】

シンプルイズベスト。剣と違ったものにしようと最初にお試しで開発したDスキルチップであるが、使い込んでいくうちに雷夏ちゃん本人が想定していたより便利すぎた技である。射撃に、串刺し、薙ぎ払い、意表を突く柄に掴まっての移動。本人は槍玉などの穂先をチェンジする技と共に使うコンボを気に入っている。

【婆沌永遠水車】

バトントワリングの要領でぶちかます突進技のチカラ技であるが、攻撃にも防御にも優秀で使えるので伸槍の次に使う機会が多い。

【真田サンダーランス】

槍複数本を雷魔法へと変換する大技。派手な消耗技ではあるが威力を高めようとすれば頭にこもる熱量も並ではなく威力は切電には劣る。

【槍玉】

穂先を鉄球に取り換える。射出可能。

【三日月】

穂先を三日月に取り換える。射出可能。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。