※この作品はR-18です。

雷夏先生とゆく、緑蜜高等学校ダンジョン部!!!   作:山下敬雄

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調査!骨の領域、骨拾いへ①

骨のある激闘の夏休みは終わった。

そして、スケジュールを調整したダンジョン部は日亜国に亜空間研究のためにそのまま留まった賢者明智マリアからの依頼を受け、編成を整え、骨拾いへと向かった。

 

 

▼骨の領域6▼にて

 

 

汗をかかない楽な戦闘などまだ青年のゆくダンジョンにはない。

純白の盾は凝らした視界に刺さりつづける危ない攻撃に反応していく。

 

「あらかわいいじゃない! 鼻なしが必死で!!」

 

「ッ!! 」

 

未開のエリアを調査中に襲われた喋る犬顔のモンスター、ハイエナースの繰り出す尻尾の注射針にささらないように必死に盾を構えながら、ダンジョン部の部員、楽天海都は嗤う狗の猛攻を凌いでいく。

 

しかし、慣れない尻尾の軌道に対応できずについに刺されてしまった。

左の脇腹に刺さった尾の注射針から特製の痺れ液が注入されていく。

追い詰めた獲物を突き刺したハイエナ―スはべろり……長舌を舐めずりながら悪顔を浮かべた。

 

「私の愛で痺れてもらうわボーヤ!!!」

 

「ッ【巻く膜】! ──【以下略ココアぁぁ】!!」

 

しかし海都は動じない。先手を打った【巻く膜クレープグレープ弾】で自身を回復し緑の強化ベールで痺れる毒を緩和した。

そして動じない海都は──

 

「ガるふふふさておたのしみ鼻なしく──ギャハッ!???」

 

痺れたフリをし動き出し、【カチコチココアアイスクレープ斬り】。

白盾から不意に伸びるオーラソードが、突き刺さる痛い尾と不用意に近づいた犬鼻を切り裂いた。

 

「このハナタレガキぃぃいいいいい!!!」

 

咄嗟に回避した犬鼻を掠めて鼻血が垂れる。ちぎられた尾を怒り再生し、どす黒く膨らんだ三つ又の注射針の尾が愛を垂らしながら海都に再び我をわすれて襲い掛かった。

 

銃を撃つが当たらない。熱熱な赤いオーラクレープを急ぎお見舞いするが、怒った注射針にピザ生地のように回されて逆に投げつけられ返品された。

 

返品された毒入りの熱熱クレープを白盾でなんとか反応し防ぎながらも、もう目の前。

 

「タップリの愛で痺殺(わから)せるまで刺殺(ちゅうにゅう)してあげガルルルルルルルル!!!」

 

グロテスクにいきり勃ったハイエナ―スの三つ又が、おののく鼻なしの人間のガキにぶち込まれ────

 

その刹那、影に背をつつかれ合図を出されたピネスは目を閉じた。

恐怖から目を閉じたように見えた鼻なし人間と牙を剥き出しで血走る犬顔の間に──

 

「ギャハあああああああああああ!!!!? 目がぁああああああ」

 

眩しい閃光が、浴びせられた。

 

不意にふたりの間に現れた影手が遠隔で握る輝ける杖が、目潰しの奇策をベストタイミングで合わせた。

 

目を抑えながらさがった犬は尾を滅茶苦茶に振り回しながら、視界不良の中で暴れ本能で防御行動をとる。

そしてやがてとりすぎた光量を調節した眼を開けて──既にチャージ完了。

 

目の前そびえる純白の盾が桃色の吐息をしながら呼吸している。

募る殺気が、オーラが、今──解き放たれた。

重いトリガーを引き放たれた拡散ビームが目潰しから回復したばかりのハイエナ―スを襲う。

 

「注入するのは私よオオオオオオオ!!! そんな愛のない狙いで刺さるかぁああああ!!!」

 

とてつもない意地で超反応をみせたハイエナ―スは乱雑に絡まり向かうピンクの糸を全て避けた……かに思われたが。

 

「いや、当たった!!」

 

「なっ、何ィィ!??」

 

涎を散らし得体の知れない体の内側から大ダメージを貰ったハイエナ―スは目潰しの間に己の身に異変が起きたことに気付かない。

なぜならばそれは影だからだ。

掌握し伸びた影は地から捲れ上がるように薄い巨大な黒壁となり、海都の放った拡散ビームが黒壁を蜂の巣に撃ち抜いたのであった。

 

「あなたの影はあなた自身。つきまとう影に穴が開くとオーラも穴あき。つまりガラ空き」

 

穴あきのオーラでガードを固めても遅い。

影人は不意に目の前に現れた。

 

〝光杖一閃〟

横薙ぎに振るわれたブライトステッキが犬の牙を砕き、杖に纏った溢れるモノクロオーラで防御をおろそかにした敵を彼方へと吹き飛ばした。

 

 

楽天海都とイザベラゴールドはひそかに協力しながらハイエナ―スをやっつけた。

 

やがて振り向いた三つ編みのキュートなそばかす顔、彼女の華麗な手本とスイングを見届けていた青年の目が合う。

顔を見合わせたふたりはやがて隠し切れないよろこびの笑顔で頷き合う。

 

「イザベラさんすんません…2回も手ぇかしてもらって…! 思ったよりなんかここの敵強くて!(なんか物騒なことしゃべってましたし…)」

 

「ううん。十分立派なダイバーの戦い方、守りもかたかった……敵がそのとおり強かっただけ……ほんのちょっと…手伝った…だけ…」

 

「あはは、そんな俺なんてまじであの注射針みたいなのも正直めっちゃ怖かったですし…! ほんとずっとギリギリで…」

 

「ううん。注射はわたしもこわい……人体実験…アーメリガでもバイトしてる……だけ…」

 

「ええ!?? バイト!? じんたいじっけ……」

 

「めずらしい回復オーラもち……気を付けた方が…いい……穴だらけ…」

 

「…………ま、まじぃ…」

 

影で潜みながら海都の手助けをしたWASA所属AAA級ダイバーのイザベラ。

この日の絶対的部長命令で部員の海都のお守り役を任された実力者の彼女だったが、不用意に前には出ず海都のピンチに有効なスキルチップと影掌握操作術で必要最低限の援護をするにとどめた。

敵の実力を影とオーラから測り、海都の戦闘でのさらなる成長をうながす的確なお守りをやり遂げたのであった。

 

物騒なしゃべるモンスターを倒し、最後に物騒なことが彼の耳を伝ったが……。

無事強敵ハイエナ―スに勝利した楽天海都とイザベラ・ゴールドのペアは進んだ調査中の骨の領域の来たルートを一度、遭遇したモンスターの報告もかねて戻ることにした。

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