※この作品はR-18です。

雷夏先生とゆく、緑蜜高等学校ダンジョン部!!!   作:山下敬雄

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迷える決意!と意外な結果?

第イチ体育倉庫のダンジョンに誘う跳び箱を飛び越え、予感通りに中の部室エリアにまだ続いていた……不可解な水のたまりの流れる方へとたどっていくと────────。

 

 

後ろ背姿の赤髪、ムスイさんではないと一目でわかる、異様な野性味を感じる伸び方をした赤。

どっしりと胡坐を組んで座っていた上裸の獣がゆっくりと立ち上がり、制服姿の男子生徒へと振り返る。

 

「なんだガキか」

 

「え?? あの雷先生の言ってたたしか…ぜった……の人だ…」

 

「その水たまり野郎、ぴーぴー泣きわめきながらそっちにいったぞ」

 

「え、うそ??」

 

「オマエなんぞに嘘をつく必要がねぇ、考える頭がねぇのか。オーラはすこしあったが、ありゃ死ぬな」

 

「ええ??? どういう……」

 

海都は頭で考えた。あまりにも情報が不足しているが、目の前の恐ろし気な存在が言ったことが本当ならば誰かがその校門のような簡易門をくぐりダンジョンゆきの危うい渦に入っていったのだと。

依然、水たまりの正体は不明だが……。

 

海都は困ったかんじで目の前の赤い存在を訝しみ見る。

そんな彼の表情が助けを求めているように見えたのか、赤い存在のバウは海都を睨み返した。

 

「なんだその目は」

 

「言っとくが俺はお前らが狩ってるような骨や鼠には興味がない。ただ殺意を向ける動物なんていくら壊してもおもしろくはなかった、絶対存在の俺の破壊欲(ひま)を満たすには頭と技の冴えないただの獣の殺意では足りねぇのは俺自身のこのカラダが証明してきたところだ、そっちに行った人間との遊びにも興味はねぇ、残念だったなガキ」

 

「っ!(そうだ、この人は俺があてにできる人じゃない……俺はそんな風に…)」

 

バウはあわよくばと考えた海都の心を見透かしたのか、ご丁寧に興味がないのだと理由をそえて断りをいれた。

 

しかし、依然────野にとまった青い鳥は【ダンジョン】と表札の飾られた簡易門の先を見ている。

まるであのとき、月山雨楽楽の救援に向かったときのように……同じ眼と嘴で。

 

そんな怯えた焦燥の目をあちこちに小動物のようにキョロキョロと忙しい海都を見て、胡坐を組んで座っていたバウはまた立ち上がり笑った。

 

「ヤツらはまだまだ成長する。だから壊さずとっておいた」

 

「……?」

 

「絶対存在の俺から見てお前はとっておく────価値もネェ。その魂のイロがそのままの限りはな」

 

「魂の……イロ?」

 

おもむろに赤い巨躯の影が近づいていき見下ろしながら、海都の存在を覆う。

海都はそのゆっくりと増してきた圧とオーラに浸り、その場を動くことができず。

 

「全て迷いから入ってしまうお前は闘うイロをしていねぇ。絶対的とか舐めてやがる青髪も、しゃれた赤髪も、ねぼけた剣聖も、お前の世界の女どもはどれも壊しがいがある。だが、男であってお前だけひ弱な女みてぇな魂のイロだ。つまり生きながらにして生物としての価値が何段もちがう。絶対存在の下に、お前らの言う絶対的があるとすれば────俺様の目の前にいるのは、ただの間の抜けた雑魚だ!!」

 

巨指でつつかれて後ろへとちいさな体が押されていく。

どんどんと前に進む赤い獣の圧は、言は、止まらない。

 

ただの学生である彼では、止めることが────

 

 

「先生もっ、ムスイさんもっ、ド神子さんもッッ! そりゃすごいっすけど……」

 

「────俺、そこまで最近は弱くないと思うんで!」

「そこどいてください! できれば!!!」

 

 

「ハッ──ならどかせてみろ? 震える魂とそのちっせぇ盾でできるならな!!」

 

胸を心をぐさりぐさり突き刺す指先を突き返したのは、純白の盾。

 

赤い獣はその硬い馬鹿げた決意に、退き門前で大袈裟に呼吸をし、魂のイロが変わった男を睨みワラった。

 

何故か……熱くなってしまった海都は見知らぬ迷いを振り切り消し、後先を考えない。

スイッチが切り替わりイカれて、考えることができない。

 

純白の円卵は翼を広げ、今、煌めく。

両腕を広げ聳え立つ門前の赤獣に────────

 

 

 

 

▼

▽

 

 

 

 

「どこ夏♡」

「ココナツ!」

 

「「ロールプレインゲーーーーム!! いぇいいぇいぇい!!!」」

 

 

熱唱、もちあげるような拍手、何故か睨み合う歌い手の2人。

 

ともかママは既に100てんのプラカードをかかげ、小刻みにゆれて喜んでいる。

ジーナはしみじみと目を閉じて、生再生された一曲の余韻に動かず黙し。

 

 

注目の公平な採点結果が、うしろのモニターにいつもより華々しいエフェクトを放ち表示された。

 

 

 

⬜︎

曲名【どこ夏ココナツRPG】

 

★声質相性診断 ♡♡♡♡♡♡♡♡♡

★シンクロ率98%

 

▽総評

互いの足りない部分を補い合うパワー、テクニック、緩急、ビブラート、野性味、ソウル、お祭り感、後半のしんみり感、尖っていてかつバランスの取れた理想の総合歌唱力です。

夏のたのしさと切なさのリード緩急、サビでは花火が打ちあがると錯覚せんばかりの声量、この曲【どこ夏ココナツRPG】に相応しい……おふたり方はそんな素晴らしいユニークな歌声をお持ちですね。

 

ぜひそのままその調子で仲良く全国1位のデュオを目指しましょう!

 

 

97.8点

 

new全国3位!!!

 

 

この歌唱記録を全国サーバーに登録しますか?

・ぜひ ・もちろん ・はい ・いいえ ・全国3位おめでとう!

⬜︎

 

 

 

 

「やっぱAI採点ってすごいな。プロライターのアタシが言う事がなくなっちまった、けっこー死活問題だぞ、はは」

 

「ほぉー97.8かー、さっきのは100てん夏ちゃんの渾身のできばえだったんだけどなー? あ、ムゥちゃんの分がひかれたか♡(夏ちゃんなんちて)」

 

「デュオは全国平均が低いからな。たとえお前らより上手い100てんの歌姫を1人ずつそろえても声質相性診断とシンクロ率ってので低く出るぜ。カラオケが上手いだけじゃ高得点ましてや100はぜったい取れねぇよ、カラオケだけどな、はは。よーしじゃあこのまま全国1位!なんてロックじゃねぇふざけんなAI採点馬鹿野郎、人間様に点数つけておだてて躍らせてんじゃねーぞカス、じゃっその調子で賢い人間様がプロデュースする次のバトルデュオ曲はこれだ────」

 

「……」

 

 

喫茶カラオケじゅんこにて、歌の採点は終われどまだまだ赤青が熱唱する歌の祭典は終わらない。

雷夏おすすめのオレンジカフェオレを追加で3つ注文した。

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