雷夏先生とゆく、緑蜜高等学校ダンジョン部!!! 作:山下敬雄
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ウツボ姫の支配する新しい領海の名。貝間たちを中心に構成された選りすぐりの海の編成戦力を持つ。
この海に喧嘩を売り噛みついてきたものは……何者でもただでは済まされないだろう。
ただしかし、最近は獰猛な靭のその牙も錆びてきているという…あらぬ噂もどこぞの海をただよい流れているとか。
外海はおおきくわけて王海・娯闘海・貝海・黒海・獲海から成る。
【王海】はウツボ姫とそれに近しい者たちが共に暮らす特別絢爛なエリア。
【娯闘海】は華やかで商魂逞しい娯海と荒れ渦巻く血気さかんで逞しい闘海が統合された今最も活気に満ちたエリア。貝間たちの貝の取引市場と海中闘技場が有名である。
【貝海】は一般貝間たちが暮らすエリア。
【黒海】は特別厳重に管理されている暗がりの海……この海に関する情報を持つ者は限られている。浅瀬には出せないような煙たい話題も多くそれをきちんと閉じて管理するのも黒海の重要な役割である。
【獲海】はこれまでのダイブ記録で獲得した
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ウツボ姫はしばらく私用で謁見はかなわない……との知らせを伝えきいた海都は今現在
湯上り後の取り調べという体のサンゴとの話し合いで、今は帰ることが叶わないと海都はとりあえず納得した。処遇を保留にされたとはいえそれは範疇外の自由、トップであるウツボ姫に会うことが叶わないのならばこの領海を勝手に出ていくことはできないのだ。
もっともそのダンジョン部の部室エリアへと帰還する術も海都自身もあまり分からないので、海扇部隊隊長のサンゴの話をよく傾聴し自分の持っている手がかりとなる情報をなるたけ出せる範囲で考え伝えるしかなかった。
サンゴも珊瑚牢に彼を入れたときのような厳格な尋問のような雰囲気ではなく、必死に情報を提供する彼がすこしあからさまに隠し言いよどんだ事までを問い詰めるまではいかず。
今は独り……話すだけを一旦話し終えて、苦しい悩み顔を浮かべているそんなゲストに、サンゴも少し気を利かせたのか──話題を変えて気になっていた別の事を問うた。
「ところでこの丸いのは一体なんなのだ。何かの化石か? 貝間の持ち貝ではなさそうだが……」
自宅であるが厳ついシェルアーマーを纏ったピンク髪が押収していた物品のひとつを持ってきて、彼に提示して問う。
抱えたそれは丸い円盤。今はコンパクトに仕舞われており、謎の円盤からはえる海老のひげのような触角を伸ばしたりしながらサンゴは不思議そうにしていた。
「あぁっとそれは……だ、ダンクレー! クレープを焼く…ヤツ! …ダンジョンで! あ…────っす!」
「だんくれぇ? くれぇぷお……?」
言葉が通じても理解できない言葉。
ダンクレー、クレープ、そしてダンジョン。
急に声のボリュームを高め元気になった少年の語らいに、サンゴはゆっくりとその首を傾げざるをえなかった。
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クレープとは彼の海では一般的に小腹が空いたときに食べる薄い鰭のような食べ物である。
そしてその鰭で様々な具材を包み込むことで無限のバリエーションがある食べ飽きることのないもの。
三角状に折りたたみ包み、中身は甘いものが多い。
中でも生クリームとイチゴ味とチョコ味が美味しい。
かぶりつき、口元にクリームをつけながらサンゴはそう理解した。
毒見という体で設けた未知の海の未知の料理【クレープ】の試食の時間は────甘い。
だが海都にとっては額から汗を流し、いつも店で使っている若葉色の勝負バンダナを汚すほどに……息をのむ。
「イチゴとチョコというのですか。……とても好みの味をしています」
「本当っすか!!? や、やったー!! ──っし!!!」
目を輝かせているのはどちらか、といえば少年の方。
試食者の良好な反応をきいた瞬間に良い意味での握りこぶしを作るほどに、食べた本人よりも作った本人が唸る。
それもそのはず、彼の愛するクレープが全く違う食文化を持つ異海でも『好みの味』だと言ってもらえたのだ。ある意味では、立ち上げたダンクレーで焼き上げたその一枚一枚に……クレープグレープグループそのものの命運を背負っていたともいえるクレープ試食会。
そんなクレープ屋の息子、楽天海都はほっと胸をなでおろすのも忘れて先にいたく喜んでいる様子だ。
文字で唐草模様をまねたCGGと幾多も連ね描かれた紫包装を両手いっぱいに手にしながら、サンゴはもう一口、イチゴ味の甘酸っぱさのあとにすこしほろ苦くくせになるチョコ味にかじりついた。
のちほど湯のシーンを500字ほど加筆よてい。