雷夏先生とゆく、緑蜜高等学校ダンジョン部!!! 作:山下敬雄
『────ですので、ポケット災害は現在、15年前と比べて発生件数は著しく少なくなっております。ええ、これは
テレビで見たことのある識者の男が言う。自室のベッドに腰掛けながらその映像を見ていた青年は、普段はスルーしていた話に聞き入り、前のめりだった身体を戻し、そのまま両手を後頭部に組み寝転んだ。
「たまに聞くポケット災害……身近だからポケット……? それが亜空間、つまりダンジョンのことなんだよね? やっぱりダンジョンなんて言葉すら、俺の生まれた時代じゃなるべく出てこなくなってるよなぁ。(今流れたのも一回も言ってない?)なんかダンジョンって言われるとそのぉ……挑みたくなるからかな……。俺はなんとなく知っていたけど、やっぱりもう一回ネットで調べればそう呼ばれていたのは確かみたいなんだけど? うーん……」
『海都~、緑蜜みたらし焼けたわよー、あつあつよぉ』
「は、ハぁーーイ」
雷夏、楽天海都、牛頭梢はあの後無事腹を満たし第イチ体育倉庫へと帰還した。長いダンジョン部の部活動も終わり、その翌日も緑蜜高校は通常どおりに授業がはじまっていた。
黒髪セミロングにメガネ、瞳は青い地球色。
今まで告白された人数は合わせて17人。
好きなゲームはテトラマーズ、好きな音楽は宇都宮テカル、好きな猫は帰り道の野良猫。
(大学は東京のどこかに進学予定。ひとり暮らしするのもお父さんお母さんもいいって、高校は地元の公立校に通っている。緑蜜は授業内容もそこそこ質が良く担任の先生もしっかりしている。少々田舎なのが難点だけど、時間通りなら宇都宮からバスで悠々と通えるからむしろ楽。それほどこの学校の環境に不満なんてないけど、強いて言えば────)
(隣席の男子がちょっとおかしいのと、この週に2度あるらしき読書のじかんがおかしい)
配られたコピー紙の“聖タクティクスグリフォン伝説第2話”を読む。ちらりと目を配った彼女の隣席の男子は口角をわずかに上げながら熟読しているようだ。果たして自分がおかしいのか、隣がおかしいのか、確かめるべく……月山雨楽楽は楽天海都にこっそりと小声で話しかけた。
「ねぇねぇ…」
「──え? はい?」
「それって変じゃない? グリフォンなんたら」
「ヘン? あ、聖タクのことっすか? んー? そうかなぁ?」
「どこがおもしろいのこれって? 読んでも意味不明なんだけど(なんでもう略してんのセイタク…グリフォンどこ……)」
「え、いやぁ。普通にファンタジーしてて1話も2話もたのしいっすね。なかでもこのシデン・レイラってキャラが主人公たちグリフォン部隊のお助けで出てくるんですけど、毎回かっこよくて謎めいてて強いんだけど陰があってなんか意味ありげな事言って去っていく。しかも主人公の作戦指揮を執る上官を暗殺したり、国宝を盗んだり、ある時は敵になって通せんぼしたりもするし、それがおもしろいっ! ……すね!」
「まさにそれが意味分からないんだけど……」
「あはは、まぁ人によっちゃ目的の謎が多すぎて、しかも一切語られず進行していくんでつまらないっすよね。主人公は本当はこのシデン・レイラじゃないかなって思うけど……まぁ人を選ぶやつだとおもいます」
「ふぅん……私がつまらないからつまらないって言うんだ?」
「ええ!? いやいやそうじゃなくて」
〝キーンコーンカーンコーン、キーンコーンカーンコーン……〟
気付けばチャイムが鳴る。最悪のタイミングでだ。真顔でにらんだ隣の女子はそれ以上何も言わずに正面を向き、机の上をそそくさと片付けた。以降、彼の話したげな視線を感じても目を合わせなかった。楽天海都はばつが悪く固まり……彼女に伸ばそうとした手はやり場無く自分のうなじを掻いた。
時は放課後。
またあの場所にやってきていた。今日は雷夏先生は野暮用ということで、1人で部室チップの中のチェックをするというのが、言い渡された主な活動内容、といったところであった。チェックといっても、ほぼヤドカリモンスターのヤドコンちゃんと青い鳥への餌やりのことである。ちなみに牛頭梢もミドリ農業高校の地元民協力現地での畜産科コースの実習をサボるわけにもいかず、今日は来れないようだ。
つまり今日の緑蜜ダンジョン部は奇しくも彼ひとりである。
「俺が先生みたいにダンジョンにひとりで挑めるわけもないし……というか挑まないし……あ、聖タクの読書感想文出すの忘れてた!」
聖タクの感想文は昼までに1年D組の担任に提出しなければならない掟がある。期限通りに迅速に提出するクセをつけることも学校生活において大事なことなのだとか。隣の女子に勘違いされたまま不穏なまま……結局それ以上の会話が打ち切られたのが割とショックであり、楽天海都はいつものそれを提出するのを忘れていたのだ。
急ぎ第イチ体育倉庫に荷を置き、びっしりと感想を書き連ねたプリント片手に職員室まで走っていった。
男子生徒が入っていくのが見えた。そこだけ鬱蒼とした古めかしい場所がある。そこにある青扉のちいさな倉庫の中にたしかに入っていって彼はまた走り校舎の方に消えた。
気になった彼女は、茂みに隠れた際のブレザーについた葉っぱを払い、中途半端に開いた青扉の中へと不思議と誘われていった。
▼
▽
「確かに受け取りました、よろしいです。今度は遅れないように頼みます、楽天海都生徒。あなたは一度入学式および始業式をすっぽかした不名誉で不慣れな実績があるので、ことさら業務ノートの通りに行動していき無駄な行動を控え、模範的な学校生活を送れるように努めるべきです。わかりましたね?」
「は、っはい!」
どうやらまだ寛大にも怒る様子無く受け付けていたらしく、職員室にいたD組担任の
▼
▽
薄気味の悪い空の下、それとはチグハグな雰囲気の青い野を歩いていたら、見つけた青い渦巻があった。一度気になってしまえば案外むず痒い……。不思議にも綺麗にも妖しくもみえる渦模様を見つめ……意を決したまっさらなローファーが、それにいざ、乗ってみたところ────────
またマブシイ光に誘われた────相変わらず薄気味の悪い空と、今度はより殺風景な土肌が広がっている。
「なにここ……さっきのからっぽのつづき? なんであの倉庫からこんなのがあるの?」
月山雨楽楽は分からない。ここは静かすぎて、静かなのは同じはずなのに何故がかさっきより──怖い。これ以上のいらぬ興味から不気味なモノを引き当て続けても嫌なので、彼女はとりあえず今来た道を戻ろうと考えた。が、探せど探せどさっきの地に面した渦巻模様は見つからず。帰り道はどこに……。眉をひそめていく……。
彼女の中に焦りと不安が募りはじめたところに、急に『わにゃはりゃ……』と表現しがたい聞いたこともない不快音が聞こえた。生理的にゾワっとする声、ちかづく不気味に……振り返る。
「は、は??? えなにこのネズミ。……きもっ」
「ふぅん、近付いて? それで? ……は??」
月山雨楽楽は、関節をぐにゃぐにゃ珍妙にくねらせ歩む灰色の鼠人形とエンカウントしてしまった。
時同じく、用事を済ませて戻ってきた楽天海都は倉庫にある跳び箱から部室チップの中へと入り。
広々とした青と濁ったシャボンの天に深呼吸……。雷夏先生から預かった餌用のいらない武器チップの袋を片手に、まずはと、例の生き物を探し始めた。するとさっそく青い鳥がどこからか羽ばたきやってきたので、相変わらずの人間に対する維持するクールな間合いに苦笑いしつつも武器チップをひょいと投げて与えてみたが────何故か餌には見向きも突っつこうともしない。思ったリアクションと違った海都は首を傾げて不思議がり、
「あれ? なんで? あ、そうか! きのうのヤドカリ夏ちゃん焼きそばで満腹だったり? それともはじめて餌やる俺になついてなかったりぃ……しますよね……あははは、あ? ん?」
その鳥がじっと見ている方向には、
ダンジョンでは見慣れない……女子が提げるようなこげ茶色のスクールバッグがあった。
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▽
(ダンジョンの仕組みなんてわからない)
(ランダム迷宮だときいた気がする。それもほんとか、彼女がいるのかもわからない)
(だけど、今日は自分ひとりのはずであり何かあってからでは遅い。あの青い鳥はモノを言わないけど……何故かそうせずにはいられなかった。先生ぐらいに強くないと上手くやらないと後戻りはできない……知っている……それはとてつもなく怖い)
(まずい、尻餅ついてたおれている。膜も……! あのままじゃシールドブレイク……! 回復ッ、攻撃ッ、どっちだ? やばい!!!)
「これぇ夢? ……はぁ?」
「痛さが増してんだけど……ちょっとおおお!!!」
「やばっ……来ない」
「【熱熱クレープグレープ弾】」
銃口から発射された赤いブドウ弾丸が途中宙空展開、広がる赤い膜が彼女に極限まで迫っていた鼠の集を包み蒸し焼きにし、〝滅〟。2、3の鼠は横殴りにまとめ包まれ屠られ、驚く彼女の耳に若い雄たけびが上がった。
「うおおおおおお!!!」
とにかく乱射。双銃の引き鉄を引きまくり、青と赤の弾丸が倒れる弱者に群がる鼠を次々に撃ち抜いていく。しかし、まだ尻餅つき竦む彼女を、狂気を増したダンジョン鼠はついに構える四足で獣のように走り襲う。
「【策咲クレープグレープ弾】……あっちもこっちも鼠にはトラップ! なんでしょ!」
白い槍が自動で貫くのは敵意、味方を守る聖域のクレープ&トラップ。感知し隆起した白槍に顔面、尻、胴体、前歯を抉られたネズミ突撃部隊は三角片と化し〝滅〟。それがここでのルール、当たり前のように敵を滅し、戦闘の様相はさらに過熱する。
中距離から放たれた敵からの三発……灰色のオーラを纏う【鼠弾】は、汚らしい爆炎を奏でて、明けて────ひび割れるシールドを強化補修。銃口は自分の頭に向けて、だがイカれてはいない。
爆炎明けて白煙とともに現れたその姿、聖なるミドリに彼は光る。
「……え? なんなのかっこいい……んだけど……」
1年D組クラスメイトで隣席の女子、月山雨楽楽の絶体絶命のピンチに、男、楽天海都は目の前に身を挺し立つ。
同じ緑ブレザーは緑蜜高校の男子である。
だが見覚えのないそのたくましく勇ましい背姿に、最高潮のドキドキのシチュエーションに、雨楽楽の心臓の鼓動は人生未体験のその高鳴りを止める術をしらない。
ここはダンジョン、高校1年男女は出会い、物語は始まっていく。
ヒーローは颯爽と現れた。
やがて振り向き、ふたりは目を合わせる、
ここから始まるのはヒロインとの…………
「【熱熱クレープグレープ弾】あたれっ!」
「【テクニカルスピン】はああああああ!!!」
弾丸は鼠を包み焼き余計な敵を除去してヒロインをバッチリ援護射撃した。叫ぶヒロインが、次々とショートソードで力任せに斬りつけた鼠には、Dスキルチップ【テクニカルスピン】を発動。凸字のオーラブロックを胴体に負わされ回転して滑っていく鼠は眩暈を起こす。頭をくらませ今動きの止まったターゲットのその隙は逃さない、双銃を構えるヒーローに次々と撃ち抜かれた。
マルチプレイでお邪魔モンスターの灰色鼠の排除に成功。またひとつスコアを上げ順調に攻略中、ひと段落を終えた2人は戦闘行為で高ぶったテンションを各々落ち着けながら、再び向き合った。
剣を勢いよく地面に刺し、溜息する。メガネを少し外し、ごしごしと右手でまぶたをこする。そしてまたフレームを耳にひっかけて、レンズに映る苦笑いでおとなしく待つ制服男子をむっと睨んだ。
「ちょっとなんで私がたたかってんの……? はぁ? (しかもなんで私がまえ?)」
「いやえっと……すみません! なんか先生が言うには誰でもそれぞれオーラってやつがあるらしいんで……(おれ回復系生徒らしい……んで……)」
「はぁ(出てきたときはかっこいいと思ってたのになんでこうなってるの)さいあく」
「え? いや……」
「はぁ……じゃあさっさと回復して、隣席の楽天くん(けっこうくらったみたいなんだけどなんかひび割れてるの気になるし)ほんと意味不明ここ」
「えっと、はい……あぁっと?」
「さっきからなんなの?」
「いやちょっとさっきので張り切りすぎたというか……」
「はぁ?」
▼
▽
楽天海都は同クラスメイトの月山雨楽楽につまびらかに説明していった。
雷夏先生から拝借しているDウォッチで計る現在の状況は、
■残DSシールド値
月山雨楽楽 42%
楽天海都 78%
そして、月山のピンチを助けるために配分後先考えずはしゃぎすぎたため、回復スキルを使う余裕がきっとあまりないと海都は自分の今の感覚と状態を彼女に教え言うのだ。それはいわば、まだ引き返せないダンジョン途中で、回復役の残MPがこの先進むには頼りなく、パーティーのHPも微妙に心もとない……そんな地味にハードな状況である。
状況が状況、そんな状況……ならば背に腹は代えられない。というよりは、今ふたりでできる限りの手を尽くす、……手で尽くす。
背後から、突っ立つその男子生徒のペニスをかるく包みしごいていく。
慣れない手つきでそれが逆に新鮮であり、興奮を増していく。
月山雨楽楽は彼のうしろからひょっこりそのイチモツの様子を覗きながら────
「はぁ……ほんといっいみふめい……」
「ああぁ……すみまひゃ♡へんっ」
「ちょっと変な声出さないで」
「すみひゃぁああもうでっ!!!」
ずっと同じ感じのふんわり手コキの動作、だがたしかに擦れていく、悦びカウパーでぬちゃついていく。
やわらかい女子の手の、むずがゆい刺激が男子生徒を着実にその瞬間まで追い込んでいく。
「ふぅん……だせばぁ……」
「ああああああ月山さんでりゅううう」
びゅーびゅーっと放つ、かるい刺激とは裏腹に勢いよく海都のペニスは脈動する。
幾度か反り跳ねながら精をひねりだすように放出していく。
楽天海都は同クラスメイトで隣席の月山雨楽楽の手コキで射精してしまった。
「ひもひ♡……あぁ……」
「…………」
地に放った白濁の跡がある。
月山はその始終瞬間までをたしかに見ていた。
彼女の右手は熱くすこしぬめっている、やがて射精を見届けて沈黙し離れた。
拭くものがなく困った様子の右手をして、海都の顔を見る。
恍惚として気持ちよさそうにしている表情に呆れて肝心な結果の方を彼に問うた。
「ちょちょっと! ボケッとしてないでどうなってんの楽天くん回復したんでしょ? 今いくら! 80ぐらい?」
「ふにゃ♡────は! え、えっと! …………────よよ、よんじゅう……よんぱー」
「はぁ???」
「44%……っすね」
「たったたたたたたったニパー??? はぁ? はぁあ?? なんなのそのしょぼい回復量……ふざけっ! ってちんぽだしてフツウにこっちみないで!!!」
「ふええ!? あっ……ハイーーーーー!!!」
▼
▽
ちんぽを出したりしまったり……また出したり。
海都は月山の強い語気ではなつ指示に従っていた。
とにかく2%でも回復するのは嘘ではなくたしかだと、さっき少ししか回復しなかったのはきっと……と月山は冷静に分析していった。
ダンジョンという特殊な環境状況下でとにかく知り得る情報は利用する。
さっきみたいな鼠の化物とまたやり合うことになればいずれジリ貧であり、DSシールド値を回復するためには何とも言っていられない。
手コキぐらいまでは自分の貞操観念は狂っておらず女子高生としてまだスタンダードの範疇と……無理矢理に納得させ、女子生徒は意を固める。
なりふり構わずぎこちない補給作業をまた開始した。
さっきのようなゆっくりな慣れぬ手淫でもこの男子はすぐに大きくし感じている。
その男子のペニスの様子を地に膝立ちし視界正面に捉えながら、
(ふぅん……2回目でもこんなに早くビンビン……ぼっきになるんだ……)
「ああぁあ……ああぁああ月山さんッそれひゃめ♡」
「(てかうっさ)ふぅん……」
「あぁあああ月山さんもうでちゃうううゥゥ」
「は?えちょ!?待っ、きゃっ──」
そのかわいい顔が上目遣いし、男の性欲を煽るポジショニングでの手コキに……楽天海都が耐えられるはずもなく────
大興奮の射精。
手コキを開始してそれほど経っておらず、あっさりと射精に導かれた。
タイミングを見計らい手で受け止めるつもりであった月山雨楽楽は……。
ぶっかけられたザーメン白濁の線が2、3本元気よく放射され──彼女の顔面にのっている。
整った顔をしかめて固まる……おどろきで目をつよくしぼり閉じたまま表情は固まり、両手はどうしようもなく顔の横に掲げたままフリーズ。
月山は再びゆっくりと目を開く……レンズは白くねばついており視界が汚くぼやける。
臭いザーメンの匂いと甘い回復オーラの匂いが混ざり、はじめての顔射を経験してしまった月山雨楽楽はもう訳がわからず……。
メガネを外した彼女は、しかめた表情から上を睨みつけた。
また気持ちよさそうにしている男子にイラつきながら、彼女は沈黙をおいてついに叫ぶ。
「ちょっとおおおおおおおお!!! なんで出るなら出るって先に!!!」
「はぁはぁ……あぁあぁ……ごめっ」
「うわっ……くっ……さいあく、ちょっとはやく」
「はぁはぁ……え? あえっと────ア、64%……みたいっす!」
海都はすこし笑顔で回復したパーセンテージを彼女に報告した。
嘘じゃないとDウォッチの画面も同時に見せつけた。
しかし彼女はかわいい顔面に重いザーメンがのり、依然しかめっ面を崩さない、むしろ悪化したようだ。よごれた手をパーにどうしようもなく掲げたまま、能天気な彼を睨み察するように言う。
「じゃなくてコレ拭いて……はやく……うごけないんだけど」
「え、あ、ごめっそうか! はハイーーーー!!! (ハンカチない…っすよね)」
ハンカチのない海都は聞かず彼女の顔を、今ある手持ちで一番マシそうなその場で脱いだ自分の制服のシャツで、申し訳なさそうに拭っていった。
月山雨楽楽は目を閉じ動かない。溜息を吐くのにも飽き状況に身をまかせた。
奇しくもダンジョンから帰るための目的を共有する、攻略道中真っ只中。
1年D組クラスメイトパーティーの2人は、お互い出来得る範囲での効率のいいDSシールド値の回復補給行為を模索し努めていった。
ここはお互い踏み入ったばかりの未知のポケット災害内部、ダンジョン。
できるだけ易く回復できる手段は選ぶが、状況は四の五の選んでられない。
男女ビギナー同士ここから先はよりマルチプレイで協力し合い、“さいあく”の事態を回避するため備えていく。
■残DSシールド値
月山雨楽楽 67%
楽天海都 85%
フェラぐらいまでは女子高生の貞操的にオーケー。
これぐらい東京の同世代の子なら当たり前に昼休みの話題にするほどにヤってる。
そう言い聞かせ跳び箱をまた一段上げゆうゆうと飛び越えてしまった女子生徒は……
「月山さんあぁあなんでぇひもひぃ♡あぁ……」
「あむっ……なんへはははっへんほほ!(なんでまたたってんのよ!)はふっじゅぼぽぽぅちゅずるず」
「あぁああああこんなのでますでますッっ♡でりゅううううう」
月山雨楽楽の口内に射精。なまあたたかい体温と吐息と舐め添う舌、ぎこちなく押し当たる女子高生のぷにぷにした頬裏肉に彼が耐えられるわけもなく……。
びゅーーーぴゅーーーぴゅーーぴゅーぴゅるぅぅ…ぴゅーー……
咽そうになるほどのミルクが注がれていく。
肉棒を咥えていた月山はその中途の皮まで吸い付いていた口を目を見開いてゆっくりと離した。
少し眉尻に涙をため……口内でその甘く芳醇で生臭い粘りを、眉間に皺を寄せながらころがす。
やがて唾液と混ざり溜めた白を……水を汲むようなカタチに合わせた両手に────。
プラン立ててはいなかった。
そこの両手に吐き出そうとも自ずと寸前まで考えたが、この甘くて臭い汁を……
ごっくん。
目を閉じながら意を決する。
少し上向きながら余さず、男子生徒がペニスから吐き出した新鮮なザーメンを飲みこんでいった。
「あ、あぁぁ飲んじゃあぁ……♡」
「はぁぁぁ……♡……こうじゅれば汚れないでしょ……で。ハァハァ……なんぱー?♡」
射精したものをゼンブ飲んでしまった……。
彼の眼下にはべぇーっと舌を出しながら、不味いものでも食べてしまった表情をしている裸眼の彼女がいる。
なぜかそれがとてもエロティックであり、その様に感じてはいけないような征服感を海都は少し感じてしまった。
『なんぱー?』と問われ海都はすぐ余韻を味わいたいところを正気に戻り、左腕に巻き付けたDウォッチを確認した。
「はぁはぁあぁ…………えっと──あ、74%みたいっす」
「なんで飲んだのにさっきより落ちてんのよ……はぁぁくっさ……はぁ♡──……あむっ」
「え、ちょ月山ひゃん♡あっ♡あああああもうっむりでっあああああ」
「どうへまはたふんへほ? ほりゃへっほうなはふひ」
「あぁああそれぇあっひもひぃあぁ……♡」
「うっひゃい、はむむぢゅ」
(なんか少しコツがわかった。なぁんだこんなの慣れてしまえば私でも東京の子みたいに楽勝だ、びびってきょどってたさっきまでの私がダサくて馬鹿みたい、ふぅん楽勝の
(ってこれは♡たださっきみたく顔が汚れるさいあくなのよりマシだからかくじちゅにスマートな方法で回復できるだけだからっ! 仕方なくこんなダンジョンとかいうポケット災害に巻き込まれてしかたないんだかりゃ!)
(にひへもこいちゅのこれぇ甘くてくっしゃ……さいあく♡)
「あああああ月山ひゃんでるうううつきやまさんああああああ♡♡♡」
「はっへひらへはぁ?♡ ぢゅ~~──ンンンンン♡」
再び射精後すぐに始まった女子高生の生フェラチオ。ぱくりとやわらかそうな唇が含み、ふんわり手を添えながら、膨らむ亀頭を舌と口ぜんぶを駆使して味わい育てていく。
先程より怖気が無くなった月山雨楽楽のフェラチオの与える気持ちよさに、楽天海都のちんぽは逆らえず耐えられるわけもない……またおおきくおおきく育ち溢れて止まない欲望は硬く濡れていった。
■残DSシールド値
月山雨楽楽 100%
楽天海都 92%
1年D組同級生パーティーは少しこなれてきた補給行為で、しっかりほぼ100%まで、ダンジョンでの命綱であるDSシールド値を回復し万全を期した。もろもろを清め準備の整った2人は再びステージを探索していき、さっそくエンカウント。接敵した鼠の群れに向けて頷き合い、マルチプレイを開始した。
「【熱熱クレープグレープ弾】うおおおおお【熱熱クレープグレープ弾】うおおおおお!」
「【テクニカルスピン】はあああああ【Sショット】!!!」
探索しては鼠を滅していき、次のステージへの切符チップを手に入れ、共にまた向かう。その繰り返し。そして何か……戦闘を重ねているうちに剣や銃を駆使し比較的前衛として敵を倒しながらも、彼女は気付く。
気付いてからひとつだけ……この2人だけのパーティー間の取り決め事として、月山雨楽楽は楽天海都に緊急時以外、攻撃系のスキルをむやみやたらに使うことを禁じた。どう考えても回復スキルの方が明らかに優先順位が高いからである。戦闘で熱くなり無計画にオーラを消費している彼の手綱をしっかりと冷静に握り、この先を攻略していくできるだけの算段をつけた。
意外に熱くなりやすい海都はただただ了承し、それからは無駄な背伸びはせず彼女の援護と回復に専念した。
景色は少し変われど相変わらずのこのシャボンの天、されど敵を倒す度に戦い方を理解するほどに変われるその若々しい強さで、若者たちは手ごろな強さの鼠退治を繰り返していき────
その最中、武器チップを手に入れては消費していく過程でいつもと違うガンが出てきた。拡散するビームを放つ普通のものより強力でかなり珍しい形をしたハンドガンだ。その分類はハンドガンというよりはもはやほぼ装着する白い盾であり、片腕でしっかりと構え、もう片方の手でグーで握って弓のように力を入れ引く必要のある、なんともまぁ御大層な重いトリガーがある。
素晴らしい威力で敵対する鼠たちを垂れ流すビームに串刺していったその誇らしい武器を見ながら、戦闘終わりの彼女は海都の方へとはしゃいだ様子だ歩み寄っていった。
「は、なにそれなにそれ!! ちょっとおお滅茶苦茶強くない??(盾からさっきのやばいビーム? てか当たりそうだったんだけど私)」
「ナンダコレ……??(いや当てるつもりは……ごめんっっ!) さぁ…鑑定したらハンドガンだったはずだけど……やっぱ盾っだよね? これ?? あ、そういやチップの中にはなんか〝当たり〟ってやつが極たまにあるって前に先生も言ってて……。それだったみたいっすね! うおおラッキーかもこれ月山さん!!」
「ラッキーなのはめっちゃ助かるしいいんだけど、さっきから先生ってだれ? D組の岬先生のこと?」
「あっ、えっとちがくて雷夏先生っすね。あのなんというか青髪で赤目のその」
「あー……アレかあれねぇ……入学式で校門の前に突っ立ってた、やけに目立つジャージのね。なぁんかちょっとおかしいよねあの先生(ん?入学式楽天くんいたっけ?)」
「えっとまぁはは……俺の知ってる限りではほぼ……元気でおかしいっすね(すんません俺その人に連れられてダンジョンにいました…)」
「「はははははあははは」」
「なにそれぇウケるじゃん入学式にダンジョンってあはは。ってちょっとおおおおおお元凶その人じゃん! その人がポケット災害……じゃなくてダンジョン隠してたんでしょおおお!」
「え!? あ、ハイ? そういえば……そっすね?」
「「……あははははは」」
「まじさいあくなんだけど……その先生今どこ? あ、スマホ!」
「今日は野暮用らしくて……それに先生が言うにはスマホはダンジョンじゃ連絡通じないって言ってましたね……あ、試します?(俺もやったことないんで……)」
「だはぁぁ……試すけどタメすけどッいったんちょっと休ませて……ちょっと無理、水ちょぉだい……」
「水……ないっすね……(なんも考えず急いでたんですんません……)先生のその辺のリュックでも持ってくればよかったかもしれない……あぁ、なんで俺って……あのときそんなこ」
「たはぁぁ……わかったもういいから一旦座ってやすもっ?」
「えぇっと、ハイ」
明かされていく彼が知っていて彼女が知らない緑蜜高等学校、ダンジョンの秘密に、聞かされる度に何度も彼女は溜息のレベルを上げていった。月山は出したこともない音色の溜息を出し疲れ、一旦座り休むことを提案し、海都は返事をし彼女のお疲れの表情に呼応するように辛そうな苦笑いを浮かべた。
こんな目に合っている元凶は、あの印象的で月山雨楽楽も覚えていた青髪赤目の雷夏先生である。そう嘆きつつも、自分にも迂闊な好奇心で見知らぬ夢の地を突き進んで……からの、ポケット災害に巻き込まれているとも知らない能天気で無知だった分の責任がある。
何故か少し熱く感じたおでこを抑えながら、月山雨楽楽はまたいくら吐いても果ての無い溜息と共に、しゃがみ沈んでいった。